GAME RESULT試合結果

2008/12/20(土)
観衆 8,051人 
天候 晴、無風 気温 10.8度 湿度 % 
主審:高山啓義 副審:平野伸一/大塚晴弘 四審:

天皇杯 準々決勝

ユアテックスタジアム仙台

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FC東京

2-1

試合終了

AWAY

清水エスパルス

FC東京 清水エスパルス
49分:赤嶺 真吾
50分:赤嶺 真吾
得点者 25分:高木 和道
79分 藤山 竜仁
86分 平山 相太
52分 近藤 祐介
選手交代 70分 高木 純平
84分 長沢 駿
70分 矢島 卓郎
9 シュート 13
12 GK 7
9 CK 11
18 直接FK 19
0 間接FK 2
0 オフサイド 2
1 PK 1
76 茂庭 照幸
22 佐原 秀樹
17 長友 佑都
83 羽生 直剛
警告 52 高木 和道
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 3 佐原 秀樹
DF 25 徳永 悠平
DF 2 茂庭 照幸
DF 5 長友 佑都
MF 40 鈴木 達也
DF 8 藤山 竜仁
MF 22 羽生 直剛
FW 13 平山 相太
MF 6 今野 泰幸
MF 10 梶山 陽平
FC東京控え
FW 9 カボレ
FW 32 近藤 祐介
FW 24 赤嶺 真吾
GK 31 荻 晃太
MF 15 エメルソン
MF 30 大竹 洋平
MF 7 浅利 悟
清水エスパルス先発
GK 29 山本 海人
DF 26 青山 直晃
DF 4 高木 和道
DF 5 岩下 敬輔
DF 14 高木 純平
DF 2 児玉 新
MF 28 山本 真希
MF 8 枝村 匠馬
MF 7 伊東 輝悦
MF 13 兵働 昭弘
FW 31 長沢 駿
清水エスパルス控え
FW 19 原 一樹
FW 9 矢島 卓郎
FW 23 岡崎 慎司
GK 21 西部 洋平
DF 3 山西 尊裕
MF 16 本田 拓也
MF 6 マルコス パウロ

【選手・監督コメント】

自らの力で勝利を奪い取り、準決勝進出を目指す!


天皇杯準々決勝は、清水エスパルスと対戦。リーグ最終戦対千葉戦で逆転負けを喫し、最終順位は6位に終わり、目標の一つともいえるACL出場圏の3位に入ることはできなかったが、2週間のインターバルでは気持ちを切り替え、それぞれが高いモチベーションをもってトレーニングを行ってきた。今シーズン最後の公式大会・天皇杯にすべてを賭け、自らの力で一歩ずつ頂点をめざしていきたい。

 対する清水は、天皇杯5回戦で千葉を3対2で下して勝ち上がってきた。リーグ終盤の7試合を6勝1敗という戦い方で終え、いま絶好調のチームといえよう。何より今季の対戦では、東京の1分3敗と勝利がなく、相性の悪さものぞかせている。これまでの対戦では、清水FW岡崎、原らのDFの裏を突く鋭い動きをケアするあまり、ラインが下がりすぎ、中盤にスペースを空けてしまうことが多かった。今回はDFの裏を注意しつつも、コンパクトに戦うことが重要。また押し込まれて、苦し紛れのファールから相手にセットプレーを与えることも避けたいところだ。

 東京は、リーグ戦ラスト2試合を出場停止であった梶山が戻り、今野とボランチを組む布陣に。ただ石川は練習には復帰したものの、コンディションを考慮してメンバー外となった。茂庭が「清水は前線に頑張る選手が揃っていて、そこに長いボールを蹴ってくる。それに対して、僕たちも身体を張って跳ね返し、セカンドを拾って攻撃につなげていきたい。どういうゲーム展開になっても、最後まであきらめず、先に失点しないようにしたい。一瞬でも気を抜くとやられるので、それを続けることが大事」と意気込みを話すように、難敵に勝利するためには泥臭くとも粘り強さが必要になるはずだ。受身にはならずとも、守備の意識を高めて試合に入りたい。

