GAME RESULT試合結果

第29節 2006/10/28(土)
観衆 10,074人 
天候 曇、弱 気温 21.3度 湿度 51% 
主審:吉田 寿光 副審:唐木田 徹/二俣 敏明 四審:中原 美智雄

J1 第29節

駒場

HOME

大宮アルディージャ

0-1

試合終了

前半0-1

後半0-0

AWAY

FC東京

大宮アルディージャ FC東京
得点者 01' 今野 泰幸
45' 片岡 洋介 → 斉藤 雅人
62' 久永 辰徳 → 橋本 早十
77' 藤本 主税 → 森田 浩史
選手交代 50' 茂庭 照幸 → 三浦 文丈
73' 石川 直宏 → 鈴木 規郎
79' 藤山 竜仁 → 増嶋 竜也
14 シュート 10
6 CK 11
17 FK 14
45' 藤本 主税
82' 森田 浩史
警告 57' 戸田 光洋
89' 徳永 悠平
89' 増嶋 竜也
退場
大宮アルディージャ先発
GK 20 荒谷 弘樹
DF 22 波戸 康広
DF 4 トニーニョ
DF 17 土屋 征夫
DF 5 冨田 大介
MF 19 片岡 洋介
MF 32 小林 慶行
MF 16 久永 辰徳
MF 11 藤本 主税
FW 8 小林 大悟
FW 29 アリソン
大宮アルディージャ控え
GK 21 江角 浩司
DF 2 奥野 誠一郎
DF 18 西村 卓朗
MF 15 斉藤 雅人
MF 24 橋本 早十
FW 9 吉原 宏太
FW 14 森田 浩史
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 25 徳永 悠平
DF 19 伊野波 雅彦
DF 2 茂庭 照幸
DF 8 藤山 竜仁
MF 6 今野 泰幸
MF 16 宮沢 正史
MF 18 石川 直宏
MF 13 戸田 光洋
MF 14 馬場 憂太
FW 9 ルーカス
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 5 増嶋 竜也
DF 15 鈴木 規郎
MF 10 三浦 文丈
MF 20 川口 信男
FW 11 阿部 吉朗
FW 39 平山 相太

【選手・監督コメント】

大宮DFをかき回し、アウェーで連勝をめざす


 第29節は大宮アルディージャと対戦、アウェー駒場に乗り込む。前節G大阪戦で劇的な逆転勝利を果たし、勢いに乗って連勝をめざしたい一戦だ。だが今節は、梶山が警告累積のため出場停止。ジャーンも左膝の状態が思わしくなく、欠場することに。また週の前半は伊野波、梶山、平山をU-21日本代表の活動で欠き、25日(水)の中国戦では伊野波、平山がフル出場。チームに合流後、別メニューでの調整に務めていたが、コンディションが懸念されるところ。

 対する大宮は現在12位。第20節から2分けを挟んで連敗が続いていたが、前節千葉に勝利し、チーム状況は東京とよく似ているといえるだろう。4バックを中心にした堅守からカウンターを仕掛ける狙いは健在で、攻撃では8月末に加入したFWアリソンがチームにフィット。前節初ゴールを挙げるなど、調子は上向きだ。また特に警戒すべきはFW小林大で、彼を起点にすべての攻撃が始まるといっても過言ではない。このFW小林大には伊野波が、スピードのあるFWアリソンに対しては茂庭がマークする形で臨む。

 東京は平山に代えて馬場を先発メンバーに。攻撃では戸田、石川らが走って相手DFラインの裏を突き、チャンスをつくる狙いだ。終盤戦に向け、巻き返しを図るためにも重要な一戦。アウェーゲームではあるが、積極的なプレーで勝ち点3を奪いにいく。今野と組むボランチには、宮沢が9月30日新潟戦以来の先発に。増嶋も8月30日C大阪戦以来にベンチに控え、14時に大宮のキックオフで試合はスタートした。

今野の2試合連続弾で、早い時間に先制


 立ち上がりにゲームは動いた。開始1分と立たないうちに、相手陣内左サイドで突破を狙った戸田がファールを受け、FKを得る。1分、宮沢のキックに合わせて、今野が前線に飛び出し、フリーでヘディングシュート。これが見事に決まり、今野の2試合連続弾で先制点を奪った!

 8分には、大宮に東京陣内中央でFKを与える。大宮FW小林大のキックは土肥の正面に飛んだが、キャッチしきれず。右エリアにこぼれたボールにDF波戸が詰めてシュート。わずかにゴールを横切り、ゴールは免れた。ピンチをしのぐと、その後は宮沢を起点に、戸田、石川が相手DFの裏を突こうと走る。馬場も積極的にシュートを狙う。12分の馬場のミドルは、枠を捉えて勢いはあったが相手GKにパンチングで逃れられる。13分、右サイドを上がった今野のクロスから、戸田がニアに詰めるが、シュートはヒットせず。

 しかし、東京はリズムに乗りきることができず、時間の経過とともに、徐々に大宮がペースを握り、一進一退の展開に。20分には、大宮FWアリソンのシュート性のクロスにFW小林大が飛び込むが、土肥がしっかりとキャッチ。26分には、相手陣内で馬場がインターセプト。素早く速攻を仕掛け、ルーカスに。だがエリア右から放った決定的なシュートは、相手DFにあたり左CKに。馬場のCKから、ファーの伊野波がシュートするが外れた。36分には、大宮が東京ゴール前でつなぎ、左MF藤本が今野をかわしてシュートしたが土肥がセーブ。

 40分には、左サイドで戸田と馬場が粘ってマイボールにし、馬場が前線に浮き球のパス。飛び出した戸田の折り返しに、石川が走りこんでダイレクトで合わせたが、相手DFがブロック。43分には、大宮DF波戸の右クロスに、中央のFW小林大がフリーでヘッドを振り抜いたが、右に切れた。ともにチャンスをつくる中、追加点こそ奪えなかったが、守備では集中を切らさず、1点リードのまま後半へと折り返した。

大宮の猛攻を全員が集中して守りきり、完封で連勝!


