8/24 京都戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW<br />
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INTERVIEW2024.8.23

8/24 京都戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW
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<前節・東京ヴェルディ戦のレビュー>

絶対に負けられない一戦で、青赤の守護神が圧倒的な存在感を示した。

ホームに東京ヴェルディを迎え撃った明治安田J1リーグ第27節。味の素スタジアムに39,921人の観衆を集めたゲームは、序盤から東京が攻勢を仕掛けていく。

状況を見ながらボールをつないでサイドに散らし、無理に仕掛けることなく支配率を高めていく。高宇洋、荒木遼太郎の両選手が中央でリズムを作り、ディエゴ オリヴェイラ選手のポストプレーを活かしながら主導権を握った。

だが、なかなかゴールネットを揺らせずにいると、試合は徐々に相手ペースの展開に。後半20分過ぎからは何度もピンチを招いたが、ここで立ちはだかったのが野澤大志ブランドン選手。東京ゴール前に鍵をかけ、何度も決定的なチャンスを防ぐ。

横っ飛びで相手のヘディングシュートを弾き出せば、コーナーキックから中央で合わされたボールも右手を伸ばしてビッグセーブ。ワンバウンドする難しいシュートに対して素晴らしい反応を披露する。さらに終了間際にもカウンターから絶体絶命のピンチを迎えたが、これも野澤選手がわずかにコースを変えてボールは枠外へ。

その姿はまさに“守護神”。ゴール前での存在感、そして最後の砦に彼がいるという安心感は試合ごとに高まっている。ノリ始めたら止まらない。次も止めてくれるはず──。そんな感覚を、観ている者の心に宿してくれる選手になりつつある。だが、

「攻撃がうまくいかなくても、今日は絶対にやらせないという気持ちをみんなが持って、身体を張って守れた。(シュートに対しては)“来た”“止めてやる”という感じで強気にプレーできています。常に向上心を持っていますし、まだまだもっとできる。手応えはありつつも、試合で勝つことができていないし、もっとチームに良い影響を与える選手になりたい。チームとしては我慢の時期もあるので、まずはゴールキーパーとして自分がやれることを徹底していくだけです」

今年に入って日本代表としてAFCアジアカップを、そしてU-23日本代表としてパリ五輪を経験したアカデミー育ちの若き守護神は、さらに上をめざして意欲的に戦い続けている。

試合はスコアレスのままタイムアップ。絶対に勝利が欲しい一戦は、野澤選手のファインセーブに助けられながらも勝ち切れず、引き分けという悔しい結果に終わった。


<マッチプレビュー>

青赤の誇りを懸けて、チームの意地とリバウンドメンタリティが試されるゲームになる。

中断明けからの3試合は1分2敗。まだゴールネットを揺らすこともできていない。前々節は川崎フロンターレに0-3で敗れ、前節は東京ヴェルディとの大一番でスコアレスドローに終わった。リーグ戦再開後に勢いに乗りたかったタイミングでの苦境。上位との差を縮めるために、そしてチームが再び一丸となって先へ進むために、今節は是が非でも白星を手にしなければならないゲームとなる。

まずは無得点が続いている攻撃陣の奮起が期待されるところ。テコ入れを図りたい試合でどんなメンバー編成になるかは不透明だが、選手個々が高い能力を持っているのは間違いない。まずはその能力をピッチ内でどう組み合わせるのか。その組み合わせにおいて、選手たちの特長をどう“掛け算”をしていけるのかがポイントだ。試合展開を読みながらクレバーに戦い、選手たちが躍動する姿を期待したい。

対する京都サンガF.C.は現在8勝7分12敗の16位。順位だけを見れば下位に低迷するチームに思われるかもしれないが、6月26日に行われた第20節柏レイソル戦以降、5勝2分1敗と一気に復調。その最大要因が新外国籍選手を含めた攻撃陣にあることは明確だ。

中断期間前に合流したラファエル エリアス選手は加入からの5試合で5得点。前節のセレッソ大阪戦ではハットトリックを達成した。彼の合流以降、チームは4試合で10得点と得点力を高めている。加えてマルコ トゥーリオ、青赤アカデミー育ちの原大智の両選手も積極的なプレーでゴールに絡み続けている。まさにリーグ屈指の破壊力を持った3トップ。今の京都は順位にそぐわない非常に危険な相手と見るべきだろう。

6月下旬には米本拓司選手が名古屋グランパスから期限付き移籍し、インサイドハーフで中盤の潰し屋として存在感を強めている。また、かつて青赤の指揮官を務めた大熊清氏が今シーズン途中からGMに就任。新戦力を獲得して京都を再浮上させている。こちらも懐かしい再会ではあるが、彼らを乗り越えて勝利をめざして突き進まなければならない。

