GAME RESULT試合結果

第5節 2003/4/26(土)
観衆 14,960人 
天候 曇、弱 気温 19.6度 湿度 82% 
主審:上川 徹 副審:山口 博司/牧野 明久 四審:東城 穣

J1 1st 第5節

カシマ

HOME

鹿島アントラーズ

2-0

試合終了

前半1-0

後半1-0

AWAY

FC東京

鹿島アントラーズ FC東京
05' フェルナンド
89' エウレル
得点者
71' 平瀬 智行 → 本田 泰人
84' 小笠原 満男 → 柳沢 敦
85' フェルナンド → 石川 竜也
選手交代 64' 阿部 吉朗 → 馬場 憂太
71' 浅利 悟 → 三浦 文丈
76' 宮沢 正史 → 戸田 光洋
13 シュート 10
6 CK 6
19 FK 23
15' フェルナンド
50' 中田 浩二
57' 名良橋 晃
警告 46' アマラオ
退場
鹿島アントラーズ先発
GK 21 曽ヶ端 準
DF 2 名良橋 晃
DF 3 秋田 豊
DF 4 大岩 剛
DF 7 相馬 直樹
MF 24 青木 剛
MF 5 中田 浩二
MF 8 小笠原 満男
MF 16 フェルナンド
FW 19 平瀬 智行
FW 9 エウレル
鹿島アントラーズ控え
GK 29 高嵜 理貴
DF 22 石川 竜也
MF 6 本田 泰人
MF 10 本山 雅志
FW 13 柳沢 敦
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 20 加地 亮
DF 3 ジャーン
DF 2 茂庭 照幸
DF 17 金沢 浄
MF 7 浅利 悟
MF 16 宮沢 正史
MF 18 石川 直宏
MF 19 ケリー
FW 14 阿部 吉朗
FW 11 アマラオ
FC東京控え
GK 22 小沢 英明
DF 8 藤山 竜仁
MF 10 三浦 文丈
MF 30 馬場 憂太
FW 13 戸田 光洋

【選手・監督コメント】

アウェーゲームに堂々と挑め!


 ナビスコカップ柏戦から中2日を置いてのリーグ戦。第5節はアウェーで鹿島アントラーズと対戦する。1stステージも3分の1の節目を迎えた今日。高い気温と湿度のもとでの連戦に加え、鹿島はホームでの勝率が高い。東京は、過去の対戦成績は2勝1分3敗だが、アウェーではまだ勝ったことがない。厳しい条件が重なるが、原監督は「蒸し暑い時こそ、ピリッとしたサッカーを。攻守の切り替えを速くし、アウェーながら堂々と勝負して、自分たちのサッカーで勝とう」と意気込んだ。

 東京の先発は、前節ナビスコカップと同じメンバー。鹿島は、ケガで戦列を離れていたFW柳沢、MF本山がベンチに復帰。ゲームは東京のキックオフでスタートした。

早い時間に先制を許し


 立ち上がりから互いにコンパクトな布陣を保ち、スペースをつくらせず対抗する。東京は1分に直接FK、2分にCKを得るが、いずれも宮沢のキックにゴール前で合わせられず。5分、阿部のクロスから右サイドで石川が攻め込むが、ゴール前で奪われ、鹿島の反撃を受ける。鹿島はこのボールをつないで、MFフェルナンドが右サイドへパス。MF青木がペナルティエリア外側から思いきりよくシュートを放つと、土肥がセーブ。こぼれ球をジャーンがクリアしたが、ペナルティアークのすぐ外に転がり、詰めたフェルナンドにフリーでシュートを許してしまう。フェルナンドはあっさり左下に決め、早くも先制ゴールが生まれてしまった。

 この先制点が、東京には重くのしかかった。出足の速い鹿島に対して、守ってはプレスがかからず、かわされパスをつながれて押し込まれていく。8分には鹿島DF名良橋がミドルシュート。11分には、左サイドからのクロスを、東京DFの裏に飛び出したFW平瀬がシュート。土肥が詰め寄り、ファインプレーではじいたが、こぼれ球を拾われてゴール前で左右に振られると、後ろから走り込んだMF小笠原がシュート。これも土肥がセーブして、ようやくCKに逃れた。

 だが東京もチャンスがないわけではなかった。22分、阿部→浅利とつなぎ、中央でケリーがアマラオに預けてゴール前に突進。アマラオは一旦右サイドに振ると、ゴール前に走り、石川のクロスをヘッドで落とす。これをゴールを背に受けたケリーが、GK曽ヶ端の至近距離からヒールキックでシュートを放ったが、惜しくも正面を突いてしまった。24分にはケリーがペナルティエリアで相手DFの間をすり抜けるようにドリブル突破。GKと1対1になるが、GKの出足が一歩速く、キャッチされる。

