5/3 京都戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW<br />
supported by めちゃコミック

INTERVIEW2024.5.02

5/3 京都戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW
supported by めちゃコミック

<前節・アルビレックス新潟戦のレビュー>

3勝3分3敗、得失点差0という成績で迎えた“リスタート”の一戦は、青赤軍団が素晴らしい内容のゲームを展開し、3-1で勝利。アウェイの地で今シーズン積み上げてきたものを披露し、ここまでの成績が単なる五分ではないことをしっかりと証明してみせた。

ボールを保持して攻め込んでくるアルビレックス新潟。東京は序盤からボールを握り合う様相を見せながら、コンパクトな陣形でパスの出先を抑え、中央を締めて相手に決定機を作らせない。攻守において全員の集中力と予測の早さ、出足の良さが際立った。

この試合でヒーローになったのが、東京の全3ゴールに絡んだファイター。右サイドバックとしてスタメン出場した白井康介選手だった。

まずは前半39分、エンリケ トレヴィザン選手が鋭い出足でカットしたボールを自陣から縦につなぐと、その先を見越したように全力疾走で右サイドを駆け上がる影。ポストに入ったディエゴ オリヴェイラ選手からのボールを受け、そのまま縦方向にトップスピードで突進し、相手ゴールキーパーとディフェンダーの間に絶妙なグラウンダーのクロスを供給。鮮やかな崩しから仲川輝人選手の先制点をアシストした。

後半4分にはペナルティアーク付近にスルスルとフリーで進入し、左サイドからつないだボールにラストパスを要求。そして仲川選手の優しい横パスをダイレクトで振り抜き、押さえの効いたシュートをゴール右隅に沈めた。

さらに後半17分には右サイドの高い位置でロストしかけたボールを周囲と連携して粘り強く奪い返して3点目の起点に。その後、選手交代で左ウイング、左サイドバックとポジションを変えてもアグレッシブな姿勢を貫いた。

まさに神出鬼没。鋭いインターセプトでチームを救えば、スタジアム中がボールに目をとられているスキに右サイドを駆け上がって先制点を演出。誰にもマークにつかれないまま忍者のような動きでゴール前に顔を出し、2019シーズン以来となる得点もマークした。

ここにも白井、あそこにも白井。ピッチ上に分身した99番がいるかのような存在感があった。多くの選手が持ち味を発揮するなか、一際大きな輝きを放ったのが、“分身の術”を使ったかのような動きを見せた99番だった。



<マッチプレビュー>

味スタでFC町田ゼルビアに悔しい敗戦を喫した後、アウェイでのアルビレックス新潟戦で頼れるエースが復活した。仲川輝人選手の先制ゴール、白井康介選手の追加点に続いて、新潟を突き放すチーム3点目を奪ったのはディエゴ オリヴェイラ選手。今シーズン初ゴールを挙げた背番号9は「サポーターもチームメイトもみんなが私を助けてくれ、支えてくれていることに感謝したい。ピッチに立てたこと、ゴールを決められたことは最高だけど、これを継続させていきたい。みんなのために私は頑張っていきたいんだ」と感謝の言葉を口にした。

今節は白井選手が古巣の京都サンガF.C.を迎え撃つ一戦だ。新潟戦では自身にとって5シーズンぶりとなるゴールを挙げて好調ぶりを示した。5月1日に30歳になったばかりの白井選手は「お世話になったチームなので、成長した姿を見せて勝ちたいです。2戦連発になったらすごいと思うので、一応ゴールを狙っていきます。曺さんの前で恩返しゴールを決めたい」と強い意気込みを語っている。

チームにとっても、勝てば今シーズン初のホーム味スタでの勝利。ファン・サポーターが待ちに待った1勝を、全力で獲りに行く。


今節のマッチデープログラムはこちら



[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、5月は公式戦8試合を控える過密日程です。どのように臨みますか。
A、多くのフットボールのゲームがあることはとてもエキサイティングだと思います。我々がどのようなチームになっていきたいか、成長の過程を多くの方々に見ていただける機会でもあります。多くの試合を控えていますが、まずは目の前の試合に集中することが重要です。

Q、1試合で複数得点を奪えるようになってきていて、攻撃面の成長が窺えます。
A、もっと成長できると思いますが、我々にとってはポジティブな部分です。良いものをピッチ上で表現できるようになってきている手応えを感じています。ファン・サポーターのみなさんが誇りに思えるようなクラブ、戦い方を今節の試合も表現できるように求めていきたいです。毎試合、選手たちも強い気持ちで臨んでいますし、自分たちの戦い方に焦点を当てることが重要です。メンタルの部分が高いパフォーマンスに直結します。

Q、現時点で、得点数がJ1リーグトップの17ゴールですが、失点数はワースト4位の15失点です。
A、得点数については満足しています。我々のフットボールを表現したことで返ってきた数字です。継続して伸ばしていきたいと思います。失点数については、改善しなければならない点の一つです。守備の基本としている部分をもう少しタイトにすることで改善に繋げていきたいですし、得失点どちらも我々が進めてきたこと、ここまでの内容など、自分たちに矢印を向けることが重要です。継続することが成長に繋がります。自分たちのフットボールを積み上げていくことで、第38節が終了した時にどの順位で終えられるかが証明できると思っています。走行距離やスプリント回数などフィジカル面の数値も伸びてきています。リーグ全体の数値を見ても上位につけていますし、これまでの東京にはなかった変化の一つと言っても良いはずです。今後も継続とタフさを求めていきます。



