GAME RESULT試合結果
第22節 2007/8/25(土)
観衆 46,951人
天候 晴、弱 気温 28.4度 湿度 74%
主審:松尾 一 副審:二俣 敏明/平野 伸一 四審:犬飼 一郎
J1 第22節
埼玉
3-2
試合終了
前半2-1
後半1-1
浦和レッズ | FC東京 | |
---|---|---|
36' 田中 達也 39' 堀之内 聖 60' ポンテ |
得点者 |
32' 赤嶺 真吾 69' 今野 泰幸 |
87' ポンテ → 内舘 秀樹 89' 田中 マルクス闘莉王 → ネネ 89' 永井 雄一郎 → 小野 伸二 |
選手交代 |
56' リチェーリ → 平山 相太 63' 浅利 悟 → 福西 崇史 76' 石川 直宏 → 栗澤 僚一 |
14 | シュート | 17 |
6 | CK | 3 |
22 | FK | 11 |
24' 鈴木 啓太 |
警告 |
56' ルーカス |
退場 |
GK | 23 | 都築 龍太 |
DF | 6 | 山田 暢久 |
DF | 20 | 堀之内 聖 |
DF | 4 | 田中 マルクス闘莉王 |
DF | 22 | 阿部 勇樹 |
MF | 13 | 鈴木 啓太 |
MF | 17 | 長谷部 誠 |
MF | 14 | 平川 忠亮 |
MF | 10 | ポンテ |
FW | 9 | 永井 雄一郎 |
FW | 11 | 田中 達也 |
GK | 1 | 山岸 範宏 |
DF | 2 | 坪井 慶介 |
DF | 5 | ネネ |
MF | 8 | 小野 伸二 |
MF | 16 | 相馬 崇人 |
MF | 19 | 内舘 秀樹 |
FW | 18 | 小池 純輝 |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 25 | 徳永 悠平 |
DF | 6 | 今野 泰幸 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
DF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 23 | 梶山 陽平 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 35 | リチェーリ |
FW | 9 | ルーカス |
FW | 24 | 赤嶺 真吾 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 3 | エバウド |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
MF | 27 | 栗澤 僚一 |
MF | 37 | 福西 崇史 |
MF | 20 | 川口 信男 |
FW | 13 | 平山 相太 |
【選手・監督コメント】
アウェイの厳しさを跳ね返し、悪い流れを変えたい一戦
リーグ第22節は、アウェイで浦和レッズと対戦。前節柏戦では気持ちの入ったゲームで、多くのチャンスをつくりながらも敗戦。しかしリーグ再開後3連敗となり、今日はこの悪い流れを断ち切り、なんとか浮上のきっかけをつかみたい一戦だ。
前節から1週間のインターバルがあったが、今野、平山、梶山が各日本代表の活動でチームを離れ、全体での練習は実質2日間に限られた。それでも今野と梶山はコンディションを整え、先発に。スタメンは前節から大きく変わらず、ルーカスと赤嶺の2トップ、両サイドには石川とリチェーリが入り、今野がセンターバックを務める布陣で臨むこととに。また出場停止の馬場、五輪代表合宿中に足を負傷した伊野波に代わって、6月30日鹿島戦以来となる栗澤、5月9日ナビスコ横浜FC戦以来にエバウドがベンチに控えた。
対する浦和は、前節勝ち点を43に積み上げて首位に浮上。固い守備が特徴で、ここまでの総失点は16とリーグ最少を誇る。高さと強さのある浦和のディフェンスに対して、「長いボールを放り込むだけでは崩れない」と原監督。そのため、できるだけ高い位置でボールを奪い、素早くサイドに配して石川、リチェーリのスピードを活かしていきたい。浦和の攻撃陣は、FWワシントンは不在だが、「FW田中達と永井の2トップのほうが、スピードのあるサッカーができている」と原監督は警戒。トップ下のMFポンテがドリブルで仕掛けて時間をつくり、その間にFW田中達と永井が飛び出してくる。また、ロングボールから一気に仕掛けてくるカウンターにも注意が必要だ。
東京は前線からプレスをかけ、運動量で負けず、こぼれ球を拾って攻撃につなげたい。セカンドボールの競り合いも、試合を左右する要因となるだろう。首位とのアウェイゲームで、厳しい試合が予想されるが、原監督は「浦和以上の強い気持ちをもって戦わなければ勝てない。選手たちとともに一丸となって、厳しい条件を全部跳ね返したい」と話し、アウェイながらアグレッシブに臨む。
