GAME RESULT試合結果
第14節 2003/7/27(日)
観衆 20,246人
天候 曇、中 気温 23.6度 湿度 70%
主審:太田 潔 副審:竹内 元人/安食 弘幸 四審:蒲澤 淳一
J1 1st 第14節
国立
1-0
試合終了
前半1-0
後半0-0
FC東京 | 京都サンガF.C. | |
---|---|---|
02' 戸田 光洋 |
得点者 | |
45' 三浦 文丈 → 浅利 悟 70' 阿部 吉朗 → 鈴木 規郎 86' 宮沢 正史 → 藤山 竜仁 |
選手交代 |
45' 松井 大輔 → 大野 敏隆 64' 鈴木 和裕 → 黒部 光昭 74' 中払 大介 → 中村 忠 |
14 | シュート | 12 |
4 | CK | 10 |
24 | FK | 23 |
84' 浅利 悟 |
警告 |
22' 鈴木 慎吾 78' 角田 誠 |
退場 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 35 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 10 | 三浦 文丈 |
MF | 16 | 宮沢 正史 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
FW | 14 | 阿部 吉朗 |
FW | 13 | 戸田 光洋 |
FW | 11 | アマラオ |
GK | 31 | 近藤 健一 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 34 | 梶山 陽平 |
MF | 27 | 鈴木 規郎 |
GK | 1 | 平井 直人 |
DF | 27 | 角田 誠 |
DF | 32 | 林 裕煥 |
DF | 5 | 手島 和希 |
DF | 4 | 鈴木 和裕 |
MF | 14 | 中払 大介 |
MF | 16 | 斉藤 大介 |
MF | 6 | 石丸 清隆 |
MF | 7 | 鈴木 慎吾 |
FW | 15 | 町田 忠道 |
FW | 10 | 松井 大輔 |
GK | 21 | 上野 秀章 |
DF | 2 | 辻本 茂輝 |
MF | 3 | 中村 忠 |
MF | 31 | 大野 敏隆 |
FW | 9 | 黒部 光昭 |
【選手・監督コメント】
ホーム最終戦を勝利で飾り、上位進出を
第14節は、今ステージのホームゲーム最終戦として国立競技場で京都パープルサンガと対戦する。他カードより一日遅れの日曜開催となり、昨日の段階でわずかに残っていた優勝の望みは断たれた。その上、今日はケリー、馬場を出場停止で欠く苦しい状況だが、ここで簡単に敗れるようであれば上位進出とともに、今後につながる戦いも望めない。アマラオをトップに、右に石川、左に阿部、戸田を2列目に置く布陣で、勝利めざす。
一方京都も現在勝ち点7で最下位に沈み、苦しい状況。しかし、ピム新監督を迎え、気分も一新。浮上に向けて必死の反撃が予想される。だが、ホームで多くの人々の声援に応えるためにも負けるわけにはいかない。昼間は久々にすっきりと晴れ渡ったが、夕刻を迎えて涼しさが感じられる中、ゲームは東京のキックオフでスタートした。
DFの裏を突き、戸田のループシュートで先制!
1分、宮沢から左サイドのDFの裏に抜け出した阿部にパスが通り、阿部はペナルティエリアに突進。ゴール前へグラウンダーの鋭いパスを送り、中央から戸田が飛び込む。わずかに滑り込んだ戸田の足には合わなかったが、開始早々東京がビッグチャンスを迎えた。このプレーで京都はゴールキックを得たが、東京が自陣でボールを拾いアマラオへとつなぐ。相手守備に阻まれたが、こぼれ球を宮沢が拾うと、機を逃さず前線へ浮球のパス。このボールがDFの裏を突いて走り出した戸田の足元にピタリと渡り、戸田は前に飛び出したGKの頭越しにループシュート。ボールはスタンドの祈るような気持ちが乗り移ったような弾道を描いてゴールイン! 「相手DFの裏を突く」という今日の狙い通りの展開から、先制点をゲットした。
早い時間帯の先制により大量得点の予感もさせながら、アグレッシブに試合を進める東京。3分には宮沢の左サイドからのFKを受けた石川がシュート。8分には、金沢からのロングパスを追って、戸田とアマラオが猛然と前線へダッシュ。GKのヘッドでのクリアボールを拾ってアマラオがオーバーヘッドシュートを放つ。9分には、中盤での競り合いからボールを奪い、石川が自陣から前線に判断よくスルーパス。再びゴール前に抜け出した戸田がGKと1対1のビッグチャンスとなるが、惜しくもGKのセーブに阻まれた。
再三GKとDFの間にボールを送り、ゴールを狙う東京。12分には石川のアーリークロスに対し相手DFが処理をもたつき、こぼれ球を拾ってアマラオがシュート。だがゴールの左に外れると、このシュートを最後に京都に主導権を握られることとなる。
主導権を握られるも土肥がファインプレーを連発
16分、京都MF松井が中盤左サイドからトリッキーなパス。これが中央でフリーのMF石丸に渡り、左サイドからゴール前に走り込んだMF鈴木慎にスルーパスを通されてしまう。ピンチは土肥の果敢な飛び出しで切り抜けたが、25分には松井から右サイドにオーバーラップをかけたDF角田にクロスを上げられ、土肥がCKに逃れる。このCKがゴール前の至近距離に詰めていたDF林の足元にこぼれ、決定的なシュートが。しかしこれも土肥が左手1本で阻んだ。
土肥のファインプレーもあり、ゴールは許さない東京。だが中盤ではプレスがかからず、京都の支配を許して押し込まれる時間帯が続く。12分まではシュート6本を打ち、京都は0に押さえていたが、その後37分までに6本のシュートを打たれてしまった。ようやく42分、ゴールキックから右サイドのペナルティエリアに走り込んだ阿部がシュート。43分には相手ゴールキックを奪ってつなぐと石川が右サイドを疾走。中へ切り返してシュートするも相手DFがブロック。1点を挙げるにとどまり、後半へと折り返した。
後半から、東京は三浦に代えて浅利を入れ、左に戸田、前に阿部を置く布陣。京都は松井に代えてMF大野を投入してきた。京都は開始直後、その大野がエリアに走り込んだFW町田にスルーパスを送るが土肥がキャッチ。東京は47分に宮沢がミドルシュートを放つが、枠をとらえることはできない。しかしボールを大きく動かす京都の優勢は変わらず、54分には大野が右サイドのスペースに出すと、フリーで上がった角田がシュート。56分にはMF中払の右サイドのグラウンダーのクロスに中央で受けた町田がトラップして反転。一瞬のうちにフリーになるとゴール至近距離でシュートを放つが、これも土肥が勇気ある飛び出しでセーブし、決定的なピンチを切り抜けた。攻撃では63分、アマラオの落としから宮沢が前線に飛び出した浅利にロングパス。浅利はペナルティエリアに持ち込みシュートを放ったが、DFに阻まれた。
苦しみながらも勝利で飾り、4位に浮上!
