GAME RESULT試合結果

第7節 2016/8/06(土)
観衆 28,291人 
天候 晴、弱 気温 28.6度 湿度 71% 
主審:松尾 一 副審:三原 純/清水 崇之 四審:佐藤 貴之

J1 2nd 第7節

味スタ

HOME

FC東京

3-2

試合終了

前半1-1

後半2-1

AWAY

ジュビロ磐田

FC東京 ジュビロ磐田
29' ムリキ
70' ムリキ
90'+1 ユ インス
得点者 08' 森島 康仁
52' 小林 祐希
66' 高橋 秀人 → 野澤 英之
76' 河野 広貴 → ユ インス
86' 小川 諒也 → 水沼 宏太
選手交代 81' アダイウトン → 松井 大輔
86' 森島 康仁 → 齊藤 和樹
90'+2 川辺 駿 → 松浦 拓弥
13 シュート 12
5 CK 1
16 FK 19
37' 高橋 秀人
警告 62' 藤田 義明
79' 宮崎 智彦
85' パパドプーロス
90' 志村 滉
退場
FC東京先発
GK 47 秋元 陽太
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 5 丸山 祐市
DF 25 小川 諒也
MF 4 高橋 秀人
MF 27 田邉 草民
MF 17 河野 広貴
MF 38 東 慶悟
MF 11 ムリキ
FW 20 前田 遼一
FC東京控え
GK 31 圍 謙太朗
DF 29 吉本 一謙
MF 22 羽生 直剛
MF 32 ユ インス
MF 34 野澤 英之
MF 48 水沼 宏太
FW 9 平山 相太
ジュビロ磐田先発
GK 31 志村 滉
DF 33 藤田 義明
DF 3 大井 健太郎
DF 44 パパドプーロス
MF 40 川辺 駿
MF 23 山本 康裕
MF 9 太田 吉彰
MF 4 小林 祐希
MF 13 宮崎 智彦
MF 15 アダイウトン
FW 20 森島 康仁
ジュビロ磐田控え
GK 1 八田 直樹
DF 5 櫻内 渚
DF 14 高木 和道
MF 7 上田 康太
MF 11 松浦 拓弥
MF 22 松井 大輔
FW 16 齊藤 和樹

【選手・監督コメント】

篠田監督のもと、ホームで迎える初戦


2ndステージ第7節が開催。ホームにてジュビロ磐田を迎え撃つ。
『篠田トーキョー』の初戦となった前節は、東が今季初ゴールをマークし、新潟に競り勝った。課題もあったが、全員のハードワークと勝利への強い気持ち、アグレッシブさを貫きとおして勝点3をもぎ取り、『変化』の姿勢を見せた。

ただし、監督、選手たちも「まだ1試合に勝っただけ」と声を揃え、前節の戦いをベースとして、さらに攻守の質を高め、連勝につなげていくことが求められる。篠田監督も「特にホームで、味スタに来てくださる多くのみなさんに対して、私たちの姿勢やひたむきさ、躍動感のあるプレーをしっかりと見せたい」と話した。

今節は負傷の橋本に代わって、ボランチの一角に田邉を先発起用。また野澤が今季初のベンチ入りをし、サブに控える。

対する磐田の2ndステージは、現在4分2敗で、まだ勝利がない。前節柏戦は先制しながらも、後半に運動量が低下し、逆転負けを喫した。ただしここまでに連敗がほとんどなく、1stステージで一度、2連敗を喫したのみ。今節はFWジェイが欠場となったが、FW森島やDF藤田が先発し、フレッシュな選手が奮起し、流れを変えたいという気持ちもあるはずだ。布陣は、FW森島とMFアダイウトンとの2トップ。トップ下にMF小林。右ワイドにMF太田、左はMF宮崎。ダブルボランチをMF山本と川辺が務める3-5-2。

前線からの積極的なプレスが持ち味の磐田でもあるが、それに対して運動量や戦う姿勢でも上回り、勝利をめざす一戦だ。連日、厳しい暑さが続く中、試合は19時4分に磐田のキックオフでスタートした。

