11/30 磐田戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2024.11.30

11/30 磐田戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

湘南ベルマーレとFC町田ゼルビアに連敗を喫して迎えるジュビロ磐田戦は3週間ぶりの公式戦となる。その間、チームにはいろいろなことが起こった。ピーター クラモフスキー監督の今シーズン限りでの退任とディエゴ オリヴェイラ選手の現役引退が発表された。あと2試合、順位的に見れば上位の争いに加わることができないことは間違いないが、青赤には勝たなければいけないとても大きな理由ができた。

国立競技場での一戦から、スタメンは3選手が変更になった。エンリケ トレヴィザン選手がセンターバックに、仲川輝人選手が負傷離脱から戻って右ウイングに。高宇洋選手もボランチでスタメンに復帰した。そして、ディエゴ選手はこれまでどおり前線に君臨する形。ヤマハスタジアムに集った青赤のファン・サポーターは熱烈なチャントで9番を背負うエースを迎え、キックオフの笛を待った。

1stHALF—序盤に受け身に回るもリズムをつかんで後半へ

この試合に勝たなければJ2リーグ降格が決まる磐田に押し込まれる立ち上がりとなる。両ウイングに高い位置をとられたシーンではクロスボールを放り込まれる場面が続き、前半10分に左サイドからのクロスを右ウイングの松本選手に合わせられると、前半19分にはピンチを迎える。左サイドバックの松原選手のグラウンダーのクロスにジャーメイン選手が飛び込む。右足で上手く合わせられたボールはゴールポストの横を通り、わずかに枠を外れた。

それでも、東京はその直後に遠藤渓太選手のクロスからディエゴ選手が惜しいシーンを作ると、次第に流れを引き寄せ、自陣からのビルドアップもスムーズになっていく。前半24分にコーナーキックから迎えた決定機では木本恭生選手のヘディングは枠に飛ばず先制点とはならなかったが、主導権を握る時間を増やしていった。

そして前半39分には流れのなかからもチャンスを作る。セカンドボールを拾った東慶悟選手が荒木遼太郎選手に預け、右サイドを仲川選手が走る。仲川選手のクロスが浮いてしまい、ゴール前に飛び込んできたディエゴ選手は合わせられなかったが、ようやく狙いどおりの攻撃を披露。スコアは動かせなかったが、良いリズムをつかんだ状態で前半を折り返した。

2ndHALF—安斎ゴールで先制も逆転を許す

前半終了間際に負傷したディエゴ選手が後半の頭で交代することになり、小柏剛選手が投入される。前半にリズムをつかんだ流れを継続し、後半の頭から東京が主導権を握ったまま試合を進めていく。後半6分にはサイドを大きく使った展開から右サイドを打開。右サイドを抜け出した東選手の折り返しをニアで仲川選手がスルーするも、もう一枚が飛び込んでおらず、あと一歩でゴールとはならなかった。

それでも、その2分後の後半8分にショートコーナーからついにゴールネットを揺らす。荒木選手が手前の仲川選手につなぎ、そのまま東選手に預けると、東選手が入れたクロスをフリーで待っていた安斎颯馬選手が頭で合わせ、先制に成功した。

その後も問題なくゲームを進めていたように映ったが、後半32分にアクシデントに襲われる。木本恭生選手がペナルティーエリア手前で入れ替わった相手を倒してしまい一発退場となると、そのフリーキックから同点ゴールを許してしまう。一気に劣勢になった流れは変えられず、終了間際にはペナルティキックを献上。これを山田選手に決められ、スコアをひっくり返されてしまった。

勝てば残留の可能性が残せる相手に対して、数的不利の状態で1点のビハインドをはね返し切れず、1-2のままタイムアップ。連敗を止めることはできず、2024シーズンも次節のシーズン最終戦を残すのみとなった。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK野澤大志ブランドン
DF中村帆高(後半45+4分:野澤零温)/木本恭生/エンリケ トレヴィザン/安斎颯馬
MF高宇洋/東慶悟(後半34分:小泉慶)/荒木遼太郎(後半21分:俵積田晃太)
FWディエゴ オリヴェイラ(後半0分:小柏剛)/遠藤渓太/仲川輝人(後半34分:岡哲平)

SUBS
GK波多野豪
DF白井康介

GOAL
後半8分:安斎颯馬

<ジュビロ磐田>
STARTING Ⅺ
GK川島永嗣
DF松原后/伊藤槙人/高畑奎汰(後半18分:藤川虎太朗)/リカルド グラッサ
MF松本昌也(後半11分:マテウス ペイショット)/ジョルディ クルークス(後半45+11分:西久保駿介)/中村駿(後半11分:上原力也)/平川怜(後半18分:山田大記)/植村洋斗
FWジャーメイン良