試合は、昼間の猛暑がようやく和らいだ埼玉スタジアム2002。蒸し暑さは残るものの、風も吹き出した。19時4分に浦和のキックオフでスタートした。
よい形をつくり先制するが、相手に2度の決定機を活かされ…
序盤から、前からきっちりプレスをかけて浦和を自由にさせず、切り替えの早い攻撃を仕掛けた。11分には、自陣でインターセプトし、梶山がすぐさま前線の赤嶺に送り、スローインを奪う。ここから右に流れていたリチェーリがエリアに切り込み、ゴール前の石川にマイナスのパスを送る。チャンスの形をつくったが、シュートは浦和DFとの距離が近く、カットされた。だが浦和もDFラインから一気に前線にボールを送り、鋭いカウンターからリズムを掴みはじめる。15分には、自陣からのスローインから素早くパスをつなぎ、MF山田がクロス。これにフリーで飛び込んだFW田中達が、どんぴしゃのヘッドを放つが、塩田のナイスセーブでCKに逃れる。
このピンチを守り切ると、東京はリズムを掴み返し、梶山を起点にサイドにボールを展開してチャンスをつくった。23分、梶山の左クロスを赤嶺が落とし、ルーカスが右サイドから中に切り込み、シュート。24分には、左サイドで得たFKから、梶山がファーに送ったボールに徳永が飛び込む。30分は、ゴール前のルーカスが左スローインを受けようとする。相手DFを背負い、後ろからボールをつつかれるが、こぼれに詰めた石川がループシュート。いずれもゴールは割れなかったが、狙いよく、攻めの形をつくった。
迎えた32分、梶山→リチェーリが左サイドのルーカスにつなぎ、ルーカスはドリブルで前進。エリアに抜け出すリチェーリにスルーパスを送る。GKと1対1になり、リチェーリが放ったシュートはGKをかすめて前に転がり、赤嶺が押し込んでゴール! 連係の取れた攻撃で、堅守の浦和からゴールを奪った。先制を機に勢いに乗りたいところだったが、試合後に選手たちが反省したように、逆に前からプレスをかけられなくなり、全体が引いてしまうことに。
そして36分、浦和の右→左へのサイドチェンジを左MF平川が受け、エリア内に突破を仕掛ける。対面していた徳永をかわして、ゴール前にグラウンダーのクロスを送られる。これを藤山がクリアしようとしたが、その前にスルリと浦和FW田中達に入られ、一瞬のうちにゴールに蹴りこまれてしまった。同点に追いつかれて焦りが出たのか、39分には、同じような形で、浦和MF平川が徳永を切り返し、今度は浮き球のクロス。ここにDF堀之内が頭から飛び込み、ゴール。東京はよい展開で試合を進めていたが、確実に決定機を活かす浦和にわずか4分間に逆転を許し、前半を終了した。
1点差に追い上げ、総攻撃を仕掛けるも実らず
気持ちを切らさず、反撃に臨みたい後半だったが、立ち上がりは浦和がスピーディな攻撃を仕掛け、押し込まれる。47分、塩田のロングキックから、リチェーリが前線に抜け出してエリアまで進入するが、阻止され、浦和MF鈴木が一気にカウンター。MFポンテにエリアまで運ばれる。50分には、浦和・FW永井がくさびとなり、MFポンテがワンタッチで前線にパス。FW田中達が抜け出して放ったシュートは、塩田の好セーブでCKに逃れる。
流れを変えようと、56分にはリチェーリに代えて平山を投入。前線での起点を増やしてゴールを狙おうとした。59分、相手陣内やや右寄りで平山が倒され、FKを得る。梶山の速いキックに合わせ、平山が低い位置からのヘディングを放つ。反撃のリズムを掴みかけたが、直後の60分、浦和GKのキックをMF山田が競り、前線にボールが運ばれる。これに合わせようとした浦和FW田中達には今野がマークに付き、交錯。ともに倒れてしまうが、その隙に転がるボールにいち早く反応したのは浦和MFポンテ。ゴール前にフリーで抜け出し、難なく3点目を決められた…。
それでもあきらめることなく、63分には浅利に代えて福西を投入。すると68分、その福西が左エリア角で倒され、FKを得る。このFKをルーカスが小さく出し、梶山がシュート性のボールをゴール前に。ここに飛び出した今野が右足でわずかに角度を変え、押し込んだ! 反撃ムードが高まる中、71分には、福西から左前線の赤嶺にスルーパス。赤嶺はゴール前にグラウンダーで折り返し、平山が合わせてシュート! 決定的な形をつくったが、わずかに枠を外れる。76分には石川に代えて栗澤を投入。ともに速攻を仕掛ける展開になるが、東京は梶山、栗澤、福西が落ち着いてパスを回し、サイドから前線に次々とボールを入れた。
