GAME RESULT試合結果

第13節 2006/7/19(水)
観衆 12,142人 
天候 雨、無 気温 23.2度 湿度 96% 
主審:扇谷 健司 副審:柴田 正利/原田 秀昭 四審:今村 亮一

J1 第13節

博多球

HOME

アビスパ福岡

0-0

試合終了

前半0-0

後半0-0

AWAY

FC東京

アビスパ福岡 FC東京
得点者
84' 薮田 光教 → 飯尾 一慶
選手交代 69' 鈴木 規郎 → 伊野波 雅彦
69' 石川 直宏 → リチェーリ
79' 馬場 憂太 → 栗澤 僚一
12 シュート 7
8 CK 4
28 FK 30
30' 中村 北斗
43' 薮田 光教
50' 佐伯 直哉
86' 飯尾 一慶
警告 28' 増嶋 竜也
73' 梶山 陽平
退場
アビスパ福岡先発
GK 1 水谷 雄一
DF 22 中村 北斗
DF 4 金古 聖司
DF 5 千代反田 充
DF 3 アレックス
MF 10 久藤 清一
MF 8 ホベルト
MF 13 佐伯 直哉
MF 14 古賀 誠史
FW 9 薮田 光教
FW 19 バロン
アビスパ福岡控え
GK 16 神山 竜一
DF 15 吉村 光示
DF 17 川島 眞也
MF 6 布部 陽功
MF 26 城後 寿
FW 18 有光 亮太
FW 34 飯尾 一慶
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 5 増嶋 竜也
DF 3 ジャーン
DF 2 茂庭 照幸
MF 25 徳永 悠平
MF 6 今野 泰幸
MF 15 鈴木 規郎
MF 9 ルーカス
MF 23 梶山 陽平
FW 14 馬場 憂太
FW 18 石川 直宏
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 38 中澤 聡太
MF 19 伊野波 雅彦
MF 10 三浦 文丈
MF 27 栗澤 僚一
FW 20 川口 信男
FW 35 リチェーリ

【選手・監督コメント】

リーグ戦再開!勝利をもぎ取り勢いをつけたい


 J1リーグ第13節はアウェーでアビスパ福岡との対戦。5月6日第12節以来、ドイツW杯をはさみ、約2か月のインターバルを経ての再開となる。中断期間中、Jヴィレッジでのキャンプでは体力面の強化を図り、日本代表の土肥、茂庭が合流した御殿場では、試合形式のトレーニングを繰り返し行なっていた。清水、川崎との練習試合を行い「ボールを支配して優位に立ち、相手を崩していく」という狙いは変わらないが、相手のカウンターに対する守備が課題となり、それをいかに修正できているかが勝敗を左右しそうだ。

 対する福岡は、前半戦、勝ち点8で16位と波に乗れなかった。しかし中断期間に川勝良一新監督を迎え、チームのモチベーションは非常に高い。退団したFWグラウシオに変わり、新加入のFWバロンが先発。4-4-2のシステムで堅守からサイドを起点に展開していくサッカーは、これまでと同様。特に右MF久藤、左MF古賀に加え、サイドバックの中村、アレックスの攻撃参加は迫力がある。また、センターバックの千代反田、金古は、高さと前への強さがあり、簡単には決定的なチャンスを作らせてくれない。

 東京は、システムを3-5-2として、3バックには増嶋、ジャーン、茂庭が入り、鈴木、徳永を両サイドに置く布陣。特にサイドでの攻防で主導権を握り、相手を押し込めることが重要なポイントとなる。また、約10ヶ月ぶりに石川が先発に復帰。持ち味のキレ、スピードとも不安がなく、ガーロ監督は「ナオのスピードを活かしたい」ということでFWで起用。コンビを組む馬場のキープ力から前線でタメをつくる動きと、石川の裏のスペースへの飛び出しがうまくかみ合えば、相手DFにとっても脅威といえる。

