GAME RESULT試合結果

第9節 2004/5/09(日)
観衆 16,349人 
天候 雨、弱 気温 16.0度 湿度 68% 
主審:西村 雄一 副審:安食 弘幸/伊藤 力喜雄 四審:家本 政明

J1 1st 第9節

国立

HOME

FC東京

2-1

試合終了

前半1-0

後半1-1

AWAY

柏レイソル

FC東京 柏レイソル
40' 今野 泰幸
51' ジャーン
得点者 82' 玉田 圭司
72' 梶山 陽平 → 馬場 憂太
75' ルーカス → 阿部 吉朗
85' 石川 直宏 → 呉 章銀
選手交代 53' ドゥドゥ → 茂原 岳人
53' 菅沼 実 → 玉田 圭司
77' 谷澤 達也 → 永井 俊太
15 シュート 12
7 CK 4
24 FK 21
65' 浅利 悟
警告 50' 近藤 直也
66' ゼ ホベルト
84' 永井 俊太
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 20 加地 亮
DF 2 茂庭 照幸
DF 3 ジャーン
DF 8 藤山 竜仁
MF 18 石川 直宏
MF 6 今野 泰幸
MF 7 浅利 悟
MF 13 戸田 光洋
FW 9 ルーカス
FW 23 梶山 陽平
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
MF 4 呉 章銀
MF 10 三浦 文丈
MF 14 馬場 憂太
FW 11 阿部 吉朗
柏レイソル先発
GK 21 清水 健太
DF 38 波戸 康広
DF 4 渡辺 毅
DF 20 永田 充
DF 26 近藤 直也
MF 8 リカルジーニョ
MF 25 下平 隆宏
MF 6 ドゥドゥ
MF 15 谷澤 達也
FW 10 ゼ ホベルト
FW 31 菅沼 実
柏レイソル控え
GK 34 ノグチピント エリキソン
DF 35 小峯 隆幸
MF 17 永井 俊太
MF 27 茂原 岳人
FW 28 玉田 圭司

【選手・監督コメント】

連勝めざし、雨中の国立で柏と対戦


 前節、アウェーで神戸に勝利した東京。中3日を置いた今節は、国立競技場でのホームゲームで柏レイソルと対戦する。連戦の中での疲労が懸念されるが、東京は前節と同じスターティングメンバー。右足内転筋に故障を抱える石川、昨日練習中に左眉の上に裂傷を負ったジャーンも、連勝をめざし、気合の入った姿でフィールドに立った。

 対する柏は、1stステージ開幕2連勝後、1分をはさみ5連敗と調子が上がっていない。今節はGK南、MF明神が出場停止の上、日本代表のFW玉田もベンチスタート。だが、平均年齢23.82歳の若いイレブンには怖いもの知らずの勢いがあるはずで、こういう時こそ十分な注意が必要だ。また池谷監督は「東京は3トップ気味でサイドの選手がワイドに張っている。3バックで対応しても5バックになる恐れがあるので、4バックにしてスペースを抑える。その分中盤には人数をかけられる」と話し、今季初の4バックの布陣を敷いてきた。戦い方を研究される中、どれだけ「東京のサッカー」で競り勝つことができるか。それもみどころの一つとなる。試合は小雨の降り続く中、東京のキックオフでスタートした。

スペースを消す柏の前に、序盤は決定的なチャンスを作れず


 連勝をめざすためには、先制点を奪われること、特にここのところ続いている早い時間帯での失点はどうしても避けたかった。そのためか、立ち上がりは互いに要所できっちりプレッシャーをかけて相手をマーク、一進一退の展開となる。東京は4分、6分に石川が右クロス、7分には藤山が左クロスを上げるもシュートには至らず。8分には素速いリスタートから右サイドに抜け出した石川がクロス、ファーサイドで戸田が頭から飛び込むが、惜しくも届かず。

