GAME RESULT試合結果

第30節 2006/11/11(土)
観衆 23,251人 
天候 雨、無 気温 14.8度 湿度 77% 
主審:奥谷 彰男 副審:安食 弘幸/江角 直樹 四審:長田 和久

J1 第30節

味スタ

HOME

FC東京

5-4

試合終了

前半1-3

後半4-1

AWAY

川崎フロンターレ

FC東京 川崎フロンターレ
14' ルーカス
51' 戸田 光洋
83' 平山 相太
89' 宮沢 正史
89' 今野 泰幸
得点者 07' 谷口 博之
17' 我那覇 和樹
42' ジュニーニョ
49' マギヌン
54' 石川 直宏 → 鈴木 規郎
62' 梶山 陽平 → 宮沢 正史
68' 戸田 光洋 → 平山 相太
選手交代 67' マギヌン → 佐原 秀樹
75' 我那覇 和樹 → 鄭 大世
89' 谷口 博之 → 井川 祐輔
23 シュート 9
9 CK 3
13 FK 18
55' ルーカス
76' 平山 相太
警告 33' ジュニーニョ
37' マルコン
51' 箕輪 義信
53' ジュニーニョ
63' マギヌン
84' マルコン
退場 53' ジュニーニョ
84' マルコン
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 25 徳永 悠平
DF 19 伊野波 雅彦
DF 5 増嶋 竜也
DF 8 藤山 竜仁
MF 6 今野 泰幸
MF 23 梶山 陽平
MF 18 石川 直宏
MF 13 戸田 光洋
MF 14 馬場 憂太
FW 9 ルーカス
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 15 鈴木 規郎
MF 10 三浦 文丈
MF 16 宮沢 正史
MF 20 川口 信男
FW 11 阿部 吉朗
FW 39 平山 相太
川崎フロンターレ先発
GK 1 吉原 慎也
DF 5 箕輪 義信
DF 13 寺田 周平
DF 2 伊藤 宏樹
MF 19 森 勇介
MF 14 中村 憲剛
MF 29 谷口 博之
MF 6 マルコン
MF 11 マギヌン
FW 9 我那覇 和樹
FW 10 ジュニーニョ
川崎フロンターレ控え
GK 21 相澤 貴志
DF 3 佐原 秀樹
DF 4 井川 祐輔
MF 15 原田 拓
MF 26 飛弾 暁
FW 16 鄭 大世
FW 24 黒津 勝

【選手・監督コメント】

ホームの利を活かして勝利をめざす


 天皇杯のため、2週間のインターバルをおいて開催されるリーグ第30節は、川崎フロンターレと対戦。ホームに迎え撃つ。5日の天皇杯では大量7得点を挙げて勝利し、リーグ第28節G大阪戦から公式戦に3連勝中。選手は一様に「J1ではそんなに簡単にいかないはず」と気を引き締めていたが、チームの調子は上向きだ。2002年以来果たせていないリーグ戦3連勝に向けて期待をかけたい。

 対する川崎は、現在3位。首位との勝ち点は4差しか離れておらず、優勝の可能性を残している。前からプレスをかけて、中盤のMF中村、谷口、マギヌンらが連係の取れたプレーで、素早くカウンターを仕掛けてくる。FWジュニーニョと我那覇の2トップの得点力も脅威で、手強い相手であることは間違いない。

 これに対して東京は、徹底的に相手DFの裏を狙う作戦で対抗する。特に川崎の両サイドのMFマルコン、森が上がったあとのスペースを使い、3バックDFの裏を狙ってチャンスをつくっていきたい。その意味でも、中盤の攻防は一つのみどころとなるはず。守備に追われずに主導権を握り、サイドを起点に馬場、ルーカスも前線に飛び出し、厚みのある攻撃を仕掛けたいところだ。

