GAME RESULT試合結果
第34節 2014/12/06(土)
観衆 32,538人
天候 晴、無 気温 5.8度 湿度 57%
主審:中村 太 副審:大塚 晴弘/前之園 晴廣 四審:河合 英治
J1 第34節
味スタ
1-1
試合終了
前半1-0
後半0-1
FC東京 | 横浜F・マリノス | |
---|---|---|
42' 高橋 秀人 |
得点者 |
59' 伊藤 翔 |
55' 河野 広貴 → 武藤 嘉紀 66' 梶山 陽平 → 羽生 直剛 77' エドゥー → 渡邉 千真 |
選手交代 |
54' 佐藤 優平 → 中村 俊輔 68' 伊藤 翔 → 藤田 祥史 85' 藤本 淳吾 → 中町 公祐 |
11 | シュート | 5 |
6 | CK | 2 |
19 | FK | 16 |
32' 東 慶悟 |
警告 |
12' 栗原 勇蔵 51' 富澤 清太郎 77' 栗原 勇蔵 |
退場 |
77' 栗原 勇蔵 |
GK | 20 | 権田 修一 |
DF | 2 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | 森重 真人 |
DF | 29 | 吉本 一謙 |
DF | 6 | 太田 宏介 |
MF | 4 | 高橋 秀人 |
MF | 7 | 米本 拓司 |
MF | 38 | 東 慶悟 |
FW | 10 | 梶山 陽平 |
FW | 11 | エドゥー |
FW | 17 | 河野 広貴 |
GK | 1 | 塩田 仁史 |
DF | 30 | カニーニ |
DF | 50 | 松田 陸 |
MF | 22 | 羽生 直剛 |
FW | 9 | 渡邉 千真 |
FW | 14 | 武藤 嘉紀 |
FW | 18 | 石川 直宏 |
GK | 1 | 榎本 哲也 |
DF | 13 | 小林 祐三 |
DF | 4 | 栗原 勇蔵 |
DF | 22 | 中澤 佑二 |
DF | 24 | 奈良輪 雄太 |
MF | 7 | 兵藤 慎剛 |
MF | 27 | 富澤 清太郎 |
MF | 20 | 佐藤 優平 |
MF | 25 | 藤本 淳吾 |
MF | 11 | 齋藤 学 |
FW | 16 | 伊藤 翔 |
GK | 21 | 飯倉 大樹 |
DF | 23 | 下平 匠 |
MF | 26 | 三門 雄大 |
MF | 8 | 中町 公祐 |
MF | 10 | 中村 俊輔 |
FW | 17 | 端戸 仁 |
FW | 19 | 藤田 祥史 |
【選手・監督コメント】
今季最終節、1年間の声援に応えるためにも
いよいよ今季のリーグ最終戦を迎え、第34節が開催。ホーム味スタにて横浜F・マリノスを迎え撃つ。前節は甲府に主導権を握られて苦戦を強いられ、引き分けに終わった。マッシモ監督はそれでも「東京の未来を担う選手たちが、勇気をもってトライをした。若い選手にとって簡単なことではなかったが、試合に出て成長していくことが大事」と積み重ねの大事さを話す。ただし、今節に向けては「シーズンを良い形で終わらせるためにも、何としてでも良い試合をして勝ちたい」と勝負にこだわる姿勢を見せ、ファン・サポーターのみなさんの1年間のご声援に応えるためにも勝利で締めくくりたい最終節だ。
対する横浜は現在、勝ち点で7位に。昨季最終節までタイトル争いをした横浜だが、今季は得点の少なさが響き、勝ち点は50にとどまっている。しかし総失点は28でリーグ最少に。東京もここまでの総失点は32で、過去最少となる可能性もある(1リーグ制では、2009年の39失点が最少)。“1点”が勝負を分けかねないだけに集中力と「精度が求められる(徳永)」ことになる。
ただし武藤が体調不良のため、ベンチスタートに。マッシモ監督は「武藤のような特徴をもつ選手はほかにはいないため、これまでとは違う形でビルドアップをしていく必要性がある」と意図を話し、今節はボランチに梶山を起用。出場停止があけた高橋とともにダブルボランチを務め、米本と東が両サイドに。前線はエドゥーが2試合ぶりに先発。河野と2トップを組む4-4-2の布陣に。また石川が8月23日以来のメンバー入りを果たした。
寒さが厳しく、時折小雨も降っていたが、開始直前にはすっかりと晴れ渡った味スタ。1年をかけて積み上げてきたものを発揮して来季にもつなげたい一戦は、15時34分に東京のキックオフでスタートした。
一進一退の展開のなか、太田のCKから高橋が先制弾!
