GAME RESULT試合結果
第7節 2002/4/21(日)
観衆 18,919人
天候 曇、弱 気温 16.6度 湿度 69%
主審:片山 義継 副審:佐藤 秀明/岡野 尚士 四審:阿部 正基
J1 1st 第7節
仙台
3-1
試合終了
前半0-0
後半3-1
ベガルタ仙台 | FC東京 | |
---|---|---|
60' 小村 徳男 75' 山下 芳輝 86' 山下 芳輝 |
得点者 |
84' ケリー |
56' 藤吉 信次 → 財前 宣之 89' 山田 隆裕 → 村上 和弘 |
選手交代 |
37' 浅利 悟 → 下平 隆宏 68' 戸田 光洋 → 佐藤 由紀彦 72' 星 大輔 → 福田 健二 |
11 | シュート | 15 |
1 | CK | 9 |
20 | FK | 17 |
65' 山田 隆裕 |
警告 |
13' 戸田 光洋 83' ジャーン |
退場 |
GK | 16 | 小針 清允 |
DF | 18 | 森 勇介 |
DF | 6 | リカルド |
DF | 4 | 小村 徳男 |
DF | 30 | 村田 達哉 |
MF | 27 | 森保 一 |
MF | 8 | シルビーニョ |
MF | 32 | 山田 隆裕 |
MF | 14 | 岩本 輝雄 |
FW | 13 | 山下 芳輝 |
FW | 11 | 藤吉 信次 |
GK | 22 | 前川 大樹 |
DF | 5 | 片野坂 知宏 |
MF | 7 | 千葉 直樹 |
MF | 26 | 村上 和弘 |
MF | 10 | 財前 宣之 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 20 | 加地 亮 |
DF | 15 | 伊藤 哲也 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 16 | 宮沢 正史 |
MF | 25 | 星 大輔 |
MF | 19 | ケリー |
MF | 13 | 戸田 光洋 |
FW | 11 | アマラオ |
DF | 6 | 小峯 隆幸 |
MF | 5 | 下平 隆宏 |
MF | 30 | 馬場 憂太 |
MF | 14 | 佐藤 由紀彦 |
FW | 9 | 福田 健二 |
【選手・監督コメント】
節目のゲームに必勝態勢で臨む
J1リーグ・ファーストステージは、ワールドカップのため今節をもって一時中断する。前節を今季ワーストゲームで落とし8位に転落した東京は、この節目のゲームで何としても勝ち、1週間後のナビスコカップ、そして7月に再開するリーグ戦へ気持ち良く入っていきたいところ。対戦相手は今季、J1昇格後開幕5連勝を成し遂げ、第6節終了時点で3位とJ1に熱風を吹き込んでいる仙台。地元仙台の熱狂振りは凄まじく、ホームの仙台スタジアムは毎試合超満員という過熱状態で、その熱い応援は既にJ1屈指とも言われている。この日、東京はその仙台スタジアムに乗り込んだ。
東京は前節と大幅にメンバーを入れ替え、怪我が完治していないMFケリー、DFジャーンを強行出場させる他、右サイドバックに初出場の加地、左サイドバックに藤山、右サイドハーフに星、左サイドハーフに戸田を先発起用。一方の仙台は、エースのマルコスが警告累積で出場できないが、現役代表のFW山下を筆頭に、MF岩本、MF山田、MF森保、DF小村ら元代表のベテラン4人がチームを牽引するベストメンバーで臨んできた。
故障者が続出して苦しいチーム状態の中、怪我が完治していないケリー、ジャーンを強行出場させ、控えにゴールキーパーを入れず、前代未聞のサブ全員をフィールドプレーヤーで臨むなど、正に総力戦でこの試合に必勝を期する東京。試合前から両チームの大歓声でスタンドが揺れる熱狂の仙台スタジアムで、東京イレブンはキックオフの笛とともに激しく敵陣に突進した。
F.C.TOKYO Ready To Roll
Following the seventh round of games the J-League takes a two month break for the World Cup. After producing their worst performance of the year last Saturday, falling to 8th. in the league, F.C.TOKYO were hoping to bounce back in style ahead of the upcoming Nabisco Cup matches. Today's opponents, Vegalta Sendai, were promoted from J2 last year and have taken J1 by storm, winning their first five matches of the season and currently lie third. The fans have played no small part in this success, packing out Sendai stadium and roaring their team on in exemplary fashion.
TOKYO were able to welcome back Kelly and Jean, while Kaji made his first team debut at right back. Fujiyama started on the left with Hoshi and Toda as side backs. Ace striker Marcos was suspended for Vegalta but Japan forward Yamashita and veteran midfielders Iwamoto, Yamada, Moriyasu and defender Omura ( all former internationals ) made the starting eleven.
