GAME RESULT試合結果

2013/11/16(土)
観衆 8,434人 
天候 晴、弱風 気温 8.3度 湿度 73% 
主審:高山 啓義 副審:手塚 洋/伊東 知哉 四審:

天皇杯 4回戦

NACK5スタジアム大宮

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FC東京

3-0

試合終了

前半1-0

後半2-0

AWAY

大宮アルディージャ

FC東京 大宮アルディージャ
45分+1:三田 啓貴
54分:渡邉 千真
82分:太田 宏介
得点者
67分:三田 啓貴→石川 直宏
86分:ルーカス→ネマニャ ヴチチェヴィッチ
90分+2:渡邉 千真→平松 大志
選手交代 63分:鈴木 規郎→長谷川 悠
80分:渡部 大輔→チョ ヨンチョル
80分:村上 和弘→今井 智基
13 シュート 6
11 GK 6
4 CK 8
10 直接FK 15
3 間接FK 3
3 オフサイド 3
0 PK 0
警告 88分:片岡 洋介
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 2 徳永 悠平
DF 5 加賀 健一
DF 16 丸山 祐市
DF 6 太田 宏介
MF 7 米本 拓司
MF 8 長谷川 アーリアジャスール
MF 36 三田 啓貴
MF 38 東 慶悟
MF 49 ルーカス
FW 9 渡邉 千真
FC東京控え
GK 21 廣永 遼太郎
DF 14 中村 北斗
DF 15 平松 大志
MF 18 石川 直宏
MF 32 ネマニャ ヴチチェヴィッチ
FW 13 平山 相太
FW 23 林 容平
大宮アルディージャ先発
GK 1 北野 貴之
DF 26 村上 和弘
DF 34 片岡 洋介
DF 17 高橋 祥平
DF 8 下平 匠
MF 23 金澤 慎
MF 6 青木 拓矢
MF 13 渡邉 大剛
MF 30 渡部 大輔
FW 24 鈴木 規郎
FW 19 ノヴァコヴィッチ
大宮アルディージャ控え
GK 31 清水 慶記
DF 3 福田 俊介
DF 27 今井 智基
MF 20 和田 拓也
MF 7 上田 康太
FW 9 チョ ヨンチョル
FW 32 長谷川 悠

【選手・監督コメント】

代表不在でもやれるという自信と覚悟をもって戦う


天皇杯のラウンド16(4回戦)は、NACK5スタジアム大宮にて大宮アルディージャとの対戦。リーグ戦前節はC大阪FW柿谷に一瞬の隙を突かれ、終了間際のカウンターでゴールを奪われ敗戦し、ACL出場圏となる3位以内が消滅。残されたタイトルは天皇杯のみとなり、来季のACL出場も視野に入れた戦いとして、選手たちは一戦必勝の態勢でこのラウンド16に臨む。
 
日本代表の欧州遠征メンバーに選出された森重、高橋、権田に加え、韓国代表に追加招集されたチャン ヒョンスが不在。そのため天皇杯3回戦に続いてGK塩田、センターバックには加賀と丸山を配置。前節負傷の影響も心配された米本もスタメンに入り、長谷川とともにボランチに。両サイドに三田と東、トップ下にはルーカスという布陣。
 
対する大宮は、天皇杯3回戦をG大阪(J2)にPK戦の末勝利。しかしリーグ戦では8連敗の後、1勝をはさみその後再び7連敗中と浮上のきっかけを掴めていない。この試合には出場停止のFWズラタンに代わり東京にも在籍したDF鈴木がFWとしてスタメンに。またDFニールをオーストラリア代表招集のため、さらにDF菊池を負傷のためそれぞれ欠き、リーグ戦からスタメンを4人代えてきた。
 
もともと堅守からのカウンターに鋭さをもつ大宮。今季、ここNACK5でのアウェイ戦は5-2と大勝したが、大宮のサイド攻撃から一時は逆転された。またホーム味スタではクロスからの一発に沈められている。この試合も簡単な戦いにはなりそうにないが、それでも「魅力的で攻撃的なサッカーで結果が出せることを示したい」とポポヴィッチ監督。
 
GK塩田は「どんな形でも勝ち上がることが一番大事。メンバーは入れ替わるが、チームメイトに100パーセントの信頼を置いているし、集中して勝利のために戦う」と意気込みを見せる。アウェイ側スタンドを埋めた東京ファン・サポーターの「You'll never walk alone」の大合唱により、まるで東京のホームのような雰囲気に包まれるなか、19時03分、大宮のキックオフを迎えた。

主導権を握り、前半ロスタイムに三田のスーパーゴールで先制!


立ち上がりから積極的に仕掛ける東京は、2分に渡邉、3分にはルーカスがシュートを放つ。10分、ルーカスから右サイド深くへ進入した徳永へ。相手と競り合いながらも強さを見せ、右エリア内の渡邉へパス。ここから右足で決定的なシュートを放ったが、わずかにゴール左にそれる。
 
東京が流れを掴んだかに思われた12分、相手陣内での横パスを大宮MF渡邉にインターセプトされると、右サイドからDFラインの裏へロングボールを入れられ、FW鈴木がフリーで抜け出し塩田と1対1に。決定的な場面を作られたが、塩田が果敢に前に出て身体ごとセーブ!
 
