GAME RESULT試合結果
第8節 2002/10/12(土)
観衆 11,921人
天候 晴、弱 気温 20.3度 湿度 61%
主審:柏原 丈二 副審:金田 英司/平野 伸一 四審:西村 典之
J1 2nd 第8節
札幌厚別
0-4
試合終了
前半0-2
後半0-2
北海道コンサドーレ札幌 | FC東京 | |
---|---|---|
得点者 |
07' アマラオ 18' ケリー 66' ケリー 69' 加地 亮 |
|
45' 平間 智和 → ジャディウソン 68' 曽田 雄志 → 松川 友明 82' 西田 吉洋 → 磯山 和司 |
選手交代 |
45' 佐藤 由紀彦 → 喜名 哲裕 70' 戸田 光洋 → 星 大輔 84' 加地 亮 → 伊藤 哲也 |
4 | シュート | 15 |
2 | CK | 8 |
21 | FK | 7 |
警告 | ||
退場 |
GK | 1 | 佐藤 洋平 |
DF | 32 | 佐藤 尽 |
DF | 8 | ビジュ |
DF | 6 | 大森 健作 |
MF | 31 | 西田 吉洋 |
MF | 20 | 和波 智広 |
MF | 15 | 森下 仁志 |
MF | 17 | 小倉 隆史 |
MF | 13 | 平間 智和 |
FW | 16 | 堀井 岳也 |
FW | 18 | 曽田 雄志 |
GK | 29 | 井上 敦史 |
MF | 2 | 田渕 龍二 |
MF | 5 | ジャディウソン |
MF | 33 | 松川 友明 |
FW | 11 | 磯山 和司 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 20 | 加地 亮 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 5 | 下平 隆宏 |
MF | 14 | 佐藤 由紀彦 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 16 | 宮沢 正史 |
MF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 19 | ケリー |
FW | 11 | アマラオ |
FW | 13 | 戸田 光洋 |
GK | 22 | 小沢 英明 |
DF | 15 | 伊藤 哲也 |
MF | 23 | 喜名 哲裕 |
MF | 25 | 星 大輔 |
FW | 9 | 福田 健二 |
【選手・監督コメント】
背水の陣で臨む
前節、柏に惜敗して3連敗を喫した東京は、2ndステージ第7節を終えた時点での年間総合勝点は26で、順位は12位。J2降格ライン上にいる15位広島の勝点は18で、その差は僅かに8である。現在、この勝点8差の中に6チームがひしめき合い、熾烈な残留争いを演じている。東京と同じ勝点26には、得失点差で上位に位置する10位の東京Vと11位の市原が、また9位の仙台の勝点は28で、この日の試合で勝てば一気に9位に浮上する可能性も秘めている。逆に負ければ今季初の4連敗となり、選手のモチベーションは下がり、今後の展開は非常に厳しくなるだろう。
一方、対戦相手の札幌は、東京以上に厳しい状況にある。現在、年間総合勝点は7で、順位は最下位の16位。2ndステージでは未だ勝ち星が無く、J2降格の崖っぷちに立っている。しかし、この日の会場である厚別では今季負けなしの1勝1分けと相性が良く、熱狂的なサポーターの後押しは衰える気配を見せていなかった。もう後がない今の札幌は、ラストチャンスとばかりに何も恐れず、サポーターの声援をバックに無心に向かってくるはずで、この日の試合が東京にとって極めて難しいものになることが予想された。
東京は、前節退場になったDF小峯が出場停止、DF伊藤も体調不良でベンチスタートとディフェンス面が不安視されたが、DFジャーンと組むセンターバックには藤山を、左サイドバックに下平を配する緊急体勢で対応。ボランチには前節出場停止の宮沢が戻り、10試合ぶりの先発出場となる浅利とコンビを組む。両チームともに背水の陣で臨む大一番は、肌寒い北の大地・札幌厚別で午後2時キックオフとなった。
A Chill Wind...
Following last week's third consecutive defeat F.C.TOKYO found themselves in 12th. place on the J.League seasonal ranking with 26 points. With only 9 points seperating them from next to bottom Sanfrecce Hiroshima the 8th. game of the second stage, away to Consadole Sapporo, suddenly assumed vital importance; to avoid being sucked into the relegation struggle and break the run of recent poor results a victory was imperative.
Consadole, on the other hand, were already peering into that dark abyss: with a total of only 7 points for the year every game had become a must win.
Consadole were unbeaten this season at the venue, Atsubetsu Park Stadium, and backed by vocal local support were expected to prove stern opposition.
