GAME RESULT試合結果
第3節 2000/3/25(土)
観衆 14,368人
天候 晴、無 気温 11.6度 湿度 23%
主審:梅本 博之 副審:大石 康/下村 昌昭 四審:伊崎 公男
J1 1st 第3節
国立
2-1
試合終了
前半0-1
後半1-0
延長前半1-0
FC東京 | 名古屋グランパス | |
---|---|---|
80' 佐藤 由紀彦 104' アマラオ |
得点者 |
06' 古賀 正紘 |
59' 小池 知己 → 喜名 哲裕 78' 小林 成光 → 戸田 光洋 |
選手交代 |
65' 呂比須 ワグナー → 福田 健二 73' 岡山 哲也 → 飯島 寿久 |
13 | シュート | 13 |
2 | CK | 12 |
26 | FK | 19 |
56' 佐藤 由紀彦 97' 喜名 哲裕 |
警告 |
25' 望月 重良 102' 大岩 剛 |
退場 |
GK | 20 | 土肥 洋一 |
DF | 2 | 内藤 就行 |
DF | 26 | 小峯 隆幸 |
DF | 3 | サンドロ |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 16 | 小池 知己 |
MF | 14 | 佐藤 由紀彦 |
MF | 24 | 小林 成光 |
FW | 9 | ツゥット |
FW | 11 | アマラオ |
GK | 22 | 鈴木 敬之 |
DF | 13 | 前田 浩二 |
MF | 23 | 喜名 哲裕 |
MF | 6 | 浅野 哲也 |
FW | 29 | 戸田 光洋 |
GK | 1 | 楢崎 正剛 |
DF | 15 | 大森 征之 |
DF | 5 | 大岩 剛 |
DF | 2 | 小川 誠一 |
MF | 9 | 望月 重良 |
MF | 6 | 山口 素弘 |
MF | 14 | 古賀 正紘 |
MF | 11 | 平野 孝 |
MF | 21 | 岡山 哲也 |
FW | 10 | ストイコビッチ |
FW | 30 | 呂比須 ワグナー |
GK | 34 | 中河 昌彦 |
DF | 4 | 飯島 寿久 |
MF | 13 | 滝澤 邦彦 |
FW | 18 | 福田 健二 |
FW | 24 | 富永 英明 |
【選手・監督コメント】
強豪・名古屋相手に試練の一戦!?
2節終了時点で首位に立った東京、今節はナイトゲームで名古屋グランパスエイトを迎え撃つ。名古屋は昨シーズン途中からジョアン・カルロス監督を迎え、勝ち続けるチームに変貌。天皇杯優勝も果たした。今季はDFの要・トーレスが抜けたが、そこは空かさずブラジルよりホミルドを補強しチーム力は維持されると予想された。しかし、開幕より鹿島、磐田に連敗。今日こそは勝って調子を取り戻したいと目の色を変えてくるはずだ。過去に名古屋とは、97年JFL時代に天皇杯で対戦。東京ガスはストイコビッチ抜きのチームに3対1と快勝し、ベスト4へのはずみをつけた。今日は、そのストイコビッチを中心にした攻撃陣をどう押さえるかが大きなポイント。地力では優る名古屋だが、ホームゲームだ! 東京らしいサッカーを見せて名古屋を撃沈し、開幕3連勝を果たせ!
先制されるも激しい攻防
先にビッグチャンスが訪れたのは名古屋。6分、MF岡山からポストの呂比須がダイレクトではたいたボールを平野がシュート。これはわずかに枠をそれたが、その直後にストイコビッチが蹴ったCKのボールは、小峯、アマラオの頭を越えて相手MF・183cmの古賀にドンピシャリ。豪快にヘディングシュートを決められ、東京は(J1昇格後)初の失点を喫してしまった。
その後もダイレクトプレーを多用し、試合を優勢に進める名古屋に対して、東京は粘り強いディフェンスで対抗して反撃。33分には、左サイドをツゥットがドリブルで持ち込み逆サイドへパス。素早く詰めたアマラオのシュートは惜しくもポストを直撃!この後も東京は幾度もチャンスを作る。試合はまさに互角に展開された。ストイコビッチを起点にゴール前で華麗なパスワークを見せ、あるいはDFラインから前線へ一気にロングボールと、攻撃のバリエーションをみせる名古屋に対して、東京は相手右MF望月が上がったスペースに内藤、由紀彦からサイドチェンジのパス、ツゥット、小林が左サイドをえぐるというパターンで引けをとらない。お互いが中盤で厳しく当たりに行く中、攻守入替りの激しい時間が続いた。
由紀彦、2試合連続ゴールで逆襲!