SUBS
GK三浦龍輝
DF鈴木海音

GOAL
後半35分:マテウス ペイショット / 後半44分:山田大記


[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、試合を振り返ってください。
A、この試合、自分たちで難しくしてしまったことを非常に悲しく思っています。1-0のリードに値するパフォーマンスは出せていましたが、そこからもう数点とって相手を突き放せるような状況もありました。ジュビロ磐田が今おかれた状況で相手のホームでの試合という状況だったので、いろいろな感情が巻き起こることがあったと思います。自分たちが相手に隙を与えてしまい、自分たちに圧力がかかるようになってしまいました。こういう形で敗れてしまったことを非常に残念に思っています。

Q、相手の圧力というのはどのようなものでしたか。
A、磐田が結果を出すためにすべてを懸けて戦ってきていました。多くの時間帯は、そこに対してうまく対応できていました。失点につながってしまったロングボールがありましたが、そこに対応できずに何もないところから失点してしまいました。それ以外の相手の強度の高いところはうまく対応できていたと思っています。そのなかで、我々が数的不利になって相手に流れが渡ってしまい、相手にとって気持ちが入る試合になってしまいました。フリーキックからやられたところ、ペナルティキックでやられたところがありましたが、難しい敗戦になりました。選手たちはすべてを出して勝点3を獲得するために戦ってくれたと思います。こういった形で、自分たちから勝点3を手放してしまったことを悲しく思っています。

この敗戦の悲しみからしっかりとリカバリーし、そして来週の試合でもハードに戦いたいと考えています。そして、今シーズンの最終戦に向けて、ファン・サポーターに勝点3を届けるとともに、クラブのレジェンドであるディエゴ オリヴェイラ選手に勝点3を届けたいと思います。


[選手インタビュー]
<安斎颯馬選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、逆転を許した部分に自分たちの弱さが出てしまいました。自分自身も悔しいですし、不甲斐なさを感じました。あと2試合を勝つとチームで決めていたなかで、今日は勝てなかったですが、今シーズン最後の1試合は勝利してピーター クラモフスキー監督、ディエゴ オリヴェイラ選手を送り出すことが、お世話になった自分にできる最大限の恩返しだと思っています。すぐに試合もあるので、そこに向けて最大限の準備をして臨みます。

Q、得点シーンを振り返ってください。
A、後半、最初のコーナーキックをショートコーナーにしようと、時崎悠コーチから指示があり、あそこにボールが来るからと言われていました。そのポジションをとっていたら、東慶悟選手から良いボールが来たので、距離はありましたが、うまくゴールに飛んでくれたと思います。イメージしていたボールがきたので、あとは流し込むだけでした。

Q、左サイドバックでの出場となりましたが、どのようなことを意識していましたか。
A、遠藤渓太選手や、エンリケ トレヴィザン選手、荒木遼太郎選手などが、とても助けてくれました。良いつながりをもって、良い崩しやビルドアップができたと思うので、関係性はとても良かったと思います。今シーズンはビルドアップで苦しむ試合も多くありました。常に自分がサイドバックで出場した時にどのようなプレーができるか考えていました。今日は、ビルドアップの面ではその成果が出たと思います。


<東慶悟選手>


Q、ショートコーナーから安斎颯馬選手の得点をアシストしました。振り返りをお願いします。
A、蹴ったボールが良いところに飛んでくれました。決めてくれた安斎選手に感謝しています。ショートコーナーについては時崎悠コーチが良い準備をしてくれて、選手たちに落とし込んでくれました。前半に数本コーナーキックもありましたし、良い形で得点に繋がったと思います。先制点については、良い時間帯に奪うことができたと思います。

Q、相手の圧力もあり、逆転負けを喫してしまいました。
A、ラスト15分はしっかりと耐え切らなければいけない時間帯でした。ラフなボールを蹴りこんでくる場合、間延びすることがよくあるので、しっかりと耐えて、相手の裏のスペースを有効的に使い、裏返して追加点を奪いたかったです。失点のタイミングでは、ベンチに下がってしまっていましたが、試合の進め方や誰がピッチ内でリーダーシップをとるかなど、まだまだ僕らの力不足です。

Q、次節は今シーズンのラストゲームになります。意気込みをお願いします。
A、ディエゴ オリヴェイラ選手のために、という想いがとても強いですし、何としても勝利で送り出したいです。僕は彼から選手としてだけではなく、人としても多くのものを学ばせていただきました。その恩返しをピッチで表現したいですし、勝利こそが最大限のリスペクトだと思っています。