GAME RESULT試合結果

第7節 2004/9/26(日)
観衆 28,717人 
天候 曇、弱 気温 20.8度 湿度 83% 
主審:片山 義継 副審:石沢 知/唐木田 徹 四審:東城 穣

J1 2nd 第7節

味スタ

HOME

FC東京

0-1

試合終了

前半0-1

後半0-0

AWAY

鹿島アントラーズ

FC東京 鹿島アントラーズ
得点者 30' フェルナンド
49' 三浦 文丈 → 宮沢 正史
54' 馬場 憂太 → 阿部 吉朗
66' 戸田 光洋 → 石川 直宏
選手交代 68' 本山 雅志 → 青木 剛
81' バロン → 中島 裕希
89' 内田 潤 → 池内 友彦
14 シュート 10
6 CK 4
28 FK 12
25' 加地 亮
警告 02' 小笠原 満男
17' フェルナンド
48' 大岩 剛
58' 中田 浩二
87' 青木 剛
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 20 加地 亮
DF 2 茂庭 照幸
DF 3 ジャーン
DF 17 金沢 浄
MF 19 ケリー
MF 6 今野 泰幸
MF 10 三浦 文丈
MF 14 馬場 憂太
FW 9 ルーカス
FW 13 戸田 光洋
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 8 藤山 竜仁
MF 16 宮沢 正史
FW 11 阿部 吉朗
FW 18 石川 直宏
鹿島アントラーズ先発
GK 21 曽ヶ端 準
DF 17 内田 潤
DF 15 岩政 大樹
DF 4 大岩 剛
DF 7 新井場 徹
MF 16 フェルナンド
MF 5 中田 浩二
MF 8 小笠原 満男
MF 10 本山 雅志
FW 30 鈴木 隆行
FW 18 バロン
鹿島アントラーズ控え
GK 1 小澤 英明
DF 20 池内 友彦
MF 24 青木 剛
FW 11 深井 正樹
FW 27 中島 裕希

【選手・監督コメント】

体勢を整え、上位浮上をめざす!


 前節より中2日をおいての開催となる第7節、ホームで鹿島アントラーズと対戦する。第6節では首位を走る浦和に対して快心の勝利を収め、自信と勢いをつかんでいるはずだ。折りしも今日は、過去7年間無敗を誇る「ブラジルDay」。ここで連勝を果たし、一気に上位浮上をめざしたい。前節ゴールを決めたルーカスが先発に。また故障の癒えた石川が7月17日ナビスコカップ第5節以来(リーグ戦では5月22日1stステージ第11節以来)にメンバー入りし、ベンチに控えた。

 対する鹿島は、現在2勝2分2敗で8位につける。決して好調とは言い切れないものの、9月以降の戦いは、1勝2分で粘り強さを発揮。第4節C大阪戦=4対3、第5節磐田戦=4対4と失点が多かったが、前節は清水に対しスコアレスドローと守備の建て直しは図れている。今節はDF金古を出場停止で欠くが、日本代表のMF本山が3試合ぶりに復帰。東京同様、上位浮上をめざし、勝点3を奪いにくるだろう。

後手に回り、鹿島に先制を許す


 曇り空のもと、霧雨が断続的に降るような肌寒い天候の中、東京のキックオフで試合はスタートした。開始直後にケリーから戸田を経由し、加地が右クロスと、いい展開をみせた東京だったが、その1分後、鹿島は右サイドバックの内田が攻め上がり、深い位置からクロス。これに合わせ、FW鈴木がエリア内から放ったシュートはクロスバーを直撃。ゴールこそならなかったが、このプレーをきっかけに鹿島が押し込み始める。

 ボールを支配し、4分、10分にはゴール正面からのFK。15分には左CKから、ファーサイドのFWバロンがダイレクトで足で合わせるが、ボールはバウンドしてゴールの上に。

 東京は出足が遅れ、なかなかプレスをかけることができない。攻撃では前線のルーカスにパスをあて、そこから左右の馬場、戸田が展開しようとするが、コンビネーションが合わず、フィニッシュに持ち込めなかった。23分、ケリーがペナルティアーク付近でパスを受けると、反転してクロス。右サイドから走りこんだ戸田のヘディングが、今日1本目のシュートであった。

