GAME RESULT試合結果

第3節 2000/7/05(水)
観衆 1,903人 
天候 晴、弱 気温 25.3度 湿度 65% 
主審:辺見 康裕 副審:唐木田 徹/山西 博文 四審:中熊 光義

YNC 第3節

西京極

HOME

京都サンガF.C.

1-1

試合終了

前半0-1

後半1-0

AWAY

FC東京

京都サンガF.C. FC東京
50' ヘジス
得点者 34' ツゥット
62' 三浦 知良 → 黒部 光昭
64' 遠藤 保仁 → 手島 和希
75' ヘジス → 吉田 賢太郎
選手交代 29' 浅利 悟 → 迫井 深也
56' 神野 卓哉 → アマラオ
63' 佐藤 由紀彦 → 増田 忠俊
14 シュート 8
7 CK 4
15 FK 14
39' 三浦 知良
51' ヘジス
83' 佐藤 一樹
警告 81' 小峯 隆幸
退場
京都サンガF.C.先発
GK 21 平井 直人
DF 7 佐藤 一樹
DF 6 佐藤 尽
DF 4 大嶽 直人
DF 3 中村 忠
MF 12 朴 智星
MF 14 遠藤 保仁
MF 9 松川 友明
MF 26 松井 大輔
FW 10 ヘジス
FW 11 三浦 知良
京都サンガF.C.控え
GK 28 上野 秀章
DF 33 角田 誠
DF 17 手島 和希
FW 16 黒部 光昭
FW 27 吉田 賢太郎
FC東京先発
GK 20 土肥 洋一
DF 2 内藤 就行
DF 26 小峯 隆幸
DF 3 サンドロ
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 16 小池 知己
MF 14 佐藤 由紀彦
MF 24 小林 成光
FW 9 ツゥット
FW 15 神野 卓哉
FC東京控え
GK 1 堀池 洋充
DF 25 迫井 深也
MF 23 喜名 哲裕
MF 13 増田 忠俊
FW 11 アマラオ

【選手・監督コメント】

今季初のカップ戦に臨む


1999年のナビスコカップで大旋風を巻き起こしたFC東京。J2クラブでしかも初参加の大会で、神戸、市原、横浜という「格上のJ1クラブ」を立て続けに破る快挙を成し遂げ、準決勝に進出。準決勝では鹿島と互角以上の戦いを演じながらも僅差で敗れ、結局ベスト4で終わったものの、MF佐藤由紀彦が栄誉ある「ニューヒーロー賞」に輝くなど、何かと収穫の多い大会となった。

そして迎えた2000年ナビスコカップ。1999年大会でベスト4に入ったためシードチームとなり、2回戦からの登場となった東京は(1回戦でJ2の新潟を破った)京都と対戦。この日の第1戦は敵地・西京極での試合となるが、同競技場で過去に2度(JFL時代の1993、1994年)対戦し、いずれもPK負けを喫している(JFLでの対戦成績(1993~1995年)は東京ガスの2勝4敗)。5年ぶりの対戦となったJ1・1stステージ第9節(4/29,鴨池)では、ツゥットのハットトリックで3-0と大勝しているが、内容的には京都のテクニックに翻弄されるシーンも目立ったものだっただけに侮れない。また1stステージで最下位に終わり、加茂監督が更迭され、代わりにヘッドコーチだったエンゲルスが監督に就任するとシステムを3-5-2から4-4-2(もしくは4-3-3)に変更。絶対的なエース・カズを筆頭とするベテラン組に、熱田、松井ら成長著しい若手の台頭を上手く組み合わせれば、もともと高いテクニックを有するチームだけに「化ける」可能性があり、怖い存在にもなり得る。いずれにしても東京としては、この7月にカップ戦、リーグ戦合わせて京都と3試合を行うため、まずはこの日の試合にキッチリ勝って、今後に弾みをつけたいところだ。

神野のポストプレーからチャンスを作る


この日、カップ戦とはいえリーグ戦とほぼ同じベストメンバーで臨んだ東京に対し、京都は若手メンバーを思い切って使った布陣で臨んできた。東京はアマラオに代え調子のいい神野を先発で起用し、神野のポストプレーを基点に攻撃を組み立てた。その意図は明確で、まずは神野の足元にボールを当て、そこからサイドへ展開するか、あるいはツゥットや小林成、由紀彦との壁パスで相手守備陣を崩しにかかった。その神野は開始直後こそ、久しぶりの公式戦のスピードに慣れないのかボールを失うシーンが見られたが、時間が経つにつれ本来の感覚を取り戻し、安定したポストプレーを見せるようになる。10分には神野のポストから右サイドへ展開し、由紀彦が縦へ勝負してチャンスを作り、12分には逆襲から右サイドでツゥット⇒神野⇒ツゥットと渡り、ゴールにはならなかったものの決定的なチャンスを作った。22分にも右サイドから同じコンビネーションでツゥットが抜け出し決定機を掴むが、センタリングを京都DFにクリアされて得点には至らなかった。

ツゥットの技ありゴールで先制!


