GAME RESULT試合結果

第15節 2000/11/26(日)
観衆 8,140人 
天候 晴、無 気温 20.3度 湿度 50% 
主審:松村 和彦 副審:江角 直樹/山口 森久 四審:梅本 博之

J1 2nd 第15節

長居2

HOME

セレッソ大阪

1-3

試合終了

前半0-1

後半1-2

AWAY

FC東京

セレッソ大阪 FC東京
68' 西谷 正也
得点者 31' 増田 忠俊
70' 佐藤 由紀彦
77' アマラオ
45' 久藤 清一 → 鈴木 悟
56' 真中 靖夫 → 杉本 倫治
65' 藏田 茂樹 → ペリクレス
選手交代 74' 佐藤 由紀彦 → 神野 卓哉
16 シュート 10
5 CK 3
25 FK 14
71' 鈴木 悟
警告 42' 内藤 就行
72' 増田 忠俊
76' 浅利 悟
80' サンドロ
85' 小峯 隆幸
退場
セレッソ大阪先発
GK 1 下川 誠吾
DF 30 久藤 清一
DF 5 藏田 茂樹
DF 15 斎藤 大輔
DF 17 清水 和男
MF 4 田坂 和昭
MF 23 原 信生
MF 6 尹 晶煥
MF 12 真中 靖夫
FW 11 西谷 正也
FW 9 西澤 明訓
セレッソ大阪控え
GK 21 河野 和正
DF 3 ペリクレス
DF 14 鈴木 悟
MF 8 森島 寛晃
FW 27 杉本 倫治
FC東京先発
GK 20 土肥 洋一
DF 2 内藤 就行
DF 26 小峯 隆幸
DF 3 サンドロ
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 23 喜名 哲裕
MF 13 増田 忠俊
MF 14 佐藤 由紀彦
FW 9 ツゥット
FW 11 アマラオ
FC東京控え
GK 1 堀池 洋充
DF 4 山尾 光則
MF 6 浅野 哲也
FW 15 神野 卓哉
FW 17 鏑木 享

【選手・監督コメント】

2000・J1のラストゲームを勝利で飾ろう!


J1リーグ2ndステージ最終節は、アウェイでセレッソ大阪との対戦だ。1stステージでは最後まで優勝を争い、2位となったセレッソ大阪。今ステージは現在7位であるが、その爆発的な攻撃力が魅力のチームだ。また、この試合を最後にスペインに移籍する日本代表FW西澤のラストゲームでもある。普段以上に、必死で勝ちにくることが予想されるが、ここで負けるわけにはいかない。自信をもって東京らしいサッカーで勝利をもぎ取り、この1年間の締めくくりとしたい。

アグレッシブに、そして集中した意識


MF田坂と原のダブルボランチを中心に、しっかり引いて守るセレッソ。攻撃的なイメージをは裏腹に、立ちあがりから慎重だった。中盤でボールの持てる東京は、喜名から右サイドの由紀彦、左の増田へと展開。積極的な動きを見せる。

しかしセレッソは隙をついて、MF尹がキレのある動きで、起点となって攻めの形をつくり始める。6分には、その尹が東京の右サイドを突破。中に折り返したボールはMF真中に合わなかったが、直後には、中盤からのボールを再びゴール前で尹がヘッドで落とし、DF斎藤が体で押しこむ。この至近距離のシュートはGK土肥が鋭い反応でセーブし、簡単にはゴールを割らせない。

9分にセレッソ田坂がミドルシュートを狙えば、12分には浅利が同じくミドルレンジのシュートで応酬。26分には由紀彦が右サイドを突破しゴールに向かうものの、相手DFに阻まれる。東京は、中盤にスペースがあると見ればDF藤山も攻め込むが、セレッソも集中を切らさない。30分にはセレッソが、西澤のポストプレーからFW西谷がシュート。これはわずかにゴールをそれ、緊張感のある中で一進一退の攻防が続いた。

増田の初ゴールで先制!


