GAME RESULT試合結果
第25節 2008/9/20(土)
観衆 20,729人
天候 曇、弱 気温 24.0度 湿度 73%
主審:松村 和彦 副審:上荒 敬司/前島 和彦 四審:中原 美智雄
J1 第25節
等々力
0-1
試合終了
前半0-1
後半0-0
川崎フロンターレ | FC東京 | |
---|---|---|
得点者 |
05' 赤嶺 真吾 |
|
62' 黒津 勝 → レナチーニョ 74' 村上 和弘 → 田坂 祐介 75' 谷口 博之 → 大橋 正博 |
選手交代 |
16' 赤嶺 真吾 → 平山 相太 61' カボレ → 鈴木 達也 76' エメルソン → 藤山 竜仁 |
20 | シュート | 6 |
6 | CK | 2 |
12 | FK | 18 |
62' ヴィトール ジュニオール |
警告 |
13' 佐原 秀樹 39' 徳永 悠平 68' 浅利 悟 89' 藤山 竜仁 |
退場 |
41' 今野 泰幸 |
GK | 1 | 川島 永嗣 |
DF | 26 | 村上 和弘 |
DF | 4 | 井川 祐輔 |
DF | 2 | 伊藤 宏樹 |
MF | 8 | 山岸 智 |
MF | 14 | 中村 憲剛 |
MF | 29 | 谷口 博之 |
MF | 11 | ヴィトール ジュニオール |
FW | 7 | 黒津 勝 |
FW | 16 | 鄭 大世 |
FW | 10 | ジュニーニョ |
GK | 22 | 植草 裕樹 |
DF | 13 | 寺田 周平 |
MF | 17 | 菊地 光将 |
MF | 6 | 田坂 祐介 |
MF | 24 | 大橋 正博 |
FW | 34 | レナチーニョ |
FW | 9 | 我那覇 和樹 |
GK | 1 | 塩田 仁史 |
DF | 5 | 長友 佑都 |
DF | 3 | 佐原 秀樹 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 25 | 徳永 悠平 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 6 | 今野 泰幸 |
MF | 10 | 梶山 陽平 |
MF | 15 | エメルソン |
FW | 9 | カボレ |
FW | 24 | 赤嶺 真吾 |
GK | 31 | 荻 晃太 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 30 | 大竹 洋平 |
MF | 40 | 鈴木 達也 |
FW | 13 | 平山 相太 |
【選手・監督コメント】
アウェイでも、勝つ!~第14回多摩川クラシコ開催
リーグ第25節は川崎フロンターレと対戦、第14回多摩川クラシコが開催される。前節大宮戦ではホームで勝利を収め、連勝を果たした。今節はアウェイながら、城福監督も「勝ちにこだわる」と宣言。勢いに乗り、今季2度目となるリーグ3連勝をめざす。同時に、ここまで五分の成績(ともに4勝5分4敗)のクラシコの決着をつける意味でも、負けられない一戦になる。今節は佐原が出場停止から復帰した一方、羽生が警告累積のため欠場。そのため、前節はセンターバックを務めた今野がボランチに戻る布陣で臨むこととなった。
対する川崎は現在5位。勝ち点は東京と5差だが、ここまでの総得点は42とリーグ2位を誇る。今節は途中加入のFWレナチーニョを含め、川崎のよさを消して、いかに3トップを抑えるかが一番の焦点となるだろう。城福監督が「川崎の攻撃陣はそれぞれに個性がある」と分析するように、FWジュニーニョやMFヴィトール ジュニオールにはテクニックとスピード、FW鄭やFW黒津は強さと速さを兼ね備え、それぞれにどう対応していくかがポイント。また、川崎のパスの供給源となるMF中村、鋭い飛び出しで得点機を演出するMF谷口らを自由にプレーさせないことも勝利の条件となる。
川崎のDFは、ここのところ4バックを採用しており、サイドのスペースは簡単に与えてもらえないかもしれない。そのため、どれだけ隙を突いて早い攻撃を仕掛けられるかがカギ。前半のホーム戦で見せたような素早いパスワークで仕掛け、チャンスをつくりたいところだ。ただし、川崎は第17節から5勝3分の負けなしと、現在絶好調。また等々力陸上競技場では、東京はいまだ未勝利と不利な数字もある。厳しい戦いになりそうだが、データだけでは図れないのが「クラシコ」。一丸となって川崎の勢いを削ぎ、勝利を!
