GAME RESULT試合結果
第10節 2007/5/06(日)
観衆 14,983人
天候 雨、無 気温 16.9度 湿度 83%
主審:岡田 正義 副審:相樂 亨/武田 進 四審:岡野 宇広
J1 第10節
等々力
5-2
試合終了
前半4-0
後半1-2
川崎フロンターレ | FC東京 | |
---|---|---|
02' 大橋 正博 11' 黒津 勝 43' 大橋 正博 44' 村上 和弘 68' ジュニーニョ |
得点者 |
75' ルーカス 86' 石川 直宏 |
63' 大橋 正博 → 河村 崇大 77' 黒津 勝 → 久木野 聡 83' 中村 憲剛 → 原田 拓 |
選手交代 |
45' 浅利 悟 → 梶山 陽平 45' 馬場 憂太 → ワンチョペ 60' 栗澤 僚一 → 鈴木 規郎 |
15 | シュート | 14 |
5 | CK | 10 |
19 | FK | 14 |
74' 箕輪 義信 89' 久木野 聡 |
警告 |
39' 徳永 悠平 42' 浅利 悟 81' 福西 崇史 89' 茂庭 照幸 |
退場 |
GK | 1 | 川島 永嗣 |
DF | 5 | 箕輪 義信 |
DF | 13 | 寺田 周平 |
DF | 2 | 伊藤 宏樹 |
MF | 19 | 森 勇介 |
MF | 14 | 中村 憲剛 |
MF | 29 | 谷口 博之 |
MF | 26 | 村上 和弘 |
MF | 24 | 大橋 正博 |
FW | 7 | 黒津 勝 |
FW | 10 | ジュニーニョ |
GK | 21 | 相澤 貴志 |
DF | 3 | 佐原 秀樹 |
DF | 4 | 井川 祐輔 |
MF | 6 | 河村 崇大 |
MF | 15 | 原田 拓 |
FW | 16 | 鄭 大世 |
FW | 23 | 久木野 聡 |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 25 | 徳永 悠平 |
DF | 6 | 今野 泰幸 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 37 | 福西 崇史 |
MF | 27 | 栗澤 僚一 |
FW | 14 | 馬場 憂太 |
FW | 18 | 石川 直宏 |
FW | 9 | ルーカス |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 19 | 伊野波 雅彦 |
MF | 15 | 鈴木 規郎 |
MF | 23 | 梶山 陽平 |
FW | 20 | 川口 信男 |
FW | 24 | 赤嶺 真吾 |
FW | 10 | ワンチョペ |
【選手・監督コメント】
総力戦で多摩川クラシコに挑む
第10節は川崎フロンターレと対戦、アウェイ等々力陸上競技場に乗り込む。川崎とはJFL時代より、数々の熱戦を繰り広げてきた歴史がある。それを鑑み、多摩川をはさんだ“伝統の一戦”として「多摩川クラシコ」と名付け、今回を第11回と数えることとなった。1999年(J2)からの対戦成績は、東京の3勝5分2敗。特にJ1での対戦では3勝3分と上回っている。現在、リーグ戦では上位につける川崎だが、今日はプライドを賭けた熱い戦いが期待され、負けられない一戦となる。
東京は、金沢が足を傷めメンバー外。そのためDFラインは、今季初先発となる茂庭と、今野がセンターバックを組み、左サイドバックは藤山が務める布陣に。茂庭は、昨年10月28日(第29節浦和戦)以来の出場。連戦の中で、先発としての準備期間は短かったが、「(チームの成績に)責任を感じている。自分のやれることを精一杯やって勝ちたい」と話していた。またコンディションを考慮して、ワンチョペはベンチスタート。ルーカスが最前線に、馬場がトップ下に入る布陣で臨む。
対する川崎は、現在4勝3分2敗で6位。今季はACLに出場しているため、アジアでの戦いをこなし、Jリーグ以上に厳しい日程が続いている。またMF中村が欠場したここ2試合は、千葉に引き分け、横浜FMに敗戦と結果が出ていない。今節はMFマギヌンが出場停止、FW我那覇も試合出場を控えており、苦しい状況といえるだろう。しかし、今節はMF中村が復帰。MFマギヌンが抜けたトップ下には、初スタメンとなるMF大橋が務め、3-5-2の布陣で臨んできた。もともと攻撃陣の層は厚く、MF中村を起点に展開される攻めには迫力があり、大いに警戒が必要だ。
