GAME RESULT試合結果

第13節 2004/11/20(土)
観衆 33,504人 
天候 晴、無 気温 15.4度 湿度 50% 
主審:布瀬 直次 副審:岡野 尚士/宮島 一代 四審:竹内 元人

J1 2nd 第13節

新潟ス

HOME

アルビレックス新潟

4-2

試合終了

前半2-1

後半2-1

AWAY

FC東京

アルビレックス新潟 FC東京
22' 上野 優作
26' 松尾 直人
65' エジミウソン
71' エジミウソン
得点者 21' 三浦 文丈
79' ルーカス
75' ファビーニョ → 本間 勲
80' エジミウソン → 寺川 能人
89' 鈴木 慎吾 → オゼアス
選手交代 53' 三浦 文丈 → 梶山 陽平
63' ケリー → 阿部 吉朗
66' 石川 直宏 → 馬場 憂太
14 シュート 17
9 CK 4
13 FK 18
68' 山口 素弘
78' 安 英学
81' 本間 勲
警告
退場
アルビレックス新潟先発
GK 21 野澤 洋輔
DF 33 松尾 直人
DF 17 安 英学
DF 2 丸山 良明
MF 8 山口 素弘
MF 20 桑原 裕義
MF 18 鈴木 慎吾
MF 4 鈴木 健太郎
FW 10 エジミウソン
FW 11 上野 優作
FW 9 ファビーニョ
アルビレックス新潟控え
GK 1 木寺 浩一
DF 14 高橋 直樹
MF 15 本間 勲
MF 16 寺川 能人
FW 34 オゼアス
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 20 加地 亮
DF 5 増嶋 竜也
DF 8 藤山 竜仁
DF 17 金沢 浄
MF 6 今野 泰幸
MF 10 三浦 文丈
MF 19 ケリー
FW 18 石川 直宏
FW 9 ルーカス
FW 13 戸田 光洋
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 30 松本 昂聡
MF 23 梶山 陽平
MF 14 馬場 憂太
FW 11 阿部 吉朗

【選手・監督コメント】

リーグ戦7試合ぶりの勝利を目指して


 2ndステージ第13節はアウェーで新潟との対戦。新潟スタジアムでの開催は新潟中越地震以来はじめてとなる。先週は天皇杯が開催され、東京は仙台に1-0で実に久々の90分間での勝利となったが、リーグ戦では9/23第6節vs浦和戦以降勝利がなく、残り3試合は全勝を目指し、少しでも順位を上げてもらいたいものだ。

 新潟は現在2ndステージは5勝2分5敗で勝点17、震災後のリーグ戦は3連敗と、会場がすべて新潟以外という不運もあるが、ここ最近は勝利から遠ざかっている。ただ1stステージが14位という結果を考えれば、明らかに1stステージ開幕戦で戦ったチーム状況とは明らかに違っている。特に攻撃陣はエジミウソン、オゼアス、ファビーニョの外国人トリオは大きな脅威だ。その証拠に2ndステージの総得点は24と浦和に次ぐ3位である。この試合はオゼアスの代りに上野が入るが、自慢の攻撃的布陣で臨む。

 対する東京は、ケガの茂庭とジャーンの代りにセンターバック2人を増嶋、藤山とし、多少守備面に不安は残すが、それ以外はほぼベストメンバーが揃い、リーグ戦7試合ぶりの勝利を願って、快晴の中、東京のキックオフで始まった。また、この試合で先発出場の戸田がJ1リーグ戦100試合出場を達成した。

鮮やかな三浦のゴールで先制するが...


 原監督は「今日は2点以上とって勝つ」「とにかくいい試合をしよう」ということでピッチに送り出した。両チームとも試合開始から攻撃的にいった。2分にケリー→ルーカスと繋ぎ左サイドの戸田へ、そのままダイレクトでクロスを上げるが相手DFにCKに逃げられる。4分はケリー→ルーカス→今野→ルーカスとの細かいパスワークで相手DFを翻弄して、最後はルーカスがシュートを放つがバーの上に。

逆に新潟は5分にMF鈴木健が東京から奪ったボールをMF鈴木慎へ、そのまま左サイドを駆け上がりCKを獲得。6分は今野のバックパスをカットしたFWエジミウソンがそのままドリブル、FWファビーニョに繋いでシュート。お互い序盤から攻め合いとなる。

 11分には華麗なダイレクトパスで抜け出したケリーがシュート、13分には加地のロングフィードで相手DFの裏に抜けた戸田が落としたボールをルーカスがそのままシュート、2つともバーの上に。さらに16分は左サイドをパスワークで崩して金沢がセンターリングするもCKに、20分は右サイドで石川のキープからFKを得る。これを石川がニアサイドにボールを入れると戸田がヘディングでそらすがファーで合わせることが出来ない。東京は効果的に、しかも両サイドからパスワークでチャンスを演出し、得点の予感がし始めた21分に先制点が生まれる。