With Komine suspended and Ito still not completely fit Fujiyama lined up alongside Jean in defence while Miyazawa and Asari started as defensive midfielders. A chill wind blew down from the mountains surrounding Japan's northernmost football outpost as the game kicked off.
アマラオの会心ゴールで先制!
試合は序盤から東京ペースで進んだ。試合前、原監督は「相手がどうのこうのではなく、自分達のリズムでボールを速く回し、内容のあるサッカーをしようと選手達に言ってきたし、そうゆう練習を今週取り組んできた」と言う通り、個々の選手が少ないタッチでボールをどんどん回し、豊富な運動量でボールを支配。攻撃ではケリーがポジションを固定せず、ダイナミックな動きで相手のマークを寄せ付けずゲームメイク。右に左にと出没しては、ボールに絡みリズムを作っていく。宮沢の逆サイドへの展開、アマラオのポストプレー、戸田の相手DF裏への迫力ある飛び出しなどと噛み合い、ボールが面白いように回る。守っても、藤山が持ち前の鋭い出足でインターセプトを連発、不安視されたジャーンとのコンビも全く問題がなかった。また、左サイドバックに入った下平も、ベテランらしい老練な読みと激しい闘志で安定したプレーを見せ、ボールを奪った後の的確なフィードで攻撃の起点となっていた。
迎えた7分、浅利が前線中央のケリーに鋭い縦パスを入れると、ケリーはダイレクトで右のスペースに落とし、そこにアマラオがフリーで抜け出して丁寧にシュート。ボールはゴール左へ吸い込まれ、早々に東京が先制した。
Amaral Gives TOKYO Perfect Start
Before the match TOKYO manager Hara had commented " We concentrated on fast, one touch football in training this week " and his team began the game in fine style, moving the ball around at speed. Prompted by a rejuvenated Kelly the forward movement was a joy to behold as Miyazawa launched sweeping cross field balls, Amaral held the ball up in advanced positions and Toda made darting runs behind the Consadole back line. In defence the untested combination of Fujiyama and Jean appeared rock solid while veteran Shimotaira used all his experience to great effect, snuffing out potential danger and feeding the forward line.
In the 7th. minute Asari found Kelly with a sharp through ball; Kelly swept the ball first time into acres of space on the right of the area for the charging Amaral to blast a low shot inside the far post. TOKYO were ahead.
怒濤の猛攻からケリーが追加点!
スタートから波に乗る東京に対し、ホームの札幌はパスの精度が低く、3本とパスがつながらない状況に選手達は苛立ち、サポーターは容赦なく罵声を浴びせた。それでも、長身で高さのあるFW曽田をターゲットに中盤に下がったMF小倉やDFビジュらから長いボールを当て、そのこぼれたところにスピードのあるFW堀井やMF平間が飛び出してくるサッカーを繰り返し、反撃を試みる。
一方、東京は先制後も攻撃の手を緩めず、ケリーを中心とした「攻撃サッカー」は更に勢いを増す。しかし、同時に東京の前半の先制ゴールはけして手放しで喜べない過去のデータがあるため、攻めながらも追加点の生まれない状況に観ている者は不安が募った。今季、東京は前半先制して1-0で折り返した場合、8試合中6試合で逆転負けを喫している。逆に前半2点以上のリードで折り返した場合は3戦3勝と負けていない。あと1点、追加点が欲しかった。
そんな願いが聞こえたのか、迎えた18分、右CKに寄ってパスを受けたケリーが振返りざまクロスを上げると、これに由紀彦がヘッドで合わせたがシュートは左サイドへ流れ、それを追ったアマラオが左サイドから再びクロスを入れると今度はファーポストで由紀彦がヘッドで折り返し、中央のケリーがジャンプヘッドでゴールを決めて追加点を奪った。この待望の前半2得点は、1stステージの札幌戦以来、実に12試合ぶりのもの。遠路はるばる札幌まで駆けつけた約70人のサポーターも、これで一安心したに違いない。
前半の早い時間帯に2点先制した東京は、その後気が緩んだのか、札幌に反撃の機会を許す。21分、左から良いタイミングで上がったクロスを土肥が懸命のパンチングで逃げると、続く26分には一瞬、東京DF陣の足が止まったとこを札幌FW曽田が抜け出し、ループシュートを放ったがバーの上に。非常に危ない場面であったが、ここで1点返されると試合はわからなくなる。2点はけしてセーフティーリードではない。東京は最初のような球離れの良い軽快なリズムのサッカーではなく、時折持ちすぎてボールを失う場面も見えるようになった。
それでも主導権は変わらなかった。29分にはケリーが右サイドで抜け出し、中央へグラウンダーのクロスを入れると、アマラオが右足でダイレクトシュートを放ったがボールはゴール左へ外れた。さらに38分、ケリーとのコンビプレーから抜け出した由紀彦が右サイドを突進し、中央のケリーへ折り返したが、フェイントを入れてから放ったシュートは相手DFに当たってしまう。
ケリーは余裕でプレーしているかのようであった。札幌も2点のビハインドならば、もっと前線から厳しいプレスを仕掛けても良いのだが...と思える程、引いて守っている。これでは東京のやりたい放題になるのは目に見えている。44分には、浅利からDFの裏への大きな縦パス一本に戸田が素晴らしいスピードで抜け出し、ボールがバウンドしている間に豪快な右足シュートを放ったが、惜しくもゴール左に外れる。今日は戸田の走力が一段と際立つ展開だったが、試合は東京の2点リードのまま前半を終了した。
Kelly Makes It Two!
