GAME RESULT試合結果

第10節 2004/5/16(日)
観衆 18,778人 
天候 曇、無 気温 19.0度 湿度 81% 
主審:砂川 恵一 副審:中原 美智雄/勝又 光司 四審:穴沢 努

J1 1st 第10節

味スタ

HOME

FC東京

1-1

試合終了

前半1-1

後半0-0

AWAY

サンフレッチェ広島

FC東京 サンフレッチェ広島
37' ケリー
得点者 44' チアゴ
50' ルーカス → 阿部 吉朗
75' 石川 直宏 → 加地 亮
80' ケリー → 馬場 憂太
選手交代 68' 李 漢宰 → 大木 勉
8 シュート 9
4 CK 4
18 FK 11
83' 阿部 吉朗
警告 85' チアゴ
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 32 徳永 悠平
DF 2 茂庭 照幸
DF 3 ジャーン
DF 8 藤山 竜仁
MF 18 石川 直宏
MF 6 今野 泰幸
MF 7 浅利 悟
MF 19 ケリー
FW 9 ルーカス
FW 23 梶山 陽平
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 20 加地 亮
MF 10 三浦 文丈
MF 14 馬場 憂太
FW 11 阿部 吉朗
サンフレッチェ広島先発
GK 1 下田 崇
DF 3 小村 徳男
DF 2 リカルド
DF 28 吉田 恵
MF 5 駒野 友一
MF 16 李 漢宰
MF 7 森﨑 浩司
MF 8 森﨑 和幸
MF 6 サンパイオ
MF 17 服部 公太
FW 10 チアゴ
サンフレッチェ広島控え
GK 33 佐藤 昭大
DF 25 吉弘 充志
FW 20 大木 勉
FW 23 田中 俊也
FW 32 田村 祐基

【選手・監督コメント】

連勝をめざした戦い


 第10節は現在10位の広島をホームで迎え撃つ。前節から1週間のインターバルを置き、日曜開催となった今節。昨日行われた他カードの結果により、今日勝点3を得ることができれば、上位進出が見込める。また3連勝をめざし、ホームでアグレッシブに攻めたい一戦だ。

 この戦いに、けがで離脱していたケリーがついに復帰。まだ本調子でなく、原監督も「45分でも持てば」と話したが、先発に名を連ね前半から勝負を賭ける。また左MFには梶山、右SBには特別指定選手の徳永が入る布陣で臨む。

 対する広島は、5節から負けなしで好調だ。東京と同様にサイドを使った攻撃、堅い守備で勝点を伸ばしており、3分けの後、連勝中。今節は3連勝をめざす戦いとなる。試合は曇り空から霧雨も降りはじめた中、広島のキックオフでスタートした。

互いに守備の意識が高く、一進一退の展開


 立ち上がりから互いにプレスを掛けて、奪い合う展開に。ボールがアウトにならず、一進一退の攻防が続く。東京は4分に右サイドで粘った石川がCKを奪う。広島は5分、ゴールキックのボールをつなぎ、前線に上がったMF森崎浩がシュート。12分には、東京が石川→ケリー→今野とつなぎ、今野がミドルレンジからシュート性のボールを前線に送るが、オフサイドに。

 16分にはFKから左エリア手前に流れていた石川が、東京初めてシュートを放つ。20分には浅利が長いグラウンダーのパスを右スペースに送り、飛び出した石川が右CKを奪う。21分には、右サイドでボールを奪うとルーカス→中央の浅利→左の梶山とフィールドを広く使い、ラストは藤山のクロスに石川が右エリアにフリーで飛び込むが、滑るピッチでタイミングが合わず、シュートは打てなかった。

 石川がよく起点となり、アクセントをつけて攻める東京だが、決定的なシーンは作れないまま時間は進んだ。22分、FKに合わせジャーンがヘディングシュート。31分には今野の右アーリークロスにゴール前でケリーがヘッドで競るも、いずれもゴールの上に。32分には速攻から石川が果敢にゴールを向かうが、クロスはアウト。広島の中盤を厚くし、時に5バックで固められるディフェンスをこじあけることはできなかった。

復活! ケリーのヘッドで先制も……


 広島は33分、中盤をMF駒野がドリブルで駆け上がると森崎浩にパス。右エリアでキープしていた森崎浩は不意を突いたシュート性の強いクロスを放つが、土肥がセーブ。一瞬の気の緩みが失点につながるだけに、気は抜けない。

 ところが逆に東京は37分、相手陣内でボールをカット、広島ゴール前に攻め込む。一旦はDFに跳ね返されるが、浅利が落ち着いて拾い、右の石川につなぐと、石川は中央に切り返して左足でクロスを上げる。これに、ゴール前でケリーが頭を振り抜くとゴールイン! 石川の美しい弾道を描くピンポイントクロス、復活を印象付けるケリーのゴールで、流れの中から先制した!!

