GAME RESULT試合結果

第11節 2003/7/06(日)
観衆 21,742人 
天候 曇、無 気温 24.0度 湿度 75% 
主審:布瀬 直次 副審:蒲澤 淳一/五十川 和也 四審:東城 穣

J1 1st 第11節

味スタ

HOME

FC東京

2-0

試合終了

前半1-0

後半1-0

AWAY

ベガルタ仙台

FC東京 ベガルタ仙台
24' 宮沢 正史
85' 戸田 光洋
得点者
68' 阿部 吉朗 → 戸田 光洋
80' アマラオ → 馬場 憂太
84' 宮沢 正史 → 浅利 悟
選手交代 59' 財前 宣之 → 福永 泰
75' 森保 一 → 中原 貴之
83' 森川 拓巳 → 中田 一三
16 シュート 9
5 CK 0
25 FK 21
38' ケリー
89' 馬場 憂太
警告 29' 佐藤 寿人
87' 石井 俊也
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 35 徳永 悠平
DF 3 ジャーン
DF 2 茂庭 照幸
DF 17 金沢 浄
MF 10 三浦 文丈
MF 16 宮沢 正史
MF 18 石川 直宏
MF 19 ケリー
FW 14 阿部 吉朗
FW 11 アマラオ
FC東京控え
GK 31 近藤 健一
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 30 馬場 憂太
FW 13 戸田 光洋
ベガルタ仙台先発
GK 22 高桑 大二朗
DF 19 森川 拓巳
DF 4 小村 徳男
DF 5 ファビアーノ
DF 17 根本 裕一
MF 15 石井 俊也
MF 27 森保 一
MF 6 阿部 敏之
MF 10 財前 宣之
FW 13 山下 芳輝
FW 11 佐藤 寿人
ベガルタ仙台控え
GK 1 小針 清允
DF 3 中田 一三
MF 7 千葉 直樹
MF 20 福永 泰
FW 29 中原 貴之

【選手・監督コメント】

優勝戦線への生き残りをかけて、1stステージ再開


 昨日よりJ1リーグ1stステージが再開。第11節東京対ベガルタ仙台戦は他カードより一日遅れの日曜開催となった。リーグ再開後の初戦だが、今日は優勝戦線に生き残りをかける重要な一戦。ホームで必ず勝ち点3を奪取し、1stステージ終盤戦に向けて勢いに乗りたい。

 東京はアマラオをトップに、左に阿部、中央にケリーを置く4-5-1の布陣。加地が警告累積により出場停止のため、右サイドバックには特別指定選手の徳永(早稲田大在学中)が初の先発となった。 現在12位の仙台は、中断明けにケガで戦列を離れていたGK高桑、DF小村・森川、MF財前らが続々と復帰。一方でMF岩本・シルビーニョ、FWマルコスの主力を欠き、なかなかベストメンバーが揃わず苦しい状況。だが強固な守備からFW山下・佐藤が繰り出すカウンター攻撃には大いに注意が必要だ。試合は曇り空ながら75パーセントという高い湿度のもと、東京のキックオフで始まった。

鮮やかな宮沢のFKで先制!


 開始1分経たないうちに徳永が右からクロス。2分にも石川→徳永のコンビから右サイドを崩し、5分にも石川がクロス。9分には宮沢のFKをアマラオがヘッドで落とし、DFにあたったこぼれ球をジャーンがシュートするも枠の上に。11分には徳永の粘り強いドリブルからケリーがサイドに振り、石川のクロスにケリーが合わせるが、仙台DFがカット。一方の仙台もカウンターからチャンスを作ろうとするが、パスがつながらない。東京が主導権を握る中、16分には宮沢がミドルシュート。20分には左サイドを上がった金沢が粘り、CKを得る。21分には右サイドからのグラウンダーのFKを石川が中央で受け、ダイレクトでシュート。DFに阻まれたが続々とチャンスを作る。

 そして迎えた24分、ペナルティアークの外側で仙台DFがハンドの反則。東京は約25mのFKを得ると、石川と宮沢がボールの前に並んだ。そして石川をおとりに宮沢が魔法の左足で直接狙うと、ボールは美しい弧を描いてゴール右にイン! 宮沢の芸術的なFKで先制点を奪った。

 勢いづいた東京はその後もゲームを支配し、チャンスを作る。26分は、徳永のグラウンダーのクロスをアマラオが受け、左に振るとペナルティエリアの中に攻め上がっていた宮沢がシュート。フリーで決定的な場面であったが、ボールは枠の上に。28分には左サイドで阿部が勝負をかけ、こぼれ球を拾った石川が再び左サイドをドリブル突破、DFを切り返してゴール前を横切るように強いグラウンダーのパスを送るが、ファーサイドのアマラオには間一髪で合わず。

後半、仙台に支配されるも失点は許さず


 32分には仙台MF石井がミドルシュートを放つが、これが仙台の1本目のシュート。34分にもパスカットをしたMF森保が自ら攻め上がり、シュートを放つが茂庭がカット。東京は36分に阿部のクロスを中央でつなぎ、石川がクロス。DFがカットしたこぼれ球に金沢がシュート。GK高桑がはじいたところにケリーが詰める。惜しくもオフサイドにかかったが、ワイドな攻めからよい形を作った。42分には、石川のドリブルから阿部がポストでパスを受け、後ろから走りこんだアマラオがシュート。だがボールは大きくそれた。攻める東京、カウンターの仙台という展開の中、43分には仙台が速攻を仕掛け、前線の山下が右サイドにパス。石井のクロスにFW佐藤が絶妙のタイミングでヘディングシュートを放つがゴールをそれた。東京は追加点こそ奪えなかったが、1点リードで後半へと折り返した。

