GAME RESULT試合結果
第3節 2004/8/29(日)
観衆 13,185人
天候 雨、弱 気温 20.9度 湿度 93%
主審:松尾 一 副審:上荒 敬司/前島 和彦 四審:鍋島 將起
J1 2nd 第3節
国立
0-1
試合終了
前半0-0
後半0-1
東京ヴェルディ | FC東京 | |
---|---|---|
得点者 |
88' 梶山 陽平 |
|
58' 平本 一樹 → 森本 貴幸 64' 桜井 直人 → 平野 孝 |
選手交代 |
54' 栗澤 僚一 → 阿部 吉朗 71' 馬場 憂太 → 近藤 祐介 81' 三浦 文丈 → 梶山 陽平 |
7 | シュート | 15 |
4 | CK | 9 |
19 | FK | 21 |
22' 桜井 直人 33' 米山 篤志 43' 小林 大悟 84' 平野 孝 |
警告 |
46' 加地 亮 78' 三浦 文丈 |
退場 |
GK | 21 | 高木 義成 |
DF | 5 | 米山 篤志 |
DF | 17 | 戸川 健太 |
DF | 3 | ウベダ |
MF | 2 | 山田 卓也 |
MF | 4 | 林 健太郎 |
MF | 6 | 三浦 淳宏 |
MF | 32 | 小林 慶行 |
MF | 8 | 小林 大悟 |
FW | 16 | 桜井 直人 |
FW | 11 | 平本 一樹 |
GK | 1 | 水原 大樹 |
DF | 15 | 相馬 崇人 |
MF | 22 | 平野 孝 |
MF | 7 | 廣山 望 |
FW | 25 | 森本 貴幸 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 20 | 加地 亮 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 6 | 今野 泰幸 |
MF | 10 | 三浦 文丈 |
MF | 33 | 栗澤 僚一 |
MF | 19 | ケリー |
MF | 14 | 馬場 憂太 |
FW | 9 | ルーカス |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 23 | 梶山 陽平 |
FW | 11 | 阿部 吉朗 |
FW | 25 | 近藤 祐介 |
【選手・監督コメント】
絶対に負けられない戦い、そして連敗脱出へ!
2連敗で迎えた2ndステージ第3節。8月最後となる試合は、国立競技場でのアウェーゲームで東京ヴェルディ1969と対戦する。今節よりアテネ五輪を闘ったU-23代表選手がチームに復帰。石川は左ひざ下の打撲の影響で欠場となったが、茂庭、今野がスタメンに名を連ねた。対するヴェルディは、第1節は新潟に勝利したものの、前節は浦和に7失点を喫して敗戦。守備の立て直しが急務とされている。
本拠地を東京に置くチーム同士の対戦、そして2ndステージの今後を占う意味でも今節は重要なゲーム。これ以上の連敗は絶対に避けなければならない。国立のフィールドには冷たい雨が降りしきり、8月と思えぬ寒ささえ感じられたが、アウェースタンドからは「ヴェルディだけには負けられない」という声が響き、まるでホームのような雰囲気を作っている。試合はヴェルディのキックオフでスタートした。
リズムを作れず、前半は不調に終わる
雨の影響か、序盤はともに慎重な立ち上がり。開始4分、ケリーから右サイドに攻め上がった三浦にパスがわたり、ゴール前にクロス。DFのクリアを馬場が拾って再びクロス。サイドからの攻めでCKを奪うが、その後シュートには至らず。10分を過ぎる頃には今野のパスをヴェルディDF米山がインターセプト。11分には土肥のロングキックがサイドに流れ、馬場もトラップできず。今ひとつリズムをつかめず、徐々にヴェルディのボール支配を許す。12分にはボールのないところでケリーがファールを受け、FKを得る。20数メートルの距離からジャーンが直接狙ったが、ゴールを大きくはずれる。15分には馬場のFKに今野が頭で合わせようとするもミートせず。
前線からプレスをかけるヴェルディは16分、MF小林慶が東京ボールをカット、中盤でフリーの体勢からミドルシュートを放つ。だが、このボールを土肥がキャッチすると素早いフィードでつなぎ、ルーカスのポストから馬場がフリーでシュート。23分には自陣でジャーンが囲まれ、パスの出しどころなくボールを奪われると、ヴェルディFW桜井がシュート。ヴェルディはショートパスに加え、右サイドからMF山田、DF米山が機を見て攻め上がり、サイドチェンジやDFラインからのロングボールをつなぎ、ボールを支配。だが遠目からシュートは放つものの、東京DFを崩すという決定的なチャンスは作れず。
