GAME RESULT試合結果

第15節 2001/11/24(土)
観衆 36,052人 
天候 晴、無 気温 18.0度 湿度 42% 
主審:片山 義継 副審:原田 秀昭/手塚 洋 四審:抱山 公彦

J1 2nd 第15節

東京

HOME

東京ヴェルディ

1-0

試合終了

前半1-0

後半0-0

AWAY

FC東京

東京ヴェルディ FC東京
13' 永井 秀樹
得点者
55' 小倉 隆史 → 三浦 淳宏
74' 永井 秀樹 → 桜井 直人
89' マルキーニョス → 武田 修宏
選手交代 45' 下平 隆宏 → 喜名 哲裕
61' 福田 健二 → 戸田 光洋
69' 小林 成光 → 加賀見 健介
17 シュート 7
7 CK 4
21 FK 26
40' 永井 秀樹
警告 71' 三浦 文丈
退場
東京ヴェルディ先発
GK 1 菊池 新吉
DF 3 西田 吉洋
DF 22 中澤 佑二
DF 44 エメルソン
DF 15 杉山 弘一
MF 2 山田 卓也
MF 7 小林 慶行
MF 10 永井 秀樹
MF 19 小倉 隆史
FW 33 マルキーニョス
FW 36 エジムンド
東京ヴェルディ控え
GK 21 本並 健治
DF 24 富澤 清太郎
MF 6 三浦 淳宏
MF 16 桜井 直人
FW 9 武田 修宏
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 30 小林 稔
DF 4 山尾 光則
DF 6 小峯 隆幸
DF 8 藤山 竜仁
MF 5 下平 隆宏
MF 10 三浦 文丈
MF 14 佐藤 由紀彦
MF 17 鏑木 享
MF 24 小林 成光
FW 9 福田 健二
FC東京控え
GK 22 小沢 英明
DF 12 梅山 修
MF 23 喜名 哲裕
MF 13 加賀見 健介
FW 29 戸田 光洋

【選手・監督コメント】

今季最終戦を勝利で飾れ!


 今節、東京ヴェルディ1969との対戦で締めくくられる2001年のJ1リーグ。3月の開幕戦以来の顔合わせとなったが、この1シーズンの間に両チームの置かれた状況は対照的なものになっていた。最終節までもつれ込んだ残留争いに絡むヴェルディは、今日この試合にすべてを賭けて死にもの狂いで臨んでくるだろう。対する東京は、警告累積で出場停止のサンドロ、ケリーに加え、アマラオ、伊藤哲也も故障で欠くが、残留争いとは別のステージで目の前のゲームに集中することが大事だ。ともに「東京」をホームタウンとするチーム同士、また「後のない」ヴェルディがスタートから激しい闘志で向かってくるのは必至だが、東京はこの一戦で負けるわけにはいかない。

 スターティングメンバ-は、DF右から小林稔、山尾、小峯、藤山。中盤は下平、三浦のダブルボランチ、中央に鏑木享、右・佐藤、左・小林成光。福田の1トップという布陣でキックオフを迎えた。

存在感を見せつけるエジムンド


 開始早々、東京の右サイドで佐藤がヴェルディMF小倉を厳しくチェック。ヴェルディはFKをゴール前に蹴り込み、ペナルティエリアの外でリターンを受けたMF永井が迷わずシュート。立ちあがりから激しい試合になることが予感された。積極的に攻めに出るヴェルディに対して東京は4分、DFの裏に出されたロングボールに左サイドの小林成光が追いつくと、フォローに上がってきた三浦にパス。三浦はドリブルでペナルティエリアに突進、相手DF3人を振りきってゴールライン際まで持ち込みゴール狙ったが、シュートは大きくふかしてしまう。このビッグチャンスを逸すると、この後の東京は防戦一方になってしまった。ヴェルディの中盤の厳しいプレッシャーと守から攻めへの速い切り替え、そしてMF永井とFWエジムンドを起点とした攻撃に手を焼くことに。5分には永井に中盤をドリブルで駆け上がられシュートを許す。7分には、スルーパスにエジムンドがゴール前に抜け出すが、これは間一髪のところで小峯が体を張って阻止。10分にはゴール正面でのFK、11分にはポストプレーからエジムンドの強烈なシュート、13分にも再びゴール正面でのFKと、シュートの嵐を浴びせられるが、土肥の好セーブもあってゴールは割らせない。

 しかし、引いた位置から繰り出すエジムンドのドリブルは阻止することが難しく、そこからのシュートにラストパスにと、一瞬たりとも気を抜くことができなかった。そして直後の13分、エジムンドがDFの間を縫うようにドリブルでペナルティエリアに侵入、ラストタッチのボールが待ち構えていた永井の前にこぼれてしまう。永井が右足を振りぬくと、ゴールイン。エジムンドの突破から先制点を許してしまった。

反撃に苦しむ東京だが…


 反撃に出たい東京だが、前へという意識はあってもパスがつながらず苦しい展開が続く。自陣のペナルティエリア付近で奪ってロングボールを前線に送っても、トラップミスや相手にカットされ、落ちついてボールを保持することができない。30分には、右サイド佐藤からのクロスに鏑木享がヘッドで合わせるがバーの上へ。36分には、藤山が鋭いインターセプトから攻めあがり右サイドに送るが、佐藤が激しいチェックに合い倒されてしまう。ここで得たFKから山尾の放ったヘディングシュートも枠をとらえることはできない。

 その後もヴェルディのMF山田の鋭い読みと激しい当たりから、永井→エジムンドに翻弄される形でゴール前に攻め込まれピンチは続いたが、DFは集中を切らさずゴールを死守。前半13本のシュートも1失点に押さえた。逆に44分には、GK土肥からつないで前線まで運び、ゴール前まで積極的に攻めあがった三浦がCKを得る。このCKのクリアボールを藤山が拾うと、左サイドに残っていた佐藤へ。佐藤が絶妙のクロスを上げると、鏑木、福田の後ろからファーサイドに飛び込んだ山尾がシュート。一旦はヴェルディGK菊地にセーブされるが、こぼれた球を再び山尾が体でゴールに押し込んだ!

