GAME RESULT試合結果

第6節 2008/4/12(土)
観衆 22,503人 
天候 曇、弱 気温 16.7度 湿度 58% 
主審:高山 啓義 副審:山崎 裕彦/前島 和彦 四審:牧野 明久

J1 第6節

味スタ

HOME

東京ヴェルディ

1-2

試合終了

前半1-0

後半0-2

AWAY

FC東京

東京ヴェルディ FC東京
43' フッキ
得点者 62' 羽生 直剛
89' オウンゴール
64' 井上 平 → 柴崎 晃誠
84' レアンドロ → 平本 一樹
選手交代 61' 浅利 悟 → 大竹 洋平
69' 羽生 直剛 → 金沢 浄
77' 赤嶺 真吾 → 平山 相太
10 シュート 11
6 CK 9
21 FK 21
32' 福西 崇史
46' フッキ
56' 服部 年宏
61' 和田 拓三
89' フッキ
警告 30' 梶山 陽平
43' 藤山 竜仁
89' フッキ
退場
東京ヴェルディ先発
GK 1 土肥 洋一
DF 4 和田 拓三
DF 17 土屋 征夫
DF 5 那須 大亮
DF 22 服部 年宏
MF 23 福西 崇史
MF 14 富澤 清太郎
MF 13 井上 平
MF 10 ディエゴ
MF 7 レアンドロ
FW 9 フッキ
東京ヴェルディ控え
GK 21 高木 義成
DF 2 福田 健介
DF 27 飯田 真輝
MF 6 菅原 智
MF 8 柴崎 晃誠
MF 11 大野 敏隆
FW 25 平本 一樹
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 25 徳永 悠平
DF 3 佐原 秀樹
DF 8 藤山 竜仁
DF 5 長友 佑都
MF 7 浅利 悟
MF 6 今野 泰幸
MF 10 梶山 陽平
MF 22 羽生 直剛
MF 24 赤嶺 真吾
FW 9 カボレ
FC東京控え
GK 31 荻 晃太
DF 4 ブルーノ クアドロス
DF 17 金沢 浄
MF 27 栗澤 僚一
MF 20 川口 信男
MF 30 大竹 洋平
FW 13 平山 相太

【選手・監督コメント】

3年ぶりの東京決戦、ヴェルディの個人技を抑えて勝利を!


 リーグ第6節は東京ヴェルディと対戦、味スタでの開催ながらアウェイゲームとして戦う。前節味スタで約半年ぶりの勝利を挙げ、今節は連勝をめざすとともに、絶対に負けることのできない東京決戦。選手たちは口々にか「ヴェルディとの試合はクラブ同士の戦い。ピッチに立つ僕たちが一番にそれを表現したい」と話し、気合も十分だ。

 ただし、茂庭が右肩の様子を見て欠場。そのためセンターバックは佐原と藤山が組み、羽生がトップ下、カボレと赤嶺が2トップを務める4-3-1-2の布陣で臨むことに。U-19日本代表の活動でチームを離れていた大竹もサブに控えた。

 3年ぶりにJ1に復帰したヴェルディは、ご存知のようにFWフッキが電撃加入。攻撃力は格段にアップしている。前節初勝利を挙げ、勢いもあるはずだ。今節はMF河野が負傷のため欠場となったが、まずはFWフッキを中心にトップ下のディエゴ、左MFレアンドロと、強力な個人技を持つ攻撃陣を抑えることが必要になる。前線からプレスをかけ、切り替えの早い攻撃を仕掛け、固い守備を崩していきたい。攻守に連動した動きでスピーディな展開に持ちこめば、隙は突けるはず。ヴェルディの個人技をチームで抑え、勝利を!

 曇り空の味スタ、アウェイスタンドには多くの東京ファンが駆けつけた。試合前から大声援を送り、まさにホームの雰囲気の中、試合は17時3分に東京のキックオフでスタートした。

ヴェルディの攻撃をよく耐えしのぐも、FKから失点…


 序盤は互いに激しくプレスをかけ合い、ボールの奪い合いが続いた。ヴェルディは2分にFWフッキが右サイドを疾走。4分にはFWフッキにシュート体勢に入られるが、いずれも長友、藤山が身体を張って守りきる。6分には東京が右CKを得る。すると羽生のキックをクリアしようとした相手DFのヘッドがネットを揺らす。しかし、ゴール前で反則があったとの判定でノーゴールに。13分には、徳永のFKがゴール前に抜けたところに羽生が突っ込み、相手GKと交錯しながらもシュート。相手の隙を突く動きでチャンスをつくったが、ボールはわずかに枠外に。

