GAME RESULT試合結果

第1節 2006/3/29(水)
観衆 16,065人 
天候 曇、弱 気温 7.2度 湿度 26% 
主審:穴沢 努 副審:抱山 公彦/犬飼 一郎 四審:牧野 明久

YNC 予選Aグループ 第1節

駒場

HOME

浦和レッズ

2-0

試合終了

前半0-0

後半2-0

AWAY

FC東京

浦和レッズ FC東京
62' エスクデロ
89' 酒井 友之
得点者
66' エスクデロ → 赤星 貴文
73' 岡野 雅行 → 平川 忠亮
84' 相馬 崇人 → 細貝 萌
選手交代 04' 馬場 憂太 → 栗澤 僚一
76' 梶山 陽平 → 阿部 吉朗
76' ルーカス → ササ サルセード
11 シュート 14
1 CK 8
16 FK 9
警告
退場
浦和レッズ先発
GK 1 山岸 範宏
DF 20 堀之内 聖
DF 4 田中 マルクス闘莉王
DF 19 内舘 秀樹
MF 30 岡野 雅行
MF 13 鈴木 啓太
MF 7 酒井 友之
MF 16 相馬 崇人
MF 10 ポンテ
FW 34 エスクデロ
FW 21 ワシントン
浦和レッズ控え
GK 28 加藤 順大
DF 3 細貝 萌
MF 14 平川 忠亮
MF 25 赤星 貴文
MF 31 中村 祐也
FW 12 黒部 光昭
FW 32 小池 純輝
FC東京先発
GK 22 塩田 仁史
DF 25 徳永 悠平
DF 3 ジャーン
DF 5 増嶋 竜也
DF 15 鈴木 規郎
MF 19 伊野波 雅彦
MF 23 梶山 陽平
MF 6 今野 泰幸
MF 14 馬場 憂太
FW 20 川口 信男
FW 9 ルーカス
FC東京控え
GK 31 遠藤 大志
DF 8 藤山 竜仁
DF 29 前田 和也
MF 16 宮沢 正史
MF 27 栗澤 僚一
FW 11 阿部 吉朗
FW 21 ササ サルセード

【選手・監督コメント】

ナビスコカップ開幕!


 2006ヤマザキナビスコカップが開幕。東京は、予選リーグAグループで浦和・横浜FM・福岡とホーム&アウェーで対戦。決勝トーナメントには、A~Dの4グループ中、各1位と、2位の上位3チームが進出(およびG大阪が出場決定)。日本代表の土肥、茂庭が不在。また、リーグ戦前節より中2日という厳しいスケジュールで開催されるが、ガーロ監督は「カップ戦だからといって特別なことはしない。いつもどおりのプレーで勝利をめざして戦う」と話していた。

 浦和は、リーグ戦では現在首位に立ち、絶好調といえるだろう。日本代表のDF坪井、三都主、MF長谷部、小野が不在、またケガのためGK都築、MF山田を欠き、今日はGK山岸、DF内舘、MF岡野、酒井、相馬、FWエスクデロが今季初先発。6名メンバーが代わり、FWワシントンとエスクデロを2トップに、MFポンテをトップ下に置く3-5-2の布陣で臨んできた。

 これに対し東京は、「浦和は誰が出てきてもクオリティが高い(ガーロ監督)」と警戒し、伊野波がMFポンテを、今野がFWエスクデロをマーク。ジャーンが主にFWワシントンにつく形で対応。まずは厳しいマークで相手を自由にさせず、そこから攻撃のチャンスをうかがう。試合は、冷え込みの感じられるアウェー駒場スタジアム、19時に東京のキックオフでスタートした。

厳しいマークで、浦和を自由にさせず


 立ち上がり3分、徳永からの大きなサイドチェンジを馬場が追いかけるが、ボールはエンドラインをアウト。ここで馬場は右足腿裏を傷め、急きょ栗澤が交代出場することに。アクシデントではあったが、それに動揺することなくプレー。6分には徳永が深い位置からのクロスを上げる。栗澤が飛び込むと同時に、ルーカスが合わせようとするが、DFに阻まれる。

