GAME RESULT試合結果

第12節 2004/6/12(土)
観衆 23,698人 
天候 曇、無 気温 27.0度 湿度 62% 
主審:家本 政明 副審:河野 暁/田尻 智計 四審:前之園 晴廣

J1 1st 第12節

味スタ

HOME

FC東京

2-1

試合終了

前半1-1

後半1-0

AWAY

ガンバ大阪

FC東京 ガンバ大阪
11' ルーカス
76' ルーカス
得点者 00' 大黒 将志
69' 鈴木 規郎 → 阿部 吉朗
75' 戸田 光洋 → 呉 章銀
84' ルーカス → 藤山 竜仁
選手交代 77' 木場 昌雄 → 松波 正信
82' 入江 徹 → 児玉 新
20 シュート 11
10 CK 4
18 FK 16
警告 23' シジクレイ
29' 橋本 英郎
48' 山口 智
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 32 徳永 悠平
DF 2 茂庭 照幸
DF 3 ジャーン
DF 17 金沢 浄
MF 14 馬場 憂太
MF 6 今野 泰幸
MF 7 浅利 悟
MF 15 鈴木 規郎
FW 9 ルーカス
FW 13 戸田 光洋
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 8 藤山 竜仁
MF 10 三浦 文丈
MF 4 呉 章銀
FW 11 阿部 吉朗
ガンバ大阪先発
GK 1 松代 直樹
DF 15 渡辺 光輝
DF 2 シジクレイ
DF 3 木場 昌雄
DF 14 入江 徹
MF 27 橋本 英郎
MF 6 山口 智
MF 10 二川 孝広
MF 7 遠藤 保仁
FW 8 フェルナンジーニョ
FW 16 大黒 将志
ガンバ大阪控え
GK 22 吉田 宗弘
DF 17 児玉 新
MF 13 森岡 茂
MF 24 松下 年宏
FW 11 松波 正信

【選手・監督コメント】

ホーム味の素スタジアムで勝利を!


 5月22日以来となるリーグ戦、1stステージ第12節はガンバ大阪と対戦する。現在勝点16で7位につける東京だが、G大阪も勝点15で8位。今日の結果で順位が逆転することもあるため、負けることはできない“直接対決”だ。直前に行われたナビスコカップ予選リーグでは連勝の東京。この勢いをリーグ終盤戦につなげるとともに、約1か月ぶりとなる味の素スタジアムでの開催。我らがホームで熱いサポートを受け、勝利をめざす。

 日本代表から戻った土肥が先発。前節(ナビスコカップ)では出場停止だったルーカスがトップに入り、そのほかはナビスコカップ前節と変わらぬ布陣で臨む。対するG大阪は、DF宮本、FWマグロンを欠くが、DFシジクレイがケガから復帰。センターバックを今季初出場のDF木場と組む4バック。またFW大黒をトップに、FWフェルナンジーニョ、MF遠藤、MF二川は「この3選手は、コンタクトを受けるのは得策ではないので、流動的にポジションを変えながらマークをずらし、動きながらボールを引き出していきたい(西野監督)」と自由に動き回るシステムをとってきた。試合は気温27度湿度62パーセントと蒸し暑い中、G大阪のキックオフでスタートした。

開始直後に先制を許すも、セットプレーから反撃


 ホイッスルの直後であった。G大阪はキックオフのボールをつないでペナルティエリアの中にFW大黒が侵入。徳永がボールを奪い返すも、再びG大阪のスローインに。そして東京の右サイドでの奪い合いの中からG大阪が抜け出すと、中央のMF二川が左サイドからエリア内に走り込む大黒にスルーパス。大黒がドリブルで突進すると、追いかけたジャーン、飛び出した土肥にあたり、このこぼれ球を大黒が蹴りこみゴールイン。開始53秒という早い時間に先制を許した。

 今シーズンの課題であった立ち上がりの失点だが、これで落ち込むことはなかった。東京は意気消沈することなく、4分にはロングフィードを受けた鈴木が右クロス。5分にはオーバーラップした徳永が鋭いクロスからCKを奪う。馬場の蹴った右CKは一旦相手GKのセーブに合うが、ペナルティエリア内にこぼれ、フリーの今野がシュート。だがボールはバーを越え、絶好のチャンスを逃がす。8分には中盤で厳しいプレスから奪い、馬場が思い切りよくミドルシュート。CKを奪い、ルーカスがヘディングで狙う。10分には馬場から左サイドの戸田が粘りCKに。ここからジャーンがヘディングを叩きつけるが、ゴールぎりぎりで相手GK松代がファインセーブ。原監督は一瞬「昨年(2ndステージの対戦で、ことごとくGK松代選手に決定機をセーブされ敗戦)の悪夢がよぎった」と振り返ったが、誰もが同じように嫌な予感を感じていたことだろう。

