GAME RESULT試合結果

第6節 2001/4/29(日)
観衆 17,543人 
天候 曇、無 気温 18.3度 湿度 85% 
主審:布瀬 直次 副審:阿部 正基/高山 啓義 四審:中込 均

J1 1st 第6節

東京

HOME

FC東京

0-3

試合終了

前半0-2

後半0-1

AWAY

ジェフユナイテッド千葉

FC東京 ジェフユナイテッド千葉
得点者 04' 大柴 克友
42' 長谷部 茂利
46' 大柴 克友
45' 戸田 光洋 → アマラオ
45' 増田 忠俊 → 喜名 哲裕
65' 内藤 就行 → 佐藤 由紀彦
選手交代 85' 崔 龍洙 → 佐藤 寿人
85' 大柴 克友 → 林 丈統
88' ムイチン → 井幡 博康
12 シュート 10
1 CK 1
27 FK 29
50' 喜名 哲裕
68' 小峯 隆幸
79' ケリー
警告 60' 崔 龍洙
89' 井幡 博康
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 2 内藤 就行
DF 3 サンドロ
DF 6 小峯 隆幸
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 10 三浦 文丈
MF 18 増田 忠俊
MF 19 ケリー
FW 29 戸田 光洋
FW 9 呂比須 ワグナー
FC東京控え
GK 22 小沢 英明
DF 15 伊藤 哲也
MF 23 喜名 哲裕
MF 14 佐藤 由紀彦
FW 11 アマラオ
ジェフユナイテッド千葉先発
GK 17 櫛野 亮
DF 4 茶野 隆行
DF 5 ミリノビッチ
DF 13 吉田 恵
MF 2 中西 永輔
MF 8 長谷部 茂利
MF 7 武藤 真一
MF 19 村井 慎二
MF 11 ムイチン
FW 9 大柴 克友
FW 10 崔 龍洙
ジェフユナイテッド千葉控え
GK 1 高嵜 理貴
DF 3 喜多 靖
MF 15 井幡 博康
FW 14 佐藤 寿人
FW 16 林 丈統

【選手・監督コメント】

ゴールデンウィーク連戦に突入


 2週間のインターバルをおいて再開したJ1リーグ。今節はホーム東京スタジアムで、現在2連勝と波に乗るジェフユナイテッド市原を迎え撃つ。市原は、今シーズンより加入した韓国代表のFW崔龍洙が故障からあけ、彼の復調と共にチームの調子も上がっている。昨年の対戦では2戦2勝と相性の良い相手ではあるが、今季の市原はまったく別のチームの様相をみせる。決して侮ることはできないが、しかしスタンドの声援を受け、きっちり勝利に結びつけたい。また5月の連戦に向けて、勢いに乗りたい重要な一戦である。故障の癒えたアマラオが4試合ぶりにサブに入り、キックオフを迎えた。

早い時間に先制を許し、苦しい展開に


 開始早々、GK土肥のキックしたボールが市原FW大柴を直撃。跳ね返ったボールはゴールマウスをはずれたが、続く2分には、三浦から内藤へのパスを市原の左ウィングの村井がインターセプト。一気にゴール前まで駆け上がられ、なんとなく不吉なムードで試合は始まる。東京のちぐはぐなプレーに対して、市原は出足よく積極的なプレスをかけてボールを支配。4分には、中盤で速いパスを回され、左MFのムイチンがドリブルで中央に攻め込むと、逆に右サイドからゴール前に走り込んできたFW大柴にスル-パス。大柴は、引いたサンドロと上がっていた小峯の間を縫って、あいたスペースに走り込んでシュート。これが決まり、あっけなくDFラインの裏を取られる形で先制点を奪われてしまう。ボールに気を取られていた東京DFと、その隙を見逃さない大柴の見事な判断という、対照的なプレーで、またもや東京は1点を追う苦しい展開となった。

 しかし東京も呂比須、ケリーを起点に攻めの形を見せ、5分には右サイドからつないだサイドチェンジのボールを増田がシュート。11分にも、ゴール前のこぼれ球に走り込んだ三浦がシュート。22分には呂比須が倒され、早いリスタートを切って藤山がクロスを上げるが、ケリーのヘディングは不発に終わる。

