中盤を制して、勝ち点3奪取をめざす！

　リーグ戦も3分の2を迎え、第22節はアウェーで柏レイソルと対戦する。8月の再開後の3試合では、2分1敗と勝利することはできなかった。しかし名古屋戦、磐田戦では、先制を許しても追いつく粘り強さをみせ、内容も上向いている。今節からは週に1試合のペースに戻り、調整の時間も十分。この間に大分に期限付移籍をしていた阿部吉朗が復帰、風邪やコンディションを崩していた選手たちも元気を取り戻していた。今日の先発は、ルーカス、ササの2トップ、今野、梶山がダブルボランチを組み、左サイドバックには鈴木規が入る4-4-2の布陣。阿部吉もスーパーサブとしてベンチに控える。

　柏は現在勝ち点22で16位。再開後の3戦では東京と同じく2分1敗だが、前節のC大阪戦では終了間際に追いつかれる展開で、今ひとつ波に乗り切れていない。しかし今節は、C大阪戦を発熱のために欠場したFW玉田が復帰。新加入のFWレイナウドとともに2トップを組む。また東京のシステムに対抗して、DFを4バックにしてきた。

　原監督は試合前、「柏は奪ってはカウンターという形を徹底している。レイナウド、玉田、また矢野にも速さがある。前を向くとスピードを武器にむかってくるので、できるだけ時間と手数をかけさせるようにしたい。変な形で奪われると逆襲の怖さがあるので、攻撃ではシンプルにフィニッシュ、クロスで終わらなければいけない。また引くのが早いので、我々が先取点を奪い、相手が点を取りにいかざるを得ない展開にもちこみたい」と話していたが、柏とは今季3戦し、1分2敗と負け越している。また、ここからは下位との対戦も続き、とりこぼしは許されなくなる。なんとしてでも勝ち点3を奪い、浮上の勢いをつけたい一戦だ。

Nicking The Points 

With two thirds of the league campaign over, F.C.TOKYO took on Kashiwa Reysol away in the 22nd. game. TOKYO had failed to win since the league restarted in August but in the two draws with Grampus and Jubilo had shown admirable character in fighting back after conceding the first goal and were certainly improving. With the match schedule returning to a one game a week pace there was ample time to refine tactics in training. Yoshiro Abe returned from his loan period at Oita Trinita and the players struggling with colds and niggles had time to recover. TOKYO lined up in a 4-4-2 formation: Lucas and Sasa Salcedo in attack, Konno and Kajiyama in defensive midfield and Suzuki as left back. Abe took up his customary "super-sub" position on the bench. 
Opponents Reysol lay in 16th. place with 22 points at kick off. Like TOKYO they were struggling with their consistency and had been held to a draw in the previous game with Cerezo after conceding a last-gasp equaliser. Ace striker Tamada returned from illness and teamed up with new acquisition Reinaldo, also in a 4-4-2 formation. 
Before kick off manager Hara commented, "Reysol are a complete counter attacking side, very fast on the break. We will have to slow down their attack and force them to commit players going forward. We must ensure we finish every movement with a shot on goal and don't lose the ball in the build-up; if we do we could be in trouble. Ideally, we'd like an early goal to force them to come forward". This was the fourth meeting of the sides this season; Reysol held a 2-1 advantage. Further, it was a meeting of two sides at the wrong end of the table and, while not quite a six-pointer, victory would put some daylight between TOKYO and the stragglers. 

ササの右足が炸裂、開始1分で先制点を奪うが…

　風が吹き出したとはいえ、蒸し暑さの残る柏の葉。19時ちょうど、柏のキックオフでスタートした。開始30秒過ぎ、ササがエリア手前左寄りで倒され、いきなりフリーキックのチャンスを得る。この約20mほどの距離のFKをササ自らが蹴り、ボールは相手GKが伸ばした手の下をバウンドしてすり抜けるように、ゴール右にイン。早くも先制点を奪った！

　これを機に勢いに乗りたかったが、柏も早い出足でボールを奪ってはカウンターを仕掛けてくる。それに対し、東京も速い攻撃をどんどん仕掛けていった。ところが14分、左サイドバックで鈴木規と茂庭が粘り強い守備で相手の攻撃を阻止。しかし、マイボールにしたかと思ったところ、相手スローインの判定を受ける。準備が整わない間に、柏DF小林にスローインを入れられ、MF明神がすぐさまヘッドでつないで、ゴール正面に飛び込んできたFWレイナウドがヘディングシュート。集中が途切れた隙を突かれ失点してしまった。

