GAME RESULT試合結果

2010/10/11(月)
観衆 2,486人 
天候 晴、弱風 気温 29.0度 湿度 % 
主審:パベル・ギル 副審:マルチン・ボルコフスキ/マルチン・リス 四審:

天皇杯 3回戦

正田醤油スタジアム群馬

FC東京

2-0

試合終了

前半1-0

後半1-0

ギラヴァンツ北九州

FC東京 ギラヴァンツ北九州
28分:石川 直宏
88分:平山 相太
得点者
57分 羽生 直剛
76分 前田 俊介
67分 重松 健太郎
選手交代 46分 レオナルド
89分 タチコ
65分 宮川 大輔
21 シュート 11
17 GK 15
12 CK 2
20 直接FK 14
0 間接FK 2
0 オフサイド 1
0 PK 0
55 椋原 健太 警告 47 河端 和哉
59 関 光博
90 宮川 大輔
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 33 椋原 健太
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 14 中村 北斗
MF 10 梶山 陽平
MF 22 羽生 直剛
MF 16 リカルジーニョ
MF 18 石川 直宏
FW 32 前田 俊介
MF 8 松下 年宏
FC東京控え
FW 19 大竹 洋平
FW 24 重松 健太郎
FW 13 平山 相太
GK 21 阿部 伸行
MF 28 幸野 志有人
MF 30 ソ ヨンドク
MF 27 田邉 草民
ギラヴァンツ北九州先発
GK 1 水原 大樹
DF 8 日高 智樹
FW 22 レオナルド
DF 6 佐藤 真也
DF 2 タチコ
DF 4 長野 聡
DF 13 河端 和哉
MF 15 ウェリントン
FW 11 宮川 大輔
MF 20 関 光博
MF 10 佐野 裕哉
ギラヴァンツ北九州控え
MF 26 小森田 友明
FW 25 大島 康明
FW 9 池元 友樹
GK 21 時久 省吾
DF 24 川鍋 良祐
MF 5 桑原 裕義
FW 18 長谷川 太郎

【選手・監督コメント】

リーグ戦勝利の勢いをそのままに、次に繋がる戦いを!


 天皇杯3回戦は、ギラヴァンツ北九州と対戦。10/3湘南戦では安定した守備から3得点で久々の勝利を挙げた。その後3日間の御殿場キャンプを実施。あらためてチームの結束を図るとともに、「先発だけでなく、サブメンバーを含めた全員のコンディションと意識を高めること(大熊監督)」をテーマとし、厳しいトレーニングを積んできた。チームの勢いを続けていくためにも、勝利はもちろんのこと、次につながる戦いをしたいところだ。

 対する北九州は、今季からJ2を戦い、天皇杯ではザスパ草津を制して3回戦に進出を果たした。J2リーグでは1勝しか挙げられておらず、19位と苦しい戦いを強いられているものの、与那城ジョージ監督の指揮のもと、アグレッシブなサッカーを志向しつつ、守備で我慢することもできるチームだ。引分けは12とリーグ最多。逆に考えれば粘り強く、負けない戦いをしているともいえる。これに対して東京はいかに早い時間に先制できるかがポイントになる。たとえ北九州に引かれて守りを固められたとしても、ボランチからの攻め上がりや、サイドからの突破で落ち着いて守備網を崩していきたい。

 東京は、日本代表の活動のため今野と権田、また韓国代表のキム ヨングンが不在。また大黒は足の張りがあるため欠場。ただ故障を抱えていた石川、そして梶山と羽生も戦列復帰。先発は徳永と森重がセンターバックを組み、松下と梶山がボランチを務め、「個人の特長をより活かしたい」との狙いのもと、最前線に平山、その下に大竹という4-2-3-1の布陣で臨むことに。これまで継続してやっている球際の強さ、攻守の切り替えの早さ、競り合いに負けないといったことが、この試合でもチーム全員がしっかりとできれば勝機は見えてくるはずだ。

 石川は「相太がトップに、洋平がトップ下にいる分、さらに前で力をかけることができる。リスクは考えなければいけないが、チームとしてゴールへの意識を高めることができるはず。個人的には、どの位置でどのタイミングでゴール前に入っていくかを考えつつ、サイドでの仕掛けも使い分けてチャンスにつなげたい」と話す。大熊監督は「北九州への対策も必要だが、いま最も大事なことはチームの土台を築くこと」と、今日のの一試合だけにとどまらず、今後のリーグ戦も視野に置いたトライをしていく心積もりだ。その上で勝利を果たし、自信と勢いに変えていきたい一戦となる。試合は正田醤油スタジアム群馬にて13時に東京のキックオフで開始された。

石川のゴールで先制するも、追加点を奪えないまま前半終了


序盤から主導権を握り、北九州陣内で試合を進めた。前線の平山、大竹を起点に、石川の裏を突く動きやリカルジーニョの果敢な仕掛けを活かし、ボランチも飛び出していくことでチャンスをつくった。8分には右前線の高い位置に石川が抜け出し、ライン際をドリブル。ゴール前まで持ち込み、CKを奪う。この右CKは、一度はクリアされるが、こぼれをつないでラストは中央の石川がシュート。しかし阻まれ、再びCKに。その後も何度もサイドからチャンスを作るも、北九州の守備陣も身体を張って守り、その壁を打ち崩せない時間が続いた。

 20分には中村の攻め上がりからワイドに仕掛け、中央で梶山のくさびを平山が落とし、右から中に走った石川がシュートと、決定的な形をつくったが、ボールはGKの正面に。24分には今度は梶山→平山が右前線に抜け出し、ドリブルで右エリア内に持ち込み、シュートを放つが、再びGKにキャッチされる。決めきれない時間が続いたが、迎えた28分、梶山が右サイドを駆け上がる椋原に長いパスを送る。椋原がニアに走り込んだ石川につなぐと、石川はスピードに乗ってゴール前に持ち込みゴール! スピーディな連係プレーから先制を果たした。

