GAME RESULT試合結果
1999/12/05(日)
観衆 2,023人
天候 、 気温 0.0度 湿度 %
主審: 副審:/ 四審:
天皇杯 全日本サッカー選手権大会 2回戦
西が丘サッカー場
6-0
試合終了
前半2-0
後半4-0
PK戦1-0
FC東京 | 初芝橋本高校 | |
---|---|---|
・14分:アウミール ・42分:アマラオ ・49分:榎本潤 ・56分:奥原崇 ・66分:アウミール ・89分:アウミール |
得点者 | |
87分 遠藤大志 58分 鏑木享 67分 岡元勇人 |
選手交代 |
72分 前田和哉 48分 狩野新 |
27 | シュート | 4 |
5 | GK | 15 |
13 | CK | 2 |
12 | 直接FK | 10 |
1 | 間接FK | 5 |
1 | オフサイド | 5 |
1 | PK | 0 |
警告 | ||
退場 |
GK | 22 | 鈴木敬之 |
GK | 21 | 遠藤大志 |
DF | 12 | 梅山修 |
DF | 26 | 小峯隆幸 |
DF | 3 | サンドロ |
DF | 8 | 藤山竜仁 |
MF | 7 | 浅利悟 |
MF | 15 | アウミール |
MF | 14 | 佐藤由紀彦 |
MF | 28 | 榎本潤 |
FW | 17 | 鏑木享 |
MF | 10 | 奥原崇 |
FW | 11 | アマラオ |
MF | 18 | 岡元勇人 |
GK | 5 | 古邊芳昇 |
MF | 16 | 小池知己 |
GK | 17 | 室拓哉 |
DF | 2 | 平島宗 |
DF | 5 | 金明輝 |
DF | 3 | 蔵田康裕 |
DF | 9 | 八柄堅一 |
MF | 4 | 松本諭之 |
MF | 8 | 常田大輔 |
MF | 6 | 宮村健介 |
DF | 20 | 前田和哉 |
MF | 7 | 松下和磨 |
FW | 11 | 国分甲子男 |
MF | 15 | 狩野新 |
FW | 10 | 福田龍 |
GK | 25 | 河成大 |
DF | 14 | 秋丸大輔 |
FW | 18 | 前田太志 |
【選手・監督コメント】
苦手?難敵・高校生チーム
先週行われた天皇杯1回戦で高校生(草津東高校/滋賀県代表)相手に苦戦した東京。”J1昇格”という大仕事を終え気が緩んだのか、あるいは高校生相手で戦い難いのか、とにかく得点差(2-0)以上に”お寒い内容”のゲームをしてしまった。そして迎えた2回戦、相手はまたしても高校生。この日対戦する初芝橋本高校(和歌山県代表)は、現在コンサドーレ札幌のエースとして活躍する吉原(宏太)選手を輩出したことで有名であるが、創立9年目という若い学校でここ数年急激に全国レベルの力をつけてきたチーム。冬の高校サッカー選手権には5度目の出場を決めており、今年行われた近畿大会(2府4県)でも草津東高校と両校優勝を果たすなど実力は折り紙付きで、天皇杯1回戦では大学生チーム(八戸大学)を破って2回戦に駒を進めてきた。東京は97年の天皇杯2回戦で、愛媛FCユースに大苦戦し延長後半に辛うじてVゴール勝ちした苦い経験もあり、高校生だからといって油断はできない。今季最後となる西が丘でのゲームを有終の美で飾るためにも、相手がどうであれ、持てる力を100%出したグッドゲームをしたい!