立ち上がりから積極的な姿勢を見せる東京。開始2分には徳永が前に送ったパスを河野がヒールでつなぎ、右サイド内側の米本が中に持ち上がりながら果敢にシュートを放った。だが左上のバーに阻まれた。横浜も5分に左エリアのMF齋藤からサイドを変え、オーバーラップをした右サイドバック小林がミドル。続く6分、前線での細かなパスワークから、河野がドリブルで中央突破を狙う。さらに12分には河野がファウルを受け、ペナルティアークすぐ左からのFKを獲得。太田が狙ったがDFの壁に阻まれた。横浜も厳しいプレスでボールを奪い、連動した形で攻め込み、展開は一進一退に。
15分を過ぎると徐々に横浜に勢いのある攻撃を仕掛けられ、チャンスを作られた。16分、右エリアにMF藤本に抜け出される。ここにMF齋藤がパスを通そうとしたが、わずかにずれて足元からこぼれる。20分には中盤でのパスミスをカットされ、横浜が逆襲。MF佐藤に一気に左エリアまで走られ、コースを突いたシュートを狙われたが、右に外れる。東京も集中を切らさずに対応し、反撃に。ラインを上げてコンパクトな布陣で押し上げるが、前線での連係や精度が一歩足りず。21分には徳永が攻め上がり、右エリアで起点を作り、中央の河野がシュートを狙うが、相手DF栗原のヘディングでクリアされる。
25分には右エリアのエドゥーがゴール前にラストパス。河野が受け、身体の向きを変えてシュートを狙おうとしたが相手DFのマークを受けて打ちきれず。こぼれたボールに再び反応したが、DF中澤に当たってGKにキャッチされた。35分には横浜に決定機。右MF佐藤が前線に浮き球の縦パス。これに合わせてMF齋藤がエリアに進入。森重が寄せながら、権田が前に飛び出して抑えようとしたが、一歩手前のタイミングでシュート。無人のゴールにボールは向かったがわずかに左に外れて、失点を免れた。
互いにチャンスを活かせない時間帯が続き、41分には自陣で森重がカットしたボールを米本が前線にフィード。エドゥーがスルーをし、後ろから飛び出した東が前線にドリブル。相手DFと1対1になり、エリアに持ち込もうとしたがわずかにタイミングが遅れて打ちきれず。そこからこぼれたボールを右の河野がスルーし、右エリアのエドゥーが中央にパス。攻め上がった梶山がシュートを狙う。連動した形を見せたが……シュートはGKに阻まれ、CKを得るに留まった。しかしこの右CKを太田が蹴り、ニアに飛び込んだ高橋がヘッドでゴール!セットプレーのチャンスを活かして先制を果たし、1点をリードして後半に折り返すことになった。
失点を喫して引き分け、ラスト5試合は勝利を挙げられず
後半序盤は、横浜の素早いパス回しの前にペースを掴まれることになった。54分に横浜はMF佐藤に代えてMF中村を投入。東京も55分に河野に代わって武藤がイン。57分には横浜の遅攻を自陣で奪い切って前につなぎ、武藤が左サイドをドリブルで突進。しかし横浜DF小林にスライディングでカットされ、CKに。58分、この太田の左CKから、中央の森重がヘディングを放つが、バーをヒットして下に跳ね返り……こぼれから再び森重がシュートを狙うが、今度はGKに阻まれる。
ここから横浜が反撃。自陣でボールを回し、MF中村の縦パスをMF兵藤が左に展開。左サイドバック奈良輪が高い位置まで突破し、ゴール前にグラウンダーのクロス。ニアにMF齋藤が突っ込んだがスルーする形で中央に流れ、FW伊藤にシュートを決められて……。横浜の前線でスピードアップした攻撃を食い止めることができずに失点を喫し、同点に追いつかれてしまった。
66分、梶山に代えて羽生を右サイドに投入。立て直しを図り、サイドを起点に攻め込んだが、横浜の厳しい守備の前にボールを失う場面も。73分には速攻を仕掛け、武藤が右サイドをドリブルで上がりながら、外側の羽生にパス。羽生は前に運んでクロスを入れたが、勢いがつきすぎボールはラインを割る。74分、自陣で奪い、太田が巧みにプレスをかわして中央の武藤に。だが武藤が前線に送ったパスは長すぎ、エドゥーの頭上を越えた。
77分、横浜・DF栗原が2度目の警告を受け、退場に。直後に東京はエドゥーに代えて渡邉を投入。3人目の交代枠を使い切り、追加点を奪いにいく。それでも横浜も激しい守備で執念を見せる。41分には激しいボールの奪い合いの中、最後は東がファウルを受け、FKを獲得。左サイドからの太田のキックに、エリア内の吉本がヘディングで合わせようとしたが打ちきれず。アディショナルタイムには自陣から素早くリスタートし、スローインから、太田が中央をドリブルで持ち上がり、右サイドを上がった羽生がペナルティアーク右からシュートを放ったが……左に切れてしまう。
