GAME RESULT試合結果

第1節 2000/6/24(土)
観衆 14,432人 
天候 雨、弱 気温 20.0度 湿度 88% 
主審:濱名 哲也 副審:恩氏 孝夫/蒲澤 淳一 四審:高山 啓義

J1 2nd 第1節

国立

HOME

FC東京

3-0

試合終了

前半1-0

後半2-0

AWAY

横浜F・マリノス

FC東京 横浜F・マリノス
13' ツゥット
50' 小池 知己
89' アマラオ
得点者
89' ツゥット → 戸田 光洋
89' 小林 成光 → 神野 卓哉
選手交代 52' 永山 邦夫 → 永井 秀樹
73' ユーリッチ → 原田 慎太郎
85' 外池 大亮 → 岡山 一成
11 シュート 13
4 CK 8
22 FK 23
88' サンドロ
89' 小峯 隆幸
警告 89' 波戸 康広
89' エジミウソン
退場
FC東京先発
GK 20 土肥 洋一
DF 2 内藤 就行
DF 26 小峯 隆幸
DF 3 サンドロ
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 16 小池 知己
MF 13 増田 忠俊
MF 24 小林 成光
FW 9 ツゥット
FW 11 アマラオ
FC東京控え
GK 1 堀池 洋充
DF 5 古邊 芳昇
MF 23 喜名 哲裕
FW 29 戸田 光洋
FW 15 神野 卓哉
横浜F・マリノス先発
GK 1 川口 能活
DF 5 小村 徳男
DF 31 ユーリッチ
DF 4 波戸 康広
MF 13 永山 邦夫
MF 6 上野 良治
MF 18 遠藤 彰弘
MF 9 三浦 淳宏
MF 10 中村 俊輔
FW 19 外池 大亮
FW 30 エジミウソン
横浜F・マリノス控え
GK 16 榎本 達也
DF 20 岡山 一成
MF 7 永井 秀樹
MF 24 原田 慎太郎
FW 23 森 陽一

【選手・監督コメント】

2ndステージ開幕、完全優勝を狙う横浜F・マリノスに挑む


1stステージを6位で終えた東京。約1ヶ月のインターバルを置いて今日、対するのはステージ制覇を遂げた横浜F・マリノス。今後に関わる大事な開幕戦、勝って勢いに乗りたいところだ。

1stステージでは東京のカウンター一発に沈んだ横浜。だが、借りを返すと意気込むチャンピオンチームに対して、誰もが「あの時のようにはうまくはいかないはず」と気を引き締めている。その中でどうやって勝利をもぎ取るのか。また、ここまでの戦いであげられていた課題=リスタートからの失点や中盤の構成力、FWの孤立などを、2ndステージに向けてどう修正していくのか、その内容にも注目したい。

スターティングメンバーには新加入の増田忠俊がいた。鹿島からの期限付移籍で、合流してまだ2週間足らずだが、「引かれて守られた時にでも局面を打開できる選手」と大熊監督の期待も大きい。腰を痛めて大事をとった佐藤由紀彦に替わって右MFに入り、国立競技場、雨の中でのキックオフとなった。

隙は見逃さない、ツゥットの技ありゴールで先制!


1分、いきなりMF中村俊輔のフリーキックにDF小村が走り込んで見せ場をつくった横浜。立ちあがりからボールを支配してペースを握ろうとするが、東京も前線からの速いチェックと落ち着いたディフェンスで奪い返して、互角の勝負に持ちこむ。5分には、ツゥットからの長めのクロスを増田がオーバーへッドで果敢にゴールを狙った。これで弾みがついたのか、東京は切り替え速く攻め上がり、横浜ゴールを脅かす。8分にはアマラオ、藤山とダイレクトにつないだパスから小林成光がシュート。惜しくもGK川口の正面をついたが、思いきりの良いところを見せた。そして13分、中盤でツゥットが横浜のパスの出所を追い込み、こぼれたボールを小林がタイミングよく再び右サイドに開いたツゥットへ。スピードに乗ったツゥットは、フェイントで相手DF3人をかわして中へ切りこんでシュート! 早い時間帯に東京らしい逆襲で先制した。