 徐々に柏を押し込む東京だが、引いた守りの前にはスペースがなく、サイドからの効果的な攻めが作りだせない。両チーム併せて今日最初のシュートは、20分に浅利が放ったミドルシュートとなった。26分にはCKのクリアボールを拾って、梶山がエリア手前からゴールを狙うが相手DFがブロック。27分には2本のCKを奪うがフィニッシュには至らず。29分には速攻からルーカスが右サイドのスペースにパスを出すが、飛び出した石川にはわずかに合わず、ゴールラインを割る。

 ここまで柏は1本のシュートも打てなかったが、31分にMFリカルジーニョがミドルシュートを放つと、これが合図かのようにチャンスを作り始めた。32分にはMF谷澤が左サイドのスペースにスルーパス。これに追いついたFW菅沼からのリターンを再び谷澤が受け、左クロス。ファーサイドでFWゼ ホベルトがフリーでヘディングシュートを放つが、土肥がナイスセーブ。34分には、前線で東京DFの隙を突いたスルーパスから菅沼がシュート。39分にはインターセプトに飛び出したジャーンの上がり際を奪うと、谷澤がドリブルでペナルティエリアに侵入。左にラストパスを送るが、飛び込んだゼ ホベルトにはわずかに合わず。東京はピンチを逃れた。

今野の2戦連続弾で先制! リズムに乗りジャーンが追加点


 東京も33分には、中央に攻め上がった加地の長いスルーパスにルーカスが飛び出す。これはオフサイドにかかったが、34分には石川がDFを切り返して左足のシュートと、決してリズムを柏に握らせたわけではなかった。そして40分、左サイドを駆け上がった梶山がCKを奪うと、石川が蹴った左CKは相手GKがクリア。そのこぼれ球をゴールを背に受けた今野が果敢にオーバーヘッドシュートを放つ。誰もが驚くようなアクロバティックなシュートだったが、ボールはネットに突き刺さり、ゴールイン! 今野の2試合連続ゴールが決まり、東京は2節大分戦以来の待ちに待った先制点を奪った!!

 1点のリードで後半へと折り返した東京は、立ち上がりからアグレッシブに攻めた。46分には中盤でこぼれ球を拾った戸田から梶山へとつなぐと、攻め上がる梶山はDFを引きつけ、エリア右へラストパス。受けた石川が強烈なシュートを放つが、GKの好セーブでCKに逃れられた。47分には石川のクロスのこぼれを拾ってつなぎ、セットプレーで攻め残っていたジャーンがシュート。48分には右ゴールライン際で粘ったルーカスがクロスを送り、DFのクリアを拾った梶山がエリア左からシュート。いずれもゴールは割れなかったが、50分には相手のカウンターを今野が中盤でインターセプト。猛然と攻め上がると、加地のクロスからルーカスがポストとなり、梶山がシュート。これがDFに阻まれ左CKを得る。

 梶山自ら蹴ったCKは、ゴール前でフリーになったジャーンにドンピシャリのタイミングでわたり、ヘディングシュートがゴールイン! 後半の早い時間帯に、またもやセットプレーから貴重な追加点を奪った。

1点を返されるも、今季初の連勝で6位に浮上


 2点のビハインドを負った柏は、53分にMFドゥドゥに代えてMF茂原を、FW菅沼に代えて玉田を投入。これをきっかけに、56分には東京陣内左で茂原がボールを奪いクロスを上げる。これを東京DFがクリアし切れず、エリア左にいた玉田の足元にボールがわたってしまう。玉田はすかさずゴールを狙ったが、ジャーンが渾身のスライディングでカット。これで得た左CKにDF渡辺がヘッドで合わせるが、枠外に。東京は59分、早いリスタートから藤山が攻め上がり、戸田のクロスのこぼれ球を拾った藤山がエリアすぐ手前からシュート。決定的であったが、ゴールの上にはずれた。60分には柏の玉田→ゼ ホベルトのエリア内への侵入を茂庭がカット。今野につないで速攻を仕掛け、右の石川がドリブルシュート。

