GAME RESULT試合結果
第6節 2002/4/13(土)
観衆 4,883人
天候 晴、中 気温 20.0度 湿度 38%
主審:吉田 寿光 副審:二俣 敏明/野田 祐樹 四審:高橋 佳久
J1 1st 第6節
万博
5-0
試合終了
前半3-0
後半2-0
ガンバ大阪 | FC東京 | |
---|---|---|
22' オウンゴール 32' 松波 正信 42' 松波 正信 57' 新井場 徹 69' 吉原 宏太 |
得点者 | |
59' 實好 礼忠 → 森岡 茂 75' 松波 正信 → 中山 悟志 79' 木場 昌雄 → 山口 智 |
選手交代 |
45' 小林 成光 → 戸田 光洋 54' 佐藤 由紀彦 → 呉 章銀 63' 小林 稔 → 小峯 隆幸 |
15 | シュート | 16 |
4 | CK | 2 |
25 | FK | 25 |
40' 實好 礼忠 54' マルセリーニョ |
警告 | |
退場 |
GK | 23 | 都築 龍太 |
DF | 4 | 實好 礼忠 |
DF | 35 | 宮本 恒靖 |
DF | 3 | 木場 昌雄 |
MF | 17 | 新井場 徹 |
MF | 33 | 柳本 啓成 |
MF | 30 | 遠藤 保仁 |
MF | 7 | マルセリーニョ |
MF | 27 | 橋本 英郎 |
FW | 18 | 吉原 宏太 |
FW | 11 | 松波 正信 |
GK | 1 | 松代 直樹 |
DF | 5 | 山口 智 |
MF | 13 | 森岡 茂 |
MF | 8 | 二川 孝広 |
FW | 26 | 中山 悟志 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 17 | 小林 稔 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 15 | 伊藤 哲也 |
DF | 5 | 下平 隆宏 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 16 | 宮沢 正史 |
MF | 14 | 佐藤 由紀彦 |
MF | 34 | マルセロ |
MF | 24 | 小林 成光 |
FW | 11 | アマラオ |
GK | 35 | 小林 弘記 |
DF | 6 | 小峯 隆幸 |
DF | 32 | 尾亦 弘友希 |
MF | 33 | 呉 章銀 |
FW | 13 | 戸田 光洋 |
【選手・監督コメント】
フレッシュパワーに期待!
前節の市原戦で負傷したDFジャーン、MFケリーの2大黒柱を欠く東京は、この日のG大阪戦に迷うことなくフレッシュパワーを投入した。スタメンには、ジャーンに代わってセンターバックに入る20歳の茂庭、ケリーに代わってトップ下に入る18歳のマルセロが、サブにも18歳のDF尾亦、16歳のMFチャン(呉章銀選手のニックネーム)が名を連ねた。この内、尾亦以外は初のメンバー入りで、今季既に公式戦デビューを果たしたルーキーのMF馬場(18歳)、MF前田(18歳)に続き、フレッシュパワーを積極的に登用する原監督らしい布陣となった。
この日、特に注目を集めたのがMFチャンのJデビューだった。この日で、16歳8ヶ月20日となるチャンが出場した場合、これまでのJリーグ最年少出場記録(1998年8月5日に市原の阿部勇樹選手が記録した16歳10ヶ月30日)を2ヶ月10日短縮する「新記録」が誕生することになる。この韓国からやって来た天才少年の新記録樹立と、その年齢に相応しくない度肝を抜く活躍に期待がかかった。
一方のG大阪は、得点源のFWマグロンを出場停止で欠くものの、攻撃では元ブラジル代表のMFマルセリーニョを中心に、また守備では日本代表のDF宮本を中心にほぼ不動の充実したメンバーが顔を揃えた。ワールドカップによる中断までリーグ戦は残り2試合。現在6位の東京と7位のG大阪にとって、ともに首位戦線に残るために、この日の試合は絶対に落とせない一戦になる。東京は2大黒柱を欠く戦力ダウンは否めないが、やる気に満ちたフレッシュなパワーが繰り出す予想外のエネルギーに必勝を託した。
New Faces Fresh Hopes
Following the loss of key men Jean and Kelly to injury in the previous game against JEF U, F.C.TOKYO played the youth card for the 6th. game of the season, away to Gamba Osaka. Twenty year-old Moniwa replaced Jean, eighteen year-old Marcelo filled in for his compatriot in the withdrawn striker position and sixteen year-old Jang Eun Oh debuted in midfield. Apart from eighteen year-old substitute Omata, all were making their first ever appearances and together with midfielders Baba and Maeda, both eighteen, who also made their first team debuts this season, are proof of the positive approach under new manager Hiromi Hara.
