GAME RESULT試合結果

第12節 2015/9/26(土)
観衆 36,671人 
天候 曇、無 気温 23.2度 湿度 75% 
主審:今村 義朗 副審:相樂 亨/武部 陽介 四審:蒲澤 淳一

J1 2nd 第12節

味スタ

HOME

FC東京

1-0

試合終了

前半1-0

後半0-0

AWAY

松本山雅FC

FC東京 松本山雅FC
20' 前田 遼一
得点者
56' 河野 広貴 → 東 慶悟
60' サンダサ → ネイサン バーンズ
90'+2 橋本 拳人 → 吉本 一謙
選手交代 57' 安藤 淳 → 石原 崇兆
72' キム ボギョン → 工藤 浩平
84' 前田 直輝 → 池元 友樹
9 シュート 9
6 CK 7
21 FK 10
08' サンダサ
90' 羽生 直剛
警告 34' 安藤 淳
74' 田中 隼磨
退場
FC東京先発
GK 46 ブラダ アブラモフ
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 5 丸山 祐市
DF 6 太田 宏介
MF 7 米本 拓司
MF 22 羽生 直剛
MF 37 橋本 拳人
FW 17 河野 広貴
FW 20 前田 遼一
FW 21 サンダサ
FC東京控え
GK 13 榎本 達也
DF 29 吉本 一謙
DF 50 松田 陸
MF 34 野澤 英之
MF 38 東 慶悟
FW 16 ネイサン バーンズ
FW 39 中島 翔哉
松本山雅FC先発
GK 1 村山 智彦
DF 3 田中 隼磨
DF 4 飯田 真輝
DF 36 安藤 淳
DF 30 酒井 隆介
MF 5 岩間 雄大
MF 8 岩上 祐三
MF 22 前田 直輝
MF 26 キム ボギョン
MF 11 喜山 康平
FW 10 塩沢 勝吾
松本山雅FC控え
GK 25 白井 裕人
DF 13 後藤 圭太
MF 6 岩沼 俊介
MF 17 飯尾 竜太朗
MF 20 石原 崇兆
MF 23 工藤 浩平
FW 14 池元 友樹

【選手・監督コメント】

連敗はできない。ホーム味スタに松本山雅を迎えて


2ndステージ第12節は、ホームにて松本山雅FCと対戦する。前節は終了間際に失点を喫し、拮抗した勝負をモノにできず、リーグ7試合ぶりに敗れた。選手たちは「絶対に連敗することはできない」と意気込みをみせ、リーグ戦では味スタで初の松本戦となるが、“ホームの力”を活かして勝利につなげたい戦いでもある。
ただし、今節も高橋が出場停止。そのため中盤には米本を初のアンカーとして起用。インサイドハーフを羽生と橋本が務め、トップ下に河野、前線は前田とサンダサの2トップ。サンダサは7月29日仙台戦以来のスタメンに名を連ねることになった。

対する松本は現在、2ndステージは15位。年間では16位。ここ3試合は“負けなし”だが、降格圏を脱することはできていない。しかし残留を争うチームこそ、強い気持ちで勝利をめざしてくるはずだ。今節はFWオビナが出場停止となるが、全員でハードワークし、前線へのロングフィードや、セカンドボールを奪って展開するスタイルは徹底されている。セットプレーも強みとするだけでなく、シーズン途中に加入したMF工藤やMF安藤、MFキム ボギョンらが「チームのクオリティを高めている」と、マッシモ監督。同時に「松本はG大阪戦でも良いプレーをしていた。不運もあって追いつかれてしまったが、アグレッシブなチームであり、スタートから注意しなければいけない」と警戒する。

しかし、ここ3試合の松本はいずれも先制しながらも引き分けており、アディショナルタイムや終了間際の時間帯に失点を喫している。今節の松本は出場停止のFWオビナに代わってFW塩沢がスタメンに。MF岩上とMF前田をシャドーに配し、MF岩間とMFキム ボギョンがボランチを、DF田中と安藤が両ワイドを務める3-4-2-1の布陣で臨んできたが、それに対して東京は、90分を通じて慌てずに戦い抜くことも求められるはず。前節に得た収穫、学んだ課題も活かし、試合の流れを見極めて最後まで集中を保ち、勝利を掴みたい。

曇空、日中の蒸し暑さが少し残る中、試合は18時34分に松本のキックオフでスタートした。

粘り強く戦い、前田のゴールで先制!


序盤は松本がアグレッシブに前線に迫り、その勢いに対して自陣に押し込まれがちになった。しかしそれに対して我慢強く対抗。3分、松本のスピーディなパスワークから、MFキム ボギョン→MF前田に左エリアに進入されたが、米本がスライディングでCKに逃れる。5分には松本GKからのロングキックを丸山が跳ね返し、スローインを与える。松本MF岩上のロングスローから、FW塩沢にヘディングを放たれたが、勢いはなく、ブラダが難なくキャッチした。6分にも松本MF前田がサイドを突いて左クロス。MF岩上にヘッドで合わせられたが、これも東京DFが競り合い、シュートは枠外に。

セーフティに守り、結果的に再三、松本にCKやスローインを与えることにもなったが、集中力と我慢強さを発揮し、決定的といえるチャンスは作らせなかった。一方でカウンターから脅威を与え、11分には自陣の太田が、左前線へロングパス。相手DFが処理し切れず、それと入れ替わるようにサンダサが前線へ抜け出す。ファーには河野も走っていたが、左エリアに進入したサンダサは至近距離からシュート。しかしわずかに角度がなく、GKのセーブに阻まれ、こぼれたボールを再び狙ったが、今度は滑りこんだ松本DFにブロックされる。さらに中央にこぼれたボールに橋本が走り込んだが、これも松本DFにスライディングされ、シュートは浮いてしまった…。