34分には馬場の左CKにジャーンがヘディングシュートを放つが、わずかに右にきれる。37分には右エリアに侵入した栗澤が外から上がった加地にパス。加地のクロスに中央で馬場がヘッドで合わせるが、シュートは威力なし。直後の38分にはケリー、栗澤のコンビネーションから今度はケリーが右エリアに侵入。DFを大きく切り返すとクロス。これを栗澤が頭でつなぎ、ゴール正面で馬場がヘディングシュートを放ったが浮いてしまった。39分にはヴェルディ米山の右クロスに、FW平本とジャーンがもつれこむように飛び込むと、ボールはポストをかすめる。東京はCK、FKからチャンスを作ろうとするが44分、左CKをルーカスが競り、DFのこぼれ球を金沢がダイレクトボレーで狙うが、ゴール右に。一進一退の攻防を展開するも、全体的に低調な内容で前半を終了した。
阿部の投入でリズムをつかみ、サイド攻撃を連発
後半、攻勢に出たのは東京だった。ハーフタイムでの指示にもあったセカンドボールを拾い始め、49分には速攻を仕掛ける。だがケリーのラストパスは相手DFがカット。52分には馬場がワンタッチのパスで右サイドのスペースにルーカスを走らせると、ルーカスがクロス。相手GKがはじいたところを三浦が拾い、再びクロス。しかしDFにクリアされ、リズムをつかみ始めたものの、決定的なチャンスは作れず。こう着した状況を打開しようと、54分には栗澤に代えて阿部を投入。これが試合の流れを大きく変えることとなる。阿部は左サイドから積極的な勝負を仕掛け、攻撃のリズムを完全に掴んだ。
56分、加地が右サイドでDFをかわし、スペースに抜け出してクロスを上げる。これに阿部がヘッドで合わせたが、枠はとらえきれず。60分には加地のサイドチェンジを受けた阿部がドリブルで仕掛け、こぼれ球を三浦が拾い、今度は左サイドを駆け上がった金沢へ。フィニッシュには至らなかったが、セカンドボールを拾って波状攻撃を仕掛ける形ができつつあった。62分には決定的チャンス。右スローインをルーカスが落とし、馬場が拾って強烈なシュート。GKが弾いたボールを今度は阿部が拾い、左エリア内からシュート。惜しくもゴールの上にはずれたが、よい攻撃の形をみせた。
64分にはサイドから中央にドリブルで入った加地が、前があいていると見るやミドルシュート。ゴール左下に飛んだボールはGKのセーブに合うも、CKを得る。その後も運動量の落ちたヴェルディに対し、東京は再三クロスからゴール前に迫り、CKを奪うが、フィニッシュには至らず。71分には馬場に代えて近藤祐を投入する。
チームを救った梶山の豪快なシュート!
75分にはヴェルディに立て続けに2本のCKを奪われるが、逆にカウンターを仕掛け、ルーカス→金沢→阿部とつなぎ、相手のクリアを金沢が粘って拾うとエリア内からシュート。だがゴールの上にはずれた。78分、ヴェルディMF三浦がゴール左下隅を狙ったFKは土肥がセーブし、CKに逃れる。続く79分、このヴェルディのショートコーナーをカットし、マイボールにすると速攻を仕掛ける東京。近藤祐→ケリーとつなぐと、ケリーは前線に飛び出した近藤祐に再びパス。近藤祐は飛び出してきたGKをかわし、ダイレクトでゴールに向かって流し込む! 誰もがゴールインかとボールの弾道を追った。ところが転がったボールは、ゴールラインぎりぎりのところでヴェルディMF小林大がクリア。執念のスライディングで、ゴールラインを割ることはできなかった。
直後の81分には疲れのみえた三浦に代えて梶山を投入。最後の交代枠を使って、総力戦でヴェルディゴールに迫る。86分には、その梶山がミドルレンジから左足のシュートを放つが、枠の外に。しかし、果敢にゴールに向かう姿勢がその後に活きた。
88分、左スローインのボールを中央でルーカスが受けると、中盤でフリーの梶山にパス。梶山はワントラップすると、右足を振りぬいた。猛スピードながら、よく抑えた弾道のボールは豪快にゴール左に突き刺さり、ゴールイン! 目の覚めるようなこのシュートに、GKも一歩も動けず。ナビスコカップ鹿島戦でも同じような位置からゴールを決めていた梶山だが、それを上回るほどキレのあるシュート。「(ルーカスからパスが来た時)一度は右サイドに振ろうと思って右のほうにトラップした。でも前があいていたのでシュートを狙った」という梶山。確かなテクニックと思い切りのよさを見せつけ、リーグ戦初ゴールは《大きな仕事》となった。
ロスタイム3分を含めた残り時間は、ケリー、ルーカスらが巧みにボールをキープして時間を使い、ヴェルディ側にはほとんど反撃させず、タイムアップ。守備ではヴェルディの攻撃を無失点に抑えるとともに、梶山の一撃で、どうしても欲しかった勝ち点3をゲット。連敗脱出となる価値ある1勝で、ここから巻き返しを図る!