決定的に崩せない東京は押し込まれる時間が長くなり、マイ・ボールにしても市原のプレスが厳しく、バックラインから前へパスを出すことができない。29分には、崔のシュートをカットしてカウンターを仕掛け、呂比須→ケリーとつないで最後は戸田がクロスを上げるが、市原DFがクリア。その後、FKから戸田がヘディングシュートを叩きつけたが、ゴールマウスをそれ、チャンスはつくるものの同点に追いつくことができない。

危険な時間に追加点を奪われる


 市原は、前線からDFまで動き出しが早く、コンパクトにラインを保っている。それでも、その後は決定的なシュートを打たせず、東京は徐々にボールを支配するようになる。しかし、なんとか1点を返して後半へ折り返したいと、リズムがよくなってきた矢先の42分、東京DFがクリアしたボールを市原MF中西に拾われ、右から鮮やかなドリブルで中へ切り込まれると、中西はDFをかわしてパス。このボールを、中西に対してフォローにきた長谷部が受け、判断よくシュート。ボールはキレイな弧を描いてゴールに吸い込まれ、この長谷部のクリーンシュートで東京は追加点を許してしまう。

「立ち上がりの5分、終了間際の5分」というサッカーのいちばん危険な時間帯、つまり「絶対に失点してはいけない時間帯」での2失点…。東京は大きなビハインドを背負い、後半に折り返すことになった。

アマラオ投入も、東京“らしさ”を見せることなく…


 東京は後半、戸田に替えてアマラオ、増田に替えて喜名を投入。三浦が中盤右に、喜名が中央に入って、トップのフォローを狙うという布陣を組む。しかし後半開始直後の46分、市原・村井がドリブルで東京の右サイドを突破。ぶっちぎりのスピードに内藤が振り切られると、村井はゴール前に鋭いクロス!一旦GK土肥がはじいたが、こぼれ球を走り込んできた大柴がシュート。ボールはふんわりと浮いて無人のゴールに入りそうになるところを藤山が懸命にスライディングでクリアを試みるが、僅かにゴールラインを割っておりゴールイン。試合を決定付ける3点目を奪われてしまった。

 それでも反撃を試みる東京は、55分には三浦と浅利のワン・ツーから、再び浅利がゴール前に抜け出してフリーでシュート!中盤の押し上げを意識した良いプレーで、今日一番の決定的チャンスであったが、惜しくもシュートはゴールをはずれた。

65分には内藤に替えて佐藤を投入。佐藤を右MFに、三浦を右サイドバックの高いポジションに置いて、猛反撃。77分には、フリーキックのボールをつないでアマラオが絶妙のクロスをあげるが、佐藤のヘディングもゴールは割れない。アマラオが奮闘して起点となるもののなかなかフィニッシュには持ち込めず、逆に79分には前掛かりになった隙を崔につかれ、ゴール前でフリーのシュートを放たれるが、これは枠をはずれて追加点は免れる。しかし結局そのままタイムアップ。東京らしい良さを発揮することなく、今季初の3失点、そして1点も奪えないという苦いゲームとなった。

 大熊監督が、次節に向けて「アマラオが入って“起点”が引いたところに出来ていたが、もう少し、1トップで残っている呂比須のところで数多く起点を作ること、それが攻めの勢いやサイドからの攻撃にもつながると思う。攻撃の部分はもう一度その2トップを中心に見直していきたい。それから全体的にサポートの早さ、気持ちも含めてもう一歩早くトップをサポートすることが課題」と修正ポイントを語るように、今はなんとか得点のための打開策が欲しいところだ。短い期間ではあるが仕切り直して、次からの連戦に臨みたい。

【ベルデニック監督コメント】

「スコアだけではなく内容もよかった。クリエィティブな攻撃、ディシプリンのある守備という、我々が昨年の後半から目指してきたサッカーができた。特に攻撃面に関して、ボールに対しての動き出しのタイミング、判断力が課題だったが、今日はそのあたりを実戦できたと思う。もっと正確にパスを動かし、チャンスを作って得点を決めることができれば、もっと高いレベルのサッカーを披露できるだろう。チームの方向性が表現できたゲームだった」

【大熊監督コメント】

「市原の2トップに起点を作らせないということを最大限に、そしてサイドからの攻撃をケアしたにも関わらず、相手の攻撃の特徴を十分に出させてしまった。そこが非常に残念である。出足という面からも、市原のほうが攻守に一歩ずつ早かった。守った後に攻めるという、そういう気持ちと出足の部分をもう一度見直して、次に臨みたい」