GAME RESULT試合結果

第6節 2000/4/08(土)
観衆 14,754人 
天候 晴、弱 気温 13.6度 湿度 37% 
主審:片山 義継 副審:高橋 佳久/間島 宗一 四審:綿野 直樹

J1 1st 第6節

富山

HOME

鹿島アントラーズ

2-1

試合終了

前半1-1

後半1-0

AWAY

FC東京

鹿島アントラーズ FC東京
44' ファビアーノ
48' 小笠原 満男
得点者 05' ツゥット
69' 小笠原 満男 → 増田 忠俊
89' 柳沢 敦 → 金古 聖司
選手交代 45' 小池 知己 → 喜名 哲裕
70' 浅利 悟 → 浅野 哲也
75' 小林 成光 → 戸田 光洋
17 シュート 6
7 CK 4
21 FK 19
75' ファビアーノ
警告 44' アマラオ
退場
鹿島アントラーズ先発
GK 21 高桑 大二朗
DF 2 名良橋 晃
DF 3 秋田 豊
DF 4 ファビアーノ
DF 7 相馬 直樹
MF 5 中田 浩二
MF 6 本田 泰人
MF 10 ビスマルク
MF 17 小笠原 満男
FW 8 ベベット
FW 13 柳沢 敦
鹿島アントラーズ控え
GK 28 曽ヶ端 準
DF 15 金古 聖司
MF 14 増田 忠俊
MF 16 本山 雅志
FW 9 平瀬 智行
FC東京先発
GK 20 土肥 洋一
DF 2 内藤 就行
DF 26 小峯 隆幸
DF 3 サンドロ
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 16 小池 知己
MF 14 佐藤 由紀彦
MF 24 小林 成光
FW 9 ツゥット
FW 11 アマラオ
FC東京控え
GK 21 遠藤 大志
DF 5 古邊 芳昇
MF 23 喜名 哲裕
MF 6 浅野 哲也
FW 29 戸田 光洋

【選手・監督コメント】

鬼門中の鬼門!? vs鹿島アントラーズ戦


前節の磐田戦で劇的な逆転勝ちを収め首位に返り咲いた東京は、この日アウェイ富山で強豪・鹿島アントラーズと激突。鹿島は現在7位とまだ本調子ではないものの、五輪日本代表で活躍している平瀬、柳沢、中田、小笠原、本山や、元日本代表の名良橋、秋田、相馬、本田らを擁するJ1きっての強豪チーム。これに鹿島のエースとして君臨するビスマルク、そして、開幕直前に超大物外国人選手としてW杯3度の出場を誇るブラジルのスター選手・ベベットが加わるなど、選手層の厚さはJ1屈指を誇る。もっとも開幕からもう一つ調子の上がらない要因であり誤算となっているのが「ベベットの調整遅れ」であり、目下絶好調で勢いに乗る東京ならば勝つ可能性は十分あるはずである。が、ここで早合点してはいけない。東京と鹿島は過去5回(天皇杯3回、ナビスコ杯2回)対戦して、東京の勝利は6年前の東京ガス時代に天皇杯で初対戦した時の1勝だけ。その後は天皇杯準決勝やナビスコ杯準決勝などで対戦し、決勝進出の夢をことごとく絶たれた暗い過去がある。東京にとって鹿島は鬼門中の鬼門といっていい存在なのだ。リーグ戦で戦うのは今回が初めてになるが、これまでの借りを返すには、敵地でリベンジを果たすしかない!

ツゥットの2試合連続ゴールで先制!


この日、鹿島のストライカー・柳沢の出身地(富山)で行われた試合には、当然ながら地元のファンが大勢駆けつけ、本来のホームであるカシマスタジアムに匹敵するほどの大声援が鹿島イレブンをサポートした。対する東京のゴール裏は、数では鹿島の何十分の一であったが、相変わらずのウィットに富んだユニークな応援で東京イレブンをサポート。どう見ても圧倒的に数的不利であったが、「どうしてあんなに声が通るのか」と思わせるほど力強く、大きな声が会場で響き渡った。この声が選手に通じたのか、東京は開始5分、相手の不用意なパスを今季鹿島から移籍してきた内藤が猛然とスライディングでカットすると、このボールが前線に残っていたツゥットの前へ。これに猛然とダッシュしたツゥットと飛び出した鹿島GKが衝突したが、ツゥットが粘ってマイボールにするとDFをかわして冷静に先制ゴールを決めた。その瞬間、1万人以上のスタジアムは静まり返り、ピッチ上では両手を突き上げ喜びを爆発させるツゥットの姿があった。強豪・鹿島に敵地で先制・・・。これは、いけるぞ!と思った瞬間、反射的に「こんなに簡単にいくはずがない」という思いが脳裏をよぎった

鹿島が牙をむく!