 だが、徐々に前線でボールが収まり、中盤でリズムを取り戻した柏はテンポよい攻撃を仕掛けてくる。63分にはスピードに乗った玉田がエリア手前から強烈なシュートを放つが、土肥が片手でセーブ。64分には茂原が果敢にミドルレンジからゴールを狙う。東京もサイドからアグレッシブに攻撃を仕掛けるが、この時間帯はクロスの精度が低く、決定機は作れなかった。72分には梶山に代えて馬場を、75分にはルーカスに代えて阿部を投入。だが、柏のリズムを分断するには至らず。逆に前線でボールを失うことが多くなり、柏の逆襲を食らうことに。

 そして遂に82分、柏陣内でボールを取った茂原がリカルジーニョに縦パス。リターンを受けるとドリブルでするすると攻め上がり、前線へ長いグラウンダーのスルーパスを送る。このボールにが土肥が飛び出したが、触る直前に、一歩早くゴール前に抜け出した玉田に決められ、1点差に追いつかれてしまった。残り時間も東京陣内で試合は進んだが、終盤の柏の猛攻は、浅利、藤山の身を挺した守備を中心にしのぎ切ってタイムアップ。完封は逃がしたものの今季初の連勝を果たし、順位も今後十分に上位進出を狙える6位に浮上した。

【選手コメント】《今野》「ゴールシーンは、とにかくシュートで終わろう、ゴールラインを割ろうと考えていた。僕は守備の人間なので、オーバーヘッドでのゴールも2試合連続ゴールも初めて。今日は2点先取して安心してしまったこともあり、終盤は慌ただしくなり、きつかった。守りに入らず、自信を持って3点目を奪いに行かなければいけなかったと思う。課題はたくさんあるが、勝っている時のゲームの進め方など、もっとうまくなっていきたい」 《ジャーン》「ケガは大したことはない。柏は敗戦が続いているので、今日は絶対勝ちにくる、厳しい試合になると思っていた。大事な試合なので、当然出るつもりでいた。でもヘディングシュートは、ケガのところに当たらなかったのでうまくゴールできた(笑)。ここ何試合かは自分たちのミスから失点していたので、今日はミスをしないように気をつけた。みんなで戦い、連勝したことは自信になるが、完封して終わりたかった。足りないところは修正して、次の試合に臨みたい」

【原監督の会見要旨】「ナビスコカップを含め11日間で4試合を戦ったが、その間にケリーや金沢がケガで離脱してしまった。その状況の中、今日の内容は決していいとは言えないが、先取点を奪われなかった。ここ何試合か、前半の早い時間に失点してしまうパターンが多く、チームの状況がよくない中で、先に失点するとバタバタしてしまう。その中で、今野が前節に引き続き、セットプレーから難しいシュートをよく決めてくれた。ハーフタイムには、雨でスリッピーな上、柏が引いて守っている――東京の戦い方に合わせた4バックで、中盤の3選手がその前に並んで、素早く引かれるので、同じサイドを攻めているだけでは守備を整えらる。それを怖がらずサイドチェンジをしていこうと話した。後半は何度か、やっと東京らしい右から左、左から右サイドというワイドな攻めができ始めた。その中からコーナーを取って追加点が生まれたと思う。今季は連勝してなかったので、内容はともかく、連勝できたことはチームにとって自信になる。次の試合まで1週間開くので、ケガの選手の復帰も望める。代表の活動や、試合が続くと難しかったが、修正すべき点を修正していきたい。今、我々には勝ち点3が必要。もう少しいい試合をしたいが、まず勝つことが次につながる。次が大事だ」

【柏・池谷監督の会見要旨】「失点のシーンだが、取られ方が悪い。時間といい、リスタートから簡単に取られてしまった。今日初めて4バックを試したが、前半は機能せず、なかなかチャンスが作れなかった。その中でも何度か決定的なシーンを作れるようになり、後半盛り返したかったが、またもやリスタートから失点してしまった。連敗はしているが今日は次につながる試合で、強がりではなく今までの敗戦とはかなり違うと思う。中盤は途中から入った玉田らが絡むことによって、流動的な動きやクロスの質が上がってきた。戦力も、これまでこだわりすぎていた部分があったが、より広げて見ることができた。次は鹿島と戦うが、必ず叩きたい」