F.C.TOKYO started the game with five outfield players on the bench, an indication of Manager Hara's attacking intentions. A barrage of noise from the sell out crowd greeted the teams as they entered the field.
攻撃サッカー全開!序盤から仙台を圧倒!
キックオフの笛とともに、左サイドの戸田が仙台のボールを猛然と追った。ボールは戸田の迫力に押される形で左から右方向へ。戸田はそのまま自分のポジションの逆サイド、つまり仙台の左サイドバックまでプレッシャーをかけていった。「何もそこまで」と思いつつ、この前線からの激しいプレッシャーこそが、今季東京がやろうとしていたサッカーであることに気がついた。この戸田の勢いに引っ張られるかのように、アマラオ、星、ケリー、宮沢らが次々と相手ボールに猛然とチャージ。仙台イレブンは怯み、東京はボールを奪っては鋭く攻め、序盤から完全にリズムを掴んだ。
2分、ペナルティエリア付近でケリーがアマラオとのワンツーから抜け出しゴールに突進したが、相手DFにクリアされコーナーキックに。この左からのCKにジャーンがヘッドで合わせたが、惜しくも外れた。8分には、右サイドで相手DFの裏へ飛び出し、加地からパスを受けた星が低いクロスを入れ、これにアマラオが飛び込んだが間一髪で相手DFにクリアされた。11分には、ゴール前で戸田が猛チャージから相手ボールを奪取し、そのままゴールに突進したがシュートはブロックされて得点ならず。さらに圧巻は12分、藤山がインターセプトから狭いスペースをケリーとのワンツーから鋭く抜け出し、そのまま40mをドリブルで突進して左足で豪快にシュート。これもGKに弾かれ得点にならなかったが、この動きは藤山が復活したことを裏付け、この後も彼本来の鋭いインターセプトからのドリブルで数多くのチャンスを演出する。
ディフェンスラインも安定していた。やはりジャーンの存在は大きく、相手がサイドから入れてくるボールを頭や足でことごとくクリア。他の選手と違うのは、そのクリアが大きいこと。相手にとっては、ジャーンのところでその都度攻撃が遮断され、連続した波状攻撃ができないことになる。伊藤とのバランスも絶妙で、相手に付け入る先を見出させなかった。また藤山だけでなく、初出場の加地もそのポテンシャルの高さを存分に発揮。1対1の強さと頻繁な攻撃参加でアピールした。
一方の仙台は、マルコス不在で代わりのFW藤吉をジャーンが完封したため前線のターゲットがなく、攻撃に迫力が欠けた。時折、MFシルビーニョからFW山下のポストプレーを経由した鋭い中央突破を狙ってきたが、宮沢、浅利も含めた東京の中央の守備は堅く、簡単には崩されなかった。
TOKYO Take The Initiative
TOKYO began the game in aggressive fashion with Toda switching sides to harry the Vegalta left back, while the front line closed down their opponents, denying them any time on the ball. Vegalta were forced onto the back foot as the visitors seized control of the midfield and found their rhythm.
In the 2nd. minute Kelly and Amaral played a neat one-two on the edge of the area; a defender cleared the ball for a corner which Jean headed narrowly wide. In the 8th. minute a fine through pass from Kaji put Hoshiin behind the defence but a defender whipped his low cross off Amaral's toe. Three minutes later Toda robbed a defender and bore down on the goal only to see his shot blocked. In the 12th. minute Fujiyama intercepted a pass, played a sharp one-two with Kelly and embarked on a 40 yard run. His powerful shot failed to beat the keeper but, emboldened, he looked to get forward at every opportunity.
The TOKYO defence held firm: Jean dealt comfortably with everything Vegalta threw at him, while Ito's superb game reading ability allowed him to nip attacks in the bud. Debutant Kaji showed his potential; strong in one-on-one situations and ready to lend his weight to the attack.
With striker Marcos missing and Fujiyoshi effectively shackled by Jean Vegalta offered little in attack.