All eyes were on Jang Eun Oh who broke the record for the youngest player to appear in the J-League. At 16 years 8 months and 20 days he surpassed the previous mark, held by Yuki Abe of JEF U, by 2 months and 10 days. Great things are expected of the South Korean youngster.
Gamba were without suspended striker Magrao; however, with former Brazil midfielder Marcelinho directing the attack and Japan defender Miyamoto marshalling the defence were at full strength. With only two games remaining before the World Cup break both sides were aiming to bolster their points totals. F.C.TOKYO were hoping that youthful energy could replace the loss of several first team regulars.
万博独特のローテンションにリズムを乱す
これまでの対戦成績は、東京の1勝3敗とG大阪との相性はけして良くない。最初から攻守にわたり全力でスピーディーにプレーする東京は、高い技術をベースに焦ることなくじっくりとボールを回してくるG大阪のスローテンポが合わず、リズムに乗れないことが多かった。この日も観客が4,883人とスタンドには空席が目立ち、ローテンポのサッカーを助長する何とも言えないまったりした空気が会場を包んでいた。このローテンションの雰囲気に、東京は開始からはまってしまう。
立ち上がり、東京はいつものように前線から激しくプレスをかけていくサッカーを試みるが、前線の4人にプレスの統率感が無く中途半端になってしまうため、高い位置でのボール奪取ができず簡単にボールをつながれてしまう苦しい展開となった。これまではケリーが攻守のキーで回りがそれに合わせて動くことで機能していたが、そのケリーに代わって入ったマルセロは必死にボールは追うものの、行くところ引くところのメリハリが無く、単独でどんどん行ってしまうためボールが奪えない。そこでボランチの宮沢、浅利も引っ張られて前へ出ていってしまい、薄くなった中盤をマルセリーニョに突かれるという悪いリズムに。G大阪はマルセリーニョにボールを集め、そこから繰り出される長短多彩なパスに翻弄された。
しかし、ボールは支配しながらも何となくスローテンポでゴールを急襲しないG大阪に対し、東京も徐々に落ち着きを取り戻し始める。6分には、センターサークル付近のFKを宮沢が素早いリスタートで相手DFの裏へスルーパスを出し、これに小林成が抜け出してビッグチャンスになるが一歩及ばずクリア。東京は宮沢を起点にゲームを組み立て、アマラオのポストや右サイドの由紀彦を使って、攻撃の機会を増やしていった。マルセロも労を惜しまない運動量で積極的にボールに絡むようになり、ミスは多いものの、自分でボールをサイドへ散らしてはゴール前へ走りこんでシュートを放った。得点にはならなかったが、17分には右からのクロスをヘディングで合わせ、その直後のコーナーキックでもアマラオの落としたボールを豪快にシュートするなど、積極的な姿勢が目立った。
Lack of Atmosphere Leads to Trouble
Gamba have proved difficult opponents for F.C.TOKYO-the record stands at Won 1 Lost 3-and were content to slow the pace of the game to prevent the visitors getting into their stride. A meagre crowd of only 4,883 had turned out for the game; the slow tempo and lack of atmosphere seemed to disturb F.C.TOKYO. Unable to play their customary high pressure game, harrying opponents up field, they were reduced to a fruitless chase after the ball.
Defensive midfielders Miyazawa and Asari were stretched and had no answer to Marcelinho, the conduit for all Gamba's movements, as he sprayed passes around at will.
For all their possession Gamba didn't seriously threaten the F.C.TOKYO goal, and the visitors actually had the best early chance as a quickly taken free kick found Masamitsu Kobayashi unmarked but a last ditch tackle cleared the danger. F.C.TOKYO slowly began to work their way back into the game as the lively Marcelo made some headway in midfield-in the 17th. minute he got his head to a right wing cross and soon after went close following an Amaral knock down.