Behind after only seven minutes Consadole were unable to string more than a couple of passes together and were roundly booed by the disappointed home fans. Their only attacking option, it seemed, was the long ball to lanky striker Masuda whose knock downs were aimed at the other Consadole forwards.
The TOKYO defence dealt comfortably with it.
Statistics show that of the 8 games in which TOKYO have taken a 1-0 lead this year 6 have been lost; however the three games where they had managed to score twice had all been won. With this in mind TOKYO set about finding a second goal and didn't have to wait long. Only until the 18th. minute, in fact, when Kelly headed home from a central position after Amaral's cross to the far post was headed back in by Sato. The 70 hardy TOKYO fans who had made the trip voiced their appreciation as silence emanated from the home support.
Despite totally dominating proceedings TOKYO were unable to add to their tally and the first half ended 2-0.
ケリー豪快弾、加地圧巻のJ1初ゴール!
後半から由紀彦に代わって喜名が入ったが、目的はもっと右サイドでケリー、加地らを簡単に使ってボールをテンポ良く回していくことだった。ハーフタイムに原監督は「2-0になってから余裕が出てバランスが悪くなった。後半は立ち上がりから、もう一度1点目を取った時のようなシンプルなボール回しをやってくれ」と選手に指示。後半は、まさにそのような展開になった。
6分、右からジャーンがオーバーラップし中央のケリーにパスを出すと、ケリーはやや左の戸田に一旦ボールを預け再びリターンを受けてドリブルシュートを放ったが惜しくもゴール左へ。続く7分には右サイドで喜名が抜群のテクニックでボールキープして札幌の2選手を十分引きつけておいてからフリーになったアマラオへ。アマラオはゴール正面から走り込む宮沢に丁寧にパスを出すと、宮沢は左足でダイレクトシュートを放ったが低い弾道の強烈なシュートは札幌GKのナイスセーブに阻まれてしまった。その後も10分にはアマラオ、ケリーのコンビからケリーがシュートを放ち、17分には加地のクロスに戸田がヘッドで合わせたがバーの上へ。続く19分にも右からケリー→喜名→宮沢と感単につなぎ、宮沢がワンフェイクでフリーでシュートを放ったが、右足シュートだったため威力無く、枠も外れた。
21分、右の喜名のクロスが大きくゴールを横切り、左サイドへ流れたところを戸田が追いかけてマイボールにすると、近くにサポートに来た宮沢へ。宮沢は中央のケリーに当ててワンツーをもらう動きで縦に走ったが、受けたケリーは鋭いワンフェイクで相手DFを一人かわし、ペナルティエリア外の中央から右足を豪快に振り抜くと、シュートはゴール右隅に突き刺さった。ケリーの豪快な一撃は、何とか1点を返そうと踏ん張っていた札幌に大きなダメージを与えたはずだ。さらにその僅か3分後の後半24分、左CKを相手DFがヘッドでクリアしたボールがゴール正面約30Mの位置で待っていた加地の前に。バウンドしてくるボールを加地は迷わず右足を振り抜くと、シュートはドライブがかかり一瞬にしてゴール左隅に突き刺さった! その昔、漫画「キャプテン翼」で一世を風靡した『ドライブシュート』が目の前で突然再現されたため、厚別が一瞬静まりかえる程だった。もちろん相手GKは一歩も動けず、敵も味方も観客も、そして当の本人までも固まったが、加地の小さなガッツポーズに「スーパーゴール」が決まったことを皆が理解できた。この加地のJ1初ゴールで試合は決まってしまった。
東京は後半から喜名が入り、前半以上にボールを支配し、監督の指示通りテンポ良くボールを回すことで、札幌の追撃を許さなかった。その後も東京は攻撃の手を緩めなかったが、43分には、戸田に代わって入ったMF星がアマラオからのパスを受け、ゴールキーパーと1対1になる場面があったが、右足で放ったシュートは左ポストに当たり、惜しくもゴールならず。守ってもジャーン、藤山が最後まで集中を切らさず、安定した守備を見せていた。試合は結局4-0のスコアのままタイムアップ。東京は3連敗を脱し、2ndステージ第2節以来の完封勝利と素晴らしい内容の試合運びを見せた。この日のようなケリーを中心とした、豊富な運動量と球離れの速いリズミカルなサッカーを展開できれば次節以降も結果がついてくるはずである。北の国で再出発を果たした東京は、これから今まで味わってきたストレスを発散すべく、今後の戦いに全てを賭ける。
[ケリー選手コメント]「チームは3連敗中で厳しい状況はわかっていたので、ゲーム前から全員で集中を高めたことが良い結果につながった。今日はチームの動きが良かったので、良いサッカーができた。今日の勝利は大きく嬉しいが、次の試合でも勝てるよう頑張りたい」
[加地選手コメント]「J1初ゴールは正直嬉しいけど、それよりも試合に勝てたのが嬉しい。ゴールを決めた時は自分でも驚いてしまって、喜び方がわからなかった」
