GAME RESULT試合結果

2007/11/04(日)
観衆 6,727人 
天候 晴、弱風 気温 18.7度 湿度 % 
主審:今村義朗 副審:柴田正利/野上正人 四審:

天皇杯 4回戦

味の素スタジアム

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FC東京

2-1

試合終了

前半0-0

後半2-1

PK戦0-0

AWAY

ブラウブリッツ秋田

FC東京 ブラウブリッツ秋田
82分:今野 泰幸
52分:平山 相太
得点者 53分:松田 正俊
52分 栗澤 僚一
87分 川口 信男
76分 赤嶺 真吾
選手交代 36分 佐藤 和旗
73分 千野 俊樹
67分 富樫 豪
26 シュート 9
9 GK 12
7 CK 1
13 直接FK 11
2 間接FK 7
2 オフサイド 7
0 PK 0
16 金沢 浄
47 平山 相太
警告 82 高橋 臣徳
4 高林 佑樹
退場
FC東京先発
GK 22 塩田 仁史
DF 8 藤山 竜仁
DF 25 徳永 悠平
DF 2 茂庭 照幸
DF 17 金沢 浄
MF 27 栗澤 僚一
MF 15 鈴木 規郎
MF 18 石川 直宏
MF 20 川口 信男
MF 6 今野 泰幸
MF 7 浅利 悟
FC東京控え
FW 24 赤嶺 真吾
FW 9 ルーカス
FW 13 平山 相太
GK 1 土肥 洋一
DF 4 八田 康介
MF 35 リチェーリ
MF 19 伊野波 雅彦
ブラウブリッツ秋田先発
GK 17 小野 聡人
DF 29 小林 宏之
DF 2 高橋 臣徳
DF 16 阿部 琢久哉
DF 4 小沢 征敏
MF 25 松ヶ枝 泰介
MF 26 池田 昌広
MF 7 佐藤 和旗
MF 11 成田 卓也
MF 24 千野 俊樹
MF 6 高林 佑樹
ブラウブリッツ秋田控え
FW 27 木下 真吾
FW 9 富樫 豪
FW 14 松田 正俊
GK 1 鈴木 和弘
DF 5 加賀 潤
DF 19 岩瀬 浩介
MF 10 藤原 昭

【選手・監督コメント】

天皇杯開催、幸先のよいスタートを切って元旦までを戦い抜く


 天皇杯が開催。J1チームにとって初戦となる4回戦で、秋田県代表のTDK SC(JFL)と対戦する。リーグ前節川崎戦では大敗を喫し、チームの雰囲気が心配になるところだが、選手たちはみな「下を向いている時間はない」とすでに気持ちを切り替えている。元旦の決勝戦までを戦い抜くためにも、一戦一戦を大事に戦い、幸先のよいスタートを切りたい。

 TDKはJFLで現在13位。天皇杯では県大会を勝ち抜き、本選に出場。韮崎アストロス、三菱自動車水島FCを撃破、3回戦ではコンサドーレ札幌を1ー1からPK戦で制し、勝ち上がってきた。勢いに乗っていることは間違いなく、今回の対戦でも一泡吹かせようとひたむきに臨んでくるだろう。彼らの闘争心に負けないことがもっとも大切だ。

 またTDKには、2000~02年に東京に在籍したFW松田正俊が所属し、大きな得点源となっている。高さと強さを擁するFW松田にボールを集めてくるため、彼が競ったあとのボールを徹底的に抑えることが一つのポイント。一方でTDKは、しっかりと守りを固めてカウンターで逆襲という戦い方をしてくる。相手の引いた守備をどう崩していくかが、攻撃でのポイントになる。手数をかけずにシンプルな攻めで早い時間に先制し、自分たちのリズムで戦いたい。格の違いをみせつけて、初戦の勝利をめざす。

 原監督も「ベストの力を出して立ち向かう」と話し、今日は浅利、平山、石川が先発。TDKはFW松田と木下の2トップ、左右のMFに池田、松ヶ枝、ダブルボランチは高林と成田が組む4-4-2の布陣で臨んできた。試合は秋晴れの味スタ、13時ちょうどにTDKのキックオフでスタートした。

引いた守りに苦しめられ、無得点で前半を終了


 開始早々、TDKが左サイドを崩し、MF池田が左エリア外から中に突進。東京はマークに付けず、シュートを許す。ボールは右に切れて失点は免れたが、早々にTDKに決定機をつくられた。この立ち上がりで落ち着きを失い、序盤にTDKにシュートまで持ち込まれる場面が続いた。だがミスにも助けられてピンチを逃れると、徐々にボールを支配して攻めに出る。7分、金沢が左サイドでDFラインの裏に抜け出し、クロス。8分には、石川の左CKからルーカスがヘディングシュートを放つが、枠外に。12分は、鈴木規が相手DFラインの裏に飛び出すが、オフサイドに。13分には、徳永がオーバーラップし、深い位置からクロスを上げるが、相手DFがカット。