82分には浦和ゴール前でルーカス、福西がつなぎ、左に流れた栗澤がクロスを上げるが、GKがキャッチ。87分には金沢のクロスを平山が落とすが、こぼれに誰も詰められず。88分には徳永の右クロスからルーカスがヘッド。続いて、栗澤のパスを右で受けた平山が中に回りこむようにしてシュートを放つが、浦和DFにカットされ…。浦和の固い守りにも阻まれ、同点ゴールを奪うことはできずタイムアップ。首位の浦和に対してひるむことなく、気迫のこもったプレーでよく対抗したが、決定力の差が表れる形で敗戦。4連敗となった。
【選手コメント】《塩田》「失点までは決定的な形はつくらせなかったと思う。前からプレスをかけて、サイドチェンジからサイドバックも上がり、ペナルティエリアの近くで勝負ができていた。それを相手は嫌がっていたはず。それが先制したあとに、全体が引いてしまった。シンプルに相手DFの裏を狙って、前で起点をつくりたかったが、その時間帯に意思統一ができず、受けに回った。そこをなんとかうまく立て直したかったが…。次節の広島も前に速い選手がいる。みんなで話し合って修正し、同じ方向を向いて頑張っていきたい。今日も多くのファンがアウェイにもかかわらず応援に駆け付けてくれたのに勝てなくて申し訳ない。次は絶対に期待に応えなくては」《栗澤》「中盤でたくさんボールを受けて、そこから展開していくことを考えていた。平山選手にクロスは入ったが、起点が一つだけになった。もう少し下でつないで相手DFをうまく引き出し、そこから中に入れるという工夫があればよかったと思う。パスをつなぐのか、すぐに放り込むのか、中途半端になってしまったと反省する。ただ、久しぶりの出場だったがモチベーションは高かった。結果が出ていないが、気持ちをしっかりもって、次に向けて準備をするしかない」
【原監督の会見要旨】「首位浦和との対戦。連敗中だが、積極的な戦いを挑んでいこうと全員で話して試合に入った。前半、サイドチェンジから両サイドをうまく使い、そこにサイドバックが絡むという展開で何度かいい形をつくった。そして得点できた。先制のあとももう少し自分たちのリズムで戦いたかった。しかし浦和のワンチャンスに、サイドチェンジからMF平川に前を向かれ、クロスからFW田中達に決められた。あの時間帯は、東京の選手がいい加減にやっていたという訳ではないが、浦和の決定力の高さから2点取られ、逆転されたと思う。中盤の拾い合いでも優っていたが、やはり浦和は決める時は決めてくる。後半、サイドを変えて、前線の速い選手を使って2対1の数的優位をつくっていこうと話していた。その矢先に3点目を失った。今野とFW田中達がもつれた場面で、こぼれに反応しているのはMFポンテだけだった。そのあたりが現在の我々と浦和の違い。(個々の力の差か?)浦和FW田中達、永井・MFポンテの3選手は、彼らだけでフィニッシュまでもっていける力がある。スピードもあり、攻撃力が高いのは事実。だからどうしても東京の4バックが、その3人に対して中に絞らざるを得ない状態になった。失点の場面以外では、今野や藤山、両サイドバックはよく対応していた。マイボールになった時に徳永と金沢が出ていき、そこで優位にはなるが、守備に戻る分、上下動が激しくなる。石川やリチェーリを攻撃的に置いていることもあり、両サイドバックに負担がかかることになった。それとともに、浦和の決定力は我々を上回っていた。(リチェーリの交代は?)彼が悪かった訳ではなく、むしろ石川とともによくやっていた。問題は体力的な部分。そこで平山を入れて、サイドアタックというよりも、真ん中に起点をつくろうとした。浦和のディフェンスはクロスに対して強いので、ルーカスは左目にポジションをとり、前のターゲットを平山と赤嶺の2人にしたかった。一時期は勢いがなかったが、前節の柏戦、今日の浦和戦と、結果は出ていないものの、東京らしいサッカーが戻りつつあると思う。2点を取ったことも含め、この勢いを続けていきたい。最後のフィニッシュの精度を修正し、しっかり戦うことを続けて次の試合に臨みたい」
【浦和・オジェック監督の会見要旨】「勝ち点3を得ることができたが、FC東京はいいサッカーをしていたし、非常に厳しい試合だった。前半、試合の入り方はよく、スピーディーなサッカーができた。しかしそれが前半の途中で崩れ、先制を許した。幸いにも、その後はしっかりと気を取り直し、前半終了間際に逆転することができた。後半、集中してスタートを切り、3点目を取った。東京は3人の交代カードを切り、一か八かのセットプレーでの得点を狙ってきた。それに対して我々は、カウンターで何度もチャンスを作ることができた。追加点を奪うことはできず、本当に苦しい苦しい試合だった。MF平川は、今季ケガもあり、練習にも参加できない状態だった。チーム内でポジションを見つけるのは難しかったと思う。そんな中、サテライトに出場した頃からよくなってきた。彼は何かやってくれそうな感じがする選手。現時点で2位との差は関係ない。シーズンはまだ長いので、他の試合を考えるのではなく自分たちの試合に集中したい」