1/17トレーニング
沖縄・国頭キャンプ6日目は、かいぎんフィールド国頭で練習を行い、翌日の名桜大学との今シーズン初のトレーニングマッチに備えた。
この日もビルドアップや守備の練習を行いながら「一番高いところを見よう」と、相手のプレスを裏返すパスを意識させた。さらに、ここまでのトレーニングを復習しながら、相手を中央に寄せて広げる形も確認。
新体制初の対外試合では様々な選手が起用される見込みで、いくつかの組み合わせもテストされそうだ。練習で存在感を放つマルセロ ヒアン選手や、橋本拳人選手ら新戦力の活躍にも期待が集まる。いよいよ“力蔵トーキョー”がそのベールを脱ぐ。
FOCUS ON
オフィシャルカメラマンがセレクトするキャンプ写真企画「FOCUS ON」。キャンプ6日目は今年30歳と節目の年齢を迎える小泉慶選手が全体練習後、東慶悟選手にアドバイスを求めていた場面を切り取った。アルビレックス新潟でプロ入り後、いつもレオ シルバ選手の後をぴったりと付いて回り、「聞けることは全て聞いた」という。そうして幕を開けたキャリアも今シーズンで12年目を数える。だが、今も向上心を燃やし先輩、後輩問わず、助言を求める姿がここにはあった。その変わらぬ小泉らしさと、それに応える東の優しさが、この写真からは伝わってくる。
CAMP VOICE vol.6 寺山翼選手
寺山翼は昨シーズン途中からサガン鳥栖に活躍の場を求め、濃密な半年間を過ごした。そして、今シーズンは再び青赤に袖を通す。プロ入り後の2年間は雌伏の時を過ごした。それも翼を広げ、もっと高く飛ぶため──。「正直、焦っている」という寺山に鳥栖への武者修行で感じたことと、今シーズンに懸ける思いを聞いた。
Q、昨シーズン途中からサガン鳥栖に期限付き移籍しましたが、どんな半シーズンでしたか。
A、鳥栖にいってすぐにスタメンで使ってもらって、結果が出なくてやはり簡単ではないなと思いました。ただ、色々な選手、監督、コーチに出会えて自分自身の意識が変わったと思います。まだ2年目でしたが、初めて移籍して本当に色々な選手がいるなと感じた半年間でした。自分のなかではすごく濃い時間だったのは間違いないと思います。J2リーグに降格してしまって申し訳ない気持ちはありますが、鳥栖での生活が絶対に今後のサッカー人生に活きてくるんだろうなと思うし、そうしなければいけないと思っています。
Q、FC町田ゼルビア戦ではプロ初ゴールも奪えました。
A、プロ2年目の昨シーズンは、アルビレックス新潟戦にスタメンで起用してもらいました。ここから存在感を示していきたいと思っていたなかで、怪我をしてしまった。結果を残すという目標を掲げてスタートしたなかで、ああいう挫折も経験しました。サッカーには怪我がつきものだけど、そこからどうやって自分が這い上がるかしか考えていませんでした。結果を残すことで、自分の価値はこんなものじゃないと示したかった。そういう意味で、あの町田戦の1点は自分にとっては大きかったと思っています。その後、名古屋グランパス戦でも決められそうでしたが、ポストに嫌われてしまった。1点を奪って吹っ切れたところもあったし、プレーもシーズン終盤は自分でも乗ってきた感覚がありました。ただ、今シーズンは別の話です。今いる仲間と競い合って負けずに頑張っていきたいと思います。
Q、東京と違った環境を知ったことはどう影響していますか。
A、やっぱり東京とは全然環境が違っていました。ただ、鳥栖というクラブは街全体が一つになって戦っているクラブだったし、選手だけではなくファン・サポーターや地域の方のサポートがあって成り立っているクラブだと感じました。鳥栖の方々はサガン鳥栖というクラブがあるからこそ、週末の試合を楽しみに日々の生活を過ごしているのだとすごく感じました。やっぱり僕たちの仕事はそういう人たちに勇気や元気を与えることだとあらためて肌感覚で知ることができた。今は違うチームにいますが、鳥栖の人たちにも自分の活躍が届くようなシーズンにしたいと思います。
Q、そして、プロ3年目の2025シーズンがはじまります。
A、正直言って焦っています。この2年間、何もできていないし、大きな仕事ができたわけではありません。この3年目はすごく大事なシーズンになると思っていますし、自分のなかで変化をもたらせるシーズンにしていきたいと思っています。ただ、素晴らしい選手、監督、スタッフがここにはいるので、そういう人たちと一緒に仕事ができることに喜びを感じています。自分の成長に目を向けて一歩ずつ取り組んでいきたいと思います。
Text by 馬場康平(フリーライター)