磐田に主導権を握られ、早い時間帯にビハインドを背負う


立ち上がりから磐田にボールを支配され、ペースを掴まれた。
2分:FKの流れから右エリアのFW森島がシュート。
3分:MF宮崎の左クロスからMFアダイウトンにヘディングを放たれる。
7分:磐田・右サイドのMF小林のクロスをMFアダイウトンに落とされ、FW森島がミドル。MFアダイウトンやMF小林の流動性を活かされ、勢いのある攻撃を仕掛けられた。
8分:右前線でのパスを磐田DFに奪われ、ここからダイレクトで繋がれてサイドを変えられ、右ワイドのMF太田がドリブルで前進。右エリア角からシュートを狙われた。丸山がブロックしたが、こぼれ球を拾われ、右前線にオーバーラップしたDF藤田がクロス。これをFW森島に、徳永の後ろから打点の高いヘディングを決められて…早い時間帯に先制を許し0-1。

それでも下を向くことなく、徐々に東京もムリキのスピードを活かして反撃のリズムを掴む
18分:徳永→東が右前線に突破し、クロス。これに合わせてゴール前のムリキがヘディングで飛び込み、今日1本目のシュートを放つ。続いて左サイドで田邉、小川とのパス交換から、ムリキが突進。相手DFを抜き去ろうとする。

25分:小川とのワンツーからムリキがエリア内に進入し、CKを得る。
27分:秋元の前線へのキックを、前田が収め、東から左のムリキに。ムリキはスピードを活かしてエリア内に仕掛け、ここで足をかけられてPKを獲得。これをムリキ自身が右下に蹴りこんだが、ここで東京の選手が先にエリアに入ってしまい、「蹴り直し」の判定に。
29分:再びムリキが一回目のPKとまったく同じコースに蹴り込みゴールで1-1。

33分:同点弾で勢いがつき、右サイド徳永のパスから前田が裏を狙う。さらに徳永が相手の裏に短いパスを送り、東が右エリア内に抜け出し、果敢にシュートを狙ったが…角度がなく、GKにセーブされてCKを得るにとどまるった。
35分:自陣の高橋が前線へロングフィード。河野が飛び出し、相手DFと交錯しながらもループを狙ったが…磐田GKが飛び出した無人のゴールのわずか左に。

39分:ムリキが相手の裏に抜け出し、左エリアからマイナスのラストパス。決定的な形を作ったが、河野がダイレクトで合わせたシュートは枠外に…。前線の連動性から、河野らが決定的なチャンスを作ったが、追加点を奪うことはできず、同点のままで前半を終了した。

ムリキが2ゴール、インスのJ1初ゴールが決勝点となり、劇的な勝利!


後半は互いに勝ち越しを狙い、序盤は慌ただしい攻防に。
52分:磐田の攻撃を抑え、一度はマイボールにしたが、小川が持ち出そうとしたところで磐田FW森島にプレスをかけられ、再びボールを失う。磐田は右前線のMF太田が後ろに戻し、右エリア角付近のMF小林が一歩中に持ち込んで、左足を振り抜く。無回転のシュートは、ファーのポストをかすめて内側に跳ね返り…ゴールを許す。見事なゴールを決められて、2点目を失い1-2。

59分:ミスからゴールを許したが、磐田ボールを奪って、ムリキがカウンターを仕掛ける。前線中央で潰されそうになったところで短く後ろに下げ、前田がワンステップでコントロールシュートを放ったが、磐田GKの片手のセーブに阻まれた。
67分:野澤を投入。直後の70分、右の河野がドリブルで持ち込み、右サイドで田邉→駆け上がった徳永につなぐ。徳永はクロスを入れ、中央の東がヘディング。これがファーに飛んだところにムリキが走り込み、右足の外側で巧みに合わせてコースを変えてゴール。これで2-2。

野澤の投入により、チームに落ち着きがもたらされると共に、前線へのパスの場面も増えた。
73分:エリア内中央に進入したムリキから、フリーの前田が決定的なシュートを放ったが…わずかに左に切れる。さらに勝ち越しを狙い、スタンドの追い上げムードも高まる中、ベンチも勝利への執念を見せた。
76分:J1初出場となるユ インスをピッチに送り出した。

81分:運動量が落ち始めた磐田に対して、東京はスピード感と勢いを増し、ムリキが左前線から内側に回りこみ、強烈なミドルを狙ったが、磐田のブロックに阻まれる。
89分:田邉のスルーパスから、ムリキが前線に飛び出し、GKと1対1になったが、これはオフサイドの判定。それでも諦めず、90分には相手のクリアを拾ってパスをつなぎ、左サイドのインスから前線のムリキに。ムリキは突進し、相手GKも前に出てスライディング。これがエリア外でのファウルと判定されFKを得る。

