12/15(日)
コカ・コーラボトラーズジャパン広島スタジアム
(キックオフ 11:00)
高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2019 プレーオフ
FC東京U-18
1-0
モンテディオ山形ユース
FC東京得点者
10小林里駆(62分)
FC東京出場選手
GK | 30野澤大志ブランドン |
---|---|
DF | 2木村誠二、3岡哲平、28大森理生 |
MF | 5森田慎吾、12大迫蒼人→42野澤零温(66分)、17常盤亨太、20安田虎士朗 |
FW | 10小林里駆、11宮田和純、40角昂志郎→6バングーナガンデ佳史扶(56分) |
寸評
[リザーブ]
GK:16高橋優仁
DF:29古屋颯眞
MF:7金誠敏、14沼田航征
FW:9久保征一郎
本日もFC東京U-18への熱いご声援ありがとうございました。
この結果、FC東京U-18は高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2020への昇格が決定しました。
引き続き、熱いご声援のほどよろしくお願いいたします。
[次戦]
高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグEAST 2020
[戦評]
「広島の地に轟いた歓喜の雄叫び。会心の勝利で一年でのプレミア復帰を果たす」
12月15日(日)、広島県各地で高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2019プレーオフ2回戦が行われ、勝者4チームが来シーズンのプレミアリーグ昇格を決めた。
1回戦で旭川実業高校を破った関東1位のFC東京U-18は、延長戦の末に大分トリニータU-18を下したモンテディオ山形ユースと対戦。拮抗した試合となったが1-0の完封でこの緊迫する試合は決着。この結果、来季プレミアリーグへと参入する4チームの仲間入りを果たし、プレミアEASTへの復帰が決まった。
プリンスリーグ関東に降格した今シーズンは途中、横浜F・マリノスユースの後塵を拝しながらも最終的には優勝し、このプレミア参入戦に進んでいた。
目標だった一年でのプレミア再昇格を成し遂げ、若き青赤軍団は堂々と帰京する。
2回戦のキックオフは15日11時。
決戦の場となったコカ・コーラボトラーズジャパン広島スタジアムには12月とは思えない暖かな陽光が降り注いでいた。
FC東京U-18の先発メンバーは左ウイングバックを金誠敏から大迫蒼人に入れ替えた以外は1回戦と変わらず、中一日ながら初戦の勢いと経験を活かす3-4-2-1の布陣で、東北の雄であるモンテディオ山形ユースと対峙する。
中村忠FC東京U-18監督は「山形は、攻撃では流れのなかはもちろん、セットプレーやロングスローも、武器だということはわかっていましたし、カウンターなどに対しても警戒しなければならない。また、守備の組織もさることながらキーパーも非常にレベルが高く、1試合目で決まったセットプレーでのシュートも山形相手ではキャッチされる。1回戦の相手とはまったく違うチームなんだと選手たちに意識させました」と、中一日の準備について説明した。
試合はまさにそのような展開になった。
FC東京U-18は、サイドの高い位置まではある程度進入できるが、ボックス内には入らせてもらえない。粘り強く対応するモンテディオ山形ユースのしたたかな守備網を崩すことができず、前半は無得点に終わった。最大のチャンスだった前半45分の場面も、これ以上はないという森田慎吾のすばらしい右からのクロスを、宮田和純がすばらしいヘディングで叩いたが、相手ゴールキーパーの伊藤琉偉に間一髪で弾かれた。
ただ、山形のペースに引き込まれての0-0での折り返しも想定内だった。中村監督は、ハーフタイムには「貪欲にこぼれ球──ほんとうに何が起こるかわからないところで、最後の最後まで、ゴールを割るまで身体ごと行かないといけない、そこまでやって、おそらくやっと1点が取れる」と選手たちに告げ、奮起を促した。
緊迫し、拮抗したゲームがつづくなか、中村監督はフレッシュなバングーナガンデ佳史扶を左のシャドーに送り込む勝負手を打つ。すると、右シャドーの小林里駆に集中していた山形の厳しいマークがわずかに緩み、ボールを動かしやすくなる。佳史扶投入から6分後、その効果が結果にあらわれた。
後半17分、森田からのリターンを右で受け取った小林は単独で切り込み、ゴール前へと侵入。最初にふたりを抜いてドリブルを始めた時点で漂ったゴールの予感は裏切られることなく当たり、右足を振り抜いたシュートが決まった。「彼のドリブル突破や決定力は武器だと思っていたので、今シーズン一年間は前目でトライさせた」という中村監督の起用方針が実った場面でもあった。
この1点が試合を決めた。終盤はボールを保持して時間を費やし、相手に主導権を握られないよう慎重に試合を進めた。プリンスリーグ関東でロースコアの試合をものにしてきた、シーズンを通しての経験が活きた。
そしてタイムアップ。
決勝点の瞬間の爆発的な歓喜とは対照的に、力を出し尽くした虚脱感ののち、嬉しさが少しずつこみ上げてくる。そして雄叫び。その光景がプレーオフの厳しさと価値を証明しているかのようだった。
中村監督は最後にあらためてプレミアリーグ復帰の喜びをこう語った。
「ほんとうに苦しいシーズンだった。選手はよく戦ってくれたと思います。プリンスリーグ関東が始まったときには『これで本当に勝てるのかな?』という状態でした。そこから、耐えて耐えて耐えてという試合がずっと続いていた。ただ力を徐々につけてきて、カップ戦をいろいろな経験の場にしつつ、リーグ戦だけは勝とうというチーム最大の目標を達成することができた。後期になってから徐々に点が入るようになり、チーム力がついて成長してきたのかなと思います」
J3や夏のフェスティバルで地力を高めた選手たちは夏休み明けからは無敗。その勝負強さがプレーオフ突破にも役立った。3年生はこれで卒業となるが、残る2年生と1年生にはプレミアでの戦いが待っている。
FC東京U-18はますます強くなり、このクラブを支える柱のひとつとなる。