 26分には鹿島左サイドバックの新井場にエリア内へのドリブル突破を許し、ジャーンがかろうじてCKに逃れる。立て続けにCKを許したが、このこぼれ球を奪って東京は速攻を仕掛けた。ケリーのキープから右サイドでフリーの金沢へ。外を上がった加地が右エリアからゴール前に鋭いクロスを送り、ニアの戸田がつぶれ役となってゴール前ががら空きになるが、中央のケリーにはわずかに合わず。ファーに詰めた馬場のシュートは、素早く戻った鹿島DFに阻まれてしまった。

 ビッグチャンスを逃がした東京に対し、鹿島はチャンスをしっかりゴールに結び付けた。30分、ボランチの中田から左に流れた鈴木にパスがとおる。鈴木のクロスはジャーンがクリアしたが、ボールは浮いてゴール前に上がる。これをバロンが頭から競りにいくと、タイミングよくゴール前に走りこんだMFフェルナンドがこぼれを拾い、ゴールに叩き込む。東京はフェルナンドのマークに付ききれず、先制点を奪われてしまった。

リズムを取り戻し、チャンスを作るが…


 先制された後、ようやくゴールへの意識が出始めた東京。だが33分に今野が放ったミドルシュートはゴール左に。35分、右FKからゴール前に攻め込み、エリア内からケリーが放ったオーバーヘッドシュートは枠をとらえていたが、相手GKがセーブ。41分にはルーカスがドリブルで相手選手を2人、3人とかわしてエリアに侵入するがシュートは打てず。終盤は主導権を奪って反撃に出るも、結局決定的なチャンスは作ることができず、1点ビハインドのまま後半へと折り返した。

 ハーフタイムの原監督の指示は、「前線からのディフェンスを徹底的に」というもの。鹿島のロングパスの出どころを抑えようというものだ。それとともに「横パスが多く、サイドチェンジができていなかった。大きな展開を狙って」と、49分には三浦に代えて宮沢がイン。鹿島は51分、MF小笠原の右FKをゴール前、DFの裏抜け出した中田がシュートするが、これは土肥がセーブ。ピンチを切り抜けると、東京は54分には馬場に代えて阿部を投入。早い時間に動き、まずは同点ゴールを狙った。

 その直後、右スローインを受けたケリーがゴール前に浮き球のパス。これに戸田が飛び込むが、わずかに合わず。55分には右CKのクリアボールを拾って宮沢がシュート。56分にもCKを奪い、鹿島ゴールに迫る東京。60分には戸田が右サイドを使い、ゴールライン際まで攻め上がった加地がマイナスのクロス。これをルーカスがワントラップし、反転しながらゴール至近距離から放ったシュートはポストをヒット。62分には、宮沢が意表をついた右FK。グラウンダーでゴール正面に走りこんだ金沢にぴたりと合わせたが、フリーで放ったシュートはゴール右に。

鹿島得意の展開に持ち込まれ、無念の敗戦


 敵陣に攻め込む東京、カウンターの鹿島という展開で試合は進み、65分にはフェルナンドが速攻からミドルシュート。東京DFのクリアを拾われて再びフリーでシュートを放たれるが、枠の上に外れて追加点は免れた。どうしても1点がほしい東京は66分、戸田に代えて石川を投入。7月17日ナビスコカップ神戸戦以来となる石川の出場に、スタンドは大きな声援に包まれた。石川は出場直後に右サイドを疾走。相手DF2人に囲まれ、FKを奪う。だが、宮沢のキックのこぼれ球をルーカスがシュートするも、相手DFがブロック。

 対して鹿島は68分には本山に代えてMF青木をボランチに投入。石川の対面にフェルナンドを置き、しっかり守備固めをしてきた。だが、それに対し石川は気持ちを前面にアグレッシブにプレー。77分には速いボール回しから、右の加地からパスを受けて中に切り込んでシュート。CKを奪う。この右CKを宮沢がショートで石川につなぎ、金沢がミドルシュートを放つも枠の右に。80分にはケリーがルーカスとワンツーをかわし、中央突破を試みるが、鹿島DFに阻まれシュートはならず。

