<マッチプレビュー>
先週のJ1リーグ第17節・サガン鳥栖戦に1-0で勝利を収め、リーグ戦では5試合ぶりの白星。値千金のゴールを決めて勝利の立役者となった木本恭生選手は、自身の得点以上に「無失点の方がうれしかった」と語り、4月7日の鹿島アントラーズ戦以来となる完封勝利に「自分は守備の選手ですし、無失点の試合が本当になかったので自信になりました」と胸を張った。
また、この試合では中村帆高選手が途中からピッチに立ち、4月3日の浦和レッズ戦以来となる復帰を果たした。試合後は「ここから中村帆高の逆襲が始まる」と自ら語り、白井康介選手、長友佑都選手といったライバルとの定位置争いに闘志を燃やしている。
今節は味の素スタジアムにサンフレッチェ広島を迎え、JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフラウンド第1戦を戦う。各世代別代表に計6選手を送り出した東京は、総力戦でこの一戦に臨むことになるだろう。しかし、ピーター クラモフスキー監督の言葉に迷いはない。「私は自分たちのフットボールを信じている。もう一歩先に進むためにすべてを出し尽くしたい」と力強く語る指揮官のもと、チーム一丸となって勝利を掴みに行く。
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[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]
Q、ルヴァンカップでもチームとしての戦い方は変えずに、ホームとアウェイのそれぞれを戦っていきますか。
A、先日のサガン鳥栖戦、その前の数試合で何かが変わったかというと、何も変わっていないと思います。うまくボールを動かすこと、試合をコントロールするところもそうです。その狙いのなかで試合を支配できる時間帯がありました。先日対戦した鳥栖は、非常に良いチームで、我々の守備が試されていたと思います。そこでうまく対応できてプレスも効率良くかけることができていたと思います。良い守備が良い攻撃につながったところもありました。守備の決まりごとを徹底し、無失点に値するパフォーマンスでした。良いパフォーマンスを今節も継続し、改善していきたいです。
攻撃面については、2点目を奪うようなチャンスも作れていました。もしかすると別の日ならその2点目が奪えていたかもしれません。ただ、タフなアウェイゲームで勝点3を獲得できたことが全てです。継続性をもってチームを作っていきたいと思います。
Q、今節はサンフレッチェ広島とホーム開幕戦以来の対戦です。
A、先週の金曜日に試合があり、5月は公式戦が8試合もありました。疲れが溜まっていることが普通だと思います。ですが、そのような状況でもチーム全員がハードワークをしました。中4日の機会をうまく使いながらフレッシュな身体に戻していくこと、水曜日の試合に向けてしっかりと準備をしていきたいと思います。
Q、練習前にはグランドで選手たちに熱く語りかけるシーンも見受けられました。
A、我々がトロフィーを獲るために、一歩近付くチャンスだと伝えました。トータル180分の戦いだと思っていますので、水曜日のホームゲームが前半、9日のアウェイゲームが後半だよ、と。全てのことに対して準備していく。自分たちの頭、心を整理して、我々のフットボールがピッチ上で展開できれば、どのような相手でも倒せるとも伝えました。
Q、日本代表の活動もあり、数選手がチーム活動から離脱しています。
A、自分たちにとってチャレンジだと思っています。ここ数日、多くの人に『これだけ代表に選手を抜かれるのは大変だね』と言われましたが、それが自分たちに課されたものだとしたら、どのような状況であれ“やれることをここでやるだけ”と思っています。私は、自分たちのフットボールと自分たちを信じています。もう一歩先に進めるように、全てを出し切ります。
[選手インタビュー]
<小泉慶選手>
Q、サンフレッチェ広島の印象を教えてください。
A、守備が堅く、前線には得点能力が高い選手が揃っています。攻守のバランスがとれていますし、総合的に見ても強力な相手だと思っています。
Q、ホーム&アウェイの初戦になります。初戦の重要性をどのように捉えていますか。
A、ホームで良いゲームができなければ、アウェイゲームを難しくしてしまう可能性が高くなってしまいます。初戦のホームでしっかりと仕留める意識が重要です。大会のレギュレーションは、1戦目を終えた後に考えれば良いと割り切るくらい、この試合で全てを出し切ること、90分が終わった時に勝利で終えられることを求めていきたいと思います。最初にホームで戦えることがプラスに働くと思いますが、2試合ある、という意識は持たずに、ホームでしっかりと勝ちたいです。
Q、練習前にはピーター クラモフスキー監督からどのような話を受けましたか。
A、今いるこのメンバーで、次の試合に向けて戦っていこうと話がありました。日本代表の活動で何名か抜けましたが、広島も同じだと思います。選手が抜けても、能力が高い選手が東京には揃っていると思います。今いるメンバーで一つになって勝ち切ることで得られる自信が、チームを強くしていくと思います。そして、良いチーム内競争が生まれると思います。誰一人として、ポジションを確約されている選手はいませんし、試合に負けてしまえば、次の試合出場も難しくなります。たとえ勝ったとしても、個人のパフォーマンスが低ければ同じです。そういう危機感を全選手が持ってシーズンを過ごすことができていると思います。
<徳元悠平選手>
Q、前回のルヴァンカップのサガン鳥栖戦を振り返ってください。
A、前半は思うように試合を進めることができませんでしたが、ハーフタイムに修正をして、後半は試合をうまく進めることができました。セットプレーから得点を奪うことができましたし、追加点に繋がるようなチャンスも作ることができました。僕を含めて、ディフェンス陣が守り切れなかったことで、120分の戦い、ペナルティキック戦までもつれる試合展開になってしまいました。最後までコミュニケーションをとりながら、試合を進めていかなければいけないことをあらためて学ぶことができた試合になったと思います。ペナルティキック戦含め、試合前日までチームとして準備していたものが表現できた試合でもありました。チーム一丸となって戦えた試合でした。
Q、久しぶりの公式戦出場、120分のプレータイムにも動じることなく戦えたのは、日ごろの“準備”が活きたということでしょうか。
A、いつでも試合に出場できる準備はしていました。それは、プロサッカー選手としてやらなければいけない最低限のことだとも思っています。120分のプレー時間は、正直しんどい部分もありましたが、東京の勝利を常に念頭に置いてプレーしていましたし、その想いが結果にしっかりと反映されたことを嬉しく思います。
Q、今節はサンフレッチェ広島との対戦です。
A、非常にやる気に満ち溢れています。左右関係なく、サイドバックの選手たちが今シーズンしっかりと結果を残しているなかで、僕や中村帆高選手も練習から闘志を燃やして取り組むことができています。広島は、攻守においてバランスがとれていて隙がないチームですが、しっかりと頭を使い、声で味方に伝える、自分自身100パーセントのプレーを表現できれば、勝利に繋がると思っています。チームとしての一体感を出して、試合に挑みたいと思います。ホーム&アウェイの試合ですが、初戦勝利が絶対条件です。9日に2戦目を戦う時に『また東京と戦うのか』とメンタル面でも相手にそのように思わせることが重要です。一つひとつのプレーを大切に、試合を進めていきたいと思います。