猛攻実らず、前半を無得点で折り返す
前半、仙台の決定機は1回だけだった。23分、左サイドの岩本が上げたクロスを中央からフリーでシュートを打たれ、一度跳ね返ったボールをさらに押し込まれそうになったが、これはバーの上へ。やはり、岩本にスペースを与えると精度の高いクロスが入ってくることを再認識させた。
この後も東京は攻めに攻めた。まさに前節とは「別のチーム」と言っていいほどに、攻守が機能した。藤山のインターセプトは冴え、ボールを奪ってはケリーに一旦預け、そこからアマラオとのワンツーやサイドへの展開からゴールへ迫る。また、視野の広い宮沢に渡れば、そこから仙台DFの裏へ走り込む戸田へ何度もロングパスを通した。39分には、ジャーンのクリアを右サイドの星がドリブルで前進し、逆サイドをフリーで駆け上がるアマラオへピタリとサイドチェンジすると、アマラオはフェイントからシュートを放ったが、GKの正面へ。43分には、相手のパスミスを拾ったアマラオからケリー、戸田と渡り、戸田がゴールへ突進したが、シュートが一歩遅くタックルにブロックされる。決定的だったのは44分、藤山が中盤でインターセプトしてそのまま右サイドへドリブルで駆け上がり、そこからクロスを入れると、戸田が競って落としたボールを正面からケリーが豪快なボレーシュートを放ったが、仙台GKのスーパーセーブに弾かれ、コーナーキックに。さらに、このコーナーキックをジャーンがヘッドでピタリと合わせたが、これもGKに止められた。東京は前半、仙台の3倍の9本シュートを放ちながら無得点に終わり、前半を折り返した。
All Square
In fact, they managed only one serious attempt on goal in the first half; a cross from Iwamoto led to a free shot on goal, and the resulting loose ball was blasted over the bar. TOKYO escaped but the danger posed by Iwamoto's centering ability was clear.
TOKYO continued to attack with abandon, hitting long balls over the Vegalta defence to Toda. In the 39th. minute a quick break from the back saw Hoshi rake a pin point cross field ball to Amaral. The big Brazilian feinted around a defender and fired in a shot but the keeper was equal to the task.
As the half drew to a close TOKYO turned up the heat-Fujiyama intercepted a loose pass and set off down the wing, his cross aimed at Toda fell invitingly for Kelly whose powerful volley was somehow deflected around the post by the keeper. Jean made solid contact with the resultant corner, but the keeper again denied TOKYO.
The first period ended soon after with TOKYO having out shot the home side by 9 to 3. Unfortunately they had nothing to show for a commanding performance.
優勢に試合を進めるも、たった1本のCKから失点
後半に入っても東京の勢いは衰えなかった。前半途中に、負傷退場の浅利に代わりピッチに入った下平が中盤で正確な配給でリズムを作った。2分、右サイドの狭いスペースをケリー~下平~星~ケリー~下平と、流れるようなダイレクトパスから下平が抜け出し、間髪入れず縦に抜ける戸田へスルーパスを通しチャンスを作る。さらに10分には、右からケリーの上げた柔らかいクロスをアマラオが競って前へ落とし、これを戸田がシュートしたが、もう一つシュートが遅く、相手DFにブロックされた。
後半に入り、仙台も左の岩本からチャンスを作るようになる。5分には、東京のクリアミスが岩本の足元に入り、ゴールへ突進。シルビーニョへパスを通すと、シルビーニョは混戦から抜け出しGK土肥と1対1になりシュートを放ったが、これは土肥が足でブロック。東京は試合を優勢に運んでいたが、攻撃が続いた後にカウンターから仙台の逆襲を浮けることが増えていた。特に、左サイドに張って待っている岩本が起点となっていた。15分、そのフリーの岩本にパスが通ると、左から突進し、加地をかわして強烈なシュートを放った。ボールはDFに当たってコースが変わったが、何とか土肥が触ってCKに。しかし、このCKを仙台DF小村にヘッドで決められ、先制を許してしまった。
One Corner, One Goal
Shimotaira had replaced the injured Asari towards the end of the first half and he assumed the role of midfield distributor as TOKYO began the second half where they had left off. Some slick direct passing opened the Vegalta defence twice but Toda was unable to finish off the moves.
From around the 50 minute mark Vegalta started to claw their way back into the match as Iwamoto finally found some room in which to work. He set up Silvinho with a neat through ball but Doi blocked the shot with his feet. In the 60th. minute he received the ball unmarked on the left, beat Kaji and fired in a shot. The ball was deflected by a defender and Doi did well to scramble it around the post. From the corner Omura rose to head Vegalta into the lead.