【選手コメント】《梶山》「出場の時からシュートはどんどん打っていこうと思っていた。(ゴールは)雨だったので、枠に飛ばせばGKがはじくこともある考え、浮かさないように思いきって打った。今野選手とは、チャンスの時はどちらかが前に出てもバランスよくしようと心掛けた。2連敗していたが、チームの雰囲気は悪くなかったので今日をきっかけにもっと勝っていけるようになると思う」《今野》「バランスを取ることを第一に考えていたが、久々にチームに合流して初の試合でミスもあった。中盤ではボールを回されたが、最終ラインではやられなかったのでよかったと思う。五輪からの切り替えは大変だが、今度はJリーグでがんばることが大事。厳しい試合だったが、チームが勝つことが一番なので結果を出せてよかった」《茂庭》「正直疲れはまだ残っているかもしれないが、ディフェンスは安定していたと思う。ジャーンとのコンビネーションは問題なかった。攻撃では、前の選手たちがいつか点を取ってくれると信じていた」
【原監督の会見要旨】「開幕から2連敗して結果が出ていなかったが、内容は悪くなかった。そこに五輪代表選手が戻ってきて、この1週間は新たにスケールアップして練習してきた。石川は木曜の練習試合でケガをしてしまい、今日まで様子を見ていたが、大事をとって栗澤を先発にした。今日はヴェルディにある程度支配されるのは仕方がないと考え、しっかり守って奪ってから速く攻め、後半が勝負どころになると。阿部、近藤祐、梶山という攻撃的な選手を投入すれば、どこかで点を取るチャンスが出てくると思っていた。阿部はゴール前に飛び込んだり、左サイドで縦に勝負できるタイプ。ここ2試合途中交代で得点もしているので、アクセントとして一番に投入した。次にシュート力のある近藤祐を、最後に梶山を入れた。三浦の疲れも考え、守るよりもそこからボールを散らしてサイドを活かす、あるいは梶山自身にゴールを狙わせたかった。近藤のシュートチャンスがクリアされた時は引き分けも頭をよぎったが、選手が最後まであきらめないで勝ち取った大きな勝点3だと思う。デポルティボやローマといい試合をしたにもかかわらず、なかなか結果が出なかったが、もう一度自分たちのサッカーのレベルを上げていこうと話していた。五輪代表選手も合流して、練習してきたその成果が出た。まず失点を0に抑えられたのがよかった。攻撃に気を遣い過ぎたところもあったので、しっかり守備をしつつ、その中で点を取っていこうとした。梶山はすばらしいシュート力を持っているが、いつもパスを選択しているので、シュートを狙えと言い続けてきた。デポルティボ戦のシュートもすごかったし、今日のシュートもすごかった。彼にはスケールの大きな選手になってもらいたい。この勝点3は我々にとって大きい。G大阪も好調だが、次のナビスコカップに向かっていきたい」
【ヴェルディ・アルディレス監督の会見要旨】「前節のレッズ戦がまだ影響しているのか、今日はとても悪かった。自信が低下している選手が何人もいる。我々の視点から見れば非常に貧しい試合だった。前半はそんなに大きな差はなかったものの、相手を上回っていたのでまだ満足していた。しかし後半は貧しく、心配な展開となった。シュートは三浦のFKを含めた2本だけ。疲れも見えた。全て自信喪失によるものかもしれない。我々のチームは白か黒かとなってしまう。白のときはF・マリノスや鹿島に勝ってきた。だが黒のときは本当に深い黒になって、悪い結果を残している。今日の結果は、ここで警戒しなければという呼びかけだったかもしれない。次はナビスコカップだが、しっかり基本に戻らなければいけない。その基本のパス回し自体があまりうまくいっていないので、来週の練習ではそこに力を入れ、システムやメンバーの変更を含め、何かを発明しなければいけないのかも。今の状態ではこの状況は打開できない」