5/15 名古屋戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW<br />
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INTERVIEW2024.5.14

5/15 名古屋戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW
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<前節・柏レイソル戦のレビュー>

溜めて、溜めて、全体重を乗せた渾身の一撃を撃ち抜く。おなじみの“フィニッシュホールド”のようなゴールを、チームに戻ってきたばかりのキャプテンが得意の左足で突き刺した。

AFC U23アジアカップカタール2024でパリ五輪出場権と優勝トロフィーを手に凱旋したU-23日本代表組が今節から復帰。そのなかで柏レイソル相手に松木玖生選手が圧倒的な存在感を見せていく。重心の低いドリブルで相手の寄せを引き剥がし、ボックス トゥ ボックスでピッチを所狭しと走り回る。さらに素早い予測と出足の鋭さ、意欲的なミドルシュートでチャンスに絡んでいった。

立ち上がりに自陣でのボールロストから先制点を許した東京だったが、そこから抜群の距離感と複数選手が多方向に動く変幻自在のパスワークで柏を圧倒。仲川輝人選手のヘディングですぐさま同点とすると、ディエゴ オリヴェイラ選手が自身リーグ戦4試合連続ゴールとなるペナルティキックを沈めて逆転に成功。そして前半37分、松木選手がクラブ史に残るようなビューティフルなボレーシュートを突き刺す。

バングーナガンデ佳史扶選手の左コーナーキックから中央で競ったボールがペナルティアーク付近にふわりと落ちようとした瞬間、後方から走り込んできた7番が左足を一閃。押さえを効かせたダイレクトのジャンピングボレーで追加点を叩き込んだのだ。

どよめく味の素スタジアム。地鳴りのような歓声が沸き上がり、スタジアム全体から降り注ぐ“歓喜の雨”を一身に浴びながら、青赤に戻ってきた背番号7が得意の“レインメーカー”ポーズを披露した。

圧倒的な展開で試合を優位に進めるなか、前半終了間際にゴールキーパー波多野豪選手が退場。これを機に流れが変わると、後半に2失点を喫して3-3のドロー。数的不利な状況で柏に押し込まれながら何度も効果的なカウンターを仕掛けたが、試合に決着をつけることはできず。終盤の相手の猛攻を耐え抜いて勝点1を手にするにとどまった。


<マッチプレビュー>

5月15日の“Jリーグの日”に東京が臨むのは、アウェイでの名古屋グランパス戦。長谷川健太監督に率いられたチームには永井謙佑、米本拓司、内田拓哉の各選手が在籍しており、青赤とも縁の深いメンバーとの対戦となる。

前節、柏レイソル戦のドローで連勝が3でストップした東京。首位との勝点4差は変わらず4位をキープし、今節で引き分けを挟んでの4連勝に挑む。ここまで24得点はリーグ最多。1試合あたり1.85得点という破壊力を誇る攻撃陣は、前節も3ゴールを挙げるなど好調だ。

今シーズンはすでに12選手が得点をマークするなど、どこからでも点をとれる強みを存分に発揮している。ディエゴ オリヴェイラ選手はここまで4戦連発中。名古屋戦でゴールを決めれば、2019シーズン4月に記録した自身最長タイ記録に並ぶ。彼にとって青赤でのリーグ戦200試合出場となる節目のゲームでどんな活躍を見せてくれるのか。また、前日14日に20歳の誕生日を迎えた俵積田晃太選手の躍動にも期待が集まる。左サイドで抜群の突破力を披露している33番が、自らバースデーゴールを決めるかにも注目しておきたい。

対する名古屋は、開幕3連敗で最下位に沈みながら、そこから5勝1分と一気に急浮上。第12節ではサンフレッチェ広島に初黒星をつけた。最近4試合は1勝3敗と波に乗り切れないが、選手個々がリーグ上位を争うレベルの力を持っているのは間違いない。特にパトリック、キャスパー ユンカーという前線の両選手が持つ得点力は脅威。そして永井選手が前線から仕掛けてくる猛プレスの威力は、我々もよく知るところだ。

前節のガンバ大阪戦では得意の積極的なプレスを展開できず、全体的に後ろに重くなって黒星を喫している。中3日の過密日程ではあるが、東京戦に向けて気持ちを入れ直し、自分たちのサッカーを見つめ直して果敢に挑んでくる可能性は十分にあるだろう。

東京としては前節の反省を活かし、ビルドアップでのバタつきは整理しておかなければならない。基本的に角度をつけたパスでプレス回避することはできているだけに、微修正することで対応はできるはず。また、ゴールキーパー波多野豪選手が出場停止となるゴールマウスに誰が立つのか、そしてU-23日本代表から戻ってきた荒木遼太郎選手がメンバー入りするのかは気になるところだ。

4戦無敗の期間、相手の出方に応じた戦い方ができるようになっている点もチームとしての積み上げを感じさせる部分。今節も決して受けることなく、アグレッシブな東京スタイルで真っ向勝負を仕掛け、しっかりと得点を重ねて勝利することで上位争いに加わり続けていきたい。