思わぬ失点で弱気になり後手に
守備陣もマルセリーニョに翻弄されてはいたが、G大阪の松波、吉原のツートップを伊藤、茂庭の強力なセンターバックが完封しており、得点は許さなかった。19分には右サイドを突破されて強烈なシュートを打たれたが、これは土肥が防ぎ、21分にはマルセリーニョからDFの裏へ絶妙のスルーパスを通されたが、これは伊藤が競り勝ってシュートを打たせなかった。
しかし、「さあ、これから」という時間帯に、思わぬ落とし穴は待っていた。22分、左サイドからG大阪の遠藤が蹴ったFKをゴール前でディフェンスに入っていたアマラオがクリアミスし、土肥の股間を抜き自陣のゴールへ。この、まさかのオウンゴールでホームのG大阪に先制を許してしまう。攻守の2大黒柱を欠くこの日の東京にとって、リズムを掴みかけていた時間帯での予想しなかった失点は精神的に大きな影を落とした。
前線からがんがんプレスをかけて、高い位置でボールを奪うことで、鋭くゴールに迫るのが今年の東京のサッカーである。しかし、この日の前線の選手のプレスは開始直後から甘く、それがチーム全体に相手のペースに合わせたようなスローテンポで、気迫の感じられないサッカーになっている要因となっていたが、このミスによる失点でチーム全体がさらに弱気になり、状況は一層厳しい方向へと向かっていった。
東京は宮沢を中心にゲームを組立てようと試みるものの、宮沢からパスが出た後の次のプレーが雑でG大阪の堅い守備網を突破することができなかった。ケリーがいる時はアマラオに当てて落としたボールをケリーが受け、そこからドリブルやパスで前進し、相手の守備網を崩した段階で両サイドにボールが渡るため比較的頻繁に決定機を作ることができる。しかし、この日はそれができないために常に攻撃ゾーンで数的不利な状況にあり、由紀彦、小林成は自力で打開することはできなかった。そのため、相手を崩しきらない段階で苦し紛れのミドルシュートを打つしかなかった。
迎えた32分、再びミスから追加点を許してしまう。右サイドで小林稔のパスミスをカットされ、それをマルセリーニョ、松波とつなぎ、左サイドから松波が上げたクロスを吉原が右サイドの至近距離からシュート。これがバーに当たり、跳ね返ったところを詰めていた松波に豪快に蹴り込まれ2点差に。さらに42分、再び右サイドを松波に突破され、そのままゴールを許し前半を0-3で終了した。
Unlucky Goal Dampens F.C.TOKYO Spirit
Despite the best promptings of Marcelinho the F.C.TOKYO center back pair of Ito and Moniwa had dealt comfortably with the Gamba strikers Matsunami and Yoshihara. Goalkeeper Doi was forced into a save after 19 minutes and Ito made an important tackle soon after. Just when F.C.TOKYO seemed ready to tighten their grip on the game disaster struck. Endo curled in a free kick from the right and Amaral, back helping the defence, miss hit his clearance, the ball squirming past Doi and over the line.
The goal knocked the stuffing out of F.C.TOKYO; unable to find Amaral in advanced positions and lacking Kelly to pick up his knock downs they were reduced to shooting from distance. Another lapse let in Gamba for a second goal in the 32nd. minute. A loose pass from Minoru Kobayashi allowed Marcelinho to feed Matsunami on the right. Yoshihara hammered his cross against the bar; following up, Matsunami lashed the ball into the roof of the net for 2-0. The same player made it three just before half time as he held off a defender before firing low past Doi.
屈辱の大敗は喫したが収穫も...