 梶山は「公式戦の試合間隔はあいたが、練習試合を含めてトレーニングをしてきたので、心配はまったくない。清水の前線からのプレスに対して、はっきりしたプレーをして、ミスからボールを失わないことを一番に心掛けたい。トーナメントであることを考えると、内容ではなく、最終的に勝てるような試合ができればいい」と決意を込めた。試合はユアテックスタジアム仙台にて、13時4分に清水のキックオフで開始された。

1点のビハインドを負って後半へ


 序盤はお互いに蹴り合う展開となったが、東京もセカンドボールを拾って攻撃につなげる。5分、中盤で相手ボールを奪い、赤嶺がロングシュート。この試合の東京の初シュートを放つ。6分には、赤嶺→カボレが左前線を上がり、エリア内に進入してクロス。一度はカットされたが、こぼれから再びクロス。しかし誰も合わせられず。清水も9分には、カウンターから左SB児玉のクロスをFW原がボレーを放つも、大きく枠を外す。

 その後も一進一退の攻防が続いたが24分、清水MF兵働の右CKをFW原が折り返し、DF青山がヘッドを放ったところで、東京DFがハンドの反則を犯してPKを与えてしまう。25分にこのPKをDF高木和に決められ、先制点を許した。アンラッキーともいえる形で失点を喫したが、決して慌てず、粘り強い守備から反撃のチャンスを伺う。27分、左CKをクリアされ続いて右CK。羽生のキックを佐原がつなぎ、ゴール前の赤嶺のもとにこぼれるも、シュートは打つことはできない。相手の固いDFに守り切られた。

 32分には、左サイドを突破した鈴木が、相手をかわしゴール前に絶好のラストパス。走り込んだカボレが合わせるも、シュートは左にはずれ…。決定機を活かせず。37分は、右サイドで梶山が、エリア内に絶妙のスルーパス。追い越す形で走り込んだ羽生が、スピードに乗ってシュートを放ったが、枠を捉えることはできない。清水も立て続けにCKからチャンスを作るも、塩田を中心にDF陣が踏ん張り追加点を与えず。1点のビハインドを負って後半へと折り返した。

勝負強さを発揮した赤嶺の2ゴールで逆転勝利!


 後半立ち上がりから東京は攻めに出る。49分、左サイドのカボレがサイドチェンジ。徳永→右エリア内に進入した鈴木へ縦パスがわたり、強引にドリブル突破を仕掛けると、相手DFに倒されPKを得る。このPKを赤嶺がきっちり決めて、早い時間に同点に追いついた。このゴールで一気に流れが東京に傾くと、直後の50分には、カボレが頭で落としたボールに、オーバーラップした長友が左クロスをファーの鈴木へ。これを中に折り返して、赤嶺がダイレクトで豪快に蹴り込んで逆転する。

 残念なことにカボレがこのプレーで負傷し、近藤と代わることになったものの、東京の勢いは止まらない。54分、清水のCKをクリアして、ここから梶山がカウンターを仕掛け、最後は右サイドの鈴木がシュートを放つもDFにブロックされる。57分にも、カウンターから梶山が相手DFの裏にスルーパス。勢いよく上がってきた長友がそのままエリア内に進入してシュート。GKの好セーブにあいCKに。63分は、左スローインから近藤が中に持ち込んでミドル。積極的な姿勢を崩さない。 

 清水もあきらめず、選手交代で流れを変えようとこころみ、勢いのある攻撃を仕掛けてきた。前線のスピーディな動きに手こずる場面もあったが、東京も疲れの見えた鈴木に代えて藤山、羽生に代えて平山を投入して対応。終盤には清水は長身のFW長沢を入れ、何度もゴール前に長いボールを放り込んでくるも、それぞれが守備の意識を高く持ち、集中力を欠かさず逃げ切りに成功。結局2対1で勝利し、FC東京としては初の天皇杯準決勝進出(JFL・東京ガス時代の97年にはベスト4入り)を決めた。