 しかし、ボールはネットを揺らしたかに見えたが、これは惜しくも「ハンド」の判定に。けれども攻め込まれた中でも、ワンチャンスを活かすプレーを見せ、後半へ反撃の望みをつないだ。

入れ替わり激しい攻防に


 後半から下平に替えて喜名を投入した東京。開始直後の46分には、喜名のキープからボールをつないで、最後は小林成のパスを受けた福田が左ペナルティエリアの外側からシュート。中盤でパスがつながらず苦心していたところに喜名がドリブルでキープすることでリズムをつくり、積極的にシュートを狙った。47分には右サイドで佐藤の突破からCKを得たが、そのCKから山尾のヘディングシュートはGKがキャッチした。

 相変わらずヴェルディのエジムンドを起点とした攻撃には気を抜けなかったが、53分には、喜名のパスに鏑木享がDFの裏に抜け出そうとし、直後には小林成からのパスを受けた鏑木享が左サイドをえぐってクロスを上げようとした。このクロスは精度が悪くシュートには持ち込めなかったが、チャンスの形はつくりつつあった。57分には佐藤の右サイドのクロスをDFがクリアしたところ、小林成が思い切ってミドルシュートを放つ。これはDFに阻まれCKに逃れられたが、続く61分には、福田に替えてスピードのある戸田を投入、反撃のムードは高まっていった。

 しかしヴェルディも64分、小倉に替わって入っていたMF三浦淳宏が右サイドを突破、ゴール前に送ったパスに走り込んだ永井がフリーでシュートを放つ。ボールは土肥が体の正面でキャッチしたが、入れ替わりの激しい攻防が続くことに。

猛攻を見せるも決め手を欠いて


 その後、ヴェルディのプレスに疲れも見え始め、中盤を支配する東京。右からは佐藤、左サイドは鏑木享や喜名がえぐる形でゴール前に攻め込みチャンスをつくる。69分には小林成に替わって加賀見がイン。71分には、中盤で三浦がボールを奪うと、佐藤が戸田のスピードを活かそうと、DFの裏に速いパスを送る。これは一瞬速くDFがクリア、GKにキャッチされたが、73分には、加賀見のパスを左サイドで受けた鏑木享が、右に大きくサイドチェンジ。佐藤が中央に落したところを喜名がシュートと積極的にゴール前に襲いかかった。74分には、加賀見がDFラインの裏に狙った浮き球のパスに戸田が抜け出したが、これはヴェルディGK菊池が一瞬速く飛び出してキャッチ。7分には、前掛かりになった隙をつかれて、ペナルティエリア内でエジムンドにヘィングシュートを放たれるが、こちらもGK土肥がきっちりセーブ。

 ヴェルディは段々球離れが悪くなり、ますます東京のペースになるが、しかしどうしてもフィニッシュに持ち込むことができない。83分には藤山がDFラインでインターセプト、中盤を駆けあがってラストパスを鏑木享に送ったが、これはオフサイドにかかる。85分過ぎからはヴェルディゴール前に張りつく形で攻める東京。88分にヴェルディが逆襲、三浦が右サイドを駆けあがり放ったシュートがゴール左にはずれると、東京は山尾も前線に上げて攻め込みチャンスを狙う。

 しかしロスタイム3分を含め攻め続けたが、結局シュートを打てないままタイムアップ。最後まで諦めず攻める姿勢は見せたものの「勝ちきれない」課題を残し、1点が重くのしかかる悔しい敗戦となった。この結果、2ndステージは5勝5敗5分となり8位に。また年間通算も8位でJ1リーグの全日程を終了した。

 今季も残すところ天皇杯のみとなったが、目標はもちろん“優勝”。今季はスタートより「何か一つタイトルを取る」ことを目標に掲げ1年間を戦ってきたが、リーグ戦、カップ戦ともに目標達成は成らなかった。天皇杯を今季の集大成とすべく、チーム、フロント一丸となり「ラストチャンス」に賭ける!

【小見監督のコメント】「他会場の途中経過を考えながら戦術も変化させなくてはいけなかったが、1対0の時間が長く、かなり苦労した。運も手伝って結果的に守りきれたことが良かったと思う。1点リードして、取り返しに来る相手に対して、押し返せないところが今シーズンの戦いを象徴していた。2点目を取りに行く気持ちはあったが、そこはリラックスして戦えるチームと、プレッシャーを背負っているチームの違いが出たと思う」

【大熊監督のコメント】「今日のゲームは、警告累積や怪我人を抱えた状況の中、選手個人としてもチームとしても全力で、出た選手がやろうとしたことをやれたと思う。シーズンを振りかえって、守備はチームとしてのバランスがとれていたが、攻撃の部分では力不足を感じた。縦の組合せやサイドバックのオーバーラップといったコンビネーションや、また決定力を始めとして個人の力で“決めてしまう”ことができなければ、勝ちきれず引き分けで終わってしまう。コンスタントに上を狙うには壁があると感じた。しかし、今日のような、常に出場している選手が欠けた状況でも、チームとしてのバランスは崩れなかった。相対的に選手の層が厚くなったところには進歩を感じている。新たな気持ちで天皇杯では優勝を目指してがんばりたい」