 8分、浦和はFWワシントンのドリブルから、FWエスクデロがゴール前にスルーパス。左MF相馬が攻め上がり、シュートチャンスを迎えるが、塩田が果敢に飛び出し打たせず。徐々に浦和がペースをつかみ始めるが、厳しいプレッシャーをかけ、簡単にはプレーさせない。12分には鈴木が浦和右MF岡野に抜かれ、右クロスを上げられる。塩田が一度はこぼし、ファーのFWワシントンに詰められるが、塩田は素早く体勢を立て直して抑えきった。

 その後も再三、浦和はMF岡野のクロスから攻めに出るが、東京もサイドを起点にチャンスをつくる。24分、自陣でボールを奪い、川口→栗澤が右前線のスペースへ。徳永が走り勝ち、CKを奪う。37分には相手陣内でのインターセプトから鈴木が仕掛け、左CKに。39分に梶山のFKから鈴木がクロスを上げるが、勢いが弱く、相手DFがクリア。こぼれを拾ったジャーンが遠めの位置から思い切って狙うが、大きく上に。セットプレーからゴールを狙ったが、いずれも浦和DFに跳ね返され、フィニッシュには持ち込めなかった。

 32分には浦和・右クロスを受けたFWワシントンがゴール前に反転してシュート体勢に入るが、ジャーンがカット。42分にFWワシントンが東京DFの裏に抜け出し、右MF岡野からのパスをとおされるが、ジャーンが必死に戻り、シュートをヒットさせず。浦和が次々と仕掛けてくる攻撃は、ジャーン、増嶋、伊野波を中心に集中を切らさず、身体を張ってよく守り0対0で前半を終了した。

チャンスのあとに失点、決定力の差に泣く


 後半、先に流れをつかんだのは東京だった。50分には伊野波の縦パスから、ルーカスが中へ。栗澤を経由し、ルーカス→右の徳永にパスを出すがとおらず。こぼれを拾って再び徳永が中へ切り込み、ゴール前へ浮き球のラストパス。相手DFに阻まれるが、再びこぼれを拾った梶山がミドルシュートと、連係のよいプレーをみせた。中盤でボールをキープできるようになり、前への勢いが出始め、完全に東京がリズムを掴み決定的なチャンスが何度も訪れる。

 57分、左から右へ大きなサイドチェンジ、走りこんだ徳永の折り返しから、中央で栗澤が狙い澄ましたシュートを放ったが、相手DFにゴール前で阻まれる。58分にはDFの裏に飛び出し、スピードを活かした川口が相手を振り切ってゴール前まで突進し、決定的なシュートを放つ。しかしGKのファインプレーに阻まれてしまう。ここで奪った右CKから、今度は徳永がヘディングシュートを放つも、ゴールぎりぎりで相手DFのクリアに合う。次々と決定機をつくったが、決めることができず。

 逆にその直後、攻め上がった隙を突かれることに。62分、浦和DF闘莉王が、センターサークル付近から前線にロングフィード。これをFWワシントンが正確なポストプレーで、エリア内にいたFWエスクデロにつなぎ、ゴールを決められてしまった。東京は76分に梶山、ルーカスに代えて阿部、ササを投入。3トップにして反撃に。互いにラインが間延びする中で激しい攻防が続いたが、東京は気迫あふれるプレーで浦和ゴールに迫った。

 80分にはササ→栗澤がエリア右のササへスルーパスをとおしCKを奪う。その右CKからフリーのジャーンがヘディングシュートを放つも枠を外してしまう。87分には、相手陣内、遠めの位置からのFK。栗澤が前線に放り込み、相手GKがキャッチ。GKはそのままゴールの中に押し込まれる形となったが、ゴールインはならず。88分には、増嶋のフィードを受けて、相手DFの裏に抜け出した阿部がGKと1対1に。しかしシュートはわずかにポスト右外に。