東京としてはしっかりと相手攻撃陣をケアしながら、まずはゴールを奪っていきたい。試合は8月24日(土)サンガスタジアム by KYOCERAで19:00キックオフ。ここまでの悔しさと向き合い、溜め込んだ想いをアウェイで解放するべく、青赤軍団が京都の地に乗り込む。



[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、勝利から遠ざかっているなかで、今週はどのようなことを強調しましたか。
A、もちろん勝利を掴みとれていない悔しさがあり、それは選手・スタッフ全員が思っていることです。その感情や結果から逃れることはできません。我々はこの状況を乗り越えていかなければいけません。自分たちの戦い方を改善する、成長させていくだけです。まずは、京都サンガF.C.戦で良いパフォーマンスをチームとして表現することに集中しています。仮に連勝している時でも私は同じようなことを言っていることでしょう。 

Q、改善すべき一番のポイントはどのような部分ですか。
A、非常に難しい質問です。試合中には様々な局面やポイントがあり、すべて同等に重要なケースが多いと感じています。チームとして全体的な改善とパフォーマンスを出し切ることが大切だと感じています。

Q、今節は京都との一戦です。直近の試合で好調ぶりが窺えるチームとの対戦になります。
A、良い流れに乗っているチームだと思います。我々にとってはアウェイでの一戦ですし、非常にタフなゲームです。京都は直線的に攻撃を仕掛けてくる傾向があります。球際、切り替えがこの一戦では一番に求められてくる部分です。シャープに戦うこと、局面で負けないことが、我々のアドバンテージになると思います。恐れることなく、相手のスペースを突いていきます。

Q、京都の3トップは個の能力が高い印象です。守備面で求められることを教えてください。
A、危険なエリアでボールを保持させないこと、彼らにボールが渡らないようにすることが重要です。フットボールは、攻守において様々なチャレンジが求められます。そのなかで、自分たちの決まりごとを出し切ること、アラートに対応し、無失点で試合を終えたいと思います。



[選手インタビュー]
<野澤大志ブランドン選手>


Q、タフなアウェイでの一戦になります。どのような意識で試合に臨みますか。
A、今週のトレーニングも選手それぞれが京都サンガF.C.戦に向けて、良い雰囲気で取り組んでいましたし、どの試合に向けてもそうですが、“勝つ”という意識を強く持って取り組んでいます。もっと良くしていこうという意識が試合に良い形で繋がっていくと思います。

Q、京都を相手にどのようなプレーがチームとして求められますか。
A、コンパクトな陣形でアグレッシブに向かってくる相手ですし、球際の強さがあります。まずはそのような戦いで相手を上回ることが求められてくると思います。チームとしては、相手の背後を積極的に狙っていきたいですし、チャンスではゴール前に人数をかけていき、得点を奪うことが狙いです。チームとしての狙いを体現するためにゴールキーパーというポジションではありますが、良い形で最後尾から関わっていくことを意識したいと思います。

Q、直近3試合中2試合で完封。守備面で求められてくることを教えてください。
A、まずは、簡単にゴール前へ侵入されないことです。相手が深い位置をとってきたとしても、ディフェンスの選手を中心にチーム全体で、冷静な対応と押し返す我慢強さを表現していきたいと思います。僕自身はコーチングを含め、声を掛け続けて、前向きなプレーを促していきたいです。


<小柏剛選手>


Q、京都サンガF.C.戦に向けて、“得点力”が試合のカギを握っていると思います。
A、ガンバ大阪戦や東京ヴェルディ戦のように無失点の試合もありましたが、得点が奪えなかったですし、サッカーは点をとらなければ勝てません。フォワードとして、無得点が続いていることを反省していますし、今の良くない流れを変えるためにも、何がなんでも得点をもぎとる気持ちや姿勢を大事にしたいです。京都戦までの期間を使って、自分たちの攻撃の形を確認しつつ、泥臭くプレーしていきたいと思います。

Q、直近の試合では野澤大志ブランドン選手を中心に守備陣が奮闘しています。
A、守備陣の頑張りを感じていますし、試合後のヒーローインタビューがガンバ大阪戦も東京V戦も野澤選手だったのはチームとして(攻撃の選手として)良くない状況とも思っています。守備では、野澤選手がシュートを止める前に僕らがブロックするところであったり、攻撃陣は得点を奪うことであったり、チーム全体として危機感を持ってプレーする必要があります。しっかり得点を奪って、アタッカー陣がヒーローインタビューを受けられるように、勝利に貢献できるような試合にしたいです。

Q、勝利が欲しい一戦に向けて意気込みをお願いします。
A、勢いのある相手ですが、勇気を持って攻撃することが、得点や勝利に繋がると思います。無得点の試合が続いてしまっていますが、ゴールに向かう勇気を持ったプレーを心がけていきたいと思います。