9/14 名古屋戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW<br />
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INTERVIEW2024.9.13

9/14 名古屋戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW
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<前節・サンフレッチェ広島戦のレビュー>

勝ちたい。最後まで絶対にあきらめたくない──。応援してくれる人たちの想いに報いたいという背番号39の熱い気持ちが、意地の反撃弾を呼び込んだ。

中断明けの4試合でノーゴールと苦しんでいた東京が、リーグ戦5試合ぶりの勝利をめざして臨んだサンフレッチェ広島とのアウェイゲーム。

だが、一戦必勝を期していたチームが台風10号の大きな影響を受ける。予定を早めて試合前々日に移動を開始したものの、交通機関の麻痺で最終的に広島に到着できたのは試合当日の昼過ぎ。2日間と半日をかけて移動し、わずかな休息だけでスタジアムへ向かうことを余儀なくされた。それでも勝利のため全力を尽くすのがプロ。選手たちは決して言い訳を口にすることなく、エディオンピースウイング広島のピッチに立った。

試合は難しい展開を強いられた。相手のプレスに押し込まれる形が続き、開始5分で失点。さらに前半18分に追加点を許し、後半にはペナルティキックで3点目を奪われてしまう。

スコアは0-3。大勢は決したかと思われた。しかし、アウェイ側ゴール裏の声援がボルテージを下げることはなく、その空気に押されるかのように青赤の選手たちが意地の猛反撃で広島を追い込んでいく。

このままでは終われない。万難を排してアウェイ広島の地まで来てくれた人たちのためにも、そして各地から応援してくれている人の想いに応えるためにも。

そんな想いが結実したのは、後半34分だった。左サイドを力強いドリブルで突破した俵積田晃太選手が中央へ折り返すと、走り込んだ小柏剛選手が滑り込みながら強烈なシュートを蹴り込んで5試合ぶりのゴールを奪う。

残り時間が短くなっていくなか、勝利への強烈な意欲をむき出しにする男がいた。

6分間の後半アディショナルタイムに入った直後のことだった。右サイドのコーナーキックをショートコーナーで素早くリスタートすると、ボールを受けた仲川輝人選手がペナルティエリア内で縦へ仕掛けてゴールライン際まで進入。そこからシュート性の強烈なクロスを入れると、これが相手ディフェンダーに当たってゴールイン。

1点差に迫る執念の一撃をお見舞いした背番号39はすぐさまボールを拾い、センターサークルに向かって一目散に戻っていく。少しでも早く反撃を──。そんな気持ちがその姿に表れていた。

反撃及ばずタイムアップを迎えたが、移動のハンデを感じさせない終盤の猛攻、そしてゴールや勝利への強烈な意欲を見せながら、あと少しが届かなかった。

だが、間違いなく意地は見せた。ゴール裏サポーターも選手たちも、悔しさで目頭を熱くさせた一戦。この気持ちは必ずや未来へと繋がるはず。そう思わせるゲームだった。




<マッチプレビュー>

前節のサンフレッチェ広島戦は2-3で悔しい敗戦となり、6戦未勝利の長いトンネルを抜け出すことはできなかった。しかし、5試合ぶりの得点を挙げて再浮上への光明を見いだすことはできた。

小柏剛選手が途中出場からゴールを決めて反撃の糸口をつかみ、試合終了間際には仲川輝人選手のシュート性のクロスがオウンゴールを誘発。台風の影響で現地への移動が当日となるアクシデントにも見舞われたが、東京は意地の反撃を見せ、最後まで戦う姿勢を示した。試合後、仲川選手は「小柏選手のゴールも、オウンゴールも得点は得点。どんな得点でも入れば流れが変わると思ってきた。ペナルティエリア内でよりゴールに迫っていく気持ちをチーム全員がもっと出せれば、何かが起こる」と、得点への意欲を言葉にした。

今節は名古屋グランパスを国立競技場で迎え撃つ。前回対戦では東京の攻撃をうまく封じられ、アウェイで1-3と敗れた。仲川選手は「ファン・サポーターは毎試合、ホームでもアウェイでも力強く応援してくれている。それに応えなきゃいけない。僕たちにはその責任がある」と言う。舞台は東京がいまだ無敗を誇る国立競技場。“聖地”で約2カ月ぶりの勝利を挙げ、流れを変える契機としたい。

今節のマッチデープログラムはこちら


[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、2か月勝利から遠ざかっている苦しい状況です。
A、全員が勝ちたいと思っていますし、この状況に満足している選手は誰一人いません。自分たちの焦点を外さないこと、そして、次の試合に向けた準備をしっかりと進めていくことのみです。例えば自分たちが2連勝、3連勝して良い流れの時であっても、私は同じことを言っていると思います。自分たちに必要なことをしっかりと伸ばしていくこと、しっかり強化していくことが重要で、いかなる状況でもそれは同じです。

良い状況で流れを掴んでいる時、良くない状況の時、どのような状況であれ、意識や準備が変わることはありません。次の試合のことだけを考え、今の苦しい状況から勝ち進み、シーズンを終えられるようにしていきたいと思っています。

Q、早い時間帯の失点が改善すべきポイントの一つかと思います。
A、なくしていかなければいけない部分です。どのような試合であれ、先制点を早めに許してしまうということは、我々がチャレンジしなければいけない要素が多くなってしまいます。早い時間の失点は自分たちの戦いからなくしていかなければいけない部分であり、我々が先制点をとり、アドバンテージをうまく使えるように試合を進めていきたいです。