【原監督会見要旨】「ここ3試合、ジュビロにはミスから負けて、その後の横浜、柏戦は退場者が出て10人で戦うことになり3連敗をしてしまった。いくら何でも3試合連続退場者は多いので、今日は絶対に退場者は出さないようにと試合前選手に言った。メンバー的には小峯が出場停止、伊藤が体調不良などチームは一番苦しい状況にあったが、中盤の核の宮沢が戻り、下平も起点としてよくボールを動かしてくれていた。相手がどうのこうのではなく自分たちのサッカーをやろうと今週練習してきたので、今日のようにボールを速く回して先制点を取ったことが大きかった。これからも、今日の1点目のようにボールを速く動かしながら自分たちのリズムを作る「攻撃サッカー」で勝っていきたい」
【コンサドーレ札幌・張監督会見要旨】「点数以上に、精神的、技術的な部分で完敗。全てにおいてFC東京の方が上だった」
Kaji Grabs First League Goal!
Kina replaced Sato at half time to add some vim to the right side. TOKYO manager Hara felt his side were losing their balance at the end of the first half and that a third goal would be the end of Consadole. TOKYO went straight onto the front foot with Toda shooting wide after some neat interplay with Kelly after 51 minutes, Miyazawa drew a fine save from the Consadole keeper a minute later and Kelly shot wide in the 61st. minute.
TOKYO were lining up to shoot and it was no suprise when a third goal arrived in the 66th. minute. Kelly feinted inside a defender and unleashed a thunderous shot from just outside the penalty area that the keeper got his fingertips to but couldn't prevent from flying inside the left hand post.
Kelly's shot was well struck but nothing compared to the rocket that Kaji produced five minutes later to notch his first J.League goal. Loitering about 30 metres out as TOKYO took a corner on the right Kaji saw the ball cleared to him and decided to try his luck; the ball bobbled invitingly as he made contact and hurtled over the mass of players, off the cross bar and into the goal. The goal keeper stood rooted to the spot and the crowd sat in stunned silence as Kaji and his teammates celebrated a phenomenal strike.
That was game over and TOKYO played out the remaining 25 minutes comfortably, denying Consadole even a consolation goal. An excellent win and, more importantly, a stylish one; TOKYO, inspired by man of the match Kelly, banished the blues with four goals and an inspired performance that should go a long way to reviving their season.
F.C.TOKYO Kelly:
" We all wanted to put the recent results behind us and we managed it today. It was a great team performance and we're looking forward to the next game".
F.C.TOKYO Kaji:
" It was great to score my first goal but the most important thing was that we won the game. I was so suprised by my goal that I didn't know how to celebrate! ".
F.C.TOKYO manager Hara:
" We were determined to put our recent form behind us and, in difficult circumstances, we managed it today. We imposed ourselves on the game from the start, found our rhythm and scored four excellent goals".
Consadole Sapporo Manager's comment:
" Scorewise, and both mentally and technically, it was a total defeat. F.C.TOKYO were better than us in every department".