このチャンスに先制することはできなかったが、徐々に東京がボールを保持する場面が増え始めた。迎えた20分、攻め上がった米本が起点となって右CKを獲得。ここから太田が蹴ったCKはクリアされたが、ボールは再び太田のもとに。そこから送った低い弾道の右クロスは、ニアの前田の元にピタリと渡り、前田はコースを変えるようにヘッドを振り抜いた。シュートは、松本GKの手をはじいて右に決まり、GOAL!! セットプレーの流れからのチャンスを前田が確実に活かし、先制を果たした。

松本も気落ちすることなくさらにアグレッシブにゴールに向かってきたが、優位に立った東京は落ち着いて対抗。機を見て反撃を仕掛け、39分には徳永が右クロス。逆サイドからニアにサンダサが走り込み、足元で合わせようとしたが、松本DFの素早いカバーに阻まれる。前半アディショナルタイムには、左エリア角・手前からの太田のFKに合わせ、フリーになった森重がファーに飛び込んだが……ヘディングは右に外れる。追加点を決めることはできなかったが、リードを保って前半を終了した。

無失点で勝利し、過去最高の勝点56に到達


後半も立ち上がりに松本にチャンスを作られた。46分、東京のキックオフから、反撃を受け、右クロスに合わせて、逆サイドのMF安藤に飛び込まれたが寸前でCKに逃れる。この左CKをニアポストぎりぎりでヒールで合わされたが、そのままポストをかすめてゴールを横切り、ピンチを免れる。50分には橋本が右前線を突いて、ゴールライン際まで上がり、右エリアにマイナスのグラウンダー。そこにサンダサが飛び込んだが、一歩遅れ、松本に抑えきられた。

その後、56分には河野に代えて東をサイドに投入。米本と橋本をダブルボランチに配する4-4-2に布陣を変える。直後には右サイドのFKから太田がエリアに送ったボールに、サンダサが飛び込み、ヘディングを放ったがGK正面に。60分にはネイサン バーンズを投入。62分には東→左前線に前田が抜け出し、クロス。ゴール前中央のネイサン バーンズの後ろから橋本が走り込み、ジャンプして右足で合わせようとしたが、その前にオフサイドに。

70分、自陣からのフィードを松本DFがコントロールミス。これを右前線のネイサン バーンズが奪い、エリア内まで持ち込んでシュートを放ったが……松本GKの好セーブに阻まれる。79分には左エリア角・すぐ外側のFKを得て、太田が柔らかなキックをゴール前に送る。そこにドンピシャで橋本が飛び込んだが……シュートはわずかに右に外れてしまった…。

リズムを掴んだ東京だが、FKのチャンスを含め、追加点を決めきることはできなかった。終盤はカウンターの応酬になったが、後半アディショナルタイムには橋本に代えて吉本をDF中央に投入。5バックとして松本の反撃はよくしのぎ、無失点に抑えて勝利。この結果、5試合を残して勝点を過去最高(55・2008年)を上回る56に積み上げた。

【選手コメント】
《前田》
「勝点3を獲れたことが何よりもうれしい。(得点について)太田選手から本当に良いボールが来るので、それに合わせることをいつも考えている。今日はCKからの流れだったが、あのような形でニアに入ればチャンスになると思っていた。動き出しを意識し、上手く合わせることができた。常にチャンスが来たときにはしっかりと決めたい。それを続けられるように頑張りたい」

《太田》
「得点場面では自分がフリーになり、かえって緊張したが、ファーに人数が集まっていたし、ニアの前田選手の動きもよく見えていた。落ち着いてクロスを送ることができた。前節はふがいなく、ファン・サポーターに申し訳ない気持ちもあった。その分を今日、ホームで取り返すことができたと思うし、可能性がある限り、優勝をあきらめない。難しい試合が続くが、勝ち続けられるように良い準備をしたい」

【マッシモ フィッカデンティ監督の会見要旨】
「予想していた通りの立ち上がりだった。相手がキックオフから強く出てくることは分かっていたが、実際に最初の15分間、たくさんゴール前にボールを放り込んできた。だが、徐々に自分たちの時間帯を作っていき、先制の後、2点目を決めるチャンスもあった。選手たちは、あらゆる観点からよくやってくれている。FC東京の歴史上、最高の勝点となったのでポジティブな結果だと思う。松本は1対1が強く、フィジカルを活かしてきたが、注意深く組織的に対処することができた。出場停止などで問題を抱えている部分もあるが、代わりに出た選手が結果を残している。今日はアンカーとして米本が良くやってくれたし、羽生、橋本、途中出場の東も良かった。全員が強いメンタリティで戦っている。簡単な試合ではなかったが、勝たなければいけないプレッシャーのかかる試合で、下位のチームに対して結果を残せたということは成熟の証だと思う。これからも毎試合違った難しさが待っている。いま優勝争いをしている他のチームは、過去に優勝を経験している。彼らに食らいついて、一試合一試合全力で戦うことが大事になってくる」

【松本・反町 康治監督の会見要旨】
「勝敗は悔しい結果になったが、最後まで足を止めることなく、この3連戦を戦った選手たちに感謝したい。その反面、我々は隙を与えてしまうとすぐにやられてしまうチーム。失点シーンも、まさにそういう形だった。隙を与えないためにトレーニングを行っているが、なかなかうまくいかず、チームを預かっている立場として自分自身に怒りを覚えている。だが我々は前を向いて、突き進んでいくしかない状況。最後の最後まで戦いたいし、天皇杯の決勝でこの味スタに戻ってきて、あいさつができるように頑張りたいと思っている」