　同点に追いつかれたが引き続き攻めに出る。16分には石川が右サイドから中に回り込み、ミドルシュート。勢いはあったが、左にきれる。 19分にはルーカスがGKと1対1になるビッグチャンスを迎える。しかし、左サイドからエリアに抜け出して放ったシュートは、相手GKのファインプレーに阻まれて好機を逃した。すると26分、柏はボランチ大谷がエリア手前のレイナウドにパス。レイナウドはゴールに向き直り、前が空いているとみるや、すかさずミドルシュートを放つ。一度は土肥がセーブするも、ボールはこぼれてゴールイン。2点目を失った。

　ビハインドを背負うが気落ちすることなく反撃する。29分には栗澤のパスにササが抜け出し、エリア左で相手DFをかわしてシュート。惜しくも相手DFにカットされ、GKがパンチング。こぼれに石川が競り、CKを奪う。しかし2本のCKはチャンスに結び付けられず。33分には左エリア手前からのFK。栗澤のキックにジャーンが飛び込むが、ボールは浮いて、相手GKがキャッチ。35分には右から加地のクロス。こぼれを拾って梶山がつなぎ、今度は左から鈴木規がクロス。ピッチをワイドに使って攻めるが、フィニッシュにはいたらず。

　42分には茂庭からのフィードをルーカスがくさびになって受け、ササがエリア中央で相手DFをかわしてシュートするが、バーの上。ロスタイムには先制点を奪ったほぼ同じ位置からのFKのチャンス。今度もササが蹴ったが、枠を捉えることができず。チャンスをつくりながらも決め手を欠き、1点ビハインドで後半へと折り返した。

Sasa Blasts TOKYO Ahead 

Reysol kicked off shortly after 7pm on a breezy but humid evening. With only 30 seconds on the clock Sasa was upended outside the Reysol area on the left and TOKYO had the first chance of the game. Sasa took the free kick himself, curling the ball across the wall and beyond Minami's despairing dive to give TOKYO a dream start. 
TOKYO sought to press home the advantage but Reysol were faster to the ball and fought back with some rapid counter attacks. In the 14th. minute Suzuki and Moniwa combined to snuff out a threat down the left. The ball went out for what seemed a TOKYO throw in but was given to Reysol; as the players registered their surprise Kobayashi quickly threw the ball in to Myojin who headed it into the goalmouth and Reinaldo nodded past Doi for the equaliser. A moment's break in concentration cost TOKYO dearly. 
The visitors continued to attack; in the 16th. minute Ishikawa raced down the right, cut inside and shot, his effort fizzing wide. Lucas had a golden opportunity to restore TOKYO's lead in the 19th. minute as he bore down on goal with only the keeper to beat. Minami produced a fine save to maintain parity. In the 26th. minute midfielder Otani picked out Reinaldo outside the TOKYO area. Reinaldo found himself in space and shot powerfully; Doi managed to make contact but was unable to prevent the ball trickling over the line to put the home side ahead. 
TOKYO rallied and went close in the 29th. minute through Sasa who cut inside a defender and shot from the edge of the area. Minami punched the effort away and Ishikawa earned a corner by battling a defender for the ball. In the 33rd. minute Jean failed to connect with Kurisawa's floated free kick from the left and Minami held the ball cleanly. Kaji and Kajiyama curled in crosses in the 35th. minute as TOKYO used the full width of the pitch to good effect but the final touch was lacking. In the 42nd. minute Moniwa and Lucas combined to set up Sasa but his shot flew over the bar. Sasa fired another free kick wide in injury time. TOKYO were creating chances but the finish was lacking and the half ended 1-2. 

阿部吉が一矢報いるも、柏の鋭いカウンターに沈む

　ハーフタイムで仕切りなおし、後半に勝負をかけるはずだった。しかし開始数十秒で柏の鋭い速攻を受ける。中央をFW玉田がドリブルで突進、囲んで奪おうとするが、そこから右に展開。MFクレーベル→大谷とつながれ、ゴール正面で茂庭がインターセプトしようとした裏に居たレイナウドにとおされる。レイナウドは東京DFを引き付けて、左にパス。これに走りこんだ玉田に決められ、3点目を奪われる。後半開始早々に2点差とされ、苦しい試合展開となった。

　東京は46分にルーカス、49分には栗澤がミドルから狙うが相手GKがキャッチ。52分には石川が右サイドを疾走。エンドライン際、深い位置から中に切り込むが、DFに競られてボールはアウトした。53分には栗澤に代えて阿部吉を投入。大きな声援があがり、ここから一気にリズムをつかもうとした矢先のことだった。55分、今野→ジャーンへのバックパスを柏レイナウドに奪われ、一気にゴール前へ。シュートは土肥がセーブしたが、こぼれを玉田に押し込まれて失点。ミスから4点目を奪われた。