 するとまたもやその直後、浦和に速い攻めを仕掛けられ、右からのパスをエリア内で受けたFWワシントンがゴール前にラストパス。そこに走りこんだMFポンテにシュートを打たれる。塩田が一度はセーブ、しかしこぼれをMF酒井に詰められ、ゴールを許した。結局後半は多くのチャンスをつくりながらも、決めきれず、その裏を突かれる形で2失点。浦和のシュート11本に対し、東京は14本を放ったが、決定力の差に泣き、ナビスコカップは黒星スタートとなった。

 【選手コメント】《増嶋》「ジャーンがFWワシントンに付き、自分は余る形でディフェンスしていた。これまでにもやっていた形だったので違和感なくできたが、ふとした隙にマークがはずれて失点してしまった。それ以前に先取点を取れるリズムがあった。川口さんがチャンスをつくっていたので、自分もフィードするように心がけた。あの時間帯は、ゴールが取れるリズムがあったので、そこで先制できれば流れが変わっていたはず…」《阿部》「(終盤のチャンスで)あそこで決めるのが、途中交代で入った今日の僕の仕事。それができなくてとても残念。(交代出場にあたって)3トップでやることは決まっていたので、とにかくゴールに向かった。中盤が間延びして、セカンドを拾えなくなり、ボールが入らない時間もあったが、2次攻撃を仕掛けられた時間帯もあった。そこで決めなくては…」

 【ガーロ監督の会見要旨】「前半に関しては浦和の方がボールキープの機会も多かったが、後半に関しては私たちにもチャンスがあった。いい試合だったと思う。後半は我々に確か6回のチャンスがあったと思うが、それを決めきれず、残念ながら2点を決められてしまった。チャンスが多ければ勝つというものではなく、こういう結果になるのもサッカーだ。前半は、中盤であまりパスをつなげなかったことが、チャンスが生まれなかった理由。後半に関しては、パスがつなげるようになり、チャンスが訪れた。後半はほとんどの時間で我々が支配できたかと思うが、やはりサッカーというのは点を決めたチームが勝つ。そこで決められなかったことが結果に出た。決定力の差だと思う。(伊野波、今野がDFラインまで下がって6バックのように見えたが?)我々はいつもと変わったプレーはしていない。ただ伊野波がMFポンテに、今野がFWエスクデロにマークについていたので、そう見えたかもしれない。だが、我々はいつもどおり攻めて勝つということを考えていた」

 【浦和・ブッフバルト監督の会見要旨】「今日は典型的なカップ戦の試合だった。前の試合の先発メンバーから、代表4名と、ケガの山田、都築という計6選手を入れ替えなければならず、いつもとは違う顔ぶれになった・が、いい入り方ができて、前半はかなりゲームを支配できた。素晴らしいチャンスもあったが、それを決めることができなかった。後半に入ってFC東京は攻勢をかけてきて、何回かのチャンスを作られたが、東京のいい時間帯になった時に我々が得点することができた。その後、両チームともいいチャンスを作りながら決められなかったが、試合終了間際に我々が追加点を決めることができた。90分間を見れば勝利は妥当かと思うが、引き分けでもおかしくなかった試合だった。今日はみなさんにもレッズの層の厚さを感じていただけたのではないか。これまでの出場時間が短い選手たちでも、チャンスを与えられればしっかりと先発の11人に近いパフォーマンスを出してくれた。レッズはリーグ戦で首位であり、対戦するチームはモチベーションが必要以上に高くなっている。試合もかなりハードになるが、それは今後全ての試合に対して言えること。相手にしてみれば、「年間でこの試合だけは絶対に!」という試合を、ずっと続けていかなくてはいけない。その中で、これだけ先発の選手が代わっても、しっかり戦えるということを見せてくれた。(守備に関して)無失点という結果は良かったが、特に後半はコンパクトさを欠き、スペースを与える場面が多かった。選手たちは1対1の局面では絶対勝ついう気持ちで100%の力を出してくれたが、コンパクトさでは、この前の試合から比べて欠けるところがあったと思う」