90分+1:この左エリア角すぐ外からのFKを東が直接狙い、強烈なシュートはGKにはじかれた。だがファーの前田がヘッドで落とし、ゴール前には田邉が突っ込み、相手に当たったこぼれ球に中央のインスが反応。胸で押し込んでゴール。
3-2とする。
 
最後は4-4-2にしてきっちりと試合を締め、タイムアップ。J1初出場のユ インスが気持ちのこもった初ゴールをマークし、劇的な展開で逆転勝利し、連勝を飾った。

【選手コメント】
《ユ インス》
「J3で取り組んできたことを思い出し、自分を信じて戦おうと思った。『J1で活躍したい!』という想いを持ち続け、それを今日示せたことはとても良かった。
チームには良い選手がたくさんいるので仲間のことも信じていれば、ゴールが取れるのではないかと思っていた。ゴールは少しラッキーだったかもしれないが、自分のところにこぼれてくるのではないかとも考えていた。自分のサッカー人生で、これほどの大歓声のもとでプレーをしたことは初めて。その中でスタンドから『インス!』と呼んでもらったことがとても幸せ。この幸せを噛み締めながら、もっともっと続けていけるように頑張りたい」

《野澤》
「落ち着いてプレーすることができた。相手に少しペースを握られていたので、簡単にボールを散らして自分たちにリズムを引き寄せようと考えていた。前半からベンチで見ていて、相手のどこにスペースがあるのか、どこに動けばプレッシャーを受けけないか…などは意識していた。ただし、相手のプレッシャーも落ちてきた時間帯からの出場。今後、J1の厳しいプレッシャーの中で出場した時にも、今日のようなプレーができれば、手応えや自信に繋がると思う」

【篠田 善之監督の会見要旨】
「ゲームの入り方については悪くはなかったと思うが、先制点を取られてしまい、追いついた後もミス絡みで失点した。ゲームの流れに関しては、まだまだ未熟。ただし、よく追いつき、ゲームを自分たちのものにした選手たちの頑張りには本当に感謝したい。苦しい状況でもファン・サポーターは積極的に後押しをしててくれた。もっとやらなければいけない部分もたくさん見えてきたので、今日は喜んで、明日からまた次のゲームに向けて準備をしていきたい。
(野澤とユ インスの投入意図について)
一つはボールをスムーズに動かしたかった。高橋は警告を受けていたので、次のことも考えて交代した。野澤が入ったことにより、チームは落ち着くことができて、良いパスでゲームメイクをして良いパフォーマンスを見せてくれた。インスに関しては、彼の投入により、チームの出力が上がる。田邉も良く走り、野澤を起点としながら、インスが相手のラインを下げることで、スペースを作ることができた。2人とも日頃の練習から良いパフォーマンスを見せ、J3でもその姿勢は感じていたので、思い切って起用した」

【磐田・名波 浩監督の会見要旨】
「非常に残念。間違いなく勝ちゲームだったが、3ポイントを失い、2nd初の連敗。しかも2試合続けての逆転負けでもったいなかった。自分たちから変化とアクションを起こし、前半15分くらいまでは非常に良かった。その時間帯を過ぎると、我々の左サイドで数的優位を作られ、そこからサイドチェンジをされて、ムリキが1対1になるシーンが増えていった。3バックのスライドも甘かったし、ブラインドのケアも出来ていなかった。後半立ち上がりから4バックに変えて、ムリキをサイドに孤立させ、その中で勝ち越しゴールを決めた。通常なら勝ちゲーム、もしくは勝点1を獲得できる流れだったが、そこから色気が出てしまった選手が何人かいた。数的優位で相手を崩しにいく場面が何度かあったが、崩しきる前に自分で打ってしまったり、中盤のルーズボールに対して、浮き球のワンツーのような難しいことをしてしまった。そういうところから失点に繋がった。非常にもったいない試合だったと思う。残留争いを常に意識している我々にとって、今日獲得できたはずの勝点が重要だった。それを得ることができず、まだ頭が切り替えられていない」