 しかし、徐々にヴェルディの支配を許し、早い攻撃を仕掛けられて押し込まれることになる。同時に、反撃を狙っても前線でボールを収められず、攻撃の形をつくれない。それでも守備陣は奮闘。塩田、藤山、佐原を中心に粘り強く守り、決定的なピンチには至らなかった。37分には東京の右CK。羽生のキックは相手GKがパンチングするが、DFと浅利が競り合ったこぼれを梶山が拾い、トラップから巧みに反転してシュートを放つも、枠の上に。42分には、攻め込む中で奪われ、カウンターをくらったが、FWフッキのドリブルは、藤山と長友が挟み込むように奪う。

 互いに気迫にあふれ、激しい攻防が続く中、迎えた43分、今度はFWフッキの突破をファールで阻止し、右エリア外・サイドからのFKを与える。これをMFディエゴが短く中に出し、FWフッキがシュート。ボールは鮮やかに左上に決まり、失点…。ここまでよく耐えしのいでいたが、嫌な時間帯に先制を許した。ロスタイムには、今野→徳永がドリブルで上がり、ライン際からニアに送ったグラウンダーのボールに、赤嶺が身体ごと飛び込む。ボールは相手GKの飛び出したゴールに向かったが、カバーに入ったDFにクリアされ、同点弾は奪えず。1点のビハインドを背負って後半へと折り返した。

羽生が初ゴール。終了間際に劇的な勝ち越しで激戦を制す!


 1点は失ったものの、後半に勝負を賭けた東京、切り替えの早い攻撃からリズムをつかみ始めた。52分には、梶山がインターセプトから、エリアまで進入してシュート。だがGKのセーブに阻まれる。ヴェルディもスピーディな仕掛けからチャンスをつくり、57分、MFディエゴ→左エリアに流れたFWフッキがダイレクトでシュート。これは右のポストに当たって追加点は免れる。60分には、ヴェルディの左スローインから、FWフッキがゴール前に送ったボールに、MFディエゴがフリーで抜け出す。決定的な場面だったが、シュートは塩田の好セーブでCKに。

 攻守の入れ替わりが激しい展開の中、61分には浅利に代えて大竹を投入。4-4-2の布陣で反撃を狙った。すると直後の62分、右サイドから大竹がドリブルで上がり、外側のカボレに。カボレはエリア手前の赤嶺にクロスを送り、ワンタッチで落とす。そこに走り込んだ羽生が、ダイレクトでシュート。アウトにかけてコントロールされたボールは、右上に吸い込まれ、貴重な羽生の今季初ゴールで同点に!

 スタンドもヒートアップし、勝ち越しのムードが高まる中、67分には、カボレが右エリアで相手DFを切り返して、クロス。ゴール前の赤嶺は打ち切れなかったが、ファーの大竹が受け、シュートモーションから中央の梶山に。梶山もシュートと見せかけ、再び大竹に。そこから外を上がった今野につなぎ、シュートするがDFに阻まれる…。69分には、足の様子をみた羽生に代えてボランチに金沢を投入、大竹がトップ下を務める布陣で“もう1点”を狙う。

 激しい攻防は続いたが、徐々にラインが間延びしてきたヴェルディに対し、パスをつないで攻勢に出る。75分には、カウンターからカボレ→赤嶺がループでゴールを狙ったが、バーの上に。77分には赤嶺に代えて平山を投入するが、チャンスに決められないまま時間は過ぎた。87分には今野の攻め上がりからCKを奪ったが、大竹のキックに合わせた佐原のヘッドは、わずかに左に…。

 たが、ロスタイムの表示が出たばかりの89分のことだった。左サイドの長友が、中央に上がった金沢からリターンを受け、再び中央の平山に預けてゴール前まで走りこむ。ボールは平山→金沢がつなぎ、左サイド後方の梶山がクロス。これをファーの今野がヘッドで落とし、ゴール前にフリーで抜け出した長友が胸トラップ。シュート体勢に入ったところで、足を伸ばした相手DFのオウンゴールを誘い、劇的な勝ち越し。あきらめず、粘り強く、気迫あふれるプレーでチャレンジを続け、逆転に成功。ヒートアップした激戦の東京決戦を制した。