京都は64分、DF鈴木和に代え、約2か月ぶりにケガから明けたFW黒部を投入。3‐4‐3の攻撃的な布陣にして臨んできた。65分には速攻から、その黒部のポストを使ってゴール前への攻め込んだ京都だが、ジャーン、金沢がピンチの芽をつみ反撃。カウンターに持ち込み、石川が右サイドからシュート。CKを得る。70分には阿部に代えて鈴木をイン。73分には京都・大野のミドルシュート、74分、75分には立て続けにCKを許す連続ピンチをしっかり守り切ると、土肥のスローイングからカウンターをしかけ、右サイドを鈴木がドリブルで駆け上がり、右エリアに入ったところからシュート。しかしボールは左に切れた。
浅利が体を張り、茂庭が集中の途切れぬ守備で力を発揮。86分には宮沢に代えて藤山を投入し、京都の攻撃は食い止めた。だが終盤は4分のロスタイムを含め、チャンスを作れず、タイムアップ。しかし試合展開は決して芳しいとは言えないものの、1点を守り切りリーグ戦5戦連続無失点で完封勝利。順位も4位にアップし、1stステージのホームゲームを5勝2分の負けなしで終えた。
ステージを通したスタンドの熱いサポートに対して、試合終了後には選手全員が集合し、感謝の気持ちを示した。原監督は、「今日は1点しか取れませんでした。けれど、今の守備力を活かして、もっと点が取れるようにがんばります。いつも熱い応援をしていただいていますが、どうぞこれからもよろしくお願いします」と述べ、最終節の磐田戦、また今後の戦いへ向けて躍進を誓った。
【選手コメント】《藤山》「中盤で拾うことが狙いで入った。ボランチでもセンターでも役割は同じで難しくはなかった。京都の攻撃は遠目からシュートを打たせている部分ではOKだった。だが怖くはなかったが危ない場面はあった。ここで負けないことが大きい。この順位にいる要因だと思う」 《鈴木》「石川選手が持った時に動き出しを速くすること、アマラオ選手の近くでボールを拾うこと、戸田選手の作ったスペースに走り込むことを考え、受けたらどんどん勝負していこうとした。(惜しいシュートがあったが)決めて当然の場面だったので、満足はできない。右足で打ってもよかったと思っている」
【原監督の会見要旨】「非常に厳しい試合になってしまった。ピム新監督を迎えた京都だが、DFの後ろにボールが入ればチャンスになると考えていたし、実際にすぐに点が入った。今日はケリーが出場停止で、その代わりを誰かに求めるのは難しい。シンプルに戸田を2列目からスペースに飛び出させ、阿部も走らせる作戦でいった。最初はプレッシャーをかけながら奪ってスペースへということがうまくできていた。その時にもう1点取れれば大量得点の可能性もあったが。京都はコンパクトで、前線にボールを入れた時の押し上げが速く、細かいパスをしている間に取られて反撃された。中盤で展開されたり、サイドを変えられたりと苦しかった。三浦が足のケガで本調子でないので、後半は浅利を入れ、こぼれ球を拾わせて、両サイドからクロスをアマラオに入れるという作戦を徹底した。土肥がしっかり守っているのももちろんだが、ケリーも馬場もいない苦しい中で勝ち点3を取った。ただ、いろいろなプレーの質はもっと上げていかなければいけない。次のアウェーの試合で真価が問われると思う。去年のお返しも含めて勝ちにいく。それがまたチームを一歩前進させると思う」
【京都・ピム監督の会見要旨】「最下位であり、アウェーという状況を考え併せると、今日我々が戦ったプレーとは全く違ったことをしなければいけなかった。開始2分で失点してしまい、88分間をリスクを背負って戦うというのは、我々の今の状況から考えると、すべきではない。前半15分~20分に関しては、試合前に話していた戦術について忘れていたようで、非常にがっかりした。オーガニゼーションが全くなかったが、1失点で食いとめられたことはラッキーだった。前半の最後20分は、ボールをキープしてゲームをコントロールし、チャンスを数回作った。後半に関しては、ほとんどの時間を相手陣内に押し込んで戦えた。キープするために松井に代えて大野を入れた。ラスト25分には黒部を投入して、東京DFにプレッシャーをかけたかった。得点のためにリスクを負って、考えられる手段を尽くしたが、残念ながらゴールはできなかった。そこで決めるには運も必要なのかもしれない。しかし、あまりにも簡単に相手にゴールを許してしまうようなプレーをしており、もっとプロフェッショナルな戦い方をしなければいけない」