 これを機に勢いに乗りたかった東京だが、リズムをつかみきることはできなかった。先制の直後にはルーカスが右足を傷めてしまう。43分、44分には立て続けにクロスやシュートからCKを奪って反撃を試みる広島に、DFラインが押し込まれる。そしてロスタイムに入った時間のことだった。広島はスローインから左エリアでFWチアゴからMF服部とつなぎ、クロス。これを東京DFがクリアするも、こぼれ球を拾われ、右エリア手前の駒野にパスが通る。勝負を仕掛ける駒野に対し藤山がチェックにいったが、体当たりする格好となったプレーがファールの判定。PKを与えると、これをFWチアゴが決め、同点に。悔やまれる時間帯に追いつかれてしまった。

広島の組織プレーの前に、引分けに持ち込まれる


 試合は振り出しに戻り、後半に勝負をかけることとなったが、広島は森崎和がボランチに入り、MF李がサイドをケアする4バックに近い布陣で、東京の攻撃を封じてきた。また狙うプレーがはっきりしており、プレスをかけて奪うと素早く前線のチアゴにボールを当て、両サイドが上がる、後方から選手が飛び出すという形をつくる。48分には右からのサイドチェンジを左サイドで森崎浩が受けると、後ろに戻し、中央を駆け上がった服部がシュート。最後の精度がいまひとつで、東京にとっては絶対的なピンチにはいたらなかったが、逆に攻撃も思いどおりの形が作れない。

 50分にはルーカスに代えて阿部を投入。だが、54分には広島のチャンス。森崎浩のスルーパスを受け、ゴール前からチアゴが放ったシュートはバーをヒットする。57分には東京が石川→ケリーのコンビから再び右に抜けた石川が速いグラウンダーのクロス。ゴール前で阿部が合わせようとするが、DFに阻まれた。58分には左サイドに攻め込んだ阿部が鋭いクロスからチャンスを作り、直後には梶山のクロスに阿部がヘディングシュート。だがGKの正面を突く。ペースをつかみはじめた東京だが、最後の詰めが甘く、ゴールにはいたらず。

 広島は68分、李に代えてFW大木を投入。東京は75分には石川に代えて加地、80分にはケリーに代えて馬場を投入。徳永をMFに上げ、馬場が左、梶山が中央という布陣で勝ち越し弾を奪いにいく。だが82分、加地のクロスはゴール前で阿部と梶山が重なり、シュートを打てず。88分、今野の左クロスにファーから梶山が飛び込むもわずかに合わず。89分には、加地→馬場のパスに左サイドに抜け出した今野のシュートもGKがキャッチ。終盤の猛攻もゴールにつなげることはできず。引き分けに終わり、勝点1を得るに留まった。

【選手コメント】《ケリー》「戻ってきた試合でゴールを決められてうれしいが、勝てなかったことが残念。フィジカル面ではまだまだで、試合のリズムをつかめなかったところもある。(ゴール前で張るシーンも多く見られたが)逆にいえばコンディションの問題もあり、中盤で動き回るには厳しかったかもしれない」 《徳永》「(勝利という)結果を出したかった。90分をとおして、サイドのスペースで起点を作ろうとしたが、中盤に上がってからはコンビネーションにとまどったところもある。ボールを動かしてサイドを代えながら、外からクロスを上げていきたかったが……」

【原監督の会見要旨】「スタンドからもブーイングされたが、なにしろシュートが少ない。雨でスリッピーなこともあったが、全体的に球離れがよくなかった。得点した形のように、もう少しシンプルにサイドを崩していきたかったが。広島は手堅く、安定感があった。時間をかけると守りを固められるので、もっと早く突いていきたかったが。ケリーはまだ本調子でない中、チームがこれからもっと上を狙っていくため、使おうと決めた。彼の実績や技術を考えると頭からやらせたかったので、思い切って先発で起用し、得点も決めてくれた。ただ今季はともに練習する時間も少なく、彼にボールが入るリズムが遅くなっていた。この得点をきっかけにチームとしてもっとよくなると思う。失点については、CK、スローインのあとに、もう少しハッキリしたプレーをしていれば、あのPKは起きなかっただろう。梶山は本来は中央の選手だが、今日は雨でタッチが荒れたりすることもあったが、阿部にパスを出したり、ペナルティエリアへ切り込んでいくという動きがあり、決して左サイドでできないとは思わない。彼とケリーのところでボールが収まり、そこへ周りが絡んでいく形を作りたい。今日はルーカスが打撲したので途中交代となったが、彼が絡み、右サイドは石川や加地、徳永が上がっていくという形。やはりもっとボールを大事に、シンプルにつないでサイド攻撃を徹底させていく、その質を上げていきたい。いい形で得点できるように、継続して取り組むことが重要。コンビネーションを合わせていくことが大事だと考えている」

【広島・小野監督の会見要旨】「なんとか勝点3を手にしたかったが、残念ながらできなかった。FC東京にとっても同じで、両方にとって悔しい結果だったかもしれないが、今日はすばらしい試合だったと思う。というのも、これまでの対戦した相手はどちらかというと守りを固め、2~3人でカウンターを狙うチームが多かった。もちろんそれで点を取る力は持っているのだが、東京は違ってDFラインからも攻撃参加してきた。我々も人数をかけて攻めていくが、双方とも最後まで、どんどん飛び出よすうな攻撃で攻めて攻めて、集中して終わった。そういう意味で結果は残念なものだったが、選手たちは最後までよくやってくれた」