GAME RESULT試合結果

第8節 2006/4/15(土)
観衆 21,190人 
天候 晴、中 気温 12.4度 湿度 29% 
主審:上川 徹 副審:廣嶋 禎数/村上 孝治 四審:宮島 一代

J1 第8節

味スタ

HOME

FC東京

2-3

試合終了

前半0-2

後半2-1

AWAY

ジェフユナイテッド千葉

FC東京 ジェフユナイテッド千葉
61' ルーカス
69' 赤嶺 真吾
得点者 09' 巻 誠一郎
31' 巻 誠一郎
55' クルプニコビッチ
45' ササ サルセード → ジャーン
45' 栗澤 僚一 → 川口 信男
45' 伊野波 雅彦 → 赤嶺 真吾
選手交代 78' 中島 浩司 → 楽山 孝志
11 シュート 15
3 CK 6
17 FK 22
警告 44' ストヤノフ
44' 立石 智紀
73' クルプニコビッチ
83' 阿部 勇樹
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 25 徳永 悠平
DF 5 増嶋 竜也
DF 2 茂庭 照幸
DF 15 鈴木 規郎
MF 19 伊野波 雅彦
MF 23 梶山 陽平
MF 6 今野 泰幸
MF 27 栗澤 僚一
FW 9 ルーカス
FW 21 ササ サルセード
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 3 ジャーン
MF 7 浅利 悟
MF 16 宮沢 正史
FW 20 川口 信男
FW 24 赤嶺 真吾
FW 11 阿部 吉朗
ジェフユナイテッド千葉先発
GK 1 立石 智紀
DF 4 水本 裕貴
DF 5 ストヤノフ
DF 3 斎藤 大輔
MF 16 山岸 智
MF 15 中島 浩司
MF 6 阿部 勇樹
MF 2 坂本 將貴
MF 22 羽生 直剛
MF 9 クルプニコビッチ
FW 18 巻 誠一郎
ジェフユナイテッド千葉控え
GK 17 櫛野 亮
MF 7 佐藤 勇人
MF 20 工藤 浩平
MF 23 楽山 孝志
FW 10 ハース
FW 11 要田 勇一

【選手・監督コメント】

1対1に競り勝ち、ホームで勝利をめざす


 リーグ戦第8節は、ホームでジェフユナイテッド千葉と対戦する。先週末から続く3連戦、また12日(水)のナビスコカップから中2日で迎える今節、コンディションが完調ではないジャーンはベンチスタートとなった。システム的には4-4-2の布陣で、伊野波を中盤の底に配し、流動的な動きで飛び出してくる千葉の攻撃に対して、マークを受け渡すことで対策を図る。

 千葉は現在リーグ戦では2勝3分2敗。だが、ナビスコカップを含め、ここ4戦は3勝1分けの負けなしで、調子は上向きだ。何より粘り強さと交代選手の活躍もあり、第6節川崎戦では、2度の先行を許しながらも追いつき、ナビスコ新潟戦では逆転を果たしている。最後まで気を抜くことができない戦いとなる。

 一方で、千葉は今季無失点の試合は一度もなく、付け入る隙も十分にあるはずだ。マンツーマンできっちり守ってくる千葉に対して、まずは1対1の局面で負けないことが重要。その上でいかに空いたスペースを見つけ、連動した動きでゴールにつなげることができるかがポイント。ホームで、勢いのあるサッカーで勝点3をめざしたい。試合は、花冷えのする味スタ、16時4分に千葉のキックオフでスタートした。

千葉に圧倒され、なすすべなく


 千葉が立ち上がりから豊富な運動量を活かし、リズムをつかんだ。2分には東京が攻め、鈴木が左クロスを、3分には徳永が右サイドを突破してクロスを上げるも、千葉はこれを簡単に奪うと速いパスを最前線のFW巻に送る。そして早い押し上げでセカンドボールを拾っては、次々と攻めに出てきた。

 9分には、中盤のルーズボールを千葉MF阿部に奪われ、MF中島とのワンツーから右サイドを駆け上がる。これに対して茂庭が止めきれず、阿部はそのままエリア内に進入し、ゴールライン際からマイナスのラストパスを送る。中央でFW巻をフリーにしてしまい、これを蹴り込まれて失点。早くも先制点を奪われた。続く11分には、千葉の速攻から、MF羽生の右クロスをMFクルプニコビッチがヘディングシュート。ゴールネットを揺らしたが、オフサイドのため追加点は免れた。

 東京は、千葉の2列目やボランチからの飛び出し、ゴール前での流動的な動きをつかみきれず、時間の経過とともに圧倒されることに。17分には、今野の左クロスをササが落とし、後方から走りこんだ徳永が思い切ったミドル。18分には焦れた状況を打開しようと増嶋がロングシュートを放つ。24分にも右CKから増嶋がヘディングで狙うが、いずれも枠を捉えられず。

 28分、千葉MFクルプニコビッチのパスから、ゴール正面でフリーになった左MF山岸の決定的なヘディングは土肥のセーブで阻止した。だが31分、千葉のエリア右外のFKから、ゴール前に上がったボールをFW巻にヘッドで難なく決められ、2点目を失った。36分にも、千葉MF中島にドリブルで独走を許し、ラストパスを受けたMF羽生がシュート。土肥の好セーブでゴールは逃れたが、中盤やゴール前でのマーク、前線での動きとキープなど、攻守両面ですべのプレーが後手に回り、なにもできずに前半を終了した。