18分にもDFラインの裏へロングボールを通され、右サイド深い位置からMF渡邉のクロス。中央に待ち構えていたFWノヴァコヴィッチにヘディングシュートを放たれるが、これはクロスバーを越えた。東京は中盤でボールを支配しフィニッシュへ持ち込む形を作り出せているが、時折繰り出される大宮のカウンターの鋭さに冷やりとさせられる場面も。
 

このままスコアレスのまま終了かと思われた前半ロスタイム、三田が積極的なプレスで相手DFのミスを誘い右サイド深い位置でのスローインから、右エリア角のルーカスがキープし、外側からフォローした三田へ。するとワントラップで中に持ち出し、コントロールされた左足シュートをファーサイドのネットに突き刺した! 貴重な先制点を奪い、1点をリードして前半を折り返す。

攻守に連動した東京のサッカーで、渡邉と太田が追加点を奪い勝利


ハーフタイムに「強い気持ちと集中力を持って、隙を見せないこと。後半の入り方が大切」とポポヴィッチ監督。後半に入り、その言葉どおりに守備面では球際の強さや前線からのプレスを仕掛け、攻撃面でも前半同様に連動したパス回しを貫くことで、後半の立ち上がりも試合を支配することに成功。すると東京に待望の追加点が生まれる。
 
54分、ルーカス、三田、渡邉とつないで右サイドを突破し中央へ決定的なグラウンダーのパスを送るが合わず。一旦大宮ボールとなるが、敵陣左サイドで奪い返した米本が中に持ち込みながら、相手センターバックの間へと動き出した渡邉へ絶妙なラストパス。これを繊細なトラップから、左足を振り抜きゴール! スコアを2-0に。
 
67分にもビッグチャンスが訪れる。中盤の長谷川から右足アウトサイドのピンポイントパスがエリア内へ抜け出したルーカスへ送られ、相手GKと1対1に。しかしわずかにGK北野の飛び出しが早く、交錯する形でルーカスが倒れるがファウルはなし。また70分にもルーカス、太田、渡邉の早いパス回しから左サイドを完全に崩し、最後は渡邉がエリア内へ進入するが、フィニッシュまでは持ち込めなかった。
 
すると後半82分、渡邉が倒されて得たエリア手前・中央からのフリーキック。6枚のカベの前に東京の選手が立ち、ボールには太田と東。東のフェイントの後、太田の狙いすました左足キックは弧を描いてゴール右上に吸い込まれた。太田の今季4得点目となるフリーキックからのゴールで3-0となり、これが試合を決定付けた。
 
後半ロスタイムには、2010年3月31日以来の公式戦出場となる平松が交代出場でピッチに立ち、スタンドからは大きな声援が送られた。チーム一丸となり最後まで集中力を切らすことなく無失点で勝ち切り、12/22に行われる準々決勝への進出を果たした。


【選手コメント】
≪塩田≫
「ノックアウト方式のトーナメント形式が引き出してくれたのかもしれないが、今日はみんなの気持ちが全部出せていた。90分間、集中が切れることはなかったし、一人ひとりの強い気持ち、負けないという気持ちがあって、それがチームとしてのオーガナイズにつながったと思う。こういう勝利はチームの自信になるし、リーグ戦にも必ずつながると思う。それができるように引き続き頑張りたい」
 
≪三田≫
「(ゴールシーンは)その前に同じような場面があって、そのときはパスを選択していたので、次に同じような形があればシュートを打とうと思っていた。シュート自体は、今日の試合前練習で全然入らなくて・・・。でも巻いたシュートを打ったら1本だけ入った。そのイメージだった。(代表選手が不在でも勝って力を証明したいと話していたが?)そのとおりに、東京の選手層や力があることを証明できてよかったと思う」
 


【ポポヴィッチ監督の会見要旨】
「私にとっても非常に感慨深い試合。われわれの選手たちが見せてくれたプレーも姿勢も非常に良かったと思います。このようなサッカーができて私自身も楽しめましたし、何よりこの試合に関しては4人の代表選手を欠きながらそれを感じさせないプレー、そして結果を出したことに意味があると思います。
 
この2年間が無駄ではなかったことを証明できたと思います。私が就任してきた当時から言っていることを実現できて良かった。ファン・サポーターのみなさんにも感謝しています。私も東京での仕事を楽しんでいますし、元日まで一緒にやりたいと思っています。FC東京ファミリーを作っていこうと事あるごとに言ってきました。今日の試合を見ても分かっていただけると思いますが、ピッチの選手もファン・サポーターも一体感がありますし、非常に良いファミリーだと感じています。
 
まだ残りのシーズンもありますので、ホームゲームでスタジアムを満員にすることを達成したいと思いますし、みなさんにも選手たちが見せるサッカーを楽しんでいただきたいと思います」


【大宮・小倉監督の会見要旨】
「前半の立ち上がりは固さもあって難しい場面がありましたが、途中からはウチらしいペースで試合ができていた。だが前半のロスタイムにあってはならないようなミスから失点をしてしまった。後半はビハインドがあった中でやりたいことは出来つつあった。そこでまたカウンターから失点をしてしまった。
 
リスクをかけて攻めるというよりは出ている選手でやれそうな雰囲気があったのでそのままでいきました。最後は攻撃的にでましたがそこでもフリーキックから失点をしてしまい敗戦となった。トーナメントなので何対何で負けるとかではないのですが、負けたことは残念です。これだけサポーターが来てくれたにもかかわらず勝てないのは申し訳ない気持ちでいっぱいです」