 自陣からケリーがドリブルで駆け上がり、左サイドの戸田にボールを渡すとこれを右サイドの石川にサイドチェンジ。このロングボールをトラップで相手DFを抜き去り、エンドラインまで行ってから切り返して、駆け上がってきた三浦に。これをペナルティエリア外からダイレクトでシュートすると、ボールはゴール左のサイドネットに突き刺さりゴール!最近の試合では見られなかったファインゴールで幸先よく先制点を奪った。

ミスから簡単に失点


 ところが、喜んでいる間もなく先制から1分後に失点してしまう。22分に中央でエジミウソンが強引にドリブル突破をはかり、マークに付いていた藤山も振り切りぺナルティエリアに進入、エンドラインギリギリのところでグラウンダーで中央に折り返すと走り込んでいたFW上野がドンピシャで合わせ、新潟は振り出しに戻した。

 その後は新潟が完全にペースを掴む。特にエジミウソンは右サイドを縦横無尽に駆け回りゴール前にDFの嫌がるボールを入れてくる。そして新潟は追いついた4分後にさらに追加点を奪うことになる。26分に左CKを鈴木慎が左足で入れると、一度は東京DFがクリア。しかしそのこぼれ球を右サイドにいたDF丸山がダイレクトで再度ゴール前に入れると、飛び出した土肥がそれをパンチングするも、クリアが小さく、ボールが鈴木慎に渡ってしまい、ワントラップ後に右足でシュート。シュートは打ち損こないとなるが、そのボールを中央に上がっていた松尾が頭で押し込み東京はリードを許してしまう。

 東京はなかなか攻撃のリズムを掴めない。31分にはルーカスの強引なドリブル突破からシュート、相手DFがクリアしたボールを今度は三浦がペナルティアーク外からシュートするも、ゴール右外へ。33分は中央でケリーと加地のパス交換から、最後はルーカスも絡んで抜け出したケリーがシュートするも、相手DFが体を張ってクリア。38分は中央でペナルティエリアちょっと外でFKを獲得。ルーカスが直接ゴールを狙うも壁に当たってクリアされる。東京は何回かシュートチャンスはつくるものの、前半はこのまま1-2で終了する。

相手のカウンターを最後まで許してしまう


 ハーフタイムでの原監督の指示は、「増嶋が上野のマークについて競り合いに負けるな」「一度ルーカスとケリーの足元に低いバスを入れてからサイドに散らして攻めよう」というものであった。後半開始から東京は反撃に出る。後半開始1分にFKを得ると石川がシュートするもバーの上に。53分には三浦に代えて梶山を投入、ボールキープ率をさらに上げ、相手陣内での攻撃が続く。

 55分には梶山からの大きなサイドチェンジで左サイドの戸田へ。そのまま駆け上がりセンターリングをするも相手DFにクリアされる。59分には左サイドから金沢が中央に折り返すと、ニアでルーカスがヘディングシュート、相手GKのファインセーブで弾かれるが、そのこぼれ球を今度は今野と梶山とのパス交換から、最後はルーカスが再度シュートするも相手GKの正面に。どうしても得点できない。

 東京は63分にケリーに代えて阿部を投入。さらに攻撃的にと思っていた矢先、ミスからカウンターで失点を許す。65分に右サイドで石川がボールをキープ、中に入れたミスパスをそのままカットして、鈴木慎がドリブルで左サイドを駆け上がる。早いタイミングでGKとDFの間にライナー性のクロスを入れると、逆サイドに走り込んでいたエジミウソンが体を投げ出してボールをゴールに流し込み、東京はやってはいけない追加点を奪われる。

 東京は66分に石川に代え馬場を投入するも、新潟のカウンターを止められず、さらに失点を許す。71分エジミウソンのドリブル突破を許し、DF3人で何とかCKに逃げるが、その左CKから鈴木慎の精度の高いボールをエジミウソンがヘディングシュート、最近の試合では見られなかった、集中力を欠いたプレーでの失点で3点差となる。

最後まであきらめず攻撃するも...


 東京はある程度のリスクを冒しながらも総攻撃をかける。左サイドで金沢と阿部、右サイドは加地と戸田が目まぐるしくサイドアタックをしかけ、中央では梶山と馬場がアクセントとなって攻撃のリズムを作っていたが、追加点がうまれたのは79分となる。 ペナルティエリア内での阿部のドリブル突破を、相手DFがたまらずファール。PKを獲得し、ルーカスがキッチリ決めて2点差とする。85分には左CKのボールをファーサイドで増嶋が中央にヘディングで折り返す、それをルーカスがヘディングで合わせるが相手DFがゴールのエンドラインでクリア、さらにそのこぼれ球を最後は梶山がシュートするもバーの上に外し、ゴールは奪えない。

 最後まで新潟ゴールを脅かすも、2-4のまま試合は終了。チームは久々の2得点ではあったが、ちょっとしたミスから簡単に失点を許す展開で、最後まで攻守のいいリズムを掴むことが出来ず、またもやリーグ戦勝利はおわずけとなってしまった。 

