GAME RESULT試合結果

2010/9/05(日)
観衆 5,155人 
天候 晴、弱風 気温 30.6度 湿度 % 
主審:岡部拓人 副審:西尾英朗/越智新次 四審:

天皇杯 2回戦

味の素スタジアム

FC東京

2-0

試合終了

前半0-0

後半2-0

PK戦0-0

駒澤大学

FC東京 駒澤大学
58分:松下 年宏
73分:平山 相太
得点者
46分 徳永 悠平
46分 羽生 直剛
78分 前田 俊介
選手交代 79分 砂川 太志
58分 湯澤 洋介
74分 大塚 涼太
17 シュート 10
12 GK 9
5 CK 8
20 直接FK 12
1 間接FK 0
1 オフサイド 0
0 PK 0
60 鈴木 達也
71 徳永 悠平
警告 21 井指 隆範
61 湯澤 洋介
90+1 棗 佑喜
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 3 森重 真人
DF 33 椋原 健太
DF 4 高橋 秀人
DF 25 平出 涼
DF 2 徳永 悠平
MF 19 大竹 洋平
MF 22 羽生 直剛
MF 11 鈴木 達也
FW 32 前田 俊介
MF 8 松下 年宏
FC東京控え
MF 27 田邉 草民
FW 13 平山 相太
FW 24 重松 健太郎
GK 21 阿部 伸行
DF 14 中村 北斗
MF 28 幸野 志有人
FW 16 リカルジーニョ
駒澤大学先発
GK 1 岡 大生
DF 16 濱田 宙
DF 4 林堂 眞
DF 3 亀井 秀将
DF 2 酒井 隆介
MF 8 碓井 鉄平
DF 26 砂川 太志
MF 7 金久保 彩
MF 10 田中 信也
MF 11 湯澤 洋介
MF 6 金 正也
駒澤大学控え
FW 9 棗 佑喜
FW 12 山本 大貴
FW 17 大塚 涼太
GK 21 井指 隆範
DF 24 田中 雄一
DF 25 三宅 徹
FW 18 肝付 将臣

【選手・監督コメント】

天皇杯が開幕、大学シードの駒澤大と対戦


 今季の天皇杯が開幕。Jチームが登場する2回戦を迎え、駒澤大学と対戦する。新たな大会のよいスタートを切り、ここからファイナルまでの道を一歩ずつ勝ち上がっていきたい。

 ナビスコ準々決勝第1戦から中3日で迎えることになったが、この間に今野が日本代表、キム ヨングンが韓国代表の活動のため、チームを離れた。また石川、権田が負傷。その状況のもと、メンバーについて城福監督は「天皇杯も最後まで勝ち抜きたいし、ナビスコのチャンスも逃したくない。その中での判断」と説明。スタメンはGK塩田、平山と重松の2トップ。松下と田邉がダブルボランチを組み、サイドに鈴木と大竹。センターバックは森重と高橋。椋原と平出が両サイドバックを務める形で臨むことになった。

 駒大は、7月に開催された「第34回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント」で優勝。大学シードとして天皇杯への出場権を獲得し、東京ヴェルディユースを制して2回戦にコマを進めた。全国でも強豪の駒大。関東大学リーグでも前期11試合を終えて2位につけ、総得点12・総失点6と堅守を誇る。攻撃は184cmのFW棗(なつめ=4年)を起点とし、縦に速いサッカーが特長だ。ベンチには180cmを越える選手も揃い、パワープレーやセットプレーには迫力がある。90分をとおして落ちない運動量をもとに前線からプレスをかけ続け、素早いショートカウンターを仕掛けるのが狙いだ。

 これに対して東京は、DFラインのギャップを突いていきたい。駒大の前線からのプレスをかわして攻撃につなげ、2トップとサイドの大竹、鈴木らが連係を図ることができれば、多彩な攻撃を仕掛けられるはず。単発に終わらず、繰り返すことで切り崩していきたい。