　なんとか一矢報いようと、どんどん攻めに出る東京。62分には加地のサイドチェンジから阿部吉が仕掛けて中へ回り込み、ルーカスとワンツーをかわそうとする。だがラストで相手DFがカット。65分には前線へのスルーパスにササが、ルーカスが次々にゴール前に飛び込むが、柏の身体を張ったDFの前にシュートを打てず。66分には鈴木規のクロスから左CKを奪う。67分には石川に代えて馬場を投入。だが、柏のカウンターの勢いも衰えず。70分、右に上がった今野のクロスから、DFのこぼれ球を鈴木規がシュートするが、DFに阻まれ、そこから一気に速攻を仕掛けられる。FW玉田にエリアまで持ち込まれ、シュートを打たれるが土肥がセーブした。

　71分には東京の速攻からエリアに攻め込んだササがシュート。GKを強襲したが、CKに逃れられる。迎えた73分、鈴木規が左サイドを突破しグラウンダーのクロスを送る。ゴール前に詰めていたルーカスがシュート体勢に入り、相手DFとの混戦になったところを阿部吉が押し込み、ゴール！　泥臭くも阿部吉らしい、得意の形でようやく得点を奪った。その後も阿部吉、馬場がよく起点となり、最後まで攻め込んだが、柏のねばり強い守りの前にフィニッシュまで持ち込めず。結果的に柏の球際の強さに押され、巧みで速いカウンターの前に2-4で敗れた。だがササ、阿部吉のゴールなど、今後の反撃に期待がもてる内容でもあった。この敗戦を糧にし、必ず巻き返しを図りたい。

　【選手コメント】《阿部吉》「積極的に前を向いて勝負を仕掛け、攻撃のリズムをつくれと言われて出場した。自分でもどんどん勝負していこう、チームの役割というよりも自分の色を出していこうと思った。ゴールはたまたま中にいたから。鈴木規がサイドの狭いところを突破したことが、ゴールにつながった。結果が出せなくて残念だが、終わったわけではないし、下を向く必要はないと思う」《ササ》「FKは自信があったので蹴った。ゴールがなかなか勝利につながらないが、よい結果を出すためにがんばっていきたい」《茂庭》「もう少し布陣をコンパクトにして攻めていきたかったが、相手が前に出てきて受身に回ってしまった。もっとやれるはず、もうちょっとできたはず…と後悔が残る。失点は運がなかった面もあるが、それ以上にマークがずれていた。危機感はもっている。『いまどう戦うべきか』など、選手同士で話し合っていきたい。東京のサポーターにこれだけ期待され、裏切って、ブーイングも東京コールも受けた。それは『もっとやれるだろう!?』と言われていることだと思う。自分のためにも、残りの試合、とことん戦いたい」

　【原監督の会見要旨】「早い時間帯に点を取ることによって、良い入り方ができた。だが相手のスローインの場面で、『マイボール』と言っている間に放り込まれて決められ、あの失点からリズムが悪くなってしまった。決して崩されてはいないが、2点目も柏FWレイナウドをフリーにしてやられた。ハーフタイムには『柏はカウンターを狙ってくるので、そこに気を付けよう。怖がらないでもう少しボールを動かして攻めていこう』と話したが、その矢先の後半1分にカウンターから玉田に決められ、試合が苦しくなった。途中から阿部吉や馬場を入れ、なんとか我々のサッカーをめざしたが、3点目を取るチャンスに決められず、柏に逃げ切られた。今季は柏との相性が悪く、しっかり戦っていこうと試合前にも話したが、個々の競り合いで柏の選手に負けていた。非常に悔しい敗戦ではあるが、次の試合に向けてみんなで踏ん張りたい。4失点のいずれも、ディフェンスが少しずつ甘くなっているところがあるので、しっかり修正していきたい」

　【柏・早野監督の会見】「引き分けのゲームが続いていたが、この1週間、戦術の確認をして、とにかく2点を取って勝つという気持ちで挑んだ。先制はされたが、逆転で勝利することができた。なにより2トップが2点ずつ取ったのは今シーズン初めて。こういう形ができてくれば安定した戦いができる。4バックにしたのは、FC東京のシステムに合わせて相手のストロングポイントを消したかったから。そのためにDF薩川を左サイドバックに入れた。薩川が慣れないポジションをよくやってくれたし、CB土屋と波戸は良い連係を見せてくれた。さらにファインセーブをみせたGK南は今日のMVP。レイナウドを交代させたのは、確実に勝ち点3を取りたかったので、運動量を増やしていこうと思ったから。相手がかなり前に出てきたので、こちらも運動量を増やし、もう1点取るよりは、しっかりと守りたいと考えた。まだまだ我々にはやらなければいけないことがあるが、この勝利を次につなげていきたい」