ルーカスのPK、赤嶺のJ初ゴールで、反撃ムードが高まるも…


 後半、一気に3選手を交代。伊野波、ササ、栗澤に代えて、赤嶺、ジャーン、川口を投入し、ルーカスをトップ下に、3バックにして反撃体制を取った。川口、赤嶺、ルーカスが前線でよく動いて相手DFの裏を狙い、勢いが出始める。しかしまたもやその矢先のことだった。55分、千葉のFKからクリアを拾ったMF阿部が強烈なシュート。これはジャーンが身体を張ってブロックするが、こぼれをMF羽生→FW巻とつながれ、エリア内に走りこんだMFクルプニコビッチがゴール。試合を決定づける3点目を奪われた…。

 それでも下を向くことなく、ここから怒涛の反撃をみせる東京。61分には、左エリアに抜け出した川口がクロスを上げる。相手GKが触って角度が変わり、エリア内の相手DFの手にあたってPKを得る。このPKをルーカスがきっちり決めて1点を返すと、一気に東京ペースに。64分、赤嶺のポストからルーカスがスルーパス。相手DFの間を強引に抜け出した川口が決定的なシュートを放つが、相手GKの好セーブに阻まれる。こぼれを拾った梶山のミドルはGK正面に。

 迎えた69分、左スローインを受けたルーカスが、ゴール前にロビングのボールを上げる。これを相手GKがキャッチミス。こぼれに反応した赤嶺がすかさず蹴り込んで、ゴール! 相手のミス絡みではあったが、あきらめずに詰めた赤嶺の姿勢が、自身のJ初ゴールに結びついた。

 反撃のムードが盛り上がる中、その後は激しいカウンターの応酬が続き、どちらにゴールが生まれてもおかしくない展開に。茂庭が果敢な攻め上がりをみせ、71分には茂庭の左クロスを受けた川口が強烈なミドルシュート。しかしわずかに左に切れる。86分には、川口がゴール前に送ったボールが梶山にあたって跳ね返り、オーバーラップしていた茂庭の前にこぼれるが、打ち切れずゴールラインを割ってしまった。最後まで反撃したが、追い上げはならずタイムアップ。結果的に攻守にわたって千葉に力およばず、2対3で敗れた。

 【選手コメント】《茂庭》「失点は、もうひと声かければ、もう一歩寄せられれば防げたかもしれない。いつでもボールから目を離さないで、あたり前のことをやれるように修正していかなければ。後半(システムを変えたのは)もっと攻撃の姿勢を出したかったからだと思っている。ノリオがずいぶん相手を引っ張ってくれて、自分の前にスペースができたので上がっていった。時間はかかるかもしれないが、向かっている方向は間違っていないと信じている。能力の高い選手も多いし、もっと強くなりたい」《赤嶺》「出場にあたって、川口選手と2人で流れを変えようとした。前から追って、スペースに抜け出して起点になることを意識した。これまでよりは早い時間帯の出場だったので、絶対に結果を出したかった。ゴールの場面は、GKがこぼすこともあると考えて詰めていた。プロ初ゴールになったが、ただ、負けている場面だったのであまりうれしくはなかった。勝てなかったことが残念」

 【ガーロ監督の会見要旨】「前半の私たちは良くなかったが、後半に盛り返したと思う。千葉は4年ぐらい同じシステム、選手でやっていることもあって、コンビネーションもよく、前半はかなり相手が上回っていた。後半、私たちも前に行くチャンスをつくり出したが、3点目を取られてしまったことが大きかった。気持ちは入っていて、何とか2点を返し、もう少しで引き分けに持ち込めそうになったが…。敗戦に関しては、監督である私の責任だが、後半6~7回相手の選手が倒れ、そのたびに時間が経過したがロスタイムは4分しかなかった。(3選手同時の交代意図は)負けていたので、ホームゲームということもあり、追いついて逆転するために入れた。ジャーンは千葉FW巻の高さへの対策として入れた。川口、赤嶺は、もっと動いて、スピードを活かすということで2トップにした。ササは少し動きが止まっていたし、今日の栗澤はパスミスがあり、あまり良い状態ではなかったので交代させた」

 【千葉・オシム監督の会見要旨】「我々の選手たちが驚くほどのプレーをした。前半はレギュラーのうち4人がすごくいいプレーをした。FC東京という若く、アグレッシブで動きのあるサッカーをするチームを抑えることが出来ていた。だが、あのような攻撃を受け、我々が負けてもおかしくなかった。今日はFC東京には流れがなかった。その点が我々にとってラッキーな部分だった。選手の何人かは集中が切れていたり、うぬぼれていて、軽いプレーでボールを失ったりした。そういうことが続くと、普通だったら負けてもおかしくはない。ただ3点を取って勝てたということは、内容でも勝てたということだと思う。前半はいいプレーが出来ていたし、本当は後半もいいプレーが続いていたはず。だからこそ3対0までリードしたのだが、PKを取られて流れが変わった。そこで相手が試合をひっくり返そうとしてくるのは当然。あのようなプレーで2点目を取られ、東京がまた息を吹き返した。一瞬で全ては変わる。しかし、その後も我々がディフェンスに回ったわけではない。またリズムをつかみ、ゴール前でもう少し落ち着いてプレーできれば得点してもおかしくないチャンスを作った。東京は一か八かの攻撃をしてきた。控え選手を6人しか置かなかったのは、前日の練習試合で情けないプレーをしたため、ベンチに置くべき選手がいなかったため。中2日での連戦だが、彼らはプロフェッショナルな選手たちだ。どのみち毎日試合か練習をする。時には練習の方が激しいこともある。だから疲れているという言い訳は出来ない。スタジアムという場所は彼らが仕事をする場所なのだから」