関東地方に接近した台風も過ぎ、晴れわたった等々力。まだ蒸し暑さが残るも19時3分、東京のキックオフでスタートした。
赤嶺の3試合連続弾で先制!その後は相次ぐアクシデントが…
立ち上がりは川崎のテンポの早い攻撃に押し込まれた。3分には、川崎MF中村のクロスを、エリア内のFWジュニーニョが胸トラップし、シュート体勢に。東京DFがブロックしてCKに逃れる。この川崎の左CKからFWジュニーニョにヘディングを放たれるが、枠外に。だが5分に、東京のスローインから相手のクリアで左CKを得る。このCKで徳永の蹴ったボールは、中央を抜けてファーにこぼれ、待ち構えていた赤嶺が左足で蹴り込んでゴール! 早い時間にセットプレーのチャンスを活かしきり、赤嶺の3試合連続弾で先制した。
それでも川崎は気落ちすることなく攻めに出て、9分にはFW鄭の鋭いミドルがバーをかすめる。クラシコらしく、激しい闘志がぶつかり合う展開の中、15分には赤嶺が相手と接触して右腕を負傷するアクシデントが起こり、16分に平山と交代することになった。20分を過ぎる頃からは川崎の勢いも少し落ち、一進一退の攻防に。
29分、川崎FW鄭に左サイドからドリブルで切り込まれるが、東京DFがブロック。右サイドにこぼれたボールを拾われ、MF中村のクロスからMFヴィトール ジュニオールにヘッドを放たれる。34分には、梶山のインターセプトから、今野が右エリアのエメルソンにスルーパスを送るも、相手DFが一歩早くスローインに逃れる。35分は、右サイドからのFKに今野がヘッドで合わせたが、GKがキャッチ。37分には、長友→右前の平山がダイレクトで中へ送り、今野がシュートを放ったが、わずかに枠外に。39分には川崎FW黒津が右サイドから中へドリブルで疾走。徳永をかわしてエリアまで持ち込み、中央のFW鄭にラストパス。東京DFの寄せをかわして、左のFWジュニーニョにパスを出されるが、これも東京DFがカット。
しかし、東京もチャンスを作り出し、リズムをつかもうとしたた矢先の41分、今野が相手陣内で川崎MF中村をひじで打ち払ったとの判定でレッドカードを受け、退場に。東京は残りの時間を10人で戦うことを余儀なくされることとなった。
全員が集中し、必死の守備で耐えしのぎ、熱い戦いを制す!
1点のリードを保って臨んだ後半だが、序盤から人数をかけて攻め込む川崎にチャンスをつくられた。それでも全員が集中を切らさず、素早い寄せと身体を張った守備で、最後のところで川崎の攻撃をくい止めた。48分には川崎DF井川も上がり、人数をかけて攻め込まれるが、CKに逃れる。このCKのこぼれから、左エリアの川崎MF谷口がゴール前にマイナスのパスを送る。再びクリアしたボールをエリア外のDF山岸に拾われてシュートを打たれたが、身体を張ったブロックでしのぎきる。57分には川崎FWジュニーニョに左エリアに進入され、クロスに合わせてMF中村がゴール前に飛び込み、決定的な形を作られたが、ダイビングヘッドは塩田がセーブ!
59分、川崎MFヴィトール ジュニオールの右アーリークロスを佐原がクリアし、梶山→平山がカウンターを仕掛け、長友が右サイドを疾走。カウンターから追加点を狙ったが、中央を上がったカボレへのクロスは、あと一歩のところで合わなかった。60分には川崎MF中村が東京DFの裏にパス。FWジュニーニョが抜け出し、飛び出した塩田をかわしてループで狙われたが、シュートはわずかに左に切れる…。61分にはカボレに代えて鈴木達を投入、前線からの守備を意識を高めて川崎の攻撃に対抗することに。川崎も62分にはFW黒津に代えてFWレナチーニョを投入してきた。
それでも東京はバランスを崩さず、厳しい守備から追加点のチャンスをうかがう。66分、平山が左サイドから強烈なミドルシュートを放ち、相手GKが一度はこぼすが、そこには誰も詰められず。67分には梶山が相手陣内・右ライン際でファールを受けて倒され、FKを得る。梶山自身が蹴ったボールに、平山がヘディングで飛び込んだが、少しタイミングがずれ、打ち切れなかった。
76分にはエメルソンに代えて藤山を、そのまま右サイドに投入。一瞬も気の抜けない展開が続く中、80分には浅利→藤山が中央を上がり、前線の平山にパスをとおす。平山はエリア手前右寄りから果敢にゴールを狙ったが、左にきれてしまった。川崎も猛攻を仕掛け続け、84分には自陣からの縦パスにFWジュニーニョが抜け出し、中央→左と大きく展開。最後は左からクロスを上げられる。86分には右クロスからFW鄭がヘディングを放つが、塩田がセーブ。87分には川崎・左サイドのMF田坂が外から中に回りこみ、左エリア角付近からシュート性のクロス。ファーにFWジュニーニョが飛び込まれたが、東京は闘志をむき出しに、まさに必死になって跳ね返し、戦い切り、タイムアップ!
