GAME RESULT試合結果
第1節 2002/9/04(水)
観衆 10,895人
天候 曇、無 気温 27.5度 湿度 78%
主審:柏原 丈二 副審:鈴木 亮哉/西村 雄一 四審:牧野 明久
YNC 決勝トーナメント 第1節
東京
1-3
試合終了
前半1-0
後半0-3
FC東京 | ガンバ大阪 | |
---|---|---|
28' 戸田 光洋 |
得点者 |
53' 遠藤 保仁 62' 新井場 徹 76' 大黒 将志 |
70' 戸田 光洋 → 馬場 憂太 76' 下平 隆宏 → 福田 健二 |
選手交代 |
45' 森岡 茂 → 松波 正信 75' 吉原 宏太 → 大黒 将志 87' 二川 孝広 → 松下 年宏 |
10 | シュート | 18 |
4 | CK | 7 |
11 | FK | 14 |
86' 茂庭 照幸 |
警告 | |
退場 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 20 | 加地 亮 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 15 | 伊藤 哲也 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
MF | 5 | 下平 隆宏 |
MF | 16 | 宮沢 正史 |
MF | 36 | 石川 直宏 |
MF | 19 | ケリー |
MF | 13 | 戸田 光洋 |
FW | 11 | アマラオ |
GK | 35 | 小林 弘記 |
DF | 6 | 小峯 隆幸 |
MF | 23 | 喜名 哲裕 |
MF | 30 | 馬場 憂太 |
FW | 9 | 福田 健二 |
GK | 1 | 松代 直樹 |
DF | 5 | 山口 智 |
DF | 35 | 宮本 恒靖 |
DF | 3 | 木場 昌雄 |
MF | 17 | 新井場 徹 |
MF | 13 | 森岡 茂 |
MF | 30 | 遠藤 保仁 |
MF | 10 | ファビーニョ |
MF | 8 | 二川 孝広 |
FW | 18 | 吉原 宏太 |
FW | 9 | マグロン |
GK | 22 | 日野 優 |
DF | 4 | 實好 礼忠 |
MF | 24 | 松下 年宏 |
MF | 16 | 大黒 将志 |
FW | 11 | 松波 正信 |
【選手・監督コメント】
ナビスコカップのタイトルめざし、負けられない戦いの始まり
時は春、Jリーグ中断期間中のゴールデンウィークに行われた2002年ヤマザキナビスコカップ予選リーグ。清水、ヴェルディ、神戸と同じBグループに入った東京は、4勝1敗1分の好成績を挙げ、見事1位通過した。4か月を置いた今日、準々決勝で対戦するのは、Cグループ2位のガンバ大阪。タイトル獲得に向けてあと3戦、負けることの許されない戦いが始まった。
ガンバ大阪は、現在J1リーグ得点王ランキング1位のFWマグロンを擁し、1stステージは4位。また3日前に行われた2ndステージ第1節も横浜F・マリノスを相手に4対1と大勝し、好調を維持している。強敵ではあるが、1stステージ第6節で大敗を喫した借りを返す意味でも重要な一戦。原監督も「どんな形であってもとにかく勝つことが大事」と、勝利に対するどん欲な姿勢をみせた。
アグレッシブに勢いを見せる東京
キックオフのホイッスルとともに、宮沢が敵陣左サイドのスペースを突くロングボールを配し、ガンバをけん制。2分にはガンバFW吉原が果敢にゴールを狙い、3分にはCKからアマラオがヘディングシュートと、立ち上がりから両者ともに気迫あふれるプレーを展開。5分にはアマラオが単独で持ち上がってシュート。10分、今度はガンバがCKからマグロンがヘディングシュートを叩きつけるが、ボールはわずかに左外に。
今日の東京は左右のMFのポジションをチェンジ。右に戸田を、左に石川を置き、速いパス回しからスペースをつく狙いが見てとれた。12分には、ケリーのパスを左サイドで受けた石川がゴールに突進してシュート。14分には宮沢が、インターセプトした直後に意表をつくミドルシュート。だがガンバも、ゴールキックからつないだパス1本に、吉原が抜け目なくDFラインの裏に飛び出す。ループ気味のシュートは土肥がキッチリ抑え、事無きを得た。
その後、ダイレクトパスをポンポンとつないでゲームを支配する東京。15分には、石川からのパスを受けたケリーがペナルティエリア外からゴール左下隅にシュートするも、相手GKがセーブ。だが、ガンバの攻撃の意図も、サイドから展開して2列目が飛び出す、あるいはDFの裏を狙う吉原にスルーパスとはっきりしていた。24分には、その吉原にボランチのファビーニョのスルーパスが送られたが、これは土肥が勇気ある飛び出しでキャッチ。反対に26分には宮沢がDFの裏に抜け出そうとする戸田にパス。ボールは通らずDFにカットされたが、跳ね返りをアマラオがシュートと、シュートシーンの多い攻防の中、速いテンポで試合は進んだ。
石川が粘り、ケリー、戸田の連係で、狙いを形にして先制