 今後を占う意味で大変重要な戦いとなる福岡戦。この試合を入れて週2試合の4連戦となるため、どうしても勝利をもぎ取り、勢いをつけたいところ。小雨が降り続く中、7:04pmに福岡のキックオフで開始された。

押し気味に試合を進めるも、決定的チャンスを作れず


 東京が試合開始からペースをつかむ。4分、中央で馬場のキープから、右サイドの徳永を使いクロス。ゴール前で相手DFにあたり、こぼれをルーカスがシュート。しかし相手GKがキャッチ。6分には左サイドの鈴木から、ルーカス→馬場→石川と流れるようなパス回しで攻め込むも、フィニッシュまで持ち込めず。9分、茂庭の左FKから右の徳永へ。フォローにいった馬場にわたり、エリア右内からシュートするも相手GKにキャッチされる。

 福岡はFWとDFの間をコンパクトにして、厳しいプレスからカウンターを狙う戦い方を徹底させている。13分に中盤でボールを奪われ、右MF久藤から左サイドでフリーになったMF古賀へ。フリーでシュート体勢に入るが、ジャーンが渾身のスライディングでカットしてCKに逃れる。決定的な場面であった。東京も15分には、カウンターから茂庭→鈴木にわたり、馬場とのワンツーを絡めて左サイドを駆け上がり、クロスを送ろうとするが相手DFがカット。しかし、こぼれをつないで左エリアからルーカスがシュートを放つも、相手GKにはじかれる。

 20分を過ぎると、福岡が優位に試合を進める。左右2回のMF古賀のCKを皮切りにチャンスをつかむと、24分には右FKをMF久藤がゴール前にロングボールを送り、これをFWバロンがジャーンと競り合いながら落とすと、走りこんできたMF古賀がヘディングであわせるが、ヒットせず土肥がキャッチ。30分、カウンターからMF古賀が右サイドを独走。中央へのラストパスは茂庭がカットしてCKに。逆に32分に東京も速攻から右サイドを馬場が抜け出すも、ゴール前の石川への浮き球パスはオフサイドとなる。

 35分位から雨足が強くなってきた。ここまで東京はボールを繋ぎ、決して悪い内容でないものの、攻撃のリズムを掴み切ることが出来ない。37分に梶山がエリア外から思い切ってシュートするも、相手GKの正面。鈴木、徳永とサイドを駆け上がり、ラストパスを通そうとするも、福岡が身体を張って防ぎ、完全に崩しきれない。そのためシュートチャンスも、ほとんどがエリアの外からになってしまっている。前半終了間際に福岡に攻め込まれるも、DF陣が踏ん張りそのままスコアレスで終える。

悪コンディションの中での攻防は、引き分けに終わる


 後半に入ると、ところどころに水溜りができ、最悪のピッチコンディションとなった。ドリブル、パスと思い通りにいかず、お互い攻めの形ができない。東京は前半に、福岡の右サイド攻撃をフリーで許していたためにハーフタイムに修正。すると東京に攻撃のリズムが生まれ始める。49分に馬場→梶山のパス交換から、前線に抜け出した石川へラストパス。しかし、惜しくもオフサイドに。53分、右FKを梶山→鈴木が強烈なシュートでゴールを狙うが、相手DFにあたって左CKに。

 60分には中央をルーカスがドリブル突破をはかり、そのままミドルシュート。速いグラウンダーのボールはゴール左隅に向かうも、相手GKの好セーブで左CK。このCKから中央で石川がシュートを放つも、相手DFに阻まれる。62分、馬場がルーカスとのパス交換から中央でシュート。これも相手DFが身体を張ってカットする。

 69分、東京が動く。疲れのみえた石川、鈴木に代わりリチェーリ、伊野波を投入。70分にはカウンターから、伊野波が前線の馬場にロングフィード。一旦は相手DFに止められるも、そのこぼれをリチェーリが拾い抜け出すが、CKに逃げられる。福岡もセットプレーから徐々にチャンスを作る。72、73、76分のFKでは、MF古賀の鋭いキックがゴール前に入れられるも、集中した守備でゴールを割らせない。79分には流れを取り戻そうと馬場に代えて栗澤を投入し、ルーカスをFWに。