 83分すぎからは、FK、CKと立て続けにチャンスを作るが、鹿島の「1点を守り抜く」という明確な意図のある守備に押され、フィニッシュには持ち込めず。刻々と時間だけが過ぎた。ロスタイムには加地が右足を負傷し、離脱を余儀なくされた。交代枠を使い切っていたため10人で反撃に臨んだが、結局ゴールは割れず。後半だけでシュート10本を放ち、CK4本、直接FK16本のチャンスも得たが「1点」は遠く、鹿島の粘りと老獪な試合運びの前に無念の敗戦となった。

【選手コメント】《金沢》「追う形となり精神的にもいつもとは違ったが、1点を取り返すだけの力がなかった。後半支配はしていたが、効果的な攻撃はなかった。鹿島ディフェンスにスペースを消され、センターバック2人には高さもあり、そこを崩すことができなかった。ディフェンスをつり出す動きやポジションチェンジもなかった。攻撃に重点を置くなら、自分のシュートを含め、点を取る形を増やさなければ、ずっと勝つことは難しい。自分たちの形を出していくことが必要」《石川》「(出場に際し)相手DFが待ち構えているところに合わせてしまってはダメなので、サイドチェンジや速いパスを使い分けて、リズムを変えようと考えていた。何度かチャンスがあったが、アイデアや局面を考えたプレーが足りなかった。大好きな味スタで、温かい声援を受けたことはうれしかったが、結果が出ていないので、次の試合に目を向けていきたい。自分のフレッシュな気持ちをチームにも持ち込めたらいいと思う」

 【原監督の会見要旨】「前半の入り方が非常に悪かった。浦和戦でいいゲームをして、そこからしっかり気持ちを切り替えていこうと話していたが…。鹿島は、センターバックの大岩、岩政選手から、逆サイドに開いている小笠原、本山選手にロングボールを入れてきた。中田選手を含め、パスの出し手に対するルーカスやケリーのチェックが甘く、そこから自由に蹴られてこぼれ球を拾われる展開になってしまった。1失点で済んでよかったというのが前半の内容だった。ハーフタイムには前線からのディフェンスを徹底しようと話し、後半は状況が変わった。鹿島はリードしていたこともあるのか、ボールをつなげなくなり、我々が支配した。だが、ゴール前を固めた鹿島のディフェンスを崩せなかった。ボールは動いていたが、たとえばケリーにしても、ボールを持ちすぎてリズムが遅くなってしまうということがあった。もう少しテンポよく動かして、最後のフィニッシュ=クロスやシュートの精度を高めていかなければいけない。鹿島はしぶとく、粘り強くプレーされて、そこを崩せなかったのが今日の敗因。浦和戦であれだけいい試合をしたのに、今日の前半は対照的だった。まだまだ試合は続くので、改めてもっともっとチーム力を上げていかなければならないと感じている。ま次はアウェーでの名古屋戦だが、今日の後半のような試合を立ち上がりからしていきたい」

 【鹿島・セレーゾ監督の会見要旨】「内容からして妥当な結果ではないかと思う。両チームともに同じフォーメーションで、攻撃的なチームであり、互角の戦いになると予想していた。唯一心配していたのは、週3回の試合で何人かの選手はコンディションがあまりよくなく、最後まで同じペースを保てるかということ。鹿島の戦い方の重要なポイントは中盤の戻りであり、前半は小笠原、本山が完璧にこなしていた。ハーフが戻ることで、相手のサイドの上がりを抑えることができていた。後半立ち上がりの10~15分は守勢に回り、サッカーをしていなかったが、それも予想していたこと。そこさえしのげば勝ちきれる自信はあった。段々相手のペースが落ち、小笠原や本山がタメを作って、ボランチも押し上げられるようになった。立ち上がりは前に蹴る時間が続いたが、徐々にペースを取り戻したことがよかったと思う。後半25分過ぎからは、無失点に抑えることが目標だった。FC東京の選手交代は予測していた、新しさといえば石川選手のみで、そこが唯一ケアするポイントだった。石川選手に対しては、青木を投入しフェルナンドをサイドに出すことによって、スペースを消すことを徹底した。それでも何回かクロスやセットプレーからチャンスを作られたが、集中して守り、最後までボールに対する執着心を失わなかった。鹿島のサポーターには勝つことで満足してもらえたと思う。監督としては今日は完璧に近い試合運びができた。それに勝利がついてきた」