 だが後半、最初にチャンスを作ったのは仙台だった。48分に左スローインからDF根本がクロスを上げると、ファーサイドで山下が折り返し、ペナルティエリア内で石井がボレーシュート。ボールはわずかに左に切れた。だがこのワンプレーによって、東京は「怖がって引いてしまった」と原監督。50分には、カウンターからするするとペナルティエリアに駆け上がった根本がフリーでシュート。52分には、またもや根本のクロスにゴール正面で山下が合わせダイレクトでシュート。いずれも土肥のセーブでピンチは切り抜けたが、中盤でルーズボールを拾い出した仙台が、根本のキレのある動きと精度の高いクロスから決定的な場面を作り出した。

 粘り強く守り、失点こそ許さない東京だが、攻撃では一転して後手に回り、パスがつながらず、攻め込むことができない。67分に金沢のクロスに合わせたアマラオのヘディングが、後半1本目のシュートとなった。しかし68分に阿部に代えて戸田を投入。原監督の意図は「豊富な運動量を活かし、大きな動きをしてスペースへ走ること。こぼれ球を拾って流れを変えること」というもの。この狙いが当たり、徐々にリズムを取り戻していく。

戸田のビューティフルゴールで仙台を突き放す!


 71分に金沢の突破からCKを得ると、ジャーンがヘディングを叩きつけるが、ゴールの左に。74分には左サイドでケリーが粘り、フォローに上がった宮沢がペナルティエリアの中に侵入。クロスはDFがカットしたが、そのこぼれ球に詰めた石川が強烈なシュート。決定的であったが、ボールはDFファビアーノがヘッドでクリア。見事なファインプレーに阻まれてしまった。続く75分にはケリーのパスをエリア左外で受けた戸田がシュート。76分にも徳永のアーリークロスに、戸田が飛び込みダイビングヘッド。ゴールをとらえることはできなかったが、あきらめずにフィニッシュに持ち込み、果敢な姿勢をみせる。

 仙台は75分にボランチの森保に代えてFW中原を投入、3トップにして“まず1点”をもぎ取りにくる。東京も80分にはアマラオに代えて馬場を投入。馬場には「前でタメが作れずボールが動かなくなっている。ボールを引き出すように」と指示。84分には宮沢に代えて浅利を入れ、バランスを取りながらも、“もう1点”を狙いにいった。そしてその直後だった。中盤左寄りの浅利がサイドチェンジのパスを石川に。石川は右サイドで突破を仕掛け、ゴールライン際から速く低い弾道のクロスを上げる。これに対し、ゴール中央に飛び込んだ馬場をおとりに、すぐ後ろでフリーになった戸田がピンポイントで合わせボレーシュート! 目の覚めるようなゴールを左下に叩き込んだ!! 待ち焦がれた追加点で仙台を突き放し、タイムアップ。リーグ再開後の初戦を勝利で飾るとともに順位も6位に浮上。10位までが勝ち点1差で並ぶ混戦の中、残り4試合に連勝をかけ突き進む!

【選手コメント】《戸田》「交代出場の時は押し込まれていたので、前からきっちり守備をして、最悪は1-0のままでもいいから必ず勝つという気持ちで入った。ゴールの前にダイビングヘッドのシュートをはずしたが、このプレーで枠にいくイメージが掴めた。石川選手がいいクロスを上げてくれ、8割は彼のゴールだと思うが、決めることができてよかった」 《徳永》「最初は緊張したが、声を出していくうちに慣れてきた。石川選手とコミュニケーションをとり、スペースを作ってくれることで攻め上がることもできた。ペースを考えず、始めから飛ばしていったので最後は足がつってしまったが、勝てたことが一番よかった。これから、もっと周囲とのコミュニケーションを図っていくことが必要だと感じている」

【原監督の会見要旨】「ナビスコカップ柏戦では、内容は悪くないながらも得点が入らなかった。しかし失点はしていないので、このサッカーを続けようと思っていた。仙台は引いて守り、鋭いカウンターを仕掛けてくるチーム。できるだけサイドに開き、シンプルにサイドを突けば流れの中からゴールできるし、セットプレーから先取点が取れれば勢いに乗れると、選手には話していた。宮沢のゴールで狙いどおりとなったものの、前半のうちにもう1点取っておきたかったが…。後半の序盤も苦しい時間帯があったが、そこで失点せず、戸田の投入で流れが変わった。彼のひたむきさや“チームのために”という姿勢が表れた。最後に決めてくれてよかった。徳永の起用については、彼の力は僕も選手たちもわかっていた。堂々とプレーしていたし、大きな戦力になっていたと思う。昨日は浦和対大分戦を視察したが、FK1本でガラッと流れが変わった試合だった。そのようにJリーグはどのチームも差がない。大混戦の中、今後も一つ一つ勝っていくことが大事だ」

【仙台・清水監督の会見要旨】「前半はどっちつかずの展開だった。FKから1点を失ったものの、東京の攻め上がりをダウンさせることができていたと思う。後半に入り、20分ごろまでは何回かチャンスを作り、よかったと思う。しかし1点を返そうとリスクを冒して攻めに出たところ、カウンター気味に取られてしまった。悪い展開ではなかったが…。けがの選手が多く、交代で入った若いメンバーがまだ機能していないかもしれない」