決定機にゴールを奪えず


 なかなかリズムの作れなかった前半だが、終盤にも攻め込み、42分には浅利→アマラオから、右サイドにパス。だがケリーがフリーで放ったシュートは力なく、GKがキャッチ。ロスタイムには左からのクロスをアマラオが競り、ボールの落ち際に左サイドから石川が回り込んでシュートを放ったが、右にはずれ、1点ビハインドのまま後半へと折り返した。

 ハーフタイムの原監督の指示は「阿部はもっと前で勝負するように。チャンスはあるので、ゴール前では時間をかけずに仕掛けて勝負していこう」というもの。その指示どおり49分には、DFの裏に抜け出ようとした阿部に宮沢からパスがわたるが、オフサイドに。一方で、鹿島ボールを高い位置で奪うことができず、自陣ゴール前で奪い、前線にロングボールを送ってもセカンドボールを拾えず、悪循環に陥った。

 60分には、金沢が左サイドからペナルティエリアに侵入、DFをかわして右足でシュートを放つがゴール左に。61分には加地のクロスに阿部が前線に抜け出したかに見えたが、ボールは鹿島・名良橋がクリア。64分には阿部に替えて馬場を投入。徐々にリズムをつかむ東京だが、鹿島の執拗なDFの前に

なかなかフィニッシュに持ち込むことができない。71分には浅利に替えて三浦を投入。立てなおしを図ろうとするが、鹿島も同じ時間に平瀬に替えてMF本田を投入し、守りを固めてきた。

隙を突かれ、試合巧者に敗れる


 72分には、右サイドのスローインを受けて宮沢が中央へ回り込みながらシュート。立て続けに2本のCKを得るが、石川のシュートもゴールの上に。76分には先のシュート時に左くるぶし内側を蹴られ傷んだ宮沢に替えて戸田を投入。アマラオ、石川、戸田を前線に、中盤にケリー、馬場を置き、三浦のワンボランチで1点を取りにいった。77分にはカウンターから、前線で戸田が競ったボールに馬場がシュートを放つも枠をそれる。78分DFの裏に抜け出した戸田に、抜群のタイミングで金沢からパスがわたるが、DF大岩の出足が速く粘り強い守備に阻まれてしまった。79分には、左サイドのアマラオのスルーに再び戸田が抜け出すが、オフサイド。鹿島陣内で試合は進むが、引いて守る鹿島の守備にてこずり決定的なシーンは作れない。

 鹿島は残り5分のところで、小笠原に替えてFW柳沢を、フェルナンドに替えてDF石川を投入。87分に東京がカウンターで速攻を仕掛けるも、ゴール前に人数をかけた守備でシュートは打たせてもらえなかった。そして89分には、前掛かりになった隙を突かれ、柳沢がドリブルで攻め上がる。中央で一旦は加地がカットしたが、左サイドにこぼれたボールを鹿島本田に拾われ、今度は右サイドへグラウンダーのパス。このボールが駆け上がってきたエウレルにわたり、フリーでシュートを打たれるとゴールイン。全般を通して試合巧者であった鹿島に2点目を奪われ、万事は休した。

【選手コメント】《茂庭》「スタンドの声と雰囲気に圧迫されて、自分たちの声が通らなかった。それ以来、連係についてはアクションで起こすようにしていたが・・・」 《金沢》「集中して試合に入ろうと言っていたが、最初の失点でリズムを作れなくなってしまった。後半はうまく守られてしまった。もう少しサイドから攻めることができればよかったが・・・」

【原監督の会見要旨】「試合の入り方に失敗した。鹿島は予想以上にプレスをかけ、セカンドボールをほとんど拾われた。開始5分で決められ、出端をくじかれた。そこを耐えて我々も何回かチャンスをつくったが、決められないことが課題だ。ただゲームの内容は決して悪いとは思わない。勝負をかけて、最初と最後にやられたということ。鹿島は内容がすごくいいとは思わないが、1点取れば逃げ切れる。試合巧者だというのが正直な今の感想だ。すぐ次の試合があるので、気持ちを切り替えて臨まなければいけない」

【鹿島・セレーゾ監督の会見要旨】「前半、あれだけ主導権を握ってチャンスをつくっていれば、2、3点は取っていなくてはいけなかったと思う。相手はアウェーでは引き分けを狙ってくると予想していたが、後半は選手の疲労からか、相手にスペースを与える事があった。東京はそこをうまくサイドチェンジで揺さぶって散らし、サイドバックが上がってきていた。サイドに流れる選手や、スペースをついてくるケリーに対して時間を与えてしまい、ビルドアップの意識が薄くなっていた。相手は後半20分ぐらいから選手を入れ替えてきたが、東京にはいい若手が育ってきているなというのが正直な感想。センターバックの前のスペースを使われ始めたので、中央にしぼれと指示。そして4バックにして相手のサイドバックを上がらせないようにした」