 83分、ルーカスのクリアボールを福岡DFがコントロールミス。これをリチェーリがさらい、ゴール前に突進。しかし直前で相手DFのスライディングに阻まれ右CK。梶山の蹴ったライナー性のボールは、ニアに飛び込んだルーカスがヘッドであわせるも、枠を捉えられず。ロスタイムになって、右サイドからのMF古賀のクロスをジャーンがクリア。しかしボールはクロスバーに当たり、ヒヤリとさせられる場面であったものの、結局両チーム無得点のまま終了。最後まで気を抜かずに戦った一進一退の攻防は、スコアレスドローとなった。 

 【選手コメント】《石川》「途中から雨が降ってきて、ピッチのコンディション等に気を遣わなければいけなくなった。開始15~20分はペースをつかんでいたが、そのうちに中盤が間延びして、自分も前にいくのか、後ろに戻ったほうがいいのか、はっきりしなくなった。パスがつなげなかったので、キープすることに気をつけ、3人目の動きで点を取りにいこうとした。だが選手間の距離が遠かった。辛抱してやり続けようと思ったが、ペースが掴めなかった。引き分けに終わって残念だが、個人としては復帰してピッチに立てたことはよかったと思う。今日も、遠いアウェーまで駆けつけてくれたサポーターがいたし、ケガの間に応援してくれた人々にも感謝している。点を取って、気持ちに応えたかったが…。ユウタのキープと自分がスペースに出て行って何本かチャンスはつくれたと思う。イメージは悪くない。走って、次は勝てるように頑張ります」《馬場》「久しぶりの出場となったが、足も大丈夫だったし、自分のコンディションはよかった。でもこの雨の状況では、サッカーにならなかった。そのため後半は、ドリブルしてもボールが止まるので、もっとパスをつなぐなど、考え方の切り替えが必要だった。(途中交代となったが?)ナオさんと『こういう状況なので仕方がない。次に切り替えよう』と話していた。負けなかったことはよかったと思う」

 【ガーロ監督の会見要旨】「両チームともに激しく競り合い、厳しい試合だった。前半20分ぐらいまでは、東京のペースだったが、それ以降は我々の左サイドでマークが付ききれず、崩されて攻められた。後半、左サイドに関しては修正しマークすることができたが、この雨で良い試合はできなかった。ディフェンス面を中心に、ポジショニングやマークを修正する必要はあるが、ただ最後まで、お互いに気持ちの入ったゲームはできたと思う。(FWに入った石川の評価は?)日ごとに良くなってきているが、ゲームを離れていた期間が長かったこともあり、精神的な面も含め、うまくいかないことはあったと思う。やはり試合と練習とは違う。FWというのは、最初から飛ばしていかなくてはならないし、ディフェンスもきっちりやってくれと話していた。そういう意味で、疲れが見えたので交代させた。しかしトレーニングもよくやっており、今後もどんどん良くなるはずだ」

 【福岡・川勝監督の会見要旨】「再開後、ホームで点を取り、勝つために就任した。ゴールは取れなかったが、チームに何度も言ってきた『ゴール前に入る人数を増やすこと、FKやCKも含め、チャンスを何度も作っていくこと』など、それができていた点はよかった。サッカーには慎重にいくべき場面と、大胆にいく場面があるが、今日はやや慎重になりすぎた。特にゴール前で慎重になったり、チャンスで空振りがあったりして、得点することができなかったことは残念。今日のような雨の中では、もっと大胆にいったほうがよかったと思う。全体的に前に攻めていけた。交代は1人だけだったが、交代の必要がないぐらい、長い距離を走りきって、前にいくことができていた。後半35分くらいから相手の足が止まってきたので、ゴール前をかく乱させようと飯尾を投入した。短い準備期間だったが、公式戦を終えての手応えはある。ただ、結果を求められる世界なので、修正すべきところは修正してこれから臨んでいきたい」