終了のホイッスルとともに東京の選手はピッチに倒れ込むほど走り、身体を張って戦い抜き、川崎に粘り勝ち。熱い戦いを制して今季2度目となる3連勝を果たすとともに、鬼門・等々力陸上競技場でJリーグでは初となる勝ち点3をゲットした。
【選手コメント】《佐原》「本当に集中を切らすことなく、全員で戦い抜いた結果。自分もチームのみんなも走りきったと思う。1人少なくなった時点では、同点にされても仕方がないというぐらいの気持ちで開き直った。それでも前線の選手を含め、みんな守備の意識を高くもって戦った。10人で失点ゼロに抑えられたことは大きな自信になるし、今後の戦いにも活かされると思う。川崎との対戦で特別な思いもあったが、ことさら意識はしないようにした。ただ、彼らの個々の能力の高さ、戦い方もわかっている。支配はされたが、中央を固めれば簡単にはやられないと思っていた」《塩田》「序盤は攻められたが、そこから川崎のチェイシングが少し弱まり、前に運べそうになった時に10人になった。ただそこで逆に守る意識が明確になったと思う。1対0でもいいし、カウンターで2対0にできればなおよいという共通意識が徹底された。押し込まれても、みんな最後までコースを切ったり、身体を寄せて、相手をフリーにさせなかった。そのおかげでシュートを打たれても、少しずつ枠を外れていったのだと思う。みんなに感謝している。本来ならもっとキレイなサッカーで鮮やかに勝ちたかったが、アクシデントがあっても力強いサッカーでプランどおりに勝てたことを誇ってもいい。歯を食いしばって相手よりも踏ん張れることがわかったし、自信になる。等々力には悔しい思いが残っていたので、今日は結果が出せてよかった。ただ、次に負ければ勝利も意味がなくなる。続けて連勝できるように頑張りたい」
【城福監督の会見要旨】「いろいろなアクシデントを想定して試合の準備をしているが、想定外のことが起こるのがサッカー。今日は想定外のことが起こった中で、選手たちは自分の、あるいはチームとしてやるべきことを最後まで途切れずにやりきった。それが勝ち点3につながったと思う。1人少なくなったが、ハーフタイムには、蹴って休むのではなく自分たちの時間をつくりながら休もうと確認して後半に臨んだ。少しはやれたところもあるが、川崎のドリブル、パスやシュートの重圧に耐えきれず、蹴ってしまった部分はあった。もともと立ち上がりに中盤でのミスがあり、恐がって受けられなくなったところはある。本来ならばあと2~3m動き直し続けてボールを回していきたかったし、その動き直しは我々がボールを動かしていくキーだが、それができなかった。マイボールになった時に蹴るのか受けるのか、どこにスペースと時間があって一番ボールを回せるかというところが、少しあっぷあっぷになってしまった。ハーフタイムで修正することを考えていたが、その中で今野の退場というアクシデントが起こった。10人になった後は、1トップの4-4-1でしっかりブロックを作ろうとした。もともと前線の2人で追っていて、そこが1人になるのは大きく変わるものではない。守備としては最後まで非常に集中していた。川崎にはブロックの外でプレーをさせて、そこから切り込まれることはあっても、ボランチの2人とセンターバックの2人の一番危険な場所に入り込まれたシーンは少なかったと思う。もちろん、相手のクロスがピンポイントで入ってきたり、中盤の4枚+DF4枚のブロックで、前の4人が引きすぎた時に、その外から打たれた場面はあったが、こちらが10人で相手が川崎ということを考えても、選手たちは非常によく守り切ったと思う。それはディフェンダーだけではなく、全員が集中した賜物。終了のホイッスルが鳴った時に選手たちが芝生に倒れ込んだのは、彼らが力を出し切った証拠だし、こういう気持ちを持って今後の試合も戦いたい」
【川崎・高畠監督の会見要旨】「前回の多摩川クラシコで悔しい思いをした。今日はホームということもあり、是が非でも勝ち点3をサポーターにプレゼントしたかった。立ち上がりに自分たちのミスから失点して、1点を追いかける苦しい状況になった。それでも我々の攻撃力を活かし、味のある攻撃は展開できたと思う。前半、いい形で展開しながらもなかなかゴールが決まらず、少し焦ってしまった。チャレンジはしていたが、自分たちのミスからピンチを招くシーンがあったので、それを避け、ハーフタイムには焦らずに最後まで崩していこうと話した。東京は1人少ない状態でブロックを作ってきたが、そこで焦らずサイドから崩していこうと。効果的にサイドチェンジをして逆サイドから攻めていこうとした。ブロックを作られても、ワンツーや3人目の動きでペナルティエリア横のスペースをえぐり、フィニッシュまで持ち込もうという理想はあった。ただ、相手も必死で、そこをもっと崩していきたかった。結果はこのようになったが、最後まで勝ちにいこうとした選手たち、それを後押しをしてくれたサポーターには本当に感謝している。これでトップとは少し離れたが、残り9試合でまだ可能性はある。前を向いて続く連戦を戦っていきたい」