 11分、ところがこれで得た右CKから鈴木が速いキックを蹴ると、中央に走りこんだルーカスのヘッドがゴールに突き刺さった! 待ちに待ったルーカスのゴールであっという間に同点に追いついた東京。その後も馬場の配球からサイドで起点を作り、6本のCKのチャンスを得るとシュートも6本とたちまちG大阪を圧倒した。

G大阪も中盤を支配し、両者ゆずらず


 しかし追いつかれたG大阪も、徐々にボールを支配することで反撃。東京は、フェルナンジーニョ、遠藤、二川の前線への出入りの激しい自在な動きをつかまえきることができないと、足元をつなぐパスに対してプレスがかからず、苦しむことになる。18分には、ペナルティアークそばで大黒を倒し、FKを与える。これを遠藤が直接狙うと、ボールはバーを掠めて枠外にはずれ、事無きを得た。東京も20分には直接FK、25分には金沢→戸田のコンビでCKを奪い、互いにセットプレーからチャンスを作る。その後も東京は押し込まれがちになり、自分たちのリズムでゲームを進めるまでには至らなかったが、最終場面では集中し、G大阪にも決定的なチャンスは作らせなかった。

 その状況の中、37分には馬場が素早い展開からロングパスを右サイドに送り、追いついたルーカスが粘る。フォローに上がった今野がダイレクトクロスを送るが、ファーサイドで戸田と馬場が重なりシュートは打てず。こぼれ球に反応した金沢の強烈なシュートも惜しくもゴールの上に。40分にはまたもや馬場のパスに、抜け出した今野がゴール前にドリブルで全力疾走。ペナルティエリア内で倒されたが、ノーホイッスル。41分にはG大阪・フェルナンジーニョがゴール前で倒され、FKのチャンスを得る。18分と同じような位置でのFKから再び遠藤が直接狙ったが、今度はバーにあたって跳ね返り、構えた土肥がキャッチ。ゴールは許さず、同点のまま後半へと折り返した。

ルーカス&憂太のコンビでビューティフルゴール炸裂!


 後半、キックオフのボールを鈴木が思い切ったロングシュート。立ち上がりから積極的な姿勢をみせる東京は、サイドを起点にチャンスを作った。46分にはルーカスのキープから攻め上がった金沢がクロス。これは鈴木には合わなかったが、47分、ルーカスの右クロスに合わせ、戸田が放ったヘディングシュートはバーに阻まれる。54分には鈴木の右クロスのクリアボールを拾い、今野がシュート。立て続けにチャンスを作った。

 だが、G大阪も速いパス回しからボールを支配。緊張感のある展開が続く。61分には、速攻から今野が攻め上がり、馬場につなぐと左サイドにパス。ルーカスのクロスをエリア内に上がった今野がシュート。相手ブロックのこぼれを拾って再度シュートするもGKがキャッチ。66分にはG大阪が決定的なチャンス。フェルナンジーニョがドリブルで攻めあがると左の二川にパス。ここから送られたクロスのクリアを遠藤が拾い、ペナルティエリア内からシュート。だが枠をはずれ、ピンチを逃れた。

 徐々に両者の運動量がおちてきた69分、東京は鈴木に代えて阿部を投入。すると71分には、馬場→戸田とつなぎ、ラストはルーカスが左エリアからシュート。74分には今野のパスに合わせ、前線に抜け出した徳永が右クロス。相手DFの渾身のクリアボールを馬場が拾い、ゴールエリア左からシュート。いずれもGKに阻まれたが、チャンスをきっちりフィニッシュに持ち込んだ。75分には戸田に代えて呉を投入。すると迎えた76分、ゲームのペースが少し落ちた時だった。相手DFの中盤へのフィードを右サイドで浅利がカット。ヘッドで中央のルーカスにつなぐ。ルーカスはエリア手前にいた馬場につなぐと、馬場はダイレクトでエリア内のスペースに柔らかい浮き球のパス。これにルーカスが猛然と追いつき、右足を振り抜くとゴールイン! 流れるような美しいワンツーから勝ち越し弾を決めた!!