 【選手コメント】《赤嶺》「(PKについて)昨日PKの練習をしている時に、なんとなく僕…という雰囲気になっていた。今日も羽生さんと今野さんと目が合って、『行け!』というオーラが出ていて…。ただ、入るか入らないかは別として、これはチャンスなので、それを活かせるように思い切って蹴った。2点目は、少し後ろに流れていたので、達也さんのパスに反応できるところに動いた。そこにきっちりと出してくれた。ほかの選手は『達也のはパスじゃなくて、トラップミスじゃない?』と言っていましたが(笑)。(ゴールだけじゃなく、流れの中でもよく起点になっていたが?)状況に合わせて、カボレや中盤の選手との連動もできていた場面はあったと思う。何より勝利という結果が出せてよかった。ゴールもだが、チームが勝てたことが一番うれしい」《鈴木》「PKで先に点を取られたが、冷静に戦えたと思う。(2点目のシーンは?)まさに練習のとおり。清水はファーが空くと想定したトレーニングをしてきた。佑都がこっちを見ているのもわかったし、真吾が近づいてきたのもわかっていた。もちろんパスです。ただ、自分としては、真吾からリターンをもらって僕がシュート…という形も考えていたけれど…。(PKを得た場面について)審判がファールを取る、取られる基準もわかってきたので、とにかく自分は積極的に、果敢に仕掛けていこうとした。その結果としてPKを得ることができたので、それも狙いのとおり。交代は両足を打撲して、ふくらはぎも痙攣してきたため。リーグ千葉戦では自分の足が攣って、結果的に流れを悪くしてチームに迷惑をかけたので、今日は自分から言いました。絶対に勝ちたかったので。(準決勝で柏と対戦することになれば?)複雑な気持ちになるかもしれませんが、絶対に負けたくないです!」

 【城福監督の会見要旨】「後半のJリーグで一番調子の良い、一番安定している清水が相手。また、今年4試合やって勝てていない、そしてFC東京になってからまだベスト4に入ったことがないということで、今日の壁というのは非常に大きく、大事なものだと思っていました。選手たちは非常に強い気持ちをもって戦ってくれましたし、ホームスタジアムのような雰囲気をつくってくれた多くのサポーターのみなさんの後押しもあり、勝つことができて非常に嬉しく思います。前半、形としてはそれほどやられていませんでしたが、相手の2トップが流れて受けられた時に、ペナルティエリア付近での1対1など非常に慌てた対応があり、そこでピンチをいくつか招いて、その中で失点してしまいました。形としては崩された認識はありませんが、自分たちもチャンスを作っていましたので、もう少し落ち着いてボールを収めればチャンスをより多く作れると思っていました。後半は、まずやり方を変えないということ、守備の対応の仕方、スペースの見方を確認し、非常にいい入り方ができました。立ち上がりに2、3チャンスを作ったあと2点を取ることができたので、その後も引かずに前に前にボールを奪いにいくようなフレッシュなプレーを続けられました。最後の15分くらいは押し込まれましたが、最後までこの試合に対する非常に強い気持ちをあらわせたと思います。この勝利をサポーターとともに喜びたいと思います。(藤山選手投入の狙いは?)エメルソンをベンチに待機させながら、鈴木の調子も見つつという状況でした。今週ずっと守備面で藤山を中盤で使う練習をしており、あの時間になったので、僕の決断の中で守備を優先させました。彼はもちろん心の準備をしてくれていたと思いますし、ピッチの方でも役割をしっかり果たしてくれました」

 【清水・長谷川監督の会見要旨】「今日の負けは非常に残念です。我々の1点目もPKでしたが、1失点目の相手のPKに関しては、どうなのかなというふうに思いたくなるようなシーンでした。ただ、その後の2失点目というのがやってはいけない点でした。そのあたりの、1点返された後の切り替えというのができなかったと思います。負けた気がしない、終わった気がしないという感じです。この天皇杯で来週また試合ができるような感じがしていますが、負けてしまったことは事実です。しっかり切り替えて来年の準備をしたいと思います。FC東京には、我々の分もぜひがんばっていただき、最後までいってほしいと思います。サポーターも仙台までたくさん来て応援していただきました。感謝しています。1年間本当にどうもありがとうございました。(交代選手の意図は?)DF高木純とFW矢島を入れてより攻撃的に、点を取りにいこうということです。最後は、長沢を入れてのパワープレーでした。そこから何度かチャンスをつくれましたが、最後まで点を取ることができませんでした。(今季の総括と来年への抱負は?)今年は中盤までは苦しみ、終盤は非常に収穫の多いシーズンだったと思います。来シーズンまでに補強するところはして、若い選手やケガから復帰する選手もいますので、チーム全体としてよりレベルをあげて来シーズンを戦いたいと思います」