GAME RESULT試合結果

第15節 2003/8/02(土)
観衆 16,310人 
天候 晴、弱 気温 27.0度 湿度 77% 
主審:岡田 正義 副審:石山 昇/谷内 浩仁 四審:唐紙 学志

J1 1st 第15節

磐田

HOME

ジュビロ磐田

1-0

試合終了

前半0-0

後半1-0

AWAY

FC東京

ジュビロ磐田 FC東京
75' 藤田 俊哉
得点者
67' ジヴコヴィッチ → 川口 信男
84' 前田 遼一 → 西野 泰正
88' 名波 浩 → 成岡 翔
選手交代 45' ジャーン → 藤山 竜仁
53' 阿部 吉朗 → 馬場 憂太
75' 宮沢 正史 → 浅利 悟
12 シュート 11
8 CK 4
18 FK 24
35' 河村 崇大
警告 17' 三浦 文丈
68' 馬場 憂太
退場
ジュビロ磐田先発
GK 1 ヴァン ズワム
DF 2 鈴木 秀人
DF 5 田中 誠
DF 14 山西 尊裕
MF 10 藤田 俊哉
MF 4 河村 崇大
MF 23 福西 崇史
MF 15 ジヴコヴィッチ
MF 7 名波 浩
FW 8 グラウ
FW 18 前田 遼一
ジュビロ磐田控え
GK 21 髙原 寿康
DF 27 菊地 直哉
MF 13 川口 信男
MF 19 成岡 翔
FW 26 西野 泰正
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 35 徳永 悠平
DF 3 ジャーン
DF 2 茂庭 照幸
DF 17 金沢 浄
MF 10 三浦 文丈
MF 16 宮沢 正史
MF 18 石川 直宏
FW 13 戸田 光洋
FW 14 阿部 吉朗
FW 11 アマラオ
FC東京控え
GK 31 近藤 健一
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 33 呉 章銀
FW 30 馬場 憂太

【選手・監督コメント】

1stステージ最終節、逆転優勝を狙う磐田に挑む!


 最終節を迎えた1stステージ。締めくくりは敵地に乗り込み、ジュビロ磐田と対戦する。現在4位につける東京。今日勝てば3位以内に入る可能性を残し、めざすは勝利のみ。さらに強豪磐田に対しどんな戦いを挑んで勝つのか、今シーズン前半戦の集大成としても期待がかかる。

 一方でステージの優勝争いも今節までもつれこみ、2位の磐田にとっても逆転優勝がかかった重要なゲーム。目の色を変えて勝ち点3を奪いにくるだろう。どちらにとっても結果が問われる一戦が、東京はケリー、磐田はMF西、服部が出場停止と、互いにキーマンを欠く中での戦いぶりにも注目だ。今ステージのラスト90分は、梅雨が明け昼間からの蒸し暑さが続く中、東京のキックオフで幕を開けた。

押し込まれるも、ゴールは死守!


 試合は序盤から磐田がチャンスを作った。東京陣内でルーズボールを奪ったMF藤田が右サイドのスペースへパス。FWグラウが追いつき、東京DFをかわすとペナルティエリアに侵入してシュート。土肥がCKに逃れるが、このCKからMF福西が打点の高いヘディングシュートを放つ。東京は4分、左スローインのボールを受けた阿部が中央へ持ち込み、エリアの外からシュートするも、相手GKがキャッチ。その直後に磐田はグラウが強烈なFKで直接ゴールを狙う。6分には福西のスルーパスに対し藤田がゴール前に抜け出すが、土肥が抜群のタイミングの飛び出しでキャッチ。7分にはMF名波から右サイドのグラウにスルーパス。中央右よりからシュートを放ったが、これも土肥のセーブでCKに逃れた。東京は18分に宮沢の蹴った長いFKにジャーンがヘッドで飛び込むが、枠を捉えることができない。

 磐田は巧みなパスワークからワイドに展開、グラウがよく前線で起点になり、後ろから藤田、名波や福西が次々とフォローに上がり、分厚い攻めを仕掛ける。21分には左のグラウから攻め上がる福西にパス。ペナルティエリアまで侵入すると左に振り、再び受けたグラウがクロス。このボールに後ろから走りこんだ藤田がドンピシャのタイミングでヘディングシュート。わずかに右にはずれ、決定的なピンチは逃れた。22分には、右サイドの名波が巧みなキープから反転してゴール前に浮き球のパス。これに抜群のコンビネーションで藤田が飛び込み、ゴール前にヒールで落とすが、ジャーンがクリア。

 東京は、動き出しの速い磐田のプレーに押され、低い位置で奪っても磐田のプレスの前にボールをつなげることができない。26分には敵陣内で阿部が倒されて得たFKにジャーンがヘッドで合わせる。29分には、右サイドを上がった徳永→石川とつなぐと、石川のシュートのクリアを拾って宮沢がミドルシュート。だがいずれもゴールをはずれた。33分には、磐田の精度の高いFKに対しゴール前で土肥とDFが交錯。ボールがこぼれ、あわやオウンゴールかというピンチを迎えたが、カバーに入った徳永がスライディングでクリアするとボールはバーに当たったが辛うじてゴールは免れた。押し込まれながらも体を張った守備でゴールを許さなかった。