 駒大の選手たちは揃って、総理大臣杯優勝直後から「打倒、FC東京」をめざしてきたという。その大学生らしい団結力とチームへの忠誠心は群を抜く。FC東京としては初となる、天皇杯での大学チームとの対戦で、戦いづらさはあるはずだが、受けに回ることなく東京らしいサッカーで3回戦進出をめざす。試合は蒸し暑さの残る味スタにて19時に東京のキックオフでスタートした。

序盤は勢いに押されるも、落ち着いてリズムを取り戻す


 序盤は、駒大のロングボールに対してラインが下がってしまった。4分には駒大の右クロスを塩田がパンチング。このこぼれを駒大MF金久保に拾われ、ダイレクトシュートを打たれる。9分には駒大の左スローインのクリアを奪われ、駒大MF碓井がシュート。12分には東京も平出が攻め上がり、アーリークロスのクリアから、松下がミドルを放つがバーの上に。そこからはボールを奪ってもつなぎの段階でのパスミスや、前線での連係が合わず、カウンターをくらう場面が目立った。

 勢いのある駒大と互角ともいえる展開となったが、ただし駒大に決定的なシュートは打たせず。徐々に落ち着いてリズムを掴み、東京らしいパスワークから攻めに出た。24分には鈴木の左サイドからのパスから、エリア内の重松がシュート。29分には高橋→松下の縦パスを平山が落とし、大竹が再びエリア内へスルーパスを送り、重松が裏に抜け出す。しかしいずれも駒大GKに阻まれる。続いて鈴木の右クロスから、左エリアでフリーになった大竹がボレーを叩き付ける。決定的な形だったが、シュートは駒大DFのスライディングにブロックされた。

 39分には田邉がドリブルで速攻を仕掛け、鈴木、平山が絡んで右エリアに進入した重松がヒールパス。フォローした椋原がクロス。ファーから大竹が飛び込むが、DFともつれ込み、打ち切れなかった。前半終了間際にも鈴木がドリブルで仕掛け、右サイドへ展開。椋原がエリアに送ったパスを、ゴール前の平山がつぶれ役になり、左エリアでフリーになった重松がシュート。これも決定的な形だったが、叩き付けたボールは、駒大DFのブロックに阻まれ…。チャンスを作るも駒大の身体を張った守備の前にゴールを割ることができず。スコアレスで後半へと折り返した。

羽生が復帰、松下のFKと平山のヘッドで粘る駒大を突き放す


 後半は平出と大竹に代えて徳永をボランチに、羽生を左MFに投入。松下が左サイドバックを務める布陣で臨んだ。羽生は8/8第17節以来の復帰となったが、これでスピード感と大きな動きが出て、序盤から駒大ゴールに迫った。50分、駒大陣内で徳永、平山がパスを回し、徳永のスルーパスから駒大DFの裏に入った椋原がシュートするが、GKのセーブに阻まれる。51分には左の鈴木→平山が中央からシュートするがGKの正面に。

 53分には徳永の強烈なミドルから右CKを得る。鈴木のキックに合わせて平山がヘディングを叩き付けたが、GKにキャッチされる。だが迎えた58分、左エリアすぐ外で平山が倒されてFKを得る。これを松下が直接狙い、右足から放ったボールはネット右にきれいに決まり、ゴール! セットプレーのチャンスを活かし、ようやく先制を果たした。

 しかし駒大も厳しいプレスをかけて前線にボールを送り、セットプレーを中心に反撃に臨んできた。これに対して東京も集中して対応。70分には駒大のセットプレーの場面から、逆襲を仕掛ける。羽生が前線の重松に送ったパスはカットされるが、左スローインを椋原が素早く送り、羽生が右前線に抜け出す。最後は逆サイドを走る平山にパスを送ったが、わずかに合わなかった。