 ホームの利を活かして勝利をめざす一戦。メンバーは、天皇杯バンディオンセ神戸戦で出場機会のなかった土肥、戸田、石川が先発に。センターバックは増嶋と伊野波が務める布陣で臨む。あいにく朝からの雨で、肌寒い天候の中、試合は15時4分、川崎のキックオフでスタートした。

カウンターの応酬の中、ミスから2点のリードを許す


 序盤からカウンターの応酬で、激しい攻防が続いた。速いリズムで試合が進む中、7分には、東京の左サイドライン際でFKを与える。これを川崎MFマギヌンがゴール前に蹴ると、土肥が一度は片手でセーブするが、ボールはポストに当たり、再び土肥が掻き出したが、跳ね返りをMF谷口に詰められてゴールを割られる。

 しかし東京も13分、今野→ルーカスが右サイドのスペースにパスをとおす。徳永がゴールエリアまで攻め上がり、右CKを奪う。14分、馬場のキックは一度は川崎DFにクリアされたが、再び馬場がつないでクロスを上げた。これに対し、相手GKが飛び出してパンチング、浮いたボールにルーカスがヘディングで詰めてゴール! 早い時間に同点に追いつき、試合を振り出しに戻した。

 しかし、その後は自らのミスで失点を重ねることになってしまう。17分、川崎の左スローインの場面で集中を切らし、MF谷口に左エリア内の深い位置までドリブルでの進入を許す。するとマイナスのラストパスをFW我那覇に合わされ、難なく決められてしまった。東京もテンポよく攻め込むものの、前線で奪われては川崎のカウンターをくらうという展開に。30分を過ぎてもペースは落ちることなく、速い展開の攻防が続いた。

 42分には、今野がインターセプトして攻め上がるが、逆に囲まれて奪われ、川崎MFマギヌンに左サイドを駆け上がられる。速いクロスに合わせ、中央に走り込んだFWジュニーニョがジャンピングボレー。豪快なシュートがネットに突き刺さった…。それでも前半のシュート数は、川崎の8本に対し東京は10本。1得点に留まるも、反撃に期待のかかる内容で、後半へと折り返した。

3点差になるも、劇的な大逆転で激戦を制す


 後半立ち上がりの49分、東京のCKのボールが相手GKにわたり、前線に1本のロングパスを送られる。このボールが伊野波の頭上を越え、前線に抜け出したMFマギヌンのもとへ。藤山も追いかけたが、スピードで振り切られ、一瞬のうちにゴールを決められる。この場面でも、守備の甘さを露呈してしまい、3点のリードを許す展開となったが、それでも時間はあった。迎えた51分、左サイド深い位置からのFKを得ると、馬場がすぐさまリスタートしてゴール前に。これに反応した戸田が巧みに合わせてゴールイン! 戸田の今季初ゴールで反撃ののろしを上げる。

 すると53分には、川崎FWジュニーニョが2度目の警告を受け、退場に。これに対し、54分には石川に代えて鈴木を、62分には梶山に代えて宮沢を、そして68分には戸田に代えて平山と、たたみ掛けるように投入。徳永を前に上げ、藤山が3バックの中央に入る布陣で攻めに出た。そしてサイドから平山にボールを集め、今野、馬場、鈴木らが、次々とこぼれを拾ってチャンスをつくった。しかし中央を固め守備的となった川崎から、ゴールを奪えないまま時間は過ぎていく。

 粘り強さが実を結んだのは83分のことだった。今野の前線への浮き球のパスを相手GKが飛び出してクリア。浮いたボールを鈴木がヘッドでつなぎ、これを平山がヘディングで押し込んだ!1点差に追い上げ、反撃ムードが盛り上がる中、84分には、川崎MFマギヌンも2度目の警告で退場に。荒れた展開になったが、東京は動揺することなく、9人になった川崎に対して、怒涛の攻撃を仕掛けた。

 流れを完全につかんだものの、時間は6分間のロスタイムに突入。それでも決してあきらめることはなかった。89分、藤山の右クロスをゴール正面で平山と相手DFが競る。エリア内に落ち、相手DFに当たったこぼれから左の鈴木がシュート性のクロスをゴール前に。これをファーの宮沢がヘッドで叩き込み、ついに同点に!