一方の京都は、エース・カズがワントップ気味に前線でポストに入り、左サイドからへジスがドリブルで崩し、中央では松井がテクニックを駆使してゲームメイク、右サイドではパクがスピードを活かして突破を試みるなど、多彩な攻撃を仕掛けてきた。中盤で遠藤、松川らが執拗なディフェンスでボールを奪うと早めに左サイドに展開し、そこからへジスが自分でドリブルを仕掛けるか、カズ、あるいは松井と細かいパスをつなぎ突破を図る。20分、23分、26分、28分にはへジスが個人技で立て続けに左サイドを突破し、決定的なチャンスを作る。東京はGK土肥のファインプレーで何とか得点を許さないものの苦しい時間帯が続く。さらに29分に浅利が右ふくらはぎ痛で退場すると、東京は中盤でのマークが曖昧になり、31分にはまたしてもへジスに中央を突破され決定機を許す。

京都の猛攻をGK土肥を中心に全員で耐えた東京は迎えた34分、一瞬のスキを突きカウンターに転じた。自陣でボールを受けた小池が前線に張る神野にパスを通すと、神野は相手DFの厳しいチャージをワンタッチで外し中央の小林成へ。小林成は前方を走り抜けるツゥットへダイレクトで浮き球のパスを出すと、ツゥットは胸でボールを前に出し相手DFの間をトップスピードですり抜け、飛び出してきたGKもかわして無尽のゴールに蹴りこんだ。一瞬の出来事だった。それまで京都の猛攻に耐えていた東京は、京都が攻撃に集中し前掛かりになった一瞬のスキを突き、速攻から貴重な先制点をゲットした。

危険な時間帯に同点ゴールを許し、ドロー


前半を1-0で折り返した東京は、後半開始早々、京都に同点ゴールを許してしまう。サッカーのセオリーに「試合開始直後と、試合終了直前の時間帯には特に気をつけろ」というものがあるが、後半開始5分、左サイドで一瞬、東京のDF陣の足が止まったことをカズは見逃さなかった。カズは、その一瞬のスキを突いて右足で豪快にシュートを放つと、ボールはゴールポストに当たり、跳ね返ったところをこの日絶好調のへジスが詰め、呆気なく同点にされてしまう。

これで勢いを吹き返した京都は、前半同様、再びへジス、松井を起点に多彩な攻撃を仕掛けてきた。対する東京も後半11分に「東京のキング」アマラオ、18分に増田を投入し反撃に出る。

前半抑えていた藤山も積極的に攻撃に参加し、鋭いインターセプトからタイミングのいいオーバーラップをみせ、19分にはツゥットとのワンツーから左サイドを突破し、絶妙のクロスを上げる。28分にはツゥットが1人でドリブル突破しシュートを放ち、31分には右サイドの小林成からのクロスをアマラオが胸で止めてボレーシュートを放つなど、チャンスはあるものの追加点に結びつかない。

一方、京都は東京が攻撃に出た裏を突いて逆襲をしてきたが、その決定的なピンチもDF小峯、サンドロが1対1で抜群の強さを発揮し体を張って防ぐと、GK土肥も鋭い動きと判断で果敢に飛び出し、ゴールを許さなかった。

結局、試合は1-1のまま引き分けに終わり、第2戦で決着をつけることになったが、東京としてはアウェーが続き疲れている状況の中で引き分けることができたのは大きい。次週第2戦(7/12,江戸川)はホームでの開催であり、快勝して準々決勝に進む!

【監督コメント】

内容はともかく、アウェーが続く中で良く頑張ってくれた。ただ、失点した時間帯が良くなかったたのが残念。リーグ戦も含めて(この経験を)今後に生かしていきたい。ナビスコでは1試合でも多く試合をできるよう頑張りたい。