しかしその後は横浜が攻める時間帯が続く。14分には、MF三浦の鋭いクロスからFW外池がヘディングシュート。23分には、同じく三浦の左CKに小村がヘッドで合わせ、あわやという場面となったが、わずかにゴールマウスの上にはずれた。26分にも、浮き球のボールをエジミウソンがワントラップで小峯をかわしてフリーでシュートを放つ。しかしこれは飛び出した土肥がナイスセーブ! 決定的なピンチを切り抜けた。

東京は、こぼれ球をよく拾って、浅利を中心に速い展開で前線に預ける。そしてサイドを起点にカウンターを仕掛けるがゴールには至らず。41分には、スローインからのボールを小林がペナルティエリアの中にドリブルで持ちこみ、左足で強烈なシュートを放ったがGKに阻まれ、1対0のまま前半は終了した。

小池、J1初ゴールで貴重な追加点、そして突き放したアマラオ


後半開始から、横浜は右サイドの永山がチャンスをつくる。東京の左陣内からペナルティエリアに走りこんで放ったシュートは、ゴール直前でサンドロが反応して、あやうくのところをCKに逃れた。続く2分にも永山がDFをふりきって、ゴール前へグラウンダーのパス。しかし飛び込んだMF遠藤にはわずかに合わず。それでもビハインドをはね返そうと猛攻を仕掛け、DFのマークもより厳しく激しくなる横浜。ところが50分、小池、アマラオ、ツゥットのスピーディなパス回しが、横浜DFの隙をつく。そして前掛かりになった3バックの裏へ、パス&ゴーで抜け出た小池。ツゥットから絶妙のスルーパスをドリブルで持ちこみ、狙い澄まして放ったシュートは、ポストの右隅にあたってゴール!! いつも献身的な守備で貢献の大きい小池だが、J1初ゴールは、後半の横浜の出端をくじく貴重な追加点となった。かねてから大熊監督が、「中盤からの長い距離を、2トップだけで勝負にいくな。もっと人を使おう」と話していた課題から、一歩前進したプレーでもあった。

横浜は、52分には永山に替えてMF永井を投入。より攻撃的になり、55分には右からのクロスに、中村が中央から飛び込んでヘディングシュート。直後には、東京が早いリスタートからアマラオ、ツゥットがカウンターでゴール前に迫るが、両者ともゴールは割れず。一進一退の攻防が続く。バックラインから攻撃を組み立て、本来の攻撃の形を発揮しようという横浜に対して、東京は徐々にラインが間延び。人数をかけた素早い攻撃につなげることはできなくなるが、集中はきらさずプレー。82分に三浦が直接狙ったFKもクロスバーに助けられた。それまでにユーリッチに替えてMF原田を入れていた横浜は、85分に外池に替えてFWに岡山を投入。交代枠を使いきって打開をはかるが、決定的な場面はつくれない。ロスタイムには、激しいファールに痛んだツゥットに替えて戸田を投入、このまま逃げ切るかと思われた。が、その後内藤がDFラインからクリアしたボールに一瞬横浜DFが目測を誤る。抜け目なくアマラオが飛び出し、追うDFを尻目にゴール! とどめの3点目を落ち着いて決めた。

成長の証、チャンピオンチームと互角以上に闘い完勝!!


この時アマラオのシュートしたあとの足が、飛び込んできたGK川口の頭部に当たってしまい負傷。横浜はGKに小村を起用した。このアクシデントで、結果的に8分にも及んだ長いロスタイムは、イエローカードが飛び交う慌ただしい展開となったが、東京は小林に替えてFW神野を投入。冷静に戦いきってタイムアップ。 完封勝利で、今ステージの幸先良いスタートをきった。

1stステージと比較して「戦い方が大きく変わることはない。変えることはできない」と、話していた大熊監督。つまり、勝つための秘策はないが――「一歩ずつ課題を修正して、着実にチーム力を積み上げて1戦1戦、戦い抜く」ということだ。今日、1stステージ覇者に対して、押し込まれても押し返すという互角の闘い方ででわたりあえたことは、その言葉通りの成長の証といえるだろう。今後の戦いに期待を持たせる、2ndステージの幕開けとなった。