 その直後の73分、右サイドで相手DFのクリアを拾った羽生が、アーリークロスをゴール前に送る。ピンポイントのクロスに合わせて平山がヘディングでゴール!! 流れの中から待望の追加点を奪った。78分には鈴木に代えて初出場となる前田を投入。駒大も終盤、選手交代を使って前線の人数を厚くし、パワープレーを仕掛けてきたが、これに対しては落ち着いた試合運びで反撃をシャットアウト。難しい試合ながらも2対0で制し、天皇杯3回戦に進出。なお3回戦は、ギラヴァンツ北九州と対戦する。

 【選手コメント】《羽生》「復帰を前に、練習試合などで試してから入りたかったが、連戦の状況でコンディションが合い、時間を限定して出場することになった。ただ、0対0のシビアな状況での出場で、緊張感はあった。それでも思ったより動けたし、自分の仕事はできたかなと思う。(数試合を外から観て)出し手と受け手の関係など、お互いの特徴を理解して、相手にとって嫌なプレーができるようにしていきたい」《平山》「(得点について)練習のときに、羽生選手によくクロスを上げてもらっていた。その成果が出たと思う。スタッフ、チームメイトだけでなく、スタンドからいつも応援してくれる人がいて、それにゴールという形で応えられてうれしいし、次の試合でも決められるように頑張りたい。駒大は昔から変わらず、彼らのスタイルを貫くサッカーを仕掛けてきた。厳しい競り合いなどから刺激を受けた面もある。ナビスコ次戦は、点を取らないといけない状況なので、アグレッシブに積極的に向かっていきたい」

 【城福監督の会見要旨】「今日の我々の目的は次のラウンドに進むこと。それが唯一最大の目標であったので、達成できて良かった。夏場の連戦で、ケガ人の状況と8日のビックゲーム(ナビスコ準々決勝第2戦)を考えた時に、メンバー的にも試合運びもギリギリの選択をした。駒大は、中1日とはいえ、物凄く強い気持ちで向かってくることは分かっていたので、前半は0対0で終わるだろうと考えていた。自分たちの時間やペースにならない時でもゼロで抑え、後半にはどんな形であっても点を取って試合をクローズさせようと確認して選手を送り出した。

 スタンドからは『大学生を相手に何をやっているんだ』というような声もあったが、ただファンやサポーターのみなさんは、我々の置かれている状況と今日の試合の難しさを理解してもらえていると思っている。慌てず、終了の笛が鳴った時に次に進めればいいと考え、選手はしっかりと地に足を付けたゲーム運びをしてくれた。(後半から投入した選手について)徳永は少し足の張りがあり、リスクを抱えている状態。ぶり返すことが怖かったので今日も先発で使わず、慎重を期した。羽生も怪我が治ってきて、最大で45分は使えるだろうと。ゲームに慣らしたいという意図もあり、今日は最大の時間を使った」

 【駒大・秋田監督の会見要旨】「実力的にこういう結果になった。自分たちのコンセプトをもう少しできればという気持ちだが、力の差はあった。(前半は押していたが?)前半はできていたが、後半は東京が選手交代を使い、長いボールに対しての対処と運動量のある羽生選手が出場してきた。ここから我々は高さで勝てなくなり、ボールを動かされて長い距離を走られてしまった。力の差を感じたのは、ボールの止め方、ポジションの取り方とスペースの作り方。ボールを回しながら空いたところをきっちり突いてこられた。我々もそのように戦えればいいのだが、まだゲームを作れる・全体を見られる選手が少ない。

 ただ、練習試合ではなく公式戦なので、プロの方も勝つことを目標に力を出して本気で戦ってくれる。口で言っても分からないことを選手たちは肌で感じたと思う。一歩の早さであったり、ボールのスピード、キックの正確性や予備動作をして出て行く動きなど、色々な面で気が付くこと、学べることがあった。(点を取るために足りなかったことは?)諦めないでやり続ける気持ちが足りなかったかなと。ボールが入ったら競り合う、落ちたボールを拾う、それを90分間続けるのは大変で、選手たちはよく頑張ったと思うが、90分間継続してやるということが足りなかった。やり続ければ、勝負事なので何が起こるかわからない。我々もゴールや勝機を掴めるかもしれないと考えていた」