 【選手コメント】《三浦》「自分が先制点を入れると勝てないな。相手の気迫のほうがまさっていたように感じた。新潟は久々のホームスタジアムで当然震災のあった方のためにも絶対に勝ってやろうという気持ちでくるのは分かっていたが、それを受けて立たないで自分たちも意地になってぶつかっていこうと話していたが、実際押し込まれてからは、気持ちの部分で押し戻すことは難しかったですね。新潟は動き出しや次を予想した動きが早かった。天皇杯もそうだが、引いて守る相手に対して攻め方が悪く、カウンターを食らったり、ペースを握られてしまうというパターンが多くなってきたので、チームとしてもう少しいろんなことを考えなければいけない。ちゃんとフィニッシュで終わるということや。シュート練習が試合の勝利に結びつくようにしたいね。次はホーム最終戦なので、そこはちゃんと勝って終わらないと。交通が不便の中、今日来てくれた多くのファンの皆様には申し訳ない。その分もキッチリと次節で返したい。」《増嶋》「いい形で先制点がとれてよかったが、すぐに失点してしまってリズムを崩してしまった。その後の失点でさらに雰囲気が悪くなってしまった。DFラインもいつもあまりいっしょにやったことのないメンバーだったのでうまくいかなかった。後半は上手く対応できたと思うが、カウンターを自由にやられてしまった。練習でもっとコミュニケーションをとって細かいところを修正しなければいけないと思う。勝って勢いをつけたかったけど...」

 【原監督の会見要旨】「地震の影響で新潟のチームが久々に行うホームスタジアムでの試合、また新潟はこのところ連敗をしてましたので、かなり厳しい試合になることは予想をしていました。新潟のチーム、ファンも含めてモチベーションが高く持ってくるので、選手にはそれに負けないようにと、そしていい試合をしようと言って試合に臨みました。予想したとおり新潟はスピーディーな攻撃で、ウチの方が上手く攻撃が出来ず、中途半端にいったところをパスカットされ、それをカウンターに持っていかれ嫌なリズムであったが、21分に戸田から石川と繋いで三浦が決めて、やっといい形で得点できたなと思っていた。しかしその後すぐにやられてしまったことが今日のゲームを運ぶ意味でうまくなかったなと。あの失点シーンで緊張の中、増嶋がまだ若く経験もないこともあって、藤山がエジミウソンについていってて角度のないところだったので真ん中でしっかりマークしていれば何でもなかったのに、なんとなくボールにつられてしまってマークをはずしてしまった。ハーフタイムに増嶋には上野に対して怖がらずに競りに行けと、前半は藤山が競っていたために真ん中のバランスが悪くなっていて、両サイドバックも心配になって中に絞ると、その空いたスペースを鈴木慎やエジミウソンに仕掛けられる連続だった。2失点目も土肥のパンチングが相手に渡ってしまって、3失点目も石川がパスミスでということを考えると今日はミスでやられてしまったかな...ただ、最後まであきらめずに選手は攻めていたと思います。途中出場の梶山や馬場もよくやってくれたと思いますが、今日は新潟の何人か足をつりながらでも全力で戦い続けた彼らの方が我々よりも力が上回っていたと正直認めなければいけないと思うぐらい素晴らしかったと思います。われわれリーグ戦で勝ってないんで、次節はホーム最終戦なので気持ちを切り替えて何としてでも勝ちに行きたいと思います。増嶋は持っているものは素晴らしいと思いますが、ちょっと弱気になったりするところを越えていかなければ、もっともっと強い選手にはなれないし、たしかにジャーンや茂庭がいないのは厳しいですが、増嶋やチームもそういうことを乗り越えていかなければいけないと。今日の新潟の気迫を学んで次の味スタで市原を倒したいと思います。」

 【新潟・反町監督の会見要旨】「まずは浦和のリーグ優勝、大宮のJ1昇格おめでとうございます。埼玉は今歓喜の中にいるんではないでしょうか。久々のホームで新潟らしいスピード感溢れるサッカーが出来たことを非常にうれしく思っております。内容、結果とも失点は目をつむるとしても非常に新潟らしさが出てよかったと思います。今日はスタジアムに足を運んでくれた方はそれぞれいろんな思いがあって、その中で希望、期待に応えられたことがよかった。レイソル戦の後、「ぬるま湯」という表現をしましたが、選手には試合前、残り3試合はラストスパートだと、マラソンでラストスパートの時に相手に抜かれるのが一番悔しいだろと、逆に相手を抜き去るのはいい気持ちだろうと。そんな話をして今日のゲームは是非とも気持ちの入った、相手よりも速く走る、一歩先に出る能動的でアクティブなところを見せて欲しいと。そのことはゲームの中で随所に表れていたことは確かだと思います。1点目も2点目も相手より一歩早く出たことで、マイボールに出来て得点につながっていることを考えますと、今日はそういう選手のひたむきな姿勢、もともとFC東京もひたむきな姿勢のあるチームで、お互いスピーディーで切り替えの早い試合展開になると思ってましたが、そのとおりのいいゲームであったと思います。そうした中で競り勝つことが出来て私もうれしく思っております。」