東京の先制ゴールが決まるまで両チームともボールが落ち着かなかったが、このゴールをきっかけに激しい攻防が始まった。東京は売りである豊富な運動量で前線から激しいプレスをかけ、ボールを奪うと早めにアマラオ、ツゥットの2トップにボールを供給する戦法をとった。が、鹿島の選手個々のレベルは高くパス回しが速いため、なかなか高い位置でボールを奪えず、深い位置でボールを奪うことになる。結局、この深い位置でボールを奪い一気に前線のアマラオ、ツゥットにボールを当てても二人は孤立してしまい、厚みのある攻撃はできなかった。

一方、鹿島は、東京の激しいプレーに苦しみながらも、ビスマルク、小笠原を中心に少ないタッチの速いパスワークからトップの柳沢、ベベットに鋭い縦パスを供給しチャンスをうかがった。対する東京のサンドロ、小峯が厳しいマークで簡単には中央突破をさせてくれないと判断すると、今度は2人のトップが前線でサイドに流れ、そこにボールを入れさせポイントを作り、サイドバックの攻撃参加を絡めて、外からボールをほうり込んできた。23分には、右サイドへ流れた柳沢が角度のないところから豪快なボレーシュートを放ったが、GK土肥の好セーブで得点を許さなかった。続く30分には、サンドロがPKを取られ、絶体絶命のピンチを迎えたがこれも土肥がファインセーブし失点を許さない。東京も時折カウンターからチャンスを作り、このまま前半を1点リードで終わるかに見えたが、前半終了直前にFKから鹿島DF・ファビアーノに頭で合わされ同点に追いつかれてしまった。

J1の厳しさ


後半に入り、東京は喜名を投入。2トップが孤立する場面が多かったため、喜名がサポート役として投入された。しかし、鹿島のボランチ、ストッパーは強く、喜名の特徴であるドリブルは潰された。また、東京の特徴でもあるサイドからの攻撃では、右サイドで由紀彦と内藤、アマラオが絡み、速いワンツーで突破を試みるが、アマラオに対するマークが厳しく微妙にタイミングがずれることでボールを失った。この日、痛み止めを打って強行出場しているアマラオには、秋田、ファビアーノの2ストッパーは手強過ぎた。また、左サイドで積極的にインターセプトから攻撃参加していた藤山が何度かドリブルで勝負していい形を作ったが、ゴールは遠かった。

一方、後半に入り勝負をかけてきた鹿島は、開始3分、右サイドから名良橋が突進し、東京のDF二人を突破すると絶妙のクロスを中央へ。これに走りこんだベベットがシュートするとバーに当り、その跳ね返りを小笠原に詰められ逆転された。これで俄然勢いに乗る鹿島は中央、そして両サイドから多彩な攻撃を仕掛けてきて、東京は防戦一方に。途中、浅野、戸田を入れて流れを変えようと試みたが、大勢は変わらなかった。結局、アマラオのポストプレーやツゥットのスピードを最後まで活かせなかった東京は、試合巧者”鹿島”にまたしても敗れることになった。

監督コメント


<大熊監督のコメント>

「前半は、悪いながらも速攻からチャンスを作り1点取ることもできた。前半終了間際の失点してはいけない時間帯に失点したのが痛かった。鹿島はウチに終始スペースを与えてくれず、ツートップ、ボランチがドリブルできないために、いつもの形を作れなかった。サイドを崩せていたのは藤山の個人技だけだった。磐田戦に続き、トップとそれをサポートする中盤が遠く、トップが孤立することが多いので今後修正したい。」