得点力が懸念されるに東京は、前節垣間見せた中盤での流動的な動きや、サイドチェンジからチャンスをつくりたい。福西の押し上げなど、リスクを負っても攻撃に人数をかけていきたいところだ。前節はともに黒星を喫し、連敗は避けたい一戦。チャレンジャーの精神で挑み、総力戦で“クラシコ”の勝利をめざす。
川崎のカウンターから立て続けに4失点
ゴールデンウィーク最終の日曜日、激しい雨が降るあいにくの天候の中、試合は16時4分に川崎のキックオフでスタートした。開始直後、いきなり先制点を奪ったのは川崎だった。2分、川崎ボールを自陣で福西が奪い、石川につなぐ。石川は相手陣内まで駆け上がるが、川崎DFに奪われてカウンターに持ち込まれる。川崎は、MF中村からのパスをハーフライン手前で受けたMF大橋がドリブルで疾走。東京のプレスを受けることなくペナルティアーク前まで上がり、ミドルシュートを放つと、ボールは塩田の手をすり抜けて右下にイン。早い時間にビハインドを負うことになった。
それでもまだ多くの時間があり、焦ることはなかった。前線からプレスをかけて奪い、5分、栗澤が左で川崎DFをかわして中央にクロス。エリア手前で待ち構えた石川がダイレクトシュートを放つ。9分には、福西が右に展開。石川の突破からクロスをルーカスが合わせ、CKを得た。だが11分、自陣で川崎のボールを奪って速攻を仕掛けたが、福西から馬場へのパスを奪われてカウンターをくらう。川崎右サイドバック伊藤のパスを受けたFW黒津は、エリア手前まで駆け上がってシュート。1失点目と同じようなカウンターからきっちりゴールを決められ、2点目を失った。
その後はラインが引いてしまい、川崎の支配を許すことに。攻撃を仕掛けても単調なクロスやパスに終わってしまい、川崎DFに難なく守られ、すぐさま反撃に転じられた。29分には、川崎のスローインを奪い、ルーカス、福西が粘り強くつなぎ、石川が相手GKとDFの間に絶妙のスルーパスを送る。ここに栗澤が飛び込み、ビッグチャンスを迎えるが、川崎DF箕輪が間一髪でクリア。CKに逃れられた。34分には、福西の奪ったボールから、馬場が前線に長いスルーパス。ルーカスが走りこむが、川崎DFに阻まれる。
この時間帯から、藤山がセンターバックに回り、川崎FWジュニーニョをケアする形に。同時に今野を左に置き、攻撃力を活かそうとした。これで落ち着きを取り戻し、一進一退の展開に。このまま前半は終了かと思われた42分、川崎のカウンターを受け、浅利がFWジュニーニョを倒してFKを与える。ペナルティアークすぐ左から、MF大橋が直接狙ったキックは、右上に鋭く突き刺さり、ゴールイン。これで再び勢いを取り戻した川崎。ロスタイムに入った直後には、東京ゴール前で分厚い攻めを見せ、左から右に展開。MF中村がエリア右深くに進入して、角度のないところから放ったシュートは、一度は塩田がセーブするが、こぼれを川崎MF村上に豪快に蹴りこまれる。アッという間に2点を失い、4点という大差を背負って後半へと折り返すことになった。
ルーカス、石川が意地の得点を挙げるも、反撃は遅く…
後半、馬場、浅利に代えて、ワンチョペ、梶山を投入。右サイドバックの徳永が、上がり目に位置し、DFは3バックに近い形。最前線のワンチョペ、ルーカスに加え、石川が流動的なポジショニングを取り、総力戦で反撃に臨んだ。立ち上がりの46分、川崎FWジュニーニョに決定機をつくられるが、塩田のセーブでCKに逃れる。51分には、梶山からの展開からパスを回し、最後は石川が絶好のグラウンダーのクロスを送る。これにルーカスが合わせるが、大きくバーの上に…。
58分、今野のインターセプトから、ルーカスがつなぎ、石川がエリア手前から思い切ったシュート。しかし川崎GKの好セーブでCKに逃れられた。59分には、梶山のスルーパスを、ゴール前で石川がスルー。うしろのワンチョペが絶好のシュートを放つが、またもや川崎GKの好セーブに阻まれ、こぼれに詰めたルーカスのシュートも、DFに当たり、CKに。60分には栗澤に代わり鈴木規がイン。先ほどのプレーで得た右CKのこぼれから、鈴木規がシュートするが、右に切れた。