後半開始前、ピッチに出てきた浅利に対して、サブメンバーの浅野が穏やかに、そして丁寧にアドバイスを送る。選手は11人だけで闘っているのではないと、知らしめてくれる光景だった。
後半が開始されると追加点を奪いたい名古屋は激しく牙をむいてきた。東京のDFライン深い位置でのパスミスやファールなど、スキを見せればすぐに突いてくる。東京は59分に、小池に替えて初出場の喜名を投入。一気に攻勢へ転じたいところだ。だが60分過ぎには名古屋の立て続けにCKを与えてしまう。これは、体を張ったディフェンスで何とか凌ぎきった。73分に名古屋は、攻撃的MFの岡山に替えてDF飯島を入れ、それまでの3バックを4バックに変更。1点を守りきる作戦だ。が、逆にこれで中盤でのプレッシャーが緩くなり、東京は主導権を握り始める。80分、アマラオがシュートしたボールがDFにあたりこぼれたところを、ツゥットが反転して振り向きざまにゴール前の由紀彦にパス。この絶妙のラストパスを受けた由紀彦が思い切りよく蹴り込んだ!福岡戦に続く由紀彦の値千金の同点弾。いい時間帯でここぞという時の勝負強さを発揮し、延長戦へと持ち込んだ。
勝負した!キング・オブ・トーキョーここに!!
延長に入っても運動量に優る東京は、勢いに乗って積極的に攻めようとした。100分には、相手CKから流れたボールを奪ってカウンターアタック。攻守の切替えが速い東京はり絶好機を作ったが、最後は由紀彦のパスをカットされ、スタンドからはため息が……。直後にはストイコビッチにフリーでシュートを打たれるなど、チャンス同様にピンチの場面も。しかし気落ちせずにボールを追い、浅利が深めの位置からペナルティエリア手前のアマラオへパス。ここでDFと1対1になったアマラオは、ドリブルで中へ切り込んで勝負に出た!素早い足の振りで蹴ったボールはGK楢崎が伸ばした手の先をかすめ、ゴール!! キング・オブ・トーキョーの左足が、104分間の闘いにピリオドを打った瞬間だ。
粘ってもぎとったVゴール。その勝点は2だが、先制されても臆せず追いつき、逆転勝利を収めた戦いは、勝ち点以上に得るものが大きく次につながる。その気迫にあふれた諦めない精神で、これからも成長する姿を見せてくれ、東京!
監督コメント
《ジョアン・カルロス監督のコメント》
「前半は調子がよく、チャンスもつくれた。相手の2トップとサイドからの攻撃のマークもしっかりできていて、先制していい形で前半を終えた。後半、岡山に替えて飯島を入れ守備的にしようと考えたが、完全に下がってしまい、相手のリズムになった。下がりすぎて段々リズムに乗せ、負けてしまった。東京は2部から上がってきたチームで、簡単なプレーをやっていると言われるけれど、技術も持っている。今日は予想していたより左サイドが攻撃的だった。先制されても全員が挽回しようと努力して頑張っていた。ある時は簡単にやって、きれいなサッカーもできるチームだ」
《大熊監督のコメント》
「運動量的には、最後まで落ちずに同等にはできたと思うが、反省点も多い試合だった。ただ、先制されてもバランスを崩さずに1対0のままで耐えたことが、勝利を生んだと思う。ビルドアップの部分や、DFのゾーンでやってはいけないプレーが多々あったことなど、反省すべき点を改善してさらに上を目指して頑張りたい。J1では、運動量とディフェンス、攻守の切替えに関しては、ある程度同等にはやれているとは思う。が、DF、中盤、攻撃のそれぞれのゾーンにおいての的確な状況判断など、選択肢が間違っていたこともあるし、精度の低いところがある。ここ3試合は選手が集中力を切らさずに、毎試合開幕戦を迎えるような意気込みでやってきた。それが結果につながり、精神的な充実は大きいと思う。しかしある意味で謙虚にやらなければ、そんな自信はすぐに崩される厳しいリーグだと思う。1試合1試合大切に戦う気持ちをチームとして持続させ、次に臨むことが必要だ」