気迫の守備で、ともに無得点のまま時間が進む


 奪ってからの組立に苦しむ東京だが、決してチャンスがないわけではなかった。38分には、右サイドからのスローインを受けた石川がスピードで勝負。エリアの中まで突進しシュートを放つ。41分にはCKをつないで、宮沢が左サイドからクロス。相手GKのクリアを右エリアで茂庭が拾うと鋭い反転からDFを振りきってフォローする石川へ絶妙のタイミングでパス。そのパスを受けた石川がゴール右からニアサイドに強烈なシュートを放ったが、磐田GKヴァンズワムの好セーブに阻まれた。この時、ゴール前の競り合いでジャーンが負傷。治療中はアマラオが最終ラインまで下がってカバーし、ゴールを死守する東京。結局前半は0-0で折り返し、磐田の焦りを誘うべく、後半へと望みをつないだ。

 後半は右膝を負傷したジャーンに代わり藤山がイン。開始直後の46分、左の金沢から中央でパスを受けた阿部が、ワンタッチで磐田DFの間を突破。DFと競りながらシュートを放ったが、わずかにゴール右に切れた。3分には左クロスをDFがクリア。このボールを拾って三浦がダイレクトでシュート。流れを引き寄せようと、8分には阿部に代えて馬場を投入した。

 だが最初こそチャンスを作ったが、落ち着きを取り戻した磐田に再び押し込まれる展開に。56分にはゴール正面でMFジヴコヴィッチを倒し、磐田にFKを与える。藤田が直接狙ったシュートは土肥がセーブ、こぼれ球を茂庭がクリアしたが危ういシーンであった。62分には後方からのパスを受けた馬場がしっかりキープして右に流れると、角度を変えてゴール前にスルーパス。左から走りこんだ戸田に通るが、相手DFの速い寄せに阻まれてフィニッシュには持ち込めなかった。65分には、再びゴール正面で磐田のFK。名波の左上を狙ったシュートは土肥がスーパーファインセーブ。名波が頭を抱えて悔しがるほど完璧なコースにボールは飛んだが、土肥が僅かに触りポストをかすめてCKに逃れた。

 磐田は67分にジヴコビッチに代えて左MFにスピードのある川口を投入。しかし激しい奪い合いを繰り返して疲れもでてきたのか、互いに決定的なチャンスは作れず、時間が経過した。

前年王者の勝負強さに屈するも、過去最高の成績で1stステージを


 迎えた75分、宮沢に代わり浅利を投入しようとした直前のことだった。磐田がゴール前のFKを早いリスタートから始めると、右サイドで藤田が粘り、一旦は後ろへ。MF河村→名波とつなぐと、名波はダイレクトで右サイドのスペースへパス。これに河村が追いつき、エンドライン際から折り返す。これに藤田がドンピシャのタイミングで右から中央に飛び込み、ヘディングシュート。ここまでよく守っていた東京DFだが、この藤田の飛び出しを捕まえきれず、遂に失点を許してしまった。

 ビハインドを背負いながら、浅利を投入。77分には右サイドのアマラオからエリア内の石川へ。石川は判断よくゴール前にスルーパスを送ると、ゴールを背に受けた馬場が反転してシュートまで持ち込むがGKにキャッチされた。83分には三浦が攻め上がり、ゴール前で倒されFKを得る。このペナルティアーク外側からのFKを馬場が直接狙ったが、ボールは僅かに左上にはずれて同点ならず。磐田の追加点は全員の厳しい守備で許さなかったが、ロスタイムに金沢のクロスに合わせたアマラオのヘッドもゴールを捉えることができず。無念の0対1で敗れてしまった。

 しかし1stステージを7勝4分4敗、失点をリーグ最少の11で終えて4位に。昨年の2ndステージの5位を抜き過去最高の成績を収めた。「得点」という課題は残るものの、どんな状況におかれても大崩れすることなく粘り強さを発揮した。チームは少しづつだが確実に成長を見せている。悲願の「初タイトル」獲得に向け、休む間もなく始まる2ndステージそしてナビスコカップにつなげたい。

【選手コメント】《三浦》「磐田は、絶対に勝ち点3がほしかったはず。ウチはそれを0失点で押さえ、攻めに出てきた裏を突いて一刺ししたかった。今季はそういう戦いはできていたし、途中までは狙い通りの展開だったが…。磐田は藤田と名波が軸。厳しいがそこを押さえなければいけなかった」 《金沢》「パスを回されるのはある程度覚悟していたが、最後は疲れも出た展開となった。磐田は狙いどころにボールがいき、強さは確かに感じられたが、東京も徐々にチーム力は上がってきている。守備が固いのは、まじめに動いて早く戻っている結果だと思う。これからはもう少し攻撃参加の部分で狙いをもって、一歩ずつ上をめざしたい」

【原監督の会見要旨】「磐田には優勝のチャンスがあったが、我々にも3位になれるチャンスがあったので勝ちたかった。昨年の対戦では大量失点で敗れているし、今日はケリーがいないこともあり、厳しい試合になると思っていた。しっかり守ってカウンターから得点したかったが。後半の阿部のシュートなど、決まっていればまた違った結果にもなっていたかなと思う。パス回しの速さや、FKの速いリスタートには気をつけていたが、結局こぼれ球を再度拾われて破られてしまった。ただDFに関してはよく守っている。決して引きすぎて守っているとは思わないし、4位というのは少しずつチームの力がアップしている結果だと思う。今後は点を取ること、そのための形を作ること。いかに取るか、課題は多いが、トライしていきたい」

【磐田・柳下監督の会見要旨】「前半は非常にいい展開でジュビロらしいプレーができた。ただシュートチャンスがあったところで打たなかったのは課題。前半のうちに点を取りたかった。後半は、疲れと間延びしたところもあった。最終ラインを含めた守備のがんばりもあって、チャンスをものにして勝ててよかったと思う」