 そしてロスタイムも5分が過ぎた頃、徳永からの横パスを受けた今野が、エリア手前で相手のプレスがないとみるや、右足を振り抜く!グラウンダーのボールは、相手DFの間をすり抜け、ゴール右下にイン!! 劇的な大逆転を果たして、直後にタイムアップ。総力戦で大逆転を果たし、激戦を制した。なお、この結果、リーグ戦3連勝で勝ち点を39に積み上げ、J1リーグ残留も確定した。

 【選手コメント】《今野》「今日の一番の勝因は、相手チームに退場者が出たことだと思う。前半は眠っていたような感じで、相手との1対1でも負けていて、振り返ると腹立たしい。ハーフタイムの雰囲気もよくなかった。東京は簡単に負けるようなチームではないと思っているので、自分もイライラしていた。もっとボールに激しく行こうと考えていた。ミドルシュートは打つべきか迷ったが、最近練習していたので、打ってみたら入った。その前にも1本、左足で打っていて、その時は川崎DFにブロックされた。相手も今度は打ってこないだろう…と思ったのではないか。スタンドがあれだけ盛り上げてくれて、空気は『同点じゃダメ、逆転しろ!』という感じだった。いまの東京は調子に乗らせたら強い。上位いじめというわけではなく、一戦一戦が勝負。何よりホームでは負けられないし、東京のプライドをかけて戦う」《平山》「ゴールはいいボールが来たので合わせるだけだった。うれしかったが、みんな『もう1点取りにいくぞ!』という雰囲気で、喜んでいる場合じゃなかった。出場にあたって『サイドからボールを入れるので、そこで自分の仕事をするように』と言われていた。ベンチで見ていた時は、自分たちのミスでやられている感じだったので、悲観はしていなかった。みんなで助け合い、勝ちたいという気持ちが強かった。自分は点を取ることが一番のアピールになると思うが、これからもチームに貢献できるように頑張りたい」

 【倉又監督の会見要旨】「あらためて、最後まであきらめなければこういうゲームが出来るんだなと実感した。前半は自分たちの狙いに近いサッカーをしていたが、セットプレーから2点、速攻から1点取られてしまった。川崎が速攻を仕掛けてくるので、簡単にボールを奪われないことを課題にしていたが、中央攻撃が多くなってボールを奪われる展開になった。後半は、前半の流れを崩さないようにということ、相手の速攻に気をつけることを意識して臨んだ。後半は徹底的にサイドを崩して、数的優位をつくれば、自分たちのサッカーが出来るはずだと指示した。それはある程度出来たと思う。ある程度ガマンする展開になったが、相手に退場が出て1人少なくなり、最後には逆転できたというゲームだった。(守備に関して)伊野波には、FWジュニーニョ選手にマンマークにつかせて仕事をさせないよう指示していた。ある程度はしっかり付き、よくやっていたと思う。増嶋には、FW我那覇選手を意識させ、あとは伊野波にカバーの指示をした。2人の連携はともかく、失点が多かったことに関しては修正をしていかなければいけない。とくに切り替えの場面で遅く、2点目のスローインの場面なども修正が必要」

 【川崎・関塚監督の会見要旨】「(レフェリングに対しては?)私がこの席で話をすべきではないので控えさせていただきたい。Jリーグの判定の基準の中で我々はトレーニングをやっているが、そこがあまりにもかけ離れていたら対処できない。自分でも何を指導していけばいいのか、非常に考えさせられた試合。選手は厳しいトレーニングに耐え、タイトル獲得に向けて本当によくやってくれたと思う。今は選手に、お疲れさま、すぐに帰ろうと言うしかなかった」