 両サイドからクロスを上げるも、人数をかけて守りを固めるTDKの前に決定的なチャンスはつくれなかった。中央でボールを失っては、カウンターをくらうという繰り返しに。20分、東京陣内で素早くつながれ、ペナルティアーク付近でTDK・MF松ヶ枝がシュート。金沢がかろうじて足を出し、CKに逃れる。28分には、鈴木規のフィードから前線で平山がキープ。ルーカス、石川、金沢、今野とワイドにパスを回してチャンスを窺うが、人数をかけたTDK守備を打開できず、パスカットされて逆襲をくらう。

 そしてTDKが次々と前線に放り込むボールを抑えきれず、リズムを失った。31分には中盤でのパスミスを奪われ、TDKボランチ高林→FW松田がつなぎ、右に流れたFW木下が右エリアから果敢にシュート。右に切れたが、TDKに攻撃の形をつくられる。しかしTDKは36分、腰を傷めた左MF池田に代えてMF佐藤を投入。池田は、原監督が「テクニックがあり、キックも良い」と警戒していた選手。交代を余儀なくされたTDKに対し、東京はようやくリズムをつかみ出し、藤山のインターセプトや徳永のクロスからチャンスをつくる。

 38分、徳永の右スローインから、ゴール前のルーカスが右に。走り込んだ石川が、角度のないところから放ったシュートはGKがセーブ。こぼれを平山がハーフボレーで狙ったが、DFに当たってしまった。39分には、徳永が右クロス、ゴール前の混戦からこぼれたところ、金沢、今野が次々とゴールを狙おうとするが、DFに阻止される。44分は、エリア内の鈴木規→外側の平山が前に持ち込み、シュートを放つがバーの上に。結局チャンスに決めることはできず、無得点で前半を終了した。

平山、今野がゴール! セットプレーから加点し、TDKを突き放す


 前半の課題を修正すべく、切り替えて臨んだ後半、序盤から主導権を握った。48分、石川の長いパスに平山が右エリアに抜け出し、相手DFに競られながらもシュート体勢に。CKを奪う。51分には、徳永のクロスからルーカスがどんぴしゃのヘッドを放つが、GKの好セーブに阻まれる。しかしこれで左CKを得ると、東京は足を傷めた金沢に代えて栗澤を投入。すぐあとのプレーで、鈴木規の左CKをファーの茂庭が折り返し、中央の平山がヘッドで決めてゴール!待望の先制点を奪った。

 ところがその直後、東京の集中が一瞬切れた時に、TDKが素早いパスワークで東京のエリアまで進入。これを止められず、最後は茂庭のクリアのこぼれをTDK・MF高林にさらわれ、左エリア内のFW松田にパスをとおされる。ここのマークに付ききれず、フリーでシュートを決められ、たちまち同点に追い付かれた。

 だが、ここで気落ちすることなく、鈴木規が左サイドバック、栗澤が左MFを務める布陣で反撃。栗澤がよくボールに絡み、試合を支配した。63分には、徳永の右スローインをルーカスがヘッドで中につなぎ、平山→左エリアの栗澤に。決定的なチャンスだったが、シュートはDFに阻まれ、GKにキャッチされる。70分、攻め上がった徳永が倒され、右サイドでFKを得る。栗澤のキックから、ルーカスがヘディングシュートを放つが枠を捉えきれず。

 TDKも交代選手を使い、固い守りから鋭いカウンターを仕掛けてくる。75分には、TDK・前線に駆け上がったMF千野がしっかりくさびとなり、左に展開。後ろから走りこんだFW富樫がシュートと流れるような連係から決定機をつくられるが、ミスに助けられた。勝ち越しを狙って、76分には浅利に代えて赤嶺を投入。栗澤がボランチを、ルーカスが左をフォローする形でゴールをめざした。徐々に東京らしい、サイドを起点にした攻撃でリズムが生まれ、TDK陣内で試合は進むが追加点は奪えず。79分には赤嶺の競ったボールから平山のシュートがネットを揺らすが、オフサイドに…。