ハーフタイムに、原監督から「後半は、小林成に代えて勢いのある戸田を入れて前線から追わせるので、もう一度これまでやってきたサッカーを思い出し、後半巻き返そう。応援に来てくれたファンのためにも、このままで終わるな。みんな弱気になっている。何も恐れるな。最後まで諦めずに闘えば必ず勝てる。」と檄が飛び、後半飛び出した東京は、その指示通り前線で戸田がスペースに走り、勢いを見せた。7分には、その戸田が後方からの縦パスに抜け出し、ビッグチャンスとなったが、一歩届かず相手DFにクリアされる。
そして迎えた後半9分、コンディションがまだ完全ではない由紀彦に代わって、ついにチャンが登場。この瞬間、Jリーグ最年少出場記録が4年振りに更新された。チャンは、最初こそ緊張している様子だったが、すぐに本来のトップ下ではない不慣れなサイドハーフで攻守に気迫のこもったプレーを披露した。チャンは深い位置まで戻ってディフェンスしたかと思うと、右サイドに空いたスペースを全力で駆け上がり、宮沢や戸田から大きなサイドチェンジでボールを受けてはクロスを上げた。16歳とは思えない、その驚異のフィジカルに度肝を抜かれが、もう一つ感心させられたのが、この日のチームに最も必要だった「ファイティングスピリット」。宮沢のサイドチェンジを相手DFと競り合った際に頭部を裂傷(試合後、2針縫合)したが、彼は全く臆することなく、包帯を巻いてすぐにピッチに戻ってきた。ピッチに戻ると、負傷前と変らずヘディングでの競り合いを厭わず、激しいスライディングでボールを奪った。
試合はその後、G大阪が後半12分に右サイドからマルセリーニョが上げたピンポイントクロスを新井場にヘッドで押し込まれ、4点差に。さらに24分には、今度は左サイドからまたしてもマルセリーニョが上げたクロスに、中央から吉原がヘッドで飛び込み5点目を決められた。
東京も最後まで1点を返そうと闘った。37分には右からアマラオが持ち込み、中央の宮沢へ。宮沢はワントラップで鋭くシュートを放ったが惜しくもバーの上へ。43分には中央から攻め上がった伊藤からのスルーパスに戸田が抜け出しキーパーと1対1になったが、シュートは僅かにゴール左へ外れた。アマラオも最後まで走り回ったが、自分一人で打開しようとして、ついボールを持ち過ぎて相手にカットされるシーンが目立った。試合は結局、一矢も報いることが出来ないまま無念のタイムアップ。苦しい布陣ではあったが、何としても勝ちたかった一戦をこの内容で落としてしまったのは痛い。次節の仙台戦もケリー、ジャーンが戻ってくるかどうかは不明だ。この日の試合でチャンの使える目処が立ったのは収穫だが、気持ちを切替えて、早急に対策を練る必要がある。
【原監督コメント要旨】完敗です。応援してくれたファンの皆さんに申し訳ないと思う。いつもはもっと立ち上がりからアグレッシブに行けるのに、今日は行けなかった。落ち着きそうな時間帯でのオウンゴールで弱気になってしまったのと、2点目もミスからの失点で自信を無くしてしまったことが大きい。今日は由紀彦、小林成のところでボールが収まらなかったが、これではリズムは作れない。攻撃陣の自信の無さが攻守両面に影響してしまった。収穫はチャンの使える目処が立ったことで、今後も戦力として考えられる。サッカーはこうゆう時もある。引きずらないよう気持ちを切り替えて、次に必ず勝てるように準備したい。
Where There's Life
At half time manager Hara told his players to "remember the kind of football we have played so far this season. There's nothing to be afraid of. If we don't give up and fight to the end we can still win ". He replaced Minoru Kobayashi with the more attack minded Toda and F.C.TOKYO came out fighting in the second half. Toda latched onto a long ball in the 52nd. minute but a desperate tackle denied him a clear shot on goal. Soon after Jang Eun Oh wrote his name in the J-League history books as he replaced Sato on the right, where he performed admirably with a maturity and physical prescence that belied his age. In an aerial collision he received a cut that required stitches after the game, but was soon back on the pitch after treatment, with his injury having no discernable influence on the aggression and fighting spirit he showed on his debut.
In the 57th. minute Marcelinho curled in a pin point cross for Araiba to head past Doi for number four, and an almost identical move in the 69th. minute brought a similar result, except this time Yoshihara was the lucky recipient.
F.C.TOKYO battled to the bitter end but even a consolation goal eluded them.
Miyazawa fired over the bar in the 82nd. minute and Toda failed to hit the target after being put clean through with only the keeper to beat just before the final whistle, which shortly after blew on a comprehensive defeat. Jang was only bright spot on a miserable afternoon for F.C.TOKYO; Jean and Kelly remain uncertain for the next match, away to Vegalta Sendai.
Whether they return or not, F.C.TOKYO will have to regroup and rethink their approach.
Manager Hara: " A total defeat. I feel I must apologize to the fans who came all this way to support us. Usually we're aggressive from the kick off but it just wasn't there at all today. We gave away an own goal at a crucial time, lost our confidence and then a mistake led to the second. Yukihiko Sato and Masamitsu Kobayashi couldn't get into the game and we never found our rhythm-the front line's loss of confidence affected the whole team. Jang Eun Oh's debut was the only positive for us today. These things sometimes happen in football. We have to regroup and prepare for the next game in away that gives us a chance ".