Q、全員で戦う、いわば“総力”も求められてくると思います。
A、団結して戦うこと、全員の力が必要だという話は、以前もお話しさせていただきました。選手それぞれが力を発揮し、チームに貢献することこそ強いチームの証です。自分の出番がきた時にしっかりと貢献すること、団結して戦うこと、ファン・サポーターが誇りに思えるような試合をお見せしたいです。今節は国立競技場という、特別な舞台で戦うことができます。自分たちのパフォーマンスに焦点を当てること、そのなかですべてを出し切ることを求めていきたいと思います。タフな試合になると思いますが、ファン・サポーターがワクワクする戦いのために、準備をしっかりとしていきます。



[選手インタビュー]
<森重真人選手>


Q、中断期間にチームとして積み上げたものを教えてください。
A、守備面の細かい部分のすり合わせができた期間になりました。複数失点がチームとして続いていたなかで、この期間で細かいところに時間をかけて取り組むことができました。攻撃面では、前節のサンフレッチェ広島戦まで無得点でしたし、より攻撃的にゴールへのアクションを増やすためのトレーニングを積み重ねることができたと思います。名古屋グランパス戦は、積み重ねてきたものをしっかりと結果、数字として示す試合にしたいです。

Q、広島戦をあらためて振り返えると、どのような一戦でしたか。
A、5試合無得点でしたし、どのような形であれ、広島戦で2点を奪えたことは大きなことだったと思います。そうやって一歩一歩、前進し続けるのみだと思います。この現状を打開するためにも前向きに取り組み続けていきたいです。広島戦の2得点が長いトンネルを抜け出せた一つのキッカケだったと言えるように、名古屋戦もチームとして攻撃的な姿勢を前面に出して戦いたいです。

Q、苦しい状況だからこそ、どのようなことを大事にしたいですか。
A、リーグ戦序盤の調子が良かった時期は、1失点しても2得点できるパワーがありました。僕らにとって得点を奪いにいくという強気な姿勢が良い流れを生み出せていたと思いますし、好循環だった一つのキッカケだったようにも感じます。たしかに得点は奪えていて勝ちも積み重ねられていましたが、同時に失点が多かったことも事実です。失点を減らすために守備面の意識やボール保持することに意識が向き過ぎてしまったことで攻守のバランスをとることが難しくなったようにも思います。東京はゴールを狙い続ける攻撃的なチームであることをもう一度呼び覚まして、攻撃的なプレーの選択肢を増やすことがまた良いサイクルに入るために必要なことと個人としては感じています。

Q、勝ちを求める分、そのような試合では堅いプレーで選択肢が狭まる傾向もあると思います。
A、選手のメンタリティが問われてくると思います。消極的になればなるほど、ダイナミックさは欠けてしまいます。ボールを保持するだけではなく、ゴールをめざすための攻撃を仕掛けていくことが重要です。“失点したくない”が先行し過ぎると、プレーが窮屈になってしまい、プレーの選択も狭まってしまいます。攻撃的なプレー、得点を奪うためのプレーを選択し続けることが勝利に繋がるポイントだと思います。

Q、名古屋を相手にどのように仕掛け、どのような点を注意すべきですか。
A、名古屋は攻守において前への圧力を常に強めてきますし、僕らがボールを持った時には、素早く動かすことが重要だと思います。相手の前への勢いを逆手にとったプレーの選択を常に意識して、アウェイでは1-3で負けてしまった悔しさを晴らしたいと思います。


<仲川輝人選手>


Q、前節のサンフレッチェ広島戦を経て、中断期間中に取り組んだことを教えてください。
A、中断期間は得点に繋がるプレーを練習から重点的に取り組みました。前節の広島戦で久しぶりにチームとしての得点が生まれ、「やっとか」という思いと、点が入れば自信をもって残り時間を戦うことができた手応えを感じました。どのような形であれゴールが生まれれば、広島戦のような複数得点にも繋がると思います。

Q、前節の広島戦で得た手応えと課題を教えてください。
A、得点をすることは大事ですが、失点が軽かったり、失点する時間が早いことが、広島戦を含めたここ数試合の課題です。まずは、そこを修正することですが、それよりも得点を奪えないことのほうが僕たちにとっては深刻でした。得点にフォーカスすることは継続していきたいです。

Q、得点が奪えないもどかしい状況の原因をどのように感じていましたか。
A、綺麗に崩そうとし過ぎている部分もありましたし、シュート数も少なく、枠内シュートもない試合もありました。めざすところがボールポゼッションに傾き過ぎてしまったところがゴールに直結しなかった要因と、個人として感じています。あとは、相手に先制点を与え、前半からリズムを作れずにいたことが、良い攻撃や得点に繋がらなかった要因だと思います。

Q、今節はホームで国立競技場での開催です。
A、毎試合、演出も素晴らしいし、雰囲気も非常に良いです。5万人入る試合もあり、サッカー選手としては最高な雰囲気を感じながら試合ができます。東京としては、国立で負けていない良いイメージもあると思いますが、それにすがらずに目の前の試合、目の前の相手を倒す気持ちでやっていければ、自ずと良い結果が出ると思います。ここ数試合は良い結果が出ていませんが、それでもファン・サポーターのみなさんの声は届いていますし、前節の広島戦含め、アウェイの地でも最後まで応援してくれる姿は、選手みんなも見ていますし、伝わっています。最後に笑って”ユルネバ”を歌って、良い写真をみなさんと撮ることができればと思います。