前半とは打って変わって攻撃に人数をかけ、徐々にリズムをつかみかけていた。その矢先の68分、相手陣内で梶山が奪われ、川崎の速攻をくらう。エリアに進入したFW黒津をフリーにしてしまい、慌てて茂庭が寄せたがシュートを打たれる。塩田が飛び出したゴール前、カバーに入った藤山が一度はクリアしたが、こぼれをFWジュニーニョに決められ、失点…。
5点を失ったが、それでも東京は攻めに出た。74分には、右からエリア内に切り込んだルーカスが倒され、PKを得る。75分にこのPKをルーカス自身がきっちり決め、1点をもぎとる。今野も果敢に攻め上がり、DFには茂庭と藤山だけが残るという形に。85分には、スローインから、ルーカスが右エリア深くで粘り、ゴール前にグランダーのクロスを送る。これをワンチョペがトラップした後、ヒールで後ろに流し、走り込んだ石川がシュート。DFに当たってCKを得る。右CKは相手DFにクリアされ、今度は左CKに。そして鈴木規のキックを福西が落とし、ゴールエリア左の石川がボレーで左足を振り抜いた! 石川の意地のゴールで2点目を返した。
だが、残り時間はほとんどなく、反撃もここまで。89分には、自陣からカウンターを仕掛け、左サイドを鈴木規が上がり、クロス。梶山がヘッドで右へ振ろうとするが、川崎DFに奪われる。ロスタイムには福西のFKからルーカスがどんぴしゃのヘッドを放つが、GKの正面に飛び、タイムアップ。力の差を感じさせる大敗で、J1での対川崎戦初黒星を喫すとともに2連敗となった。
【選手コメント】《茂庭》「自分にとっては今日が今季の初戦になるが、僕のところが穴になっていて、藤山選手や今野選手にカバーしてもらう場面がずいぶんあった。ただ、負けてしまったが、下を向いている場合ではない。意地があるし、このままじゃ終われない。コンディションを上げていけば、攻撃を止められる自信はある。そうすればチームの調子も上げていけるはず。モニワコールには感動したので、期待に応えられるように頑張りたい」《今野》「川崎も良かったと思う。だが、我々が悪かったことが大きかった。ボールに当たりに行けず、シュートを打たれてしまい、相手はやりやすかったはず。もっと激しく行かなくてはいけなかった。自信を取り戻すには、勝つことが一番。プロとして、気持ちを前面に押し出して、何がなんでも勝つという姿勢を見せて戦わなければ」
【原監督の会見要旨】「ゲームの入り方が悪かった。早い時間の失点で、久しぶりに出場した茂庭を含め、みんながバタバタしてしまった。2失点目も、攻撃に行きたかった時に取られてカウンターからやられた。早い時間に、最も怖れていた形での失点が重なって自信をなくしてしまった。そういう姿を見せてしまったことが残念。前半終了間際にはFKから3点目、続けて4点目は守備に誰もにいないような状況で取られてしまった。ハーフタイムには、このまま終われないと話し、後半少し持ち直したが、最初の入り方が今日の敗戦のすべて。せっかく多摩川クラシコという企画で盛り上げていただき、雨にも関わらず、たくさんのファンの方に来ていただいたのに、本当にふがいない試合をしてしまった。非常に残念」
【川崎・関塚監督の会見要旨】「大雨の中、多くのサポーターに足を運んでいただき、感謝したい。選手は疲れていたと思うが、勝ちにもっていけたのは多くのサポーターのお蔭だと思っている。前節から中2日、また悔しい敗戦のあとの戦いだったが、気持ちの面でしっかり切り替え、スタートから入ってくれた。選手にも感謝したい。MF中村が戻ってきて、出場停止のマギヌンのところにMF大橋が入り、五分五分でスタートしたと思う。いい形で先制点を奪えたことが、我々にリズムをもたらした。MF大橋が非常にいい働きをした。出場の機会をいつも待っていたはずだが、チャンスにしっかり答えを出してくれた。チームとして総力戦で戦っているという意味でも、彼の活躍は大きい。5点取ったあとに2失点したが、そのあたりは修正して失点ゼロにもっていきたい。今度は水曜にACLがあるが、Jリーグで初の1次ラウンド突破に向けて、きっちり準備をしていきたい。試合前の予想では、我々の3バックに対して東京は馬場選手を入れて、ルーカスの1トップ気味にきていた。出方を見ていたが、先制したおかげで、相手より我々の出足がよくなり、しっかりしたゲームができたと思う。東京は、右サイドからの攻撃を一番警戒していた。もう一つ注意していたのは、攻撃から守備への切り替え。そこで切り替え早く、攻撃を仕掛けられたことが、ゲームを決めるポイントだった。ボールが走ったことも、得点に結びつけられた要因だった」