その直後にカウンターから渡邉が狙ったシュートはブロックされるが、こぼれ球をつないで渡邉がCKを獲得。しかし右CKから吉本が身体ごと押し込もうとうとしたボールは枠外に。続いて太田がエリア内に侵入。中央へのパスが相手DFからこぼれ、これに羽生が詰めてダイレクトシュートを放ったが、バーを越えて……。終盤は10人になった横浜を攻め立てたが、チャンスを活かしきれず引き分けに。ラスト5試合はいずれも勝利を果たせず、勝ち点48で今季のJ1リーグを9位で終えることになった。
【選手コメント】
《森重》
「みなさんの1年間のご声援に感謝を表したい。個人的にはプロとしてとても良い1年を過ごすことができた。それでもチームとして結果が出せず、ふがいなさと申し訳なさを感じる。キャプテンとしてももっと良い結果が出したかった。その悔しさを来季につなげ、チームに還元できるように頑張りたい」
《高橋》
「シーズン終盤は成績がふるわず、今日も勝って有終の美を飾りたかったが、それも叶わず申し訳なく思う。ただ、今日はダブルボランチで臨み、攻撃の厚みを出すことや、あるいは両サイドが守備をしてくれることで相手のサイドバックを抑えこむような形も見せられた。課題もあるが、これを一つの引き出しとしてさらに成長できるように頑張りたい。東京には、自分に厳しく、練習や試合でも自身を追い詰めていくような選手が多い。けれどもそこから自分にも他人にも厳しく求めていくようなチームになりたいと思う。自分もそういう存在になっていきたい」
【マッシモ フィッカデンティ監督の会見要旨】
「武藤のフィジカルコンディション面で少し問題があり、フォーメーションを変えざるを得ない状況になったが、急造の布陣にしては、選手たちがうまく対応してよく戦ってくれたと思う。キックオフからしばらくの間は決して悪くなかった。前線からアグレッシブにプレッシャーをかけることができた。前半は両方にチャンスがあった。後半は、ここ最近と同様に、なかなか自分たちの流れに持ち込めない状況が続く中で、相手に一度のチャンスを活かされて同点に追いつかれた。その後、我々はチャンスを多く作り出したが、ゴールには至らなかった。このような結果を受け入れるしかないが、本当に残念。
ただし今季の選手一人ひとりの戦いぶりには感謝したい。中断期間明けの14試合は負けなしで、総失点数はリーグ5位、得点数は6位。そうしたデータが示しているのは、本来であれば上位にいなければいけないということ。そのためには拮抗したギリギリの試合が続く中で、勝利を決定づけるようなゴールが足りなかったと思う。
だが、チームの土台を作り上げることができたし、Jリーグデビューを果たした若い選手たちもいた。すでに日本代表であった森重、権田に加え、太田と武藤も選出されるようになった。そういう意味では、東京が育ててきた選手たちがこれからのチームの未来になっていけると感じている。今日もユース出身の4選手がピッチに立った。
これから先、正しい方向に向かっていければ、上位と競争できるチームになれるという実感がある。また、日本に来て感じたことは、Jリーグは最後の最後まで勝負がわからない、何が起こってもおかしくないということ。ネガティブな状況も起こりうるので、常に集中することが必要だと感じている」
【横浜F・マリノス 樋口 靖洋監督の会見要旨】
「東京が4-3-3で臨んでくると分析していたが、実際には4-4-2で当初は少し戸惑いがあった。東京の速い攻撃をどう抑えるかが我々の守備のテーマであり、また東京はボールサイドに寄りやすいので、ワイドにボールを動かすこともポイントだった。行ったり来たりのオープンなゲームになってしまったが、そうなると東京の推進力が活きてくる。我々が主導権を取りきったとは言い難い試合だった。
しかし終わってみれば失点はセットプレーの1点のみ。今季の失点数の少なさをしっかりと示すことができたと思う。最後にDF栗原が退場し、チームに緊張感を与えることになった。引き分けという形に終わったが、勝ち点を1でも積み重ね、順位もひっくり返されることなく終えたことを選手たちと共に噛み締めたい。
今日もアウェイエリアにはびっしりと来場いただき、ホーム・アウェイを問わず、この1年間、本当に多くのファン・サポーターの方々に背中を押してもらったことをこの場を借りて感謝したい。私自身は今日を持って退任となるが、3年間チームを支えてくれたファン・サポーター、クラブスタッフ、スポンサーのみなさまに感謝したい。ありがとうございました」