[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、ボールを握る時間を増やすと、柏レイソル戦のように失点に繋がるミスが起こる可能性も高まると思いますが、継続してチャレンジすることが重要ですか。
A、チャレンジしながら、試合で起きてしまったミスから学ばなければいけません。柏戦は今言ったようなミスもありましたが、ボールをうまく動かしながら、守備の面も含めて、我々のフットボールを展開できていました。前半に関して言えば、柏が我々のボックス内に進入して放ったシュートの数はゼロです。ボールロストから失点はしてしまいましたが、ボックス内で相手にプレーをさせる回数を制限できた前半でした。つまり、我々のフットボールを展開することは、良い守備にも繋がっているということです。ネガティブな場面も起こりましたが、そのような状況でどのように反応するべきかを選手たちは整理してピッチで良いパフォーマンスを表現してくれました。

残念ながら退場者が出てしまいましたが、選手たちはホームでの勝利を最後まで諦めることなくプレーし続けてくれました。彼らが試合を通して見せてくれたメンタリティをリスペクトしています。我々は成長過程にあるチームです。継続すること、試合から学ぶこと、改善をして次に生かすことが、私たちが夢見る場所へチームを近付けるために必要な要素だと思います。

Q、今節は名古屋グランパスとの対戦です。
A、チームスタッフと映像を確認して、選手たちに良い情報を落とし込みたいと思っています。自分たちの戦い方がより進んでいくために、良い準備をして名古屋戦に臨みたいです。名古屋は調子を上げてきているチームですし、タフな90分になると考えています。前節はガンバ大阪に敗れたことで、今節の対戦で勝利に向けた改善や対策を講じてくるでしょう。ですが、私たちは我々の戦い方にフォーカスしていきます。今日の練習もシャープに取り組むことができていました。勝利を収めることに集中しています。

Q、名古屋は守備の堅さに特長のあるチームです。
A、名古屋は良いチームです。どのようなチームにも特長や強みがあり、侮れません。世界最高のチームと戦おうと、J1リーグのチームと戦おうと、相手がどのようなチームであれ、我々のフットボールを表現すること、日々の練習や試合を通して、継続的に成長し続けることにフォーカスしています。一つひとつの試合に意味があります。まずは目の前の相手に勝つこと、名古屋に勝つことに集中していきたいと思います。



[選手インタビュー]
<野澤大志ブランドン選手>


Q、今節出場の可能性が高いなか、どのような意識をしていますか。
A、柏レイソル戦でいえば、前後半それぞれの立ち上がりの失点が試合を難しくしたと思います。試合の入り方を丁寧に進めたいです。チームとして、立ち上がりの試合の進め方を整理すること、僕自身としてはゴールキーパーとして、簡単に失点しないことを意識したいです。

Q、どのようなプレーを自分自身に求めていきたいですか。
A、チームとしてやること、そのために僕自身がやらなければいけないことを合わせていくだけだと思います。サッカーなので90分のうちにミスは起こりうると思いますが、チームとしてカバーできれば、全く問題ないと思います。ゴールキーパーというポジションは、起こってしまったミスをカバーできる最後の砦です。極端な話、ミスが失点に繋がらないようにできれば、最低限、次のプレーに繋げることができる唯一のポジションだと思っています。まずはチームとしてやるべきことを最優先にプレーしていきたいです。

Q、失点を抑えるために重要なポイントは何ですか。
A、まず、チームとして流れを良くするために先制点をとることが重要なポイントです。そして、さらに2点目3点目をとっていくというスタイルはとても大事になってくると思います。同時に、前かがりになるタイミングで、ゴールキーパーあるいはディフェンス陣が一人以上の力を出すことが必要になってきます。前線の選手が頑張ってくれているところに後ろの選手がどれだけ応えらえられるかが重要です。互いのスペースをカバーしたり、ミスをしたら周りの選手がカバーしていくような、チームとして前向きな守備をしていければと思います。



<俵積田晃太選手>


Q、お誕生日おめでとうございます。20歳をどのように過ごしていきたいですか。
A、ありがとうございます。20歳という節目の年齢を迎えた感覚ですが、まだ実感はないです(笑)。今まで以上に責任をもって、サッカーもそうですが、プライベートも充実させていきたいと思います。

Q、柏レイソル戦では、俵積田晃太選手のクロスボールが得点に繋がりました。
A、ショートコーナーで相手を一人剥がしてからクロスを上げられたことが良かったと思います。クロスの質も相手ゴール前の一人目、二人目の選手を越えてゴール前にいた選手が競りやすいボールを上げられたので、練習の成果が出たシーンだと思います。

Q、今シーズン、得意のドリブルからアシストはできていますが、まだドリブルからの得点はありません。
A、やはり昨シーズンと比べても警戒されていると感じますし、寄せも厳しくなっているので、ドリブルからカットインして打つシュートは相手のブロックに当たってしまうことが多くなってしまっています。ブロックに当たらないようにうまくコントロールしてシュートを打つことが得点に繋がると思うので、質を高めていきたいと思います。

Q、名古屋グランパス戦はどのように臨みますか。
A、今まで通り、やることは変えずに試合に臨みたいと思います。相手どうこうではなく、まずは自分たちのサッカーを表現することが大切になってくると思います。