戸田と石川がスピードと運動量を活かし、サイドを押し込む東京。ついに28分、バックラインから左サイドのスペースにロングボール出ると、石川が追いつき、相手DFに追いすがられながらもエンドライン際までドリブルで上がり、中に折り返す。これを中央にフォローに上がったケリーが後ろに流すと、右サイドから走り込んだ戸田が合わせて押し込み、ゴールイン! 狙い通りの展開をゴールに結びつけた。
反撃に出るガンバは39分、ボランチの遠藤が攻め上がり、右サイドにパス。MFの森岡が走り込み、中に送ったクロスのクリアボールが再び遠藤の前にこぼれて、ダイレクトでボレーシュート。ゴールの上にはずれたが、この時間帯は東京のピンチが続いた。40分、フリーキックのボールにマグロンが頭で合わせ、ゴール左下に狙い澄ましたシュートは、土肥の好プレーでかろうじてセーブ。41分には、吉原のポストプレーから、ペナルティエリアすぐ外でMF二川がシュート。これはDFがブロックしてCKに逃れ、ゴールは許さず。
速いリズムでゲームは進み、ロスタイムなしのまま、東京は1点リードして後半へと折り返した。
しかし魔の後半……逆転を許し、完敗
前半、アグレッシブに狙い通りのサッカーで先制した東京。問題はここからだった。ガンバは後半、森岡に替えてFW松波を投入。マグロンを中央に、右に吉原、左に松波という3トップの攻撃的な布陣に変えてきた。後半早々、右サイドで吉原が仕掛けてCKを奪うと、そのボールにマグロンがヘディングシュート。高い打点のシュートであったが、土肥がすばらしい反応を見せてセーブ。続けてCKから今度は吉原がシュートを放ち、怖さをみせる。
東京は、48分には中盤でカットしたボールから3対3の速攻を仕掛けるが、宮沢のシュートはゴールの上。49分には、左サイドから石川が中に切り込み、応対したDFをかわして強引にシュートを放つがゴール前のDFに当たりゴールならず。ガンバは51分には吉原が右サイドをドリブルで疾走、エンドラインぎりぎりまで持ち込み、マイナスのクロスにゴールエリアで二川が合わせ、DFを切り返してシュート。決定的なシーンであったが、再び土肥が阻止。執念の光ったファインセーブをみせた。
だがその2分後のことだった。ボールが両者を行き来する慌ただしい展開の中、中盤でパスカットされると、またもや吉原が右サイドへ突進。ペナルティエリア角あたりからアーリークロスを入れると、遠藤がドンピシャリのタイミングで飛び込みヘディングシュート。さすがの土肥も防げず、同点に追いつかれてしまった。
勢いに乗るガンバは吉原が再三右サイドから勝負を仕掛け、逆に東京はどんどん後手に回っていく。石川が気を吐き奮闘するも、シュートには至らず。そして62分、ガンバは中盤でのフリーキックのボールをつなぎ、遠藤がペナルティエリア右まで攻め上がり中にクロスを送る。左サイドからペナルティアーク付近にフリーで入ってきた新井場がダイレクトで合わせ、強烈なシュートがゴールイン。瞬く間に追加点を奪われた。
70分には戸田に替えて馬場を投入するも反撃の糸口が見つからず、さらに下平に替えて福田を投入しようとした矢先のことだった。76分、またもやフリーキックから、替わったばかりのFW大黒がオフサイドラインぎりぎりに飛び出しゴール。東京の選手はなすすべもなく見送った。
結局、約10分ごとに追加点を奪われ、後半は1対3で完敗。虚しい逆転負けで、呆気なくナビスコカップ、ベスト4への道は絶たれた。
【原監督の会見要旨】「1stステージの敗戦の形と同じになってしまった。前半は、(ガンバの左サイド)新井場の上がった裏を突けば逆にチャンスになると考え、彼に戸田を対面させる形でスペースを突こうとした。いい形で新井場の後ろを突き、逆サイドに展開して石川を使うというプラン通りの戦いができたと思う。後半に向けて、相手が3トップにしてくることもあり、立ち上がり15分に集中しようと話したが。ボランチのところで下がりすぎて、遠藤選手とその後ろの選手のつかみがはっきりしていなかった。その状態で、ジャーンが取って宮沢につなぎ、攻めに出掛かったときにミスパスを奪われ失点した。問題は、そのあと急に元気がなくなり、前半の勢いやゲームの中での修正が遅れたこと。その間に2点目をくらい、結果的に向こうの変化に対して修正できなかったということになる。どうしてもタイトルをめざしたいという気持ちがあり、非常に残念。ただ、このまま負け続けるわけにはいかない。リーグ戦に気持ちを切り替え、なんとかこの2日間で修正して借りは返したい」
【ガンバ大阪・西野監督の会見要旨】「前半と後半で展開ががらっと変わった。前半ビハインドを負っていたので、後半は勝ち上がるためにやることが明確になった。システムを3トップにして、選手の意識も前へと、たとえば宮本にもどんどんつなぎに中盤に入ろうと話したし、フィニッシュまでいこうと。そういうことをはっきり伝え、ハーフタイムに修正できたことがポイントになった。また予選リーグからタフな厳しいゲームをして勝ち上がってきたので、選手にもひっくり返せる自信があったのだろう。後半は評価したい。そして3日後に向けてまた整備して、この後半のようなゲームをやっていきたい」