Abe Scores On Return

TOKYO sought to continue in the same vein after the break but were rocked by a rapid Reysol counter in the first minute of the second period. Tamada dribbled through the middle then switched play to the right as the TOKYO defence blocked his path forward. Otani played the ball through to Reinaldo, Moniwa failed to cut out the pass and Reinaldo squared the ball for Tamada to tap in with Doi stranded. TOKYO found themselves two goals behind less than a minute after the restart. 
Lucas and Kurisawa tried their luck from distance but Minami held both efforts comfortably. Ishikawa sprinted to the byline and pulled the ball back in the 52nd. minute but the home defence cleared the danger. Abe replaced Kurisawa in the 53rd. minute and received a rapturous welcome from the TOKYO fans; any thoughts of his leading a fightback were shattered by another lapse of concentration, though. In the 55th. minute Reysol intercepted a backpass from Konno to Jean and swarmed over the TOKYO defence. Doi held the initial shot but Tamada pounced to slot the rebound home and raise the score to 4-1. 
With the game sliding out of their grasp TOKYO had no option to throw themselves into attack. Kaji's crossfield ball in the 62nd. minute found Abe on the left but a defender blocked his attempted one two with Lucas. More solid defending prevented Lucas from shooting after he raced onto Sasa's through ball and Suzuki's cross earned TOKYO a corner in the 66th. minute. Baba replaced Ishikawa in the 67th. minute. Reysol showed no signs of slacking the pace of their counter attacks and after a TOKYO move broke down in the 70th. minute Tamada raced free and only a fine save from Doi denied him a hat trick. 
Minami foiled Sasa from the edge of the area in the 71st. minute. Two minutes later Suzuki made headway down the left and fired in a low cross. Lucas shaped to shoot, then became entangled with a defender and Abe popped up to force the ball home and reduce the deficit to two. Thereafter he and Baba strove manfully to pierce the Reysol defence but chances were unforthcoming and the home side successfully held off TOKYO for a 4-2 victory. TOKYO could take some consolation from the defeat in Abe's return and Sasa's well-taken goal. 

Players' comments 
Abe: 
"I went on with orders to go forward positively and try to find a rhythm. I was thinking more about playing my natural game of taking people on than my role in the team. I was just in the right place at the right time for the goal after Suzuki got through and crossed. We didn't get the result but there's no reason to be down. There's a long way to go yet". 

Sasa 
"I felt confident so I took the free kick. My goals aren't really contributing to wins but I'm doing my best to get the results". 

Moniwa 
"We needed to be a little more compact in attack and were rather passive when they came out to attack us. There's definitely a feeling we could have done more in the game. I also have a feeling of crisis. We have to discuss how to approach the games amongst ourselves. The supporters were both booing and cheering us today and that shows we have much more to do. I'll give it my best in the remaining games". 


F.C.TOKYO manager Hara 
"We started very well and got the early goal. But as the players were appealing for the throw in it was taken and they scored; we lost our rhythm from there. They didn't really overrun us but Reinaldo was left in space for the second goal. At half time I warned the team Reysol would play on the counter attack and told them to move the ball around more. Reysol scored in the first minute of the half and that made the game very difficult for us. We sent on Baba and Abe hoping they could lift us but we just couldn't find the third goal. Reysol have been difficult opponents for us this year and before the game we discussed the importance of solid performances but they were better than us on an individual level today. It's a very disappointing defeat but we'll focus on doing our best in the next game". 

Reysol manager Hayano 
"We've been drawing a lot of games recently so we worked on tactics in training and were determined to score at least twice and win the game. They scored first but we came back to win the match. This is the first time this season our strikers have scored two goals each and that's the most pleasing thing. If they can score that allows us to play a steady game. We started with four backs, with Satsukawa on the left, as that negates TOKYO's strong point. He's not used to the position but played well, as did the centre backs Tsuchiya and Hato. I think Minami was the man of the match for us today; he made some vital saves at important times. I replaced Reinaldo as we needed a little more movement and were determined to take the three points. TOKYO attacked strongly at the end and instead of another goal we needed more in defence. There are still many, many things we have to do but we hope to carry over this win into the next game".