GAME RESULT試合結果

2011/12/29(木)
観衆 11,982人 
天候 晴、弱風 気温 11.1度 湿度 % 
主審:家本政明 副審:大塚晴弘/田尻智計 四審:

天皇杯 決勝

大阪長居スタジアム

FC東京

1-0

試合終了

前半0-0

後半1-0

セレッソ大阪

FC東京 セレッソ大阪
77分:谷澤 達也 得点者
75分 鈴木 達也
87分 下田 光平
90+3分 中村 北斗
選手交代 46*分 小松 塁
62分 村田 和哉
81分 播戸 竜二
13 シュート 9
9 GK 7
4 CK 2
12 直接FK 9
0 間接FK 1
0 オフサイド 1
0 PK 0
' 41 椋原 健太 警告 ' 57 キム ボギョン
' 90+3 播戸 竜二
退場
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 3 森重 真人
DF 6 今野 泰幸
DF 2 徳永 悠平
DF 33 椋原 健太
MF 22 羽生 直剛
MF 39 谷澤 達也
MF 18 石川 直宏
MF 4 高橋 秀人
MF 10 梶山 陽平
FW 49 ルーカス
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 14 中村 北斗
MF 27 田邉 草民
MF 32 上里 一将
MF 35 下田 光平
FW 9 ロベルト セザー
FW 11 鈴木 達也
セレッソ大阪先発
GK 21 キム ジンヒョン
DF 22 上本 大海
DF 17 酒本 憲幸
DF 14 丸橋 祐介
DF 3 茂庭 照幸
MF 23 倉田 秋
MF 2 扇原 貴宏
MF 16 キム ボギョン
MF 13 清武 弘嗣
MF 6 山口 螢
FW 31 杉本 健勇
セレッソ大阪控え
GK 1 松井 謙弥
DF 4 藤本 康太
MF 7 大竹 洋平
MF 25 黒木 聖仁
MF 26 村田 和哉
FW 11 播戸 竜二
FW 15 小松 塁

【選手・監督コメント】

自分たちのサッカーを貫きとおして、勝負にこだわりたい一戦

天皇杯準決勝は、セレッソ大阪と対戦。準々決勝では、今季1年積み重ねてきた粘り強さを発揮。石川の挙げた1得点を守り切り、勝利を果たした。昨年に続く準決勝だが、天皇杯では過去に決勝進出を果たせたことはない。今季の集大成として、来季につながる戦いをするだけでなく、チームの歴史を塗り替える上でも重要な一戦。これまで以上に勝負にこだわり、勝利をたぐり寄せることが必要になる。

 対するC大阪は、J1リーグでは11勝10分13敗で12位。試合ごとに波もあったようだが、この天皇杯では3回戦で岡山を3対0で下し、4回戦・仙台戦、準々決勝・清水戦はいずれもPK戦を制して勝ち上がってきた。特に驚異的な得点力を誇り、J1リーグの総得点は67と、G大阪に次ぐ数字を残している。1トップのFW杉本を中心に、シャドーのMF清武、そして準々決勝ではボランチを務めたMFキム ボギョン、サイドのMF倉田や村田らが、流動的なポジション取りで迫力のある攻撃を仕掛けてくる。

 東京は、準々決勝と同じメンバーで臨むことに。守備面で今野は「個の力で止めることはできないかもしれない。だからこそカバーの意識やライン取りをチームとして徹底したい」と話し、積極的にパスの出所にプレスをかけていき、前線やサイドバックに簡単につながせないようにしたいところだ。先制点を与えず、いかに辛抱強く戦えるかどうかが勝負を左右することになるだろう。

 大熊監督は「耐える時間もあれば、我々が主導権を握る時間帯も必ずある。特にC大阪はリスクを負ってでも攻撃的なサッカーを仕掛けてくるが、攻守にパーフェクトなチームはない」と分析。攻撃ではこれまでどおり相手の隙をいかに突けるかがポイントになる。攻守において粘り強さと勢いとともに、あらゆる局面での判断力も試される一戦。自分たちのサッカーを貫きとおして、いざ国立へ! 試合は大阪長居スタジアムにて13時6分に東京のキックオフで開始された。

決定的なチャンスを作るが決めきれず...スコアレスで折り返す

 立ち上がりから互いに攻める展開に。しかし東京は、前からプレスをかけるとともに厳しい守備で奪い、ボールをつなぐことでリズムを作った。C大阪に支配率で上回り、徐々にペースを握ることに。9分、左エリアで起点を作りルーカスがミドルを放つもGK正面に。11分には相手スローインから自陣でボールを奪い、羽生→石川が右前線にパス。相手DF2人がもたつく間にルーカスが抜け出し、右エリアでGKと1対1に。だがシュートは枠を外れる。

 18分には前線へのボールを、C大阪DF茂庭がクリア。これが右サイドに流れ、石川が奪ってエリア内に持ち込む。相手DFを中に切り返して放ったシュートはGKにはじかれる。22分には右サイドで石川→中央の羽生が後ろに戻したボールから、リターンを受けて右エリアを石川が抜け出す。またもやGKと1対1のシーンを作るが、好セーブに阻まれCKに。続く23分にはこのCKの流れからこぼれを羽生が枠をとらえるミドルを放つが、DFにカットされる。

 決定機を作りながらも、決めきれずに先制のチャンスを逃した。それでも守備では、連動してプレスをかけ、自陣ではスペースを与えなかった。39分には左CKからクリアされたボールを自陣の徳永が再び前線にロングパス。右前線に残っていた森重がヘッドで落とし、中央の今野がシュートしたが、わずかに左に切れた。前半終盤にはC大阪の個人技にゴールを脅かされる場面もあったが、権田を中心に守り切り、スコアレスで後半へと折り返した。

谷澤のミドルがネットに突き刺さり、これが決勝弾となり元日国立へ!