[選手インタビュー]
<白井康介選手>


Q、大活躍のアルビレックス新潟戦の振り返りからお願いします。
A、試合を通して、チームとしてやることが徹底できていました。ボールを握られる時間もあるだろうという想定のなかで、カウンターから得点を奪い、後半の早い時間帯に2点目、その後に3点目を奪えたことが試合を優位に進めることができた要因だと思います。最後の失点はもったいないものでしたが、それ以外は本当に良い流れの試合展開でした。

Q、1ゴール1アシストと、好調ぶりが窺えます。
A、コンディションはとても良いです。得点も5シーズンぶりでしたし、とても嬉しかったです。東京ヴェルディ戦、新潟戦でアシストを二つマークしましたが、それとはまた違った喜びがありましたし、 少しホッとしました。股抜きまでは全然狙ってはいませんでしたが、しっかりと狙ったコースにボールが飛んでくれました。

Q、ヴェルディ戦、新潟戦では白井康介選手の特長が活きたアシストシーンがありました。
A、チームとしても、もちろんサイドバックの攻撃参加やポジションどりの狙いはありますが、僕自身の特長をチームメイトも理解してくれている部分が大きいと思います。アシストのシーンについては、僕の得意な形が表現できました。どちらのシーンも自分の前にスペースがあって、スプリントをかけてスピードに乗ったプレーができました。特長を活かすことと、それに合わせて結果もついてくると、味方とのコンビネーションが増えてきて、プレーの幅も広がってきている手応えがあります。

Q、ここから上位を狙っていくために重要なポイントを教えてください。
A、新潟戦の試合終盤の失点や、FC町田ゼルビア戦のような失点(2失点目)をなくすことだと思います。得点は奪えているので、もっと上に行くために、まずはイージーな失点をなくすことがポイントです。

Q、今節は京都サンガF.C.との一戦です。
A、京都には本当にお世話になりましたし、僕を成長させてくれたチームです。僕自身が成長している姿をピッチ上で、プレーでみせたいと思います。勝って恩返しをしたいです。

白井康介選手 ORIGINAL COLUMNはこちら



<ディエゴ オリヴェイラ選手>


Q、前節の振り返りをお願いします。
A、寺山翼選手が前半に怪我をしてしまうアクシデントもあり、予定よりも早いタイミングでピッチに入りました。サッカーは色々なアクシデントや想定外なことが起こりうるスポーツですし、慌てることなく途中出場という形でしたが冷静に試合に入ることができました。良いプレーができた手応えもありましたし、得点も決めることができて良かったと思います。次にどのようなチャンスがくるかは分かりませんが、しっかりと良い準備を続けていきたいと思います。

Q、リーグ戦開幕後、メンバーや配置にも多少の変化がありました。
A、チームは開幕以降、良い方向に進んでいると思います。そのなかで、様々な変化に選手それぞれが順応し、成長することが求められていると思います。変化が好調に繋がっているとも考えられます。

Q、現在のJ1リーグ総得点数とシュート決定率のどちらも東京がトップです。得点力向上の、まさに“変化”が感じられます。
A、数字に表れていることが何より嬉しいです。昨シーズンはチームとしての得点力に課題が残りました。今シーズンに入って、その課題が一段階クリアになったということであれば、ここから一歩一歩良い方向に進んでいきたいです。今シーズンも前線に良い選手が揃っていますが、フォワードの選手だけの成果ではないですし、ディフェンスの選手たちのビルドアップや攻撃を開始するようなパスが増えてきている証だと思います。チームとしてフィニッシュまでの形が整理できていて、前線の選手たちがしっかりと決め切れています。全体がまとまっている、練習から良いものを積み重ねられていることが結果に繋がっていると思います。

Q、今節の相手である京都サンガF.C.は守備の強度が高く、攻守にわたってアグレッシブなプレーが強みです。
A、京都は前節、ヴィッセル神戸に勝利して、非常に勢いのあるチームだと思います。攻撃時のクオリティも高いですし、なにより、フィジカル面の要素に強みを持っている印象があります。次の試合も難しい試合展開になると思いますが、味の素スタジアムでの今シーズン初勝利を掴むために、集中を切らさずに、タフに戦いたいと思います。



<野澤零温選手>


Q、直近の公式戦で、徐々に出場機会を得られている手応えと課題を教えてください。
A、少ない出場時間のなかで、チャンスやシュートシーンに関与できていることは手応えとして感じていますし、僕自身の特長であるスピードを生かしてボックスまで進入できていますが、最終的に決め切ることができず、数字や結果で示すことができていない点が課題です。どのような形であれ結果を残すのがストライカーですし、結果にこだわっていきたいです。

Q、Y.S.C.C.横浜戦、アルビレックス新潟戦、どちらも大きなチャンスを呼び込むプレーがありました。
A、練習や練習試合のコミュニケーションが試合に出ていると思います。僕自身がどのようなプレーヤーかを周りの選手が理解し、引き出してくれています。周りと繋がった連動したプレーを今シーズンは特に意識していますし、周りに活かされているからこそ、得点で期待に応えたい気持ちが強いです。数字で返していきたいです。

Q、リーグ開幕当初に悔しい想いをしていた高宇洋選手や白井康介選手、安斎颯馬選手らがチャンスをものにして、スタメンに名を連ねています。彼らの活躍はやはり刺激になりますか。
A、僕と同じようなポジションの選手たちの活躍には刺激をもらっています。まずは、与えられた時間や途中から出場した時に“自分には何ができるのか”を考えて、求められているプレーを結果として示していかなければいけません。チャンスをものにして、チームに欠かせない選手に成長している彼らを見習い、追い越していきたいです。1試合のうちに何度もチャンスがくるスポーツではないので、訪れたチャンスをものにする、そのための準備を怠らない意識が重要です。もっと突き詰めて、自分に足りない部分にしっかりと向き合っていきたいと思います。