不安の残る前半
「ボールは回しているのに点が入らない」。この日の前半を見ていた人はそう感じたに違いない。東京は開始早々からボールを完全に支配していた。5分に一瞬のスキを突かれ右サイドを突破されて大ピンチを迎えた以外は完全に東京ペース。先週行われた1回戦で深く反省した選手達には、戦う姿勢が戻っており、球際では常に厳しく、ボールを奪うと余計なプレーを無くしゴールに向かう。1回戦では相手のプレッシャーがワン・テンポ遅いため、全体的に球離れが悪くなってしまったが、この日は少ないタッチでリズムよくボールを回しサイドから果敢に仕掛けていた。それでもなかなか点が入らないのは、相手の堅いゴール前のディフェンス陣を完全に崩していないためだった。相手は攻め込まれるのを百も承知で、当然ゴール前を固めてくる。もともとディフェンスの堅さが評判のチームで、184cmの長身選手が二人もおり高さにも強い。いくらアマラオがいるとはいえ、単純なクロスボールは通用しなかった。右サイドでは由紀彦と梅山の”お約束”ワンツーで何度か突破したが、もう一つ深くえぐることができず決定機は少なかった。それではと、左サイドからはドリブラー・藤山が一人で中央へ持ち込むが、相手DFが密集しているところへ突っ込んでも怖さはない。左の前線にいる奥原とのコンビがもう一つ噛み合わずサイド(=外)からの攻撃はパワーダウンした。問題は中央のセンターバックをどう外へ引き出すかであった。前半のツートップのアマラオと榎本は二人とも中央でポストプレーを繰り返し、なかなか外や裏へ流れなかった。そこへパスを配給するアウミールも中央へ入ってきてしまうため、相手のディフェンスラインは中央に固まったままで崩れなかった。
前半の2得点は単に個人的な経験の差によるものだった。1点目は14分、左のショートコーナーから由紀彦がクロスを上げると、中央でアウミールがヘディングと見せかけて胸でトラップし、豪快に右足シュートを決めた。2点目は42分、右サイドでアウミールがキープして中央へクロスを上げると、今度はアマラオが絶妙のコントロールからキーパーの動きを見て冷静にゲット。ともに相手を崩してからの得点ではなく、個人技と経験の差から生まれたものだった。
後半爆発!アウミールの初ハットトリック!
ハーフタイムに大熊監督からアマラオと榎本のツートップの動き、サイドでのもう一つ深いえぐりを指示された東京イレブンは後半に入り息を吹き返す。4分、右サイドで由紀彦がボールキープすると、その外を猛然と梅山が追い越す。絶妙のタイミングで由紀彦から梅山へパスが渡ると相手を振り切り中央へ。このクロスに待ち構えた榎本がヘッド一発!豪快に頭で決めて3点目をゲットした。東京は攻撃の手を緩めなかった。続く11分、今度はアウミールが左サイドでキープし、アマラオがゴール左へ流れたところへフワリと浮かす柔らかいパスを通すと、アマラオをマークしていたDFが堪らずファール。このPKを奥原がゲットして4点目。さらに21分、左サイドから途中入った鏑木がクロスを上げるとアマラオが受けて中央のアウミールへ。アウミールは横へドリブルして相手DFをかわし右足でシュート!5点目をゲットした。最後は89分、カウンターから左サイドで奥原の絶妙のヒールパスを受けた鏑木が縦へ突進。鏑木は十分に相手を引き付けてから中央へ走りこんだアウミールへラストパス。これをアウミールは冷静にゲットし6点目、アウミールはハットトリックを達成した。
もともと高校生は試合時間が短く(80分)、後半のスタミナ切れは予想されたが、それを考慮しても東京の後半の試合運びは評価できた。守備ではサンドロ、小峯、ボランチの浅利を中心に安定しており、攻撃においても運動量、パスワーク、チャンスメイク、そして何よりも積極的にシュートを打つ姿勢が格段に良くなった。次からはいよいよ、J1チームとの戦いが待っている。まずは次週12日(日)、平塚陸上競技場でベルマーレと対戦する。天皇杯での過去の対戦は3戦して1勝2敗。昨年の大会でも3回戦で当り、東京ペースで試合を進めながら1-2で惜敗した。今回はこれまでと状況が違い、東京は来季J1へ、ベルマーレはJ2へと立場が逆転する。これまでの「負けてもしょうがない」という発想から、今回は「負けられない」という発想に変わり、周囲の声などからも、東京がプレッシャーを感じることになる。しかし、先のJ1昇格争いで「本物のプレッシャー」を経験し、打ち勝った選手達に気負いはない。ベルマーレも意地を見せてくるだろう。1点を争う厳しいゲームになることが予想されるが、必ず勝って続く4回戦に駒を進めたい。