しかしついに31分。先制ゴールを決めたのは増田だった。左サイドからドリブルでペナルティエリアに侵入、ツゥットとの細かいパス交換からゴール前で混戦になったところ、再び増田の前にこぼれたボールをすかさずシュート! 移籍後初のゴールとなる増田の左足から、先制弾が生まれた。

これで、より動き出しの速くなった東京。38分には、ボールを奪って逆襲をかけ、喜名から由紀彦へ。右サイドからスピードに乗ってあげられたクロスは、走り込んだアマラオに一歩のところで合わなかったが、東京らしいサッカーの片鱗が見られた。

42分には、左ペナルティエリア前でツゥットと喜名の速いパス回しから、DFの裏に抜け出たアマラオが、キーパーの位置をよく見てループシュート! 惜しくもゴール手前で相手DFにクリアされたが、後半への期待を抱かせてハーフタイムを迎えた。

一瞬の隙をつかれ、同点ゴールを許す


後半も勢いに乗る東京は、49分には喜名からのラストパスを、ペナルティエリア左で受けたツゥットが今日初めてのシュート。これはGKに間一髪セーブされ、その直後にスローインを受けた喜名が放ったシュートもクロスバーを叩き、追加点はならず。

一方のセレッソは、この試合がラストゲームになる西澤に何とか点を取らせようという雰囲気が漂っている。西澤は自らゴールを狙うだけでなく、くさびのパスを受けて尹、西谷へ配球。また中盤の深い位置から田坂がフォローに動き、徐々に反撃体勢に出る。

しかし今日の東京は、押し込まれても消極的にならず、逆にボールを奪ってから切替の速い逆襲をかける意識が徹底していた。61分には、カウンターからツゥットがドリブルで持ちこんで、フィニッシュはアマラオのヘディングシュート。67分には早いリスタートから、ペナルティエリアでツゥットが、フェイントで切り返し、追いすがるDFを抜いてシュート。一旦はGKがセーブしたものの、そのこぼれ球をアマラオがつないで喜名がシュート。最後はカットされてゴールは割ることはできなかったが、ダイレクトプレーで波状攻撃を見せた。

しかし、セレッソも黙ってはいない。直後の68分。FKをつないで、ペナルティエリアの左外でフリーになった尹が送った鋭いクロスに、西谷が反応してダイビングヘッド。東京は隙をつかれる形で同点ゴールを許してしまった…。

アマラオのゴールで突き放す。見せた、これが東京のサッカーだ!


けれども、ここで気落ちすることなく粘りを見せる東京。70分、ゴール前左のツゥットから中のアマラオへ速いパス。そしてラストは攻め上がっていた内藤が、絶妙のコントロールで浮き球のパスを右側へ。フリーの由紀彦は狙い澄ましてシュート! 同点にされても、わずか2分後に落ちついて勝越し弾を決めた。この時相手DFに飛び込まれて負傷した由紀彦に替わって、74分には神野を投入。アクシデントではあったが流れが変わることはなく、77分にはセレッソのFKを素早く逆襲、流れるようなカウンターを見せた! 土肥がパンチングで逃れたボールを、藤山、増田とつなぎ、ツゥットがDFを振り切ってゴールライン際ギリギリで追いついたボールを折り返す。そして、ここにつめたアマラオがやすやすとゴール!! アッという間に1点をもぎ取り、追いすがるセレッソを突き放した。

その後も何とか1点を取ろうと諦めず反撃するセレッソ。西澤が外に流れ、ワイドな攻撃を仕掛けてくる。途中出場のFW杉本のスピードにも悩まされながらも、しかし体を張ったDFでゴールは死守。終了直前の立て続けのセットプレーも、土肥が集中してセーブ。東京らしいサッカーで確かな手応えのある1勝をあげた。

この結果、2ndステージは8位となり、1stステージの成績(6位)と合算した年間総合順位でも7位(15勝14敗1分で勝ち越し!)となるなど、J1昇格1年目としては史上最高成績となる結果を収めることができた。リーグ終盤に迷い込んだ7連敗という迷路を抜け出し、最後は明るい日差しのもと2連勝を飾ることができた。この勢いを維持し、20世紀最後の天皇杯で最高の結果を勝ち取れるよう全力で臨む!


《副島監督のコメント》

「1点目は判断ミスであったが、2点目3点目に関しては、試合前に注意していた形からの失点とで、力不足と、自分自身の指示の不徹底もあると感じた。最終戦、また西澤のラストゲームということでさまざまな思惑があったと思うが、1ゲームとして我々のサッカーをやっていこうとした。それが現実にできなかったことが、今後の課題と受けとめている」

《大熊監督のコメント》

「連敗は少なく頑張れた1stステージ、また連勝もあり、2ndステージでは連敗がこんで、本当にいろいろなことがあったシーズンだった。あらゆる部分で厳しいリーグだと実感したし、学んだ点も多かったと思う。この状況の中で、最後に東京らしいサッカーが、気持ち的にも出せたということは嬉しく思う。こういう戦いを続けなければチームは飛躍しないと思う。結果だけでなく、リーグを尻つぼみの内容で終わったのではチームの飛躍につながらないと思っていたので、今日はいい試合をやりたかった。また天皇杯でも、今日のような『どうにかひとつでも上を』という気持ちで戦いたいと思う」