 2点目が奪えない時間が続いたが、迎えた82分、右サイドで得た栗澤のFKから、今野が見事なヘディングシュートを決めて、勝ち越し。引いた守りに苦しめられながらも、ようやくTDKを突き放し、2ー1で勝利。5回戦へ駒を進めた。なお、次戦は12月8日、丸亀にてサガン鳥栖と対戦する。

 【選手コメント】《今野》「今日は勝つことだけを考えていた。自分の課題としては、ボールをしっかり受けて相手を崩していこうとした。なかなか崩せず、セットプレーでしか得点できなかった。その意味では残念。前半は自分たちでリズムを崩した。そんなに焦らなくても点は取れると思っていたので、もう少し落ち着いてプレーできればよかったが。(ゴールは)FKの時は、相手のマークが混乱していた。いけると思ったし、いいボールがきて決めることができた。キツイ試合だったが、勝てたことが次につながると思う」《平山》「川崎戦の試合を反省して、今日はチャンスを活かしたいと思っていた。ゴールを意識すること、また味方が近くにいればそこを使うことを考えていた。(オフサイドで惜しい場面もあったが?)ゴールに向かうプレーは以前よりできつつあると思う。リーグ戦では結果が出ていないので、天皇杯で勝ち続けること、またこれをはずみに五輪代表でも勝てるように準備していきたい」

 【原監督の会見要旨】「TDKのJFLの試合などを見たが、天皇杯ではJFLとはモチベーションも違うので、しっかり試合に入ろうと選手には話していた。しかし前節0ー7と大敗したせいか選手の動きが固く、リズムのある攻撃ができなかった。天皇杯にラクに勝てる試合はない。先に1、2点取れればラクになるが、なかなか取れずに相手にリズムをつくられると厳しい展開になる。選手には、もしそうなっても慌てずに対応してくれれば、元気な選手を入れていくから、イライラして自分勝手なプレーをしないようにと話していた。やっと先制でき、自分たちのリズムにすべきだったが、ボールがラインを割ったと判断してプレーをやめてしまったところですぐ同点にされた。それで再びリズムが崩れてしまったが、途中から出た栗澤や赤嶺がうまくボールを拾って、またリズムをつくってくれた。TDKは、普段厳しい環境で戦っていて、元Jリーグ選手や、元東京の選手もいる。その勢いに押された部分はあった。(平山の評価は?)これまでスタメンで使ってきた赤嶺に少し疲れがあり、五輪予選も控えた平山がコンディションを上げてきたので、先発にした。引いた相手に対し、彼の高さを活かしたポストプレーでできるだけ長い時間使いたかった。しかし、後ろでのボール回しも平山の動き出しも遅く、ボールを受けてもプレーに時間をかけすぎることが多かった。後半やっとよい感じになった。オフサイドがなければハットトリックもしていたかと思う。ああいうところのシュートはやはり巧い。ゴール前への入り方、駆け引き、タイミングがつかめればもっとペナルティエリアで危険な選手になれる。(引いた相手にてこずったが?)みんなプレーが遅かったが、前半のある時間からボールが回るようになり、あれが本来の持ち味。だが、川崎戦の影響か、怖がってボールを戻したり、またそれをすぐ蹴ってしまっていた。前の選手は後ろがボールをくれない、後ろは前が動いてくれないと言い、うまく行かない時の典型になっていた。そのためハーフタイムには、もうワンテンポ早くボールを動かして、2トップに早く入れていこうと指示した。ただ、やはり天皇杯は難しい。J2やJFLの相手は普段の試合とJ1とやる時では全く違う。それがカップ戦の難しさであり、面白さ。今日の出来はよくなかったが、それでも勝ったということを次につなげていきたい。TDKの分も含め、1試合ずつしっかり戦っていく。またすぐリーグ戦もあるので、それに向けてもよい準備をしていきたい」

 【TDK SC・佐々木監督代行の会見要旨】「この大会では、Jクラブとの対戦という目標でやってきたが、札幌に勝ってJ1とできるということで、高いモチベーションで臨めた。最後のセットプレーが悔やまれるが、『さすがJ1』と痛感させられた。今日は『我々はチャレンジャー。だからやりきって欲しい』と思っていた。みんな集中を切らさずやってくれたので、選手をほめてやりたい。東京はルーカス、赤嶺選手が先発で来るかと思っていたが、平山選手が入り、シンプルに放り込んでくるのではと分析した。しかしルーカス、平山両選手にうまくタイミングを取られてシュートを打たれる場面が多かったので、ハーフタイムには中盤で挟み込むように指示した。終盤、崩される場面が増えたが、それまではよく持ちこたえた。やはり、最後の今野選手のセットプレーが悔やまれる」