 2点目を奪いにいった後半だが、46分には、藤山のミスでボールを奪われ、大宮右MF久永に決定的なシュートを放たれる。枠をわずかに外れて事なきを得たものの、50分には、茂庭が腿を傷めるアクシデントでピッチをアウト。三浦と交代し、今野を最終ラインに下げて、大宮FWアリソンのマークに付ける布陣を敷くことに。

 しっかりと守備を固めてカウンターを狙ったが、52分、相手陣内でボールを奪い、ルーカスが速攻を仕掛ける。大宮DFのこぼれから馬場が放ったシュートは左ポストを直撃…。57分には、前線に飛び出した戸田がネットを揺らすが、これはオフサイドに。引いて守る大宮DFに対して、東京は高い位置で奪って攻撃につなげたが、大宮も長いボールを使ってカウンターを仕掛けてきた。71分には、大宮の前線の小林大に出たスルーパスに対し、土肥が飛び出したが掴みきれず。ゴールがガラ空きになるが、藤山が粘って守りきる。

 お互いにカウンターの応酬となる中、大宮は77分に高さのあるFW森田を投入。3トップにしてパワープレーで猛攻を仕掛けてきた。これに対し東京は増嶋を投入。増嶋がFW森田を、今野がFWアリソンを、伊野波がFW小林大をマークする形で対抗した。それでも流れは大宮に。82分には、右クロスに合わせ、ファーのFW森田にどんぴしゃのヘッドを放たれる。これは、土肥が滞空時間の長いジャンプで阻止。左手でかき出した!

 終盤には東京のクリアをつながれ、途中出場の大宮MF橋本に次々とクロスを上げられることに。東京はDFラインを押し上げることができず、防戦一方の展開。緊迫した場面が続いたが、最後はルーカスも戻ってゴール前を固め、失点は許さずにタイムアップ! 開幕の大分戦以来となる完封勝利を果たした。ボールを支配して攻め切れなかった内容はともかく、全員が集中して東京らしい粘り強さで失点ゼロに抑えたことは、評価できるゲームといえるだろう。アウェーで価値ある勝ち点3を奪い、連勝した。

 【選手コメント】《今野》「(得点は)じっとしていると相手に付かれるので、動いてマークを外そうとした。そうしたらフリーになれたので、決めることができた。その後も相手のボランチに付かれていたので、相手の嫌がるところに走って、隙を突いて前に出て行こうとした。守りに入ると逆にやられてしまうし、攻めてもう1点取りたかったが、茂庭選手の交代でDFラインに下がった。それからは絶対に失点しないことだけを考えた。アリソン選手のマークに付けという指示を受けて、最初はドキドキしたが、マンマークがはまったと思う。猛攻は受けたが、外に流れてクロスを上げられるのは大丈夫だと思っていた。1発で裏に抜けられてシュートを打たれることだけには注意した。前の選手も頑張っていたし、みんな集中していた」《伊野波》「最後は大宮の3トップにDF3人がついて、ほぼマンツーマンの状態だった。自分は前半からFW小林大選手を見ていたので、そこで仕事をさせないことだけ意識していた。無失点で終われたことは評価できると思うが、つなぎの部分ではまだまだ。今日は勝てたが、今のサッカーではもう少し上のチームとあたった時に勝てないと思う。もっといいサッカーをしたい」

 【倉又監督の会見要旨】「1対0という結果については、私が就任してからはじめて無失点に抑えられたので、そこはよかったと思う。大宮は守備のブロックをつくってくるので、前半立ち上がりからその背後を突くことを狙った。それでFKを獲得して、決めた得点を守りきった。前半の途中から、大宮に中盤のこぼれ球を拾われていたので、後半はそこを意識させた。しっかり守ってカウンターという作戦をとったが2点目がとれず、最後はパワープレーをしのいで1点を守りきったという試合だった。今野を最終ラインに下げたのは、FWアリソンのスピードを警戒したため。大宮は、終盤に必ず高さのあるFW森田を投入してくると思っていたので、そこには増嶋を付けようと考えていた」

 【大宮・三浦監督の会見】「開始1分に失点し、原因がセットプレーからという非常に悪い形で試合に入ってしまった。この1週間、守備の練習を重ねてきたセットプレーで失点したので、選手も落胆し、最初の15分は非常に悪い内容だった。そこからはある程度持ち直して、チャンスを作りながらゲームを進められたと思う。ただ、我々の『4-4-2でしっかり守って、そこから攻撃』という形にはなりづらい状況ではあった。後半はこちらのペースになるだろうと思っていたが、失点を忘れて自分たちのやり方で戦っていかないと、逆に東京は守ってカウンターという形になる。そこで2点目を奪われればさらに苦しくなるので、そこには気をつけて試合を進めた。チャンスは十分あったと思うが、それを決められず、あるいは東京がよく守ったといえる試合だった。東京が先制して、東京の一番いい形であるカウンターで、石川、ルーカスといった選手に走られる展開になってしまった。ゲームの流れが思い通りに行かなかったのは事実。ただ、今日の流れで言うと決定機はあったし、得点して逆転できるゲームなのかなとは思っていた」