 84分にはここまで健闘したルーカスに代えて藤山を投入。右MFに入った藤山は、86分にミドルシュートを放ち、惜しくもポストに阻まれた。追加点こそならなかったが、その後のG大阪の攻撃はきっちりしのいでタイムアップ。ホーム味の素スタジアムでの勝利は、4月3日東京ヴェルディ戦以来のこと。取るべき人が取ったルーカスのうれしい2ゴールで、待ちに待った勝利を飾った。これで勝点19となり暫定ながら4位に浮上。一つでも上位をめざして残す3節にスパートをかける。

【選手コメント】《ルーカス》「2点目のゴールは練習からいつも狙っていた形。今まではそれがなかなか決まらなかったけれど、今日はうまく決めることができてよかった。憂太は頭もいいしテクニックもある選手。リターンが返ってくるとわかっていたし、狙いどおりだった。今までなかなか得点することができなかったが、あきらめずに自分を信じてきた。来日1年目でサッカーの違いもあるし、相手チームのこともわからない状態だが、焦ってはいないし、変なプレッシャーもなかった。これからも自信をもってプレーしていきたい」 《土肥》「試合への入り方が悪かった。立ち上がりに先制された直前にも、G大阪・大黒選手に右サイドに入り込まれ危ないシーンがあった。その後はサイドから崩されないように一番気をつけたが、中盤でボールが拾えず、DFラインが引くことになってしまった。後半は修正しバランスがよくなったが、間延びしたところもある。自分自身は日本代表で実戦が少なく、むずかしかった部分があるが、チーム状態はいい。今日の反省を活かし、一つ一つ大切に戦っていきたい」

【原監督の会見要旨】「ナビスコカップも連勝し、ここのところ立ち上がりからいい入り方ができていたが、今日は失敗だった。日本代表から戻ってすぐの土肥を起用、最初のボールを取れば落ち着くだろうと考えていたが、その最初のシュートが入ってしまった。今シーズンは早い時間に失点することが多いが、その最短記録。ただ、良いことではないが、これまでにも3分や5分に先制される経験をしてきたので、選手が予想以上に開き直って、その後攻撃に出ていた。失点したことで、むしろ攻めにいかなければという姿勢がより出ていたと思う。セットプレーからチャンスを作っていたし、戸田と規郎が守備から相手の後ろに飛び出していくという狙いどおりのことができていた。その中でルーカスがいいところで決めてくれた。

 だが前半は、G大阪の小柄でテクニックのある選手の出入りが多く、プレスがかからなかった。それに手こずり間延びしてしまった。ハーフタイムには、G大阪の前線には高さがないので、長いボールを苦し紛れに蹴らせれば競り勝てる。だから、ルーカス、憂太からチェックにいってほしいと話し、後半はバランスがよくなった。しかし逆に落ち着いてしまい、鈴木も疲れが見えたので、阿部を投入した。彼を思い切りゴール前に行かせて、アクセントをつければ何か起きると期待していた。その状況で、憂太とルーカスのすばらしいワンツーからゴールが生まれた。

 ルーカスはなかなか点が取れなくて考え込んでいたが、『仕事はゴール前。中盤で簡単にやってダイナミックにゴール前に入っていけば必ずクロスが上がってくるよ』と話していた。日本のサッカーに馴染むというのは簡単なことではないが、本人は一生懸命慣れようとしているし、こうやってコミュニケーションを取っていくことが大事だと思っている。彼が点を取ればチームに勢いが出るのは間違いない。今日の2得点はチームにとっても非常に大きい。サポーターも、何より本人もヨシッ!という気持ちになっただろう。

 暑くて苦しい試合になったが、交代出場の藤山は左右のサイドバックもセンターもどこでもやれる力がある。今はバランスを考えてスタメンでは起用していないが、彼や三浦が常に一生懸命やってくれているので、若い選手が出た時に思い切ってプレーできる。今日引き分けで終わるのと勝つのとでは、今後が違う。この勝点3を生かして、次の市原戦に向けていい準備をしていきたい」

【G大阪・西野監督の会見要旨】「現在の戦力の中でベストメンバーを組んで、最良のシステムで臨んだ。だが今日は、攻撃面では従来のような厚みのある攻撃が乏しかった。大黒も1トップでタメを作って健闘していたが、後半は中盤からうまく圧力をかけることができなくなった。全体に守備の意識を高め、そこからカウンターの形を狙っていたのだが、東京もディフェンスが厚く、それを破ることが出来なかった」