 その後もリズムを掴み、35分には左サイドのリカルジーニョのシュート性のクロスに合わせて、ゴール前に梶山がスライディングで飛び込むもわずかに合わず。39分には石川の右クロスから、リカルジーニョがボレーを放つも枠の上に。43分には右エリアの石川→中を上がった梶山が、シュートとみせかけヒールパス。これを石川がきっちりフォローし、決定的なシュートを放ったが、GKのセーブに阻まれCKに逃れられた。結局追加点を奪えず1点のリードのまま、後半へと折り返した。

終盤に平山のゴールで突き放し勝利


 後半、最初に攻めに出たのは北九州。46分に右サイドバックの佐藤がエリアへ進入。中村がスライディングでカットするが、こぼれを拾われ、エリア内からシュートを打たれる。これはミスに助けられたが、東京もラストプレーの場面で雑になり始め、徐々にリズムを失うことに。56分には梶山に代えて羽生を、65分には大竹に代えて重松を投入し、再び攻撃を活性化させようとした。

 すると68分、羽生の浮き球のパスから前線に抜け出した重松が、左エリアで相手DF2人を切り返してゴール前にラストパス。これに平山が合わせ決定的なシュートを放つが……北九州DFのブロックに阻まれる…。好機を逃すと徐々にラインが間延びし、逆に選手交代を使ってパワープレーを仕掛けてきた北九州にシュートまで持ち込まれるシーンも増え出した。

 それでも最終ラインでは慌てずに守り、反撃につなげる。81分にゴールを背に受けた重松が振り向きざまに放ったシュートは、DFに当たってバーをヒット。決めることができなかったが、終了間際の88分に松下が右前線に抜け出し、鋭いクロスを中央に送り、エリア手前の平山が絶好のチャンスを迎える。一度はコントロールを失ったが、粘り強くマイボールにして強引に相手DF2人を抜いてゴール!!シュート21本を放ちながら2得点と、決定力不足という課題は残すものの、きっちりと勝利を果たし、4回戦(ジェフ千葉と対戦)に駒を進めた。

 【選手コメント】《平山》「ゴールは、クロスが足元に来て最初はミスをした。ただ、そこで逆に開き直って自分の形でシュートまでいこうと思った。今日は1トップだったが、近くにいる選手の役割をそれぞれが活かそうとした。特にナオさんがかなり仕掛けていたので、そこを使いたかった。お互いにいい距離を取り、自分にくさびが入ったときにはナオさんが動き出してくれていて、プレーしやすかったし、チャンスも作れていたと思う。もっとゴールに結びつけたかったが…」

 《石川》「(公式戦ここ4試合で3ゴールだが?)…それ以上にはずしているので…。でも、良い意味でもっと取りたいという気持ちが強くなっている。今日は、相太とだけでなく、洋平やカジ(梶山)、ワンちゃん(松下)を含めて選手の距離感がよかった。相太に入ったときの動き出しや、相太が引いたときには、連動してカジが前に出て行くなど、前への迫力を出せて形は作れていたと思う。なかなかチャンスを活かし切れなかったが、相太が意図のあるプレーをしてくれるので、自分もそのフォローがしやすい。試合後にも、シュートのイメージや、周りのイメージを持ってプレーすればいいと話し合った。自分が外に飛び出してクロスを送る回数や、中への動き出しの質は高まっている。もちろん精度は課題で、今後は点で合わせることが焦点になる」

 【大熊監督の会見要旨】「なかなか点が入らないという試合で2点目のチャンスの数は多かったが、ずっと外していれば何が起こるか分からないのがサッカーなのでしっかりと決めてもらいたい。ただこれを個人の決定力だけで終わらすのではなく、湘南戦のように平山が決められなくても石川が決めるように、チームとしての課題として、点を決めていきたい。フリーで外した場面もありますが、チームとしてもう一回考えていきたいと思います。僕の方の意思統一もあるのですが、守り方も自分たちが引いた状態で中盤がきちっとブロックを作っているにもかかわらず、相手のチームが積極的にきた時のマークの受け渡し。特に右サイドをやられてしまったところは、意図としない局面が出てきている。まだ隙を与えている部分をもう一度修正して、リーグ戦に繋げていきたいと思います。

 (両サイドの攻撃の評価を)回数はいけているのであとは精度の問題。目標とするDFラインとGKの間を非常に突けていたと思います。それとゴール前でのアイディアなり工夫の部分も、プルバックしてロングシュートがあったりバリエーションは増えていると思います。それを決めきるか。先程も言ったようにチームとしての課題として取り組んで、点に繋げたい。回数だけはここ3試合徐々に増えてきているし、アイディアも大宮戦よりは比較的増えてきていると思うので、それをリーグ戦に繋げていきたいと思います」

 【北九州・与那城ジョージ監督の会見要旨】「いいゲームの入り方はしてくれたと思います。少しずつ我々の左サイドを突破してピンチがありました。なかなか左サイドが落ち着かなくて、後半に入るとボールをもう少しうまく繋ごうとしてよくパスが回ったと思います。それにより、チャンスも増えたと思いますし、チャンスを作れたことは収穫です。全体的には、90分間でいくつかのいい場面があったので、チームとしてはよかったと思います。選手は最後までがんばってくれたと感じています。(J1クラブとの初対決でしたが?)とにかく前から前からいくことを意識しました。そこで何が起こるか。とにかく前からいこうと。ある時間帯になると、なかなか前からはめることができなくなってしまった。そこで一旦引くこともありましたし、前に出たりと忙しい90分でしたが、全体的にはうまく対応していたと思います」