 【選手コメント】《長友》「難しい試合だったが、サポーターの声がすごくて、ずっと応援してくれて力になった。(決勝点の場面は)ずっと縦に勝負していたので、一度金沢選手に当てて、中に入っていこうと考えた。そうしたら金沢選手がうまく外に開いてくれて、中で仕事ができるスペースがみつかった。そこに今野選手からいいボールが来た。オウンゴールになっても決まってよかった。ヴェルディの攻撃陣は、FWフッキだけでなく、みんなスピードも強さもあった。ただ自分も1対1には自信があるので負けたくなかった。この1試合だけではなく、コンスタントにこういうパフォーマンスを続けられるようにしたい」《羽生》「ダービーは想像以上だった。サポーターの応援、気持ちもすごかったし、監督からもいままでのFC東京の歴史を理解した上で、勝負にこだわっていこうと話されていた。前半は0対1でもOKだったと思う。前半終了間際の失点で嫌な感じはあったが、45分トータルで考えればプランどおり。攻められても、こちらのチャンスもありそうな雰囲気だったので、そこを見逃さずに突こうとした。後半も攻め急がず、状況を見てプレーすれば必ずチャンスはつくれると考えていた。(得点シーンは)決まるとしたら、あそこしかないと思っていた。ループ気味に飛んで、GKもタイミングがとりづらかったと思う。ただ、今日は得点以外ではあまり効果的な動きも、ボールに関わる数そのものも少なかったと思う。ダービー特有のガシャガシャした試合で、リスクを負わないプレーも多かった。そのあたりは個人的な課題。充実感のある試合を増やしていきたい」

 【城福監督の会見要旨】「ヴェルディのMFディエゴとFWフッキという素晴らしい個の力を、チームとして出させないようなゲームの入りをした。前半はそれができたと認識している。MFディエゴとFWフッキがフレッシュな時には、前を向かれると彼らの特長を最大限に活かされるので、相手の良さを消すために、我々はコンパクトに戦った。前半辛抱できれば、ヴェルディは後半間延びするので、我々のサッカーができると考えていた。最後のFKでやられて、嫌な終わり方をしたが、後半はまず自分たちのペースを崩さないこと、前半の最後のほうでやっていたサッカーを継続することを大事にして臨んだ。自分たちのバランスを崩して点を取りに行くのではなく、慌てないでやり続けようとした。後半、まず羽生選手がいい形で点を取ってくれて、チームとして生き返った。浅利、羽生、赤嶺と、交代した選手もみんな自分たちの役割をまっとうしたため、後から入った選手もプレーしやすかったと思う。(ダービーの感想は?)どの試合も、結果として勝ち点0か1か3か、しかないが、メディアやサポーターの方々がすごく盛り上げてくれた。そういう文化を作っていただき、私はとても感謝しているし、ピッチに立つ人間は、より責任を負って戦うことになる。そういう場が一試合でも多いほど、選手のレベルアップになるし、日本のサッカーにとってプラスになるはず。こういう熱い試合を続けていくことが、FC東京にとっても日本のサッカーにとっても大事だと思う」

 【ヴェルディ・柱谷監督の会見要旨】「ダービーということをしっかり意識して、我々は前半からアグレッシブに勝ちに行った。だが最後の最後でひっくり返されてしまった。観ている人々、サポーターにとってはエキサイティングだったかもしれないが、非常に悔しいゲームとなった。前半に関して、ラフなプレーが出たり、FC東京がリトリートしてロングボールを蹴るなど、我々のことを警戒して研究しているなという感じはあった。FC東京は2トップで、カボレや赤嶺には縦の速さがあるので、カウンター攻撃には注意していた。両サイドバックのオーバーラップに関しては、時間を作らせないようにと。もし出てきた時でも落ち着いて守ればいい。1対1で負けなければ、そんなにやられる相手ではない。1人ずつマークがずれても、落ち着いてゴール前を固めればいいと指示をしていた。それでも失点0で抑えることは難しいと思ってはいたが、反対に我々が2点目を取れなかったことが痛かった。その代償として最後のロスタイムの失点に繋がったと思う。私たちはずっとポゼッションを大事にしてきたが、FWフッキにボールが入った時、気持ちが入りすぎて、ボールを持ってしまうことが多かった。本当は1~2タッチのプレーを混ぜてほしいが、そのため今までやってきたチームとしてのポゼッションが、今日は低かったと思う。そこで中盤のMF井上を代えてMF柴崎を入れ、もう少しポゼッションを上げようとしたが、ボールを回せずにドタバタした後半になってしまった。FC東京が逆にポゼッションをし出したので、その部分ではMF福西にコントロールを頼んでいるが、彼も疲れてきて中盤同士の距離が遠くなってしまった。(大竹の投入により、流れが変わったか?)確かに変わったと思う。MF富澤には、しっかり目の中に入れて逃さないこと、ドリブルはあるが捕まえてしまえばそんなに怖くはないという話はしていた。ただ、我々にもそういう武器があれば…という気持ちはある。MF河野が膝の負傷で出場できなかったことは残念だった」