ケリーのゴールで一矢報いるも、決定力の差で仙台に屈す
東京はこれでさらに攻めざるを得なくなった。16分には、宮沢から決定的なスルーパスがアマラオに通ったが、アマラオはこれを打たず、もう一つドリブルでかわそうとしてクリアされてしまう。アマラオは疲労のためか、前半に比べ明らかに体が重く、仙台DFの小村、リカルドの前にことごとくボールを奪われてチャンスを逸した。
30分、左サイドでアマラオがリカルドにボールを奪われると、リカルドは間髪入れず前線の山下へ。全体が前がかりになってラインの浅くなったところをリカルドが素晴らしい判断から東京DFの裏へ絶妙のパスを通し、これに山下が鋭く反応して抜け出してゴールへ突進。トップスピードから、そのまま豪快に右足でシュートを放ち、東京のゴールネットを揺らした。
敵地で、しかも残り時間15分での2点ビハインドは確かに厳しかったが、東京イレブンは諦めなかった。32分には、左のコーナーキックからジャーンが頭で合わせゴールかと思われたが、またしても仙台GK小針の神懸り的なスーパーセーブに阻まれてしまう。しかし、迎えた後半39分、藤山がドリブルでペナルティエリアの左に侵入し、後ろからサポートに来たケリーにヒールキック。これをケリーが走り込んだ勢いのまま豪快に右足を振りぬくと、小針のセービングも届かず、待望のゴールとなった。
残り時間は6分、ロスタイムを入れれば約10分はあり、十分同点に追いつくことは可能だった。さあ、これからと思った直後の41分、またしても左サイドの岩本の突破を許し、鋭いクロスに山下が飛び込み、呆気なく3点目を決められ万事休す。ロスタイムに、ケリーが浮かしたボールをアマラオがヘッドで前へすらし、そのボールを福田がさらに裏へ出して、そこに走り込んだジャーンがボレーシュートを放ったが、バーの上へ。結局、試合はこのまま終了し、東京は今季ベストに近い素晴らしい内容のサッカーをしながら決定力不足に泣き、大事な節目のゲームを落としてしまった。
試合に負けて浅利が負傷するなど、暗い話が先行してしまうが、明るい話題もあった。藤山の復活だ。あの鋭いインターセプトからの攻撃参加は、今後必ず大きな武器になる。1週間後にはナビスコカップが控えているが、今のチームに求められるのは、とにかく結果を出すことだ。東京はナビスコカップ予選リーグ突破を賭けて、闘いのGWに突入する。
【原監督会見要旨】今日はどうしても勝ちたかった試合で、完全に治っていないケリー、ジャーンも使ったし、控えにも敢えてゴールキーパーを入れなかった。全員総攻撃で勝ちたかっただけに、非常に残念だ。課題は多いが、今日は前節とは比べものにならないほど内容は良かったと思う。やはり、あれだけ良い形を作っていても決められないと勝てない。逆に、ケアはしていたのに相手には少ないチャンスから得意のセットプレーで決められてしまった。今後は、大事な試合で勝てるように、いろいろな面で精度を高めていかなければならない。怪我人が多く、課題はたくさんあるが、ナビスコカップ、そしてワールドカップ明けのリーグ戦再開に十分な準備をしていきたい。
Kelly Pulls One Back
F.C.TOKYO poured forward in search of an equaliser, but Amaral was guilty of over elaboration after a superb through ball from Miyazawa had sent him clear of the defence, and the chance was lost. Amaral seemed to be tiring following his first half exertions and the Vegalta defensive pair of Omura and Ricardo stole the ball from him repeatedly. In the 75th. minute Ricardo robbed Amaral on the left and placed a perfectly timed ball into the path of Yamashita as he sped through the TOKYO back
line. Yamashita lashed the ball past Doi for a 2-0 lead.
F.C.TOKYO were down but not out, and nearly pulled a goal back two minutes later but Jean's powerful header from a right side corner was again miraculously stopped by the Sendai keeper. TOKYO were not to be denied however and in the 84th. minute Fujiyama burst into the penalty area, backheeled the ball to Kelly and Kobari was beaten at last.
With about 10 minutes remaining TOKYO felt they were back in the match but only two minutes later that hope was extinguished. Once again Iwamoto was the instigator as he raced clear down the left wing and Yamashita flung himself forward to turn in a hard, low cross at the far post. Jean nearly made it 3-2 in the dying seconds with a close range volley, but fired over the bar. The final whistle blew and TOKYO had lost a game they dominated for nearly the entire 90 minutes. A lack of accuracy in front of goal let them down.
Despite the loss and the injury to Asari something positive can be taken from the game: the excellent performance of Fujiyama. The qualifying group league stage of the Nabisco Cup starts next week; hopefully TOKYO can build on the improvement they showed here and post some positive results.
Manager Hara : " Today was a game we wanted to win at any cost-I didn't even name a goalkeeper on the bench. We played well so it's very disappointing. The performance was far better than last week, which is an improvement, but we didn't make the most of our chances and they did. We have many injuries and other things to deal with but we're looking forward to the Nabisco Cup games and the resumption of the J-League. "