 後半も互いに持ち味を活かし、一進一退の展開に。攻撃力を誇るC大阪に対して東京も一歩も譲らず攻めに出たが、C大阪の守備も固く、なかなか崩し切るには至らなかった。先に攻撃的な2選手を交代投入したC大阪に対して、東京は少し運動量が落ち始め、75分に羽生に代わって鈴木がイン。自らボールを奪いにいくことでチャンスにつなげようとした。

 その直後の77分、DFラインの今野、森重とつなぎ、高橋が前線中央のルーカスにくさびのパス。この落としをペナルティアークすぐ外で受けた谷澤が右足を一閃。狙い澄ましたシュートは、相手GKの伸ばした手を越えてバーをかすめてネットにイン! 見事な谷澤のゴールで遂に先制を果たした。

 その後の残り時間は、C大阪の猛反撃を受けることになった。だが権田の好セーブとともに、ルーカス、鈴木らが渾身の力でプレスをかけ、最終ラインでは身体を張った。途中出場の下田、中村もこの流れに乗り、厳しい守備でC大阪を抑えにかかった。ロスタイムには、C大阪のCKからFW播戸がネットを揺らしたが、これはハンドの反則でノーゴールに。苦しい時間が続いたが、全員でカバーし合い、隙を作らず無失点でタイムアップ。

 攻守にわたってハードワークが実り1対0で勝利! クラブ初の天皇杯決勝に進出し、2012年元日14時~国立競技場にて京都サンガF.C.と対戦する。

 【選手コメント】《谷澤》「(得点シーンについて)ヒデがボールを出すときに、ルーコンに当てるのはわかっていた。練習通りの形だった。(自身の中でも印象に残る得点では?)いつもペナ外から打って入ることはないけれど(苦笑)、今日はピッチが詰まる感じで、あのときも少し詰まった感じだったが、それが逆によかったのかも(笑)。素直にうれしい。

 C大阪は攻撃的だし、個の能力が全員高かった。それでも最後の部分で突破された場面はほとんどなかったのではないか。僕たちは、攻守に渡ってみんなが同じイメージを描けている。それが勝因だと思う。ただ例年、ここまで長くサッカーを続けられたことはなかった。…いいものですね(笑)。連戦の疲労もあるが、それは相手も同じ。いままでやってきたことを全部出して、守備ではみんなで走って、攻撃ではパスワークで相手を翻弄したい」 

 《森重》「前半からうまくボールを回すことができたし、自分たちの時間をつくれたと思う。また、セレッソの攻撃陣は技術が高いので、スペースを与えるとやられると考えていた。そこでなるべくラインを高くして、ボランチとセンターバックの距離感を大事にして、間で受けさせないような守備を心掛けていた。ボランチも頑張ってくれて、連係がきっちりと図れて、僕自身はやりやすかった。

 後半はなかなかプレスにいけなくなったが、そういう時間もある。もう少し奪った後の精度や、もう1~2本、サイドチェンジのパスなどを入れることができればよかったが…。終盤はさすがにゴール前に張り付くことになったが、耐えることも必要。そこで割り切ってしのごう……という時間も浦和戦よりは短くなったと思う。こうやって1試合ごとに成長したところを見せていければ、優勝もできると思う」

 【大熊監督の会見要旨】「後のことを考えずに選手が攻守にわたりハードワークをしてくれた。この試合は上手い下手ではなくて、隙を作るか作らないかだと伝えていた。攻守に隙が無く自分たちのサッカーをやってくれたと思います。気持ちとしてJ2はどこのチームも頑張っていて、J2としての意地もあった。チームの礎はできたかもしれないが、今日のような試合に勝たなければ強くなった証明にはならない世界だと思う。そこまでの力が付いたという表現は難しいですが、力は付いてきたんではないかと。

 そしてチームとしてのまとまりもできてきた。多少の証明ができるくらいの試合になったんじゃないかと思います。決勝までは中2日であまり調整する時間はないですが、ここまできたらあとはもう力を出し切って、いい意味で楽しんで元日に試合を目いっぱいしたいと思います」

 【C大阪・レヴィー クルピ監督の会見要旨】「みなさんこんにちは。今日は予想されたような試合展開だったと思います。前後半ともFC東京がまず立ち上がりにフルパワーできた。それに耐えながら前後半とも途中からセレッソの方が勢いをつけていくという予想をしていた形のゲーム展開であったと思います。ただしFC東京の方がフィニッシュの精度が高く、ゴールという結果に結びついた。これはやはり勝利にふさわしい内容だったと思います。FC東京は本当に一体感がありまとまりのあるチーム。

 ただし、延長になっていればフィジカル的な強さがある我々の方がチャンスはあったかもしれません。確かに結果は本当に残念なもので終わってしまったが、最後の一分一秒まで勝利を目指して戦い続けた選手たちのことを私は心から誇りに思います。みなさん本当に長い間、ありがとうございました。2014年にブラジルでお待ちしています。本当にありがとうございました」