GAME RESULT試合結果
第12節 2012/5/20(日)
観衆 25,803人
天候 曇、弱 気温 22.7度 湿度 35%
主審:松村 和彦 副審:高橋 佳久/蒲澤 淳一 四審:木川田 博信
J1 第12節
味スタ
3-2
試合終了
前半0-1
後半3-1
FC東京 | サガン鳥栖 | |
---|---|---|
75' 渡邉 千真 81' 渡邉 千真 88' 渡邉 千真 |
得点者 |
42' 水沼 宏太 59' 豊田 陽平 |
54' チャン ヒョンス → 石川 直宏 54' 谷澤 達也 → 渡邉 千真 68' 米本 拓司 → 河野 広貴 |
選手交代 |
57' 池田 圭 → 早坂 良太 71' 岡本 知剛 → 犬塚 友輔 80' 藤田 直之 → 黒木 晃平 |
15 | シュート | 8 |
7 | CK | 1 |
11 | FK | 8 |
警告 |
13' 岡本 知剛 87' 小林 久晃 |
|
退場 |
GK | 20 | 権田 修一 |
DF | 30 | チャン ヒョンス |
DF | 2 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | 森重 真人 |
DF | 33 | 椋原 健太 |
MF | 4 | 高橋 秀人 |
MF | 7 | 米本 拓司 |
MF | 8 | 長谷川 アーリアジャスール |
MF | 10 | 梶山 陽平 |
MF | 39 | 谷澤 達也 |
FW | 49 | ルーカス |
GK | 1 | 塩田 仁史 |
DF | 14 | 中村 北斗 |
DF | 16 | 丸山 祐市 |
MF | 17 | 河野 広貴 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
FW | 11 | 渡邉 千真 |
FW | 23 | 林 容平 |
GK | 1 | 赤星 拓 |
DF | 15 | 丹羽 竜平 |
DF | 4 | 小林 久晃 |
DF | 5 | キム クナン |
DF | 20 | 呂 成海 |
MF | 8 | 水沼 宏太 |
MF | 14 | 藤田 直之 |
MF | 6 | 岡本 知剛 |
MF | 10 | 金 民友 |
FW | 22 | 池田 圭 |
FW | 11 | 豊田 陽平 |
GK | 12 | 奥田 達朗 |
DF | 3 | 磯崎 敬太 |
DF | 13 | 犬塚 友輔 |
MF | 30 | 黒木 晃平 |
MF | 25 | 早坂 良太 |
FW | 9 | トジン |
FW | 18 | 野田 隆之介 |
【選手・監督コメント】
昨季しのぎを削った鳥栖との対戦、ホームでリーグ3連勝をめざす
リーグ戦は日程の3分の1を終え、第12節サガン鳥栖戦が開催。ホームにて迎え撃つ。5/16アウェイでのACL蔚山戦は、主導権を握りながらもチャンスに決めきれずに敗戦を喫した。しかしポポヴィッチ監督は「大切なことは力を出し切ること。その結果、敗れたのであれば何も下を向く必要はない」と話し、すぐさまリーグ戦に切り替えていた。
対する鳥栖は、現在4勝5分2敗で7位につけ、東京との勝ち点差は1。昨季はともにJ2でしのぎを削り、そのあきらめない姿勢や粘り強さに苦しめられた相手でもある。今季も、全員のハードワークを武器とし、FW豊田を軸にした攻撃は鋭く、チームとしての成熟度も増している。また16日に行われたナビスコ杯では磐田との対戦で点の取り合いを制するなど、勝負強さも身に着けているといえるだろう。
蔚山戦を欠場した太田は、まだ体調が整わず欠場に。一方で札幌戦で左ひざを負傷した石川も「思ったよりも軽い」状態で、サブに復帰。DFラインは、蔚山戦と同様に徳永をセンターバックに起用。チャン ヒョンスが右サイドバックを務め、左に椋原。中盤は高橋と米本がダブルボランチを組み、左右MFに谷澤と長谷川。ルーカスがトップ、梶山がトップ下を務める形で臨むことになった。
タフな試合になりそうだが、鳥栖の前線からのプレスを落ち着いてかわし、自分たちのサッカーでリーグ3連勝をめざす一戦。連戦の中でも走り負けず、ホームで勝ち点3をつかみたい。曇りながら過ごしやすい天候の味スタ、試合は15時4分に鳥栖のキックオフでスタートした。
鳥栖に勢いを掴まれ、前半終盤に先制を許す
落ち着いて試合に入り、序盤に決定的なチャンスを作った。12分、森重のフィードをエリア中央の長谷川が相手DFと競り合い、右エリアにこぼれたボールに対して高橋が飛び出し、決定的なシュートを放ったが……左に外れてしまう。しかし16分には相手陣内でルーカスからのパスが合わず、一気にカウンターをくらう。鳥栖・右サイドからの精度の高いアーリークロスに対して、ゴール正面にMF金に飛び出され、決定的な形を作られたが、シュートは枠外に。
東京は鳥栖のプレスの前にミスもあり、18分、20分にもカウンターからチャンスを作られた。だが決して慌てずに守り、反撃をうかがい、23分には谷澤→椋原が左前線を突破。中にえぐってゴール前にマイナスのパスを送り、左エリアの梶山がダイレクトで合わせる。しかしシュートは、ポスト左下隅に当たって阻まれ……。チャンスを活かすことができなかった。
時間の経過とともに東京はボールを支配するようになったが、鳥栖のブロックを作った守備の前に、なかなか効果的な攻めの形を作れず。反対に43分には、相手陣内でボールを失い、鳥栖の逆襲をくらう。鳥栖はDFラインからMF藤田を経由して、MF金が中央をドリブルで持ち上がる。これをくい止めることができず。長い距離を上がられ、右エリアにフリーで走り込んだMF水沼にラストパスが渡ると、迷わず右足を振り抜き、ネット上に突き刺さる豪快なシュートを決められてしまった……。
44分にはパスをつないでエリア中央に谷澤が飛び出し、反転して落としたボールにルーカスが合わせる。だが至近距離のシュートはブロックに阻まれ…。1点のビハインドを背負って前半を終了した。
交代出場の渡邉がハットトリック! 大逆転で劇的な勝利!!
先制を許したものの、後半も自分たちのサッカーは変えず、パスをつないで攻勢に出た。しかし攻め上がろうとするところでミスが出てしまう展開に。そのため54分には谷澤とチャン ヒョンスに代わり渡邉と石川の2選手を投入。渡邉がトップに入り、ルーカスがサイドに。長谷川がボランチ、徳永が右サイドバック、高橋がセンターバックにまわる形で反撃に臨むことになった。
しかしその直後の59分には相手陣内でつなぎきれず、鳥栖・中央のMF早坂が右に展開。MF水沼に攻め上がられ、精度の高い右クロスを入れられる。これに対して権田が飛び出したが、触り切れず。飛び込んだ鳥栖FW豊田に、身体ごと押し込まれて……。2失点目を喫した。
それでも東京は68分には米本に代わり河野をサイドに投入。ルーカスが中央に、梶山がボランチをカバーする形で流れを掴むことに成功。75分には左サイドで長谷川と石川のパス交換から、石川が、右エリアでオフサイドラインぎりぎりに飛び出した渡邉にラストパス。これを難しい体勢ながらも、逆サイドのネットに確実に決めて、GOAL!!
1点差に追い上げ、スタンドの反撃ムードが高まる中、鳥栖を押し込む。81分には左前線からのスローインを得て椋原のスローをニアのルーカスがキープ。反転してゴール前に浮き球のクロスを送る。これにファーの徳永が飛び込んで折り返したボールに渡邉が反応。身体ごと押し込むように決めて同点に追いついた!
87分には、自陣で奪い、梶山が持ち上がって逆襲を仕掛け、渡邉に対するファールで右サイドからのFKを得る。石川が速いキックをゴール前に送ると、相手DFのクリアが渡邉の顔面に当たってネットに吸い込まれ、勝ち越し弾をゲット!スローイン、セットプレーのチャンスを活かして畳み掛けるように渡邉がハットトリックをマークし、リーグ3連勝を果たした。
【選手コメント】《渡邉》「勝ちたいとは思っていたが、途中出場でまさか3点も取れるとは思っていなかったので…自分でもびっくりしている。ハットトリックは、プロ1年目の天皇杯ではあるけれど、リーグでは初めて。途中出場にあたっては、自分が前に入って、ルーコンが2列目に回ってそこから前に押し上げていこうとした。負けている状態だったので、守備でもどんどん前から取りにいった。どういう状況であっても、チームのために自分が何ができるかを考えている。途中からでも自分の力を出し切れれば、チームに貢献できると思っているし、今日はそれが果たせたと思う」
《石川》「ピッチに立っていて僕自身も興奮した試合。2点目を失ったとき、みんな帰ってしまうのではないか…とスタンドを見たけれど、応援してくれて心強かった。引き分けではなく、どうにかして勝ちたいと思っていた。渡邉選手とともにその役割が果たせたことはよかったと思う。自分たちのサッカーを続け、サポーターとの一体感も作り続けて一緒に勝っていきたい」
【ポポヴィッチ監督の会見要旨】「結果だけではなく、そこにどのように辿り着いたのかということに対しても満足している。鳥栖はディシプリンも良く、全員が責任感を持っているチーム。最初の15分間はペースを握ることができず、相手の方がアグレッシブにプレーをしてきた。しかしその後は私たちも、自分たちのサッカーで決定機を作ったが、活かすことができなかった。重要なことは2点をリードされてからも、やみくもに蹴ることなく、自分たちがやるべきことを変えなかったこと。ボールをつないで連動したサッカーを、信じてやり続けたことが結果に繋がった大きな要因だと思う。
誤解を恐れずに言うが、日本サッカーにとっても何かを示せた試合だったのではないか。私たちがどのような相手に、どのようなサッカーをして勝利を得たのか。ブロックを作られても、今日の我々はそれを壊すマシーンを持っていた。そして引かれた相手に対しても、そこを攻略して勝利に結び付けたこと。日本サッカーにとっても私たちが何かを証明できた試合だったと思う。
シーズン当初から、魅力的なサッカーをして勝利を得たいと言ってきたが、ここまでACLやリーグ戦に足を運んでいただいたファン・サポーターのみなさんに最高のプレゼントができた。今日もたくさんの方々に来ていただき、良い形でお返しをすることができた。今日は『サッカーが勝った』と言いたい。観ていて感情を出し尽くしたぐらい、魅力が詰まったサッカーを両チームとも展開して、鳥栖も東京も良いところを出せた試合だと思う」
【鳥栖・尹監督の会見要旨】「我々に力を与えるため、遠い東京までたくさんの方々が駆けつけていただいたが、結果的に一番残念な形になってしまい申し訳なく思う。チーム全体として良い流れで2得点を奪ったのち、逆転負けを許してしまったが、ゲームの流れをうまく繋げなかった。ただ選手たちは一生懸命に戦ってくれたし、東京相手に対等以上の戦いを見せてくれた。それは称賛に値